『　和也　』

今日、仕事中に、携帯が鳴った。
自分用の携帯では無く、仕事用の携帯だ。

見覚えの無い番号だが、仕事用の携帯の為、
色んな人から掛かってくる事もある為、
忙しかったが、電話に出た。

「もしもし、TAK♪ですけど・・。」
『もしもし、和也？・・』

声の感じからすると４０～５０歳位の女性のようだ。

「いや、違いますけど・・。」
『和也でしょ？』
「いや、だから・・。TAK♪・・ですけど・・。」
『又～、和也ったら、冗談ばっかり♪』

和也君は、どうやら冗談が好きな人らしい。

「いやいや、だ・か・ら、TAK♪ですけどっ！」
『もー、和也は、いつもそーやってお母さんを、からかうんだから♪』

このオバさんは、和也君のお母さんで、和也君はお母さんを、からかうのが好きらしい。

「あのー・・、私はあなたの息子さんの和也君じゃありませんし、お掛け間違いじゃ無いですか？」
『何で？和也でしょ！　だって、和也の声だもん。』

どうやら、このオバはんの息子の和也君と私の声は、非常に似ているらしい。

「いやいや、似てるかどうか知りませんけど、私は和也君じゃないですから！」
「仕事中で忙しいんで、切りますよ。」
『えっ？和也の職場の先輩ですか？　何で、和也の携帯に？』

困った事に、このババアは、人の話を全く聞かない生き物らしい。

「いや、あの、だから・・。さっきから何度も言ってますが、この電話は和也君の携帯じゃ無いですよ！」
「番号間違えてるんだと思いますよ！」
『えっ？！　間違い？』
「はい、番号間違いです！　マ・チ・ガ・イ！」
『あらら～、やだ、も～、間違い・・、オホホ。ゴメンなさいネ～♪』

ようやく事態が飲み込めたようで、電話を切ってくれ、
このクソババアから開放された。（*￣∀￣）ﾏｯﾀｸ! ｺﾉ､ｲｿｶﾞｼｲﾄｷﾆ!


その１０秒後、再び電話が鳴った・・・。


『もしもし、和也？・・・・・。』

(￣□￣;)　オイッ！！