エレクトラ・グライド・イン・ブルー

’７３年公開のアメリカンニューシネマです。
邦題は『グライド・イン・ブルー』

監督はジェームズ・Ｗ・ガルシオ。
かつてのロックバンド『シカゴ』のプロデューサーだった人らしいです。
映画の中にもシカゴのメンバーがチラリチラリと出てきます。
（知らなかったけど）
今じゃすっかりシカゴもおじさんのＡＯＲバンドになってますが、かつてはロックバンドでした。

子供の頃に見た覚えがあって、映画タイトルも覚えてなくてそれを探すところから始まりました。

タイトルの『エレクトラ・グライド』はハーレーの当時高級グレード名です。
このエレクトラ・グライドを白バイにした田舎（アリゾナ）の警察官の物語。

主人公のジョンは白バイで交通取締りをしながらも、いつかは私服刑事になる事を夢見ている正義感の強い警察官。
ある事件でその洞察力が買われて刑事への道が開けるものの、憧れていた上司である刑事の誤捜査とそのやり方に幻滅してしまい、さらにその上司と幼馴染の彼女とのゴタゴタに巻き込まれて、また白バイ警官に戻ってきてしまいます。

シロウトと言っては申し訳ないかもしれませんが、バンドプロデューサーが監督をしたとは思えないくらい、ストーリーも映像もしっかりしており良い映画だと思います。
当時のアメリカン・ニューシネマって『なんだそりゃ！』という映画が多いですが、これは有名なイージーライダーなんかよりもちゃんとした映画だと思います。
最終的に何を言いたい映画だったのか？という部分については僕にはよく理解できなかったところもアメリカン・ニューシネマです（笑）

子供の頃からハーレーが好きだった僕は、画面の中をハーレーが走ってるだけで満足だったのですが、大人になってちゃんと見てみたらいい映画だったんだ！と気付きました（笑）


ちなみにイージーライダーみたいなフロントフォークの長いカッコ良いチョッパーなどは出てきません。


【追記】

余談ですが、これがストーリーにチラッと出てくるエレクトラ・グライド。

’７３年公開の映画だから、’７２年型か’７３年型でしょう。
純正のクロームパーツがフルオプションで付いてる上に若干カスタムされているので、もはや年式なんぞ分かりません。

この手のフルドレッサーでよく見掛ける『やっこカウル』はまだ出来ていません。

もちろん、Ｆフォークが長くなって細身のタンクに細いタイヤを履いたモデル『ローライダー』なんてのはあと５年くらい待たないと出てきません。『ワイド･グライド』なんてあと８年！（笑）
この当時のチョッパーは、みんなこの手のフルドレッサーをベースに贅肉をそぎ落として安いヨーロッパ製のバイクからタイヤやホイールを調達して、スリムに仕上げたハーレーなんです。

町のヒッピー達が作り上げた文化がチョッパーなんです。
のちにメーカーがマネをしてローライダーを出してきて、世界中で大ヒットしました。