海外のものを国内(日本)で買うと、その国で買うより高くつくのと同じこと。
いや、すまない。比較的日本でも高額になるものを取り上げる。
ちゃんとわかってる。
ではいくらなのか?
海外のオーディオサイト、stereophileでそれを見つけた。
アキュフェーズDP-80LとDC-81Lについて。
13,000ドルとはっきり書いてある。まあ、これは向こうの定価だろう。税金のことはよく知らないが。
この製品は1988年のもので発売月は11月。
1ドルの為替レートは1988年の11月で123.203円、12月で123.607円。
ざっくり計算、1ドルが123.4円だとしよう。
(記事の初版は1989年1月とのことだが)
13,000(ドル)×123.4(円)で換算すると1,604,200円となる。
端数は切って160万円としよう。
で、国内販売の定価は73万円である。
当時は(ぎりぎり)消費税はなかった時代。
73万円と160万円、差額はおよそ2.2倍。
これはどこでどう上乗せされてるのやら、凄いなー。
一概に言えたことではないことは百も承知で、海外のオーディオ、値段だけで物の優越を色眼鏡で見るならば、こういうのも知っておかねば(笑)
エソテリックなんか向こうでいくらになってるんだろう?
それにしてもこのstereophileのレビューはなかなか面白い。昔の製品も沢山載ってるし、年季の入ってる人にも良いサイトだと思う。ソニーなど日本の製品も結構載ってる。
ソニーで有名なものとして、なんと
プレイステーションについても書いている!これは驚いた。確かに再生出来たが、基本的にそれゲーム機だよ(笑)
概ね、贅を凝らしたプレイヤーと比べるとローレンジだが聴きやすいとのこと。それより輸送にあたる逸話の方がインパクトがあった。折角個人のものを送ってもらったのに、届いたものが乱暴に扱われたのか破壊されてたとか。
でも音質だけではなくて、私個人としてはそういう機器にまつわる裏話みたいなのを評論家にもっと書いてほしいんだよね。開発秘話でもなんでもいいんだけど。ステレオサウンドだと傅信幸さんがそういう系。設計者の人の成りを伝えてくれるのは大事。閑話休題。
我が愛機
クラッセOMEGAについても載っていた。結構良いことが書いてあった。と、見てしまうのはユーザー目線(笑)
世界で一番美しいデザインと思える
オラクルのプレイヤーも載っているので海外から見てどう見えるのか知れたのも収穫。
そう言えばクラッセもオラクルもカナダのメーカーだった。
興味深いのはいくつか日本オーディオ(アキュフェーズやラックスマンのアンプなど)のレビューで「どうして日本のハイエンドオーディオ機器はこんなにも高額なんだ?」と言っていることだ。本気じゃないだろうが。私は「お宅の国のハイエンドオーディオに類するものだって日本じゃ結構な額なのを知らないのかベイビー」と返してやりたい。
しかし良いことも言っている。
「日本でこんな額になるものが生まれるときは、日本人がそれに夢中になっているときだ」と。わかる。
因みにdCSのスカルラッティは79,996ドル売り。
やはり高いものはある程度高いが、これは日本での定価と比べるとそうでもない。dCSは元から高額ということだ(苦笑)
そしてクラッセOMEGAは向こうの定価が12,000ドルだ。2000年くらいの為替レートは105~108円くらい。つまり130万円くらいからの上乗せで日本発売価格になる。あー、それで235万の価格を200万に下げても商売やっていけてたわけだ。
ま、こんなこと悔やんでたら買うものも買えなくなるんだが。
原価厨でもないし。
リンのクライマックスコントロールとソロの記事もあったから知れたのだが、リンジャパンはその辺を頑張ってくれているようで、発売時期の為替レートから一割増しくらいで価格設定していることが多く、そこまでふっかけてくることはしていない感じ。優しく良い企業。
ということで、金額のこともそうだが、日本のオーディオの音がどう思われてるのか(stereophileを読んだだけだが)一部でも知れて良かった。大きな筐体を相撲取りに例えたりしてるのもユニークだ(笑)
当然のことだが、製品についてくるはずのマニュアルやリモコン、アイドリングに入るまでの時間、アイドリングに入る時の状態、接続のし易さ(し難さ)、付属品、製品取扱店舗数など、本体の音質以外もちゃんと言及しているのはとても良いことだ。日本のオーディオ評論家(私含め、あーだこーだ言う人も)も見倣わなければ。チェック項目がちゃんとしているんだろう。
アイドリング云々に関してはリンのクライマックスソロで確かに現象として見られることだ。ええ、アイドリング状態からの冒頭は音が出ないから、アンプが目覚めたらプレイボタンを2回押し直してますとも。鳴らせばすぐわかることだけど、ちゃんと記事にしてるのが良い。
表現は日本のレビューではあまり見られないものもあり、例えば「音楽が団子になって聴こえる」という類いのものを「音楽が便秘になっている」としていたり、色々だ。これもまた面白い。上品に鳴らず下卑ていて、音楽が健康的ではないことも、音がくっついて解像度が低いことも、聴いていて具合が悪く苦しいことも(!?)表現しているのではなかろうか(笑)
Posted at 2021/01/20 06:00:19 | |
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