「アベノマスク使いません」…10万枚が返却
7/21(火) 7:21配信
日本政府が新型コロナウイルス感染防止策として全世帯に2枚ずつ配布した布マスクが使用されないまま自治体に送り返されたり、民間団体に寄付されたりするケースが増えている。アベノミクス(Abenomics・安倍首相の経済政策)になぞらえてアベノマスク(Abenomask)=写真=と呼ばれるこのマスクの製造と配布には合計466億円が投入されたが、総体的に失敗したと評されている。 毎日新聞は独自調査の結果、厚生労働省をはじめとする政府官庁や民間団体に返却されたり寄付されたりしたアベノマスクが10万枚近くになると20日、報じた。使用していないアベノマスクの寄付を募ってきた「連合北海道(日本労働組合総連合会北海道連合会)」には15日現在、約9万3000枚が寄せられている。全国から必要ないとして送られてきたものだ。担当者は「こんなに集まるとは思わなかった」と話す。 新型コロナウイルス関連政策を担当する厚生労働省にもアベノマスクの返送が相次いでいる。今月6日現在、711件が厚労省に届いた。再利用が難しく、事実上の廃棄の可能性も取りざたされている。東京都では港区に70件(140枚)、品川区に20-30件(40-60枚)が送り返された。アベノマスクの返送件数を集計していない自治体も多く、捨てられるマスクはこれよりも多いものと推定される。東京都内のある区の職員は「アベノマスクを勝手に置いていく人がいる。寄付できる施設を探している最中だ」と困惑している。 今年4月に始まったアベノマスク配布は、安倍内閣の新型コロナウイルス対策の中核事業だった。しかし、大人が使うには小さすぎて、不潔な感じがする不良品が多く、国民にそっぽを向かれた。 安倍内閣の閣僚の中でも、安倍首相を除きアベノマスクを使っている人はほとんどいない。安倍政権の中心人物である麻生太郎副総理や菅義偉官房長官も使用していない。次期首相の座を狙う河野太郎防衛相は自衛隊を連想させる手作りマスクを着用し、スポットライトを浴びている。このような状況が一般化するにつれ、アベノマスクという言葉は「安倍が一人だけ使うマスク」という意味でも使われるようになりつつある。
布マスク8千万枚、今後さらに配布 不要論噴出でも…9業者に発注済
7/27(月) 18:35配信
布マスクをつける安倍晋三首相=4月25日午後、首相官邸、林敏行撮影
政府が新型コロナウイルスの感染防止策として始めた布マスクの配布事業で、介護施設や保育所など向けの布マスクの発注と製造が続き、今後さらに約8千万枚を配る予定であることが厚生労働省などへの取材でわかった。全戸向けの配布は6月に終わり、すでに店頭でのマスク不足も解消されて久しい。配布はいつまで続くのだろうか。 【写真】厚労省が結んだ布マスクの契約書。納品後に隠れた欠陥が見つかっても、国は責任を追及しないとの記載があった 「忘れた頃に突然、という感じだった」。東海地方にある保育園には、4月に続いて6月にも、職員用の布マスクが届いた。園長(53)は「万が一の時のために備蓄しているが、今のところ出番はない。自分で使うなら、もう少し呼吸しやすい形のマスクを選びます」と困惑気味だ。 政府が配布を続けているのは、介護施設や保育所、幼稚園など向けの布マスク。総額約466億円の予算で始めた全戸向けの布マスク、通称「アベノマスク」の配布とともに、こちらは約504億円の予算で3月下旬から配り始めた。カビや虫などの混入が見つかって回収騒ぎになった妊婦向け布マスクもこれに含まれる。素材や形状もアベノマスクと同じだ。 政府の布マスク配布は、店頭のマスク不足が続いていた3月下旬、厚労省が緊急対応策として介護施設などに布マスクを配ると発表。4月1日には安倍晋三首相が、5千万余りの全戸へ2枚ずつ配ると政府の対策本部で表明した。 朝日新聞は、布マスクの配布事業で厚労省がこれまでに業者と結んだ全ての契約書計37通を入手。取材も踏まえて分析したところ、配布・発注済みの布マスクは計約2億8700万枚にのぼり、総額約507億円の費用がかかっていた。うち郵送やコールセンター、検品などの事務経費が約107億円を占める見通しという。いずれも入札をしないで業者に発注する随意契約だった。 このうち、全戸向けの布マスクは約1億3千万枚を総額約260億円かけて配布。介護施設など向けの布マスクは計約1億5700万枚、総額約247億円で、全戸向けの配布が完了した2日後の6月22日にも、伊藤忠商事など9業者に計約5800万枚を発注していた。契約書によると8月末までに納入される予定となっている。 厚労省によると、介護施設などには職員と利用者を対象に、保育所や幼稚園、放課後児童クラブなどには職員を対象に、1人あたり7枚ほどが行き渡るように配り続ける計画という。 まず1回目として4月中旬までに約2千万枚が配られ、6月下旬からは約4千万枚の配布が続いている。妊婦向けなどに配る枚数を除いても、まだ約8千万枚が残っており、厚労省の担当者は「配布時期は未定だが、なるべく早期に配りたい」としている。 だが、すでに店頭や通販でマスクが品薄な状態は解消されている。通販の価格比較サイト「在庫速報.com」の運営会社アスツール(東京)によると、使い捨てマスク1枚あたりの最低価格のピークは4月24、25日で1枚57円。その後は下落が続き、5月1日に39円、6月10日には10円まで下がったという。加藤雄一社長は「供給元の中国でコロナが収束した影響か、4月下旬ごろから供給量が増えたようだ。今はほぼコロナ流行前の水準に戻った感じだ」と話す。 厚労省の担当者は「必ずしもまだ十分マスクが行き渡っていると言い切れない状況の中で、布マスクを配ることで需要を抑制する効果は十分認められる」と説明。一方で、今後新たに布マスクを発注する予定は「現時点ではない」としている。
朝日新聞社
以上転載
何も言えなくて、夏。
Posted at 2020/07/27 22:48:59 | |
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