前ブログの続きです。
これまで100以上のお城巡りをしましたが、有子山城跡は過去最強クラスの山城でした。
登山を前にし岩場直登&熊出没注意のデンジャラス情報にビビッてたじろきました。
有子山城跡の登山口です。
有子山城は1574年に標高321mの有子山山頂に築かれた東西約740m、南北約780mもある大城郭です。
「獅子の山城」とも呼ばれる。
有子山城跡の石碑。
背後に砂防ダム。
事細かく書かれた登山における注意事項を読むとより一層怖くなりました。
見よ! この山上部まで一直線に描かれた直登登山道を!
登山道って、なるべくなだらかに登れるようクネクネつづら折りの道ばかりと思ってましたが・・。
斜面を直登する登山道っていったい・・?(汗)
登山における注意事項では、自分の体力(体調)・装備・知識の1つでも欠けてると思ったら勇気をもって登山を中止しましょうとある。 (原文は「1つでもでも」とある。念押しか?)
このとき、まだ風邪ひきさんなので1日3回の風邪薬を服用中でした。 それにいつもの軽装です。
危険な野生動物はツキノワグマやイノシシなどに遭遇する場合があるそうです・・(汗)
熊鈴は持ってないなぁ。(これまでのお城巡りの何処かで熊鈴買っとけば良かったと後悔)
登山口でビビッてたじろき暫く立ち尽くしてましたが、覚悟を決めて登山を始めます。
このとき朝の8時20分。 矢印看板の下に熊出没注意の記載がさりげなく。
この「遊歩道」の看板がネット上ではツッコミ殺到でした。 (本丸まで980m)
遊歩道なんて穏やかな登山道ではないと。 この看板が指す方向に顔を向け見やると・・
いきなり何処を登れば良いか分かりにくい岩場の急斜面! これが遊歩道だとでも?
ここから健脚者向けの険しい登山が続きます・・。 ファイトー!
直線! 山の斜面を直登する登山道の光景に驚き唖然とする。
急勾配! 険し過ぎる登山道に早くもハァハァゼェゼェ息切れが始まります。
垂れ下がって落ちてるけど登山を助けるロープもありました。 まさしく命綱です。
キツイ・・ キツ過ぎる・・ 朝から何故こんなキツイことをしてるのかと自問自答。
「遊歩道」の看板。(苦笑)
本丸までまだ850mもある。
岩場ゴツゴツの直登。 足場が組んである箇所があります。 ロープを掴み、足を踏ん張り登る。
この「遊歩道」の看板を見るたびに力が抜ける。
こんな険しい山道が遊歩道だなんて登山者をあざけ笑ってるとしか。 本丸までまだ720m。
急斜面を登りなだらかな箇所に出たときのこと。 突然「キャー!」という甲高い鳴き声が響く!
目の前に2頭の鹿が! 瞬時に左右の谷に分かれ飛ぶように逃げて行きました。 驚いた~(大汗)
鹿が逃げて行った方向をとっさに撮影するもブレブレで鹿の姿は写らず。
いや~突然のことでとても驚きました。 そして野生動物との遭遇が怖くなってくる。
これまでのお城巡りで野生動物との遭遇をしたのは、前日の若桜鬼ヶ城での鹿が初めてでした。
それがここ有子山城でも。 2日連続で鹿との遭遇です。
前日もそうでしたが・・自身の僅か2日間の経験で語ると、鹿は人の気配を感じて逃げるのではなく、人の姿を見て初めて気付き驚いて逃げるのではないかと想像。 割と鈍感なのでは?
今起きた出来事で、さらに野生動物との遭遇が怖くなったので、人が近付いていること、自身の存在をアピールする必要性を感じました。 あいにく熊鈴もラジオも持ってない。 そこでスマホでYouTube動画を繰り返し再生し音を出して、自身の存在をアピールしながら登山をすることにしました。(今更ながら)
登山道の幅が急に狭くなってる箇所。 土橋を渡る。
左右の谷が深い竪堀になっています。
急勾配の直登登山はまだまだ続きます。 ロープをしっかり握って登る。
ファイトー!
ゴツゴツした岩場剥き出し、果てなく真っ直ぐ伸びる直登の登山道。
上のほうで石ころが転がったら物凄い勢いのローリング・ストーンになって襲い掛かられそうだ。
また力抜けする「遊歩道」の看板。 本丸まであと500mです。
ですが、キツかったのはここまででした。
もう山上部に近くなったようで、ここからは割となだらかな山道となりました。
山頂へ真っ直ぐ向けての直登ではなく、斜め横方向に進む山道に変わる。
すぐにまた看板。 ここが中間地点。 登山口から500m地点ということか。
「ここより先、なだらかな道です。 景色や、有子山城跡の歴史的遺構をお楽しみください。」
山肌と崖の間の山道を歩きます。 ここら辺りはもうなだらかなので「遊歩道」の表現は正しい。
ここまでの登山では誰とも出会わなかったんですが・・ (鹿とは遭遇しましたが)
ここで何やら修繕作業中のおじさんお二人と出会いました。 初めて人と出会ってホッとする。
ここで少しだけ会話をしています。 「あと300mほどだよ」と教えてもらう。
「私らは山頂まで車で来てからここに降りてきてる」と言われて、「えっ?!」と思った。
有子山城跡は山頂まで自動車で行けるルートがあるとの驚愕の事実を初めて知る。
ただし、かなりの悪路で一般の人は通れないようになってるとか。 なんだそうなのか。
あと、熊出没注意が怖いと告白すると「3月はまだ熊は出ない」とキッパリ。
(訪れてる日は3月8日) もっと暖かくならないと熊は出ないと聞いて安心する。
修繕作業中のおじさんお二人と別れて先に進みます。(下山のときにまた同じ場所で再会する)
井戸曲輪(水の手)という遺構がありました。 山肌に石垣があるのが見える。
7段の石垣からなり、城内の飲料水を確保していた。 この造りは全国的に非常に珍しいとのこと。
(どのようにして水を得るのか仕組みはさっぱり分からない)
歩き続けると山上に石垣がチラ見できました。
本丸まで240m、いよいよ近付いてきたか。
この場所から下段には曲輪らしき平坦なスペースが確認できました。
この奥にも段々状に曲輪が続くらしい。 次々と遺構が現れお城跡らしくなってくる。
くねくねS字のつづら折り坂道を上がります。
城郭に入るとさすがに真っ直ぐ直登!ではなく攻め込み難い作りになってます。
土嚢で補強された箇所の上に石垣。
くねくねつづら折りを登り切ったところから段々になってる曲輪が続くようになりまして。
第6曲輪から主郭(第1曲輪)まで段々状になってます。
石垣の角が90度超えの鈍角になってる「シノギ積み」なのだが、肝心の角っこを撮影しておらず。
第5曲輪の平坦なスペース。 一つ先の第4曲輪は石垣が無くて土塁の上にある。
第4曲輪に上るところで第3曲輪の立派な石垣が見える。
崩落防止の金網が施されてます。
左に行くと主郭(本丸)、右に行くと第4曲輪の先に千畳敷という場所に通ずる。
左に行って主郭を目指しますが・・
右の方向に目をやると・・!
軽自動車が!
第4曲輪に先ほど修繕作業中だったおじさんお二人が乗ってきたと思われる軽自動車があった。
山頂まで本当に車で来れるルートがあるのだと驚きました。
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みんカラらしく車が登場したところで、このブログはパート③(最終話)へと続きます・・。<(_ _)>