息子がオヤジを超えた時

先日の出来事です
遅い夕食を採っているとSPARCOのバッグを抱えて長男yutaが帰宅・・・

　ｙ：ただいま

　父：お帰り・・・（モグモグ）・・・ALT走ったのか？（モグモグ）・・・

　ｙ：うん・・・28秒台に入れた・・・

　父：ブハッ！（噴出）・・・遂にやったか！よく頑張ったな・・・よかったよかった

　ｙ：うん・・・（照れ笑い）

何かいつもと様子が違います・・・

いつもならば

　「オレがタイムを出してやったぜ・・・オレに感謝しろよ～（笑）」

などと、yutaのビッグマウスが火を噴くのですが・・・

走り始めて約7年・・・

左手のハンデに文句一つ言わず、走っては車を壊し、直してはまた走り、少しづつタイムを上げ・・・

最近はyutaが組んだエンジンが鈴鹿でブローしてしまい
それを根性で直しましたが、また鈴鹿を走ってブロー・・・

中古ノーマルエンジンに載せ替えて
溝のないA052を着けた戦闘能力の低い状態になってしまったので
今シーズンは28秒台は無理かもしれん・・・と思っていましたが・・・

居合わせたATファイターの助言を頂きながら
非力なエンジンで、余命いくばくもない溝なしタイヤのグリップをいかに引き出すか？
を、懸命に考えてトライ・・・
もうダメかと思ったタイムアップ1分前のラストラップで出したそうです・・・

親バカかもしれませんが、本当によく出したものだと思います

ちょうど1年前、yutaが29秒台に入ったことを機に、私は志半ばにして降りてしまい
「オヤジを抜く」と言っていたyutaとの真っ向勝負ができなくなったことや
（yutaが）私を抜き去る瞬間を見ることができなくなったことに少なからぬ心残りがあり
また　「オヤジの（28秒台の）夢」を心ひそかにyutaに託してもいました

ありがとう、オヤジが成し得なかった夢（タイム）をyutaが叶えてくれた
私はそう言いたかったのですが、yutaの顔がそう言っていたので、言えませんでした

私がyutaに教えるものは、もう何もありません
走りについても、メカについても、何一つ無いほどにyutaは成長し、私を超えました
yutaもそれを意識していたのか、ビッグマウスがなかったのかもしれません

これからyutaは次の目標に向けて飛び立ってゆきます
私はそれを見守り、時には助けて、願わくば私の手の届かない大空を羽ばたいて欲しい・・・

そんな事をぼんやりと考えながら続けた夕食は、とても美味いものになりました