最後の問題は新しい「21インチホイール」の選定です。 というか、もうバレバレですかね?w ALPINA Classic Forged CS20 ※ アルピナB8 グランクーペ用 前8.5J×21(ET28)+後10J×21(ET44) (B3/D3用は同じホイールの20インチ版。B4/D4はデザインが異なります。) 現在使っている「CS17」と同様、今回もドイツから個人輸入しました。 アルピナらしいっちゃあアルピナらしいホイールキャップ方式のタイプです。 ただ、その肝心のホイールキャップのセットがなんと本国在庫切れ。 (補修用以外は鍵付きの4個セットが基本なんです。) ホイールキャップ無しで乗りたくないし(笑)、入荷を待っていたらスケジュールが大幅に狂ってしまうので、現アルピナオーナーのこの方にご協力いただき、ニコルからホイールキャップのみ個別調達しました。 それにしても、お高いですなあ。 しかも、昔と違って、完全にぷらっちっく製。 これってコストダウンじゃ… いや軽量化に違いない! そうに決まってる! (この大きさで1個あたり約170gというのは確かに軽いと思う。) そして… ドイツ発のホイールと横浜発のホイールキャップが同じ日に届くという偶然。 ちょうどうまい具合に揃ったので、さっそく単体重量を測定しました。 対戦相手は全部20インチなのに、純正どころか「BBS LM」よりも軽いぞ。 鍛造1ピースとは言え、本当に最少限の重量増に抑えてますね。 21インチ化で数百グラム増えるタイヤ分を考慮したとしても、バネ下重量は「ノーマル20インチ+RFT」の状態より軽いまま、ということになります。 これなら番外編でも書いた通り、ノーマルサスで十分カバーできるはず。 (もちろん、決して「軽さは正義ではない」ですけどね。) 最後に… ノーマルサス戻し、タイヤ径アップ、ALPINA CS20装着を終えた 「アフター」の雰囲気を、縮尺も考慮しながら忠実にシミュレーション。 見映えはさておき、車高が上がるとこんなに高く見えてしまうのか… 10mmちょっとアップしてM8クーペと同じになっただけなのに。 (縮尺は合っているはず…) ちょっと心配になってきたけど、もう突き進むしかないですね。 次はいよいよ作業編!! …なのですが、実はいろいろあって面倒なことになってます😅 【関連ブログ】 ノーマルサス戻し その1 【検討編】 → こちら ノーマルサス戻し×禁断のインチアップ その2 【検討の続き】 → こちら ノーマルサス戻し×禁断のインチアップ その3 【ホイール編】 ← いまココ ノーマルサス戻し×禁断のインチアップ その4 【作業編①】 → こちら ノーマルサス戻し×禁断のインチアップ その5 【作業編②】 → こちら ノーマルサス戻し×禁断のインチアップ その6 【まとめ】 → こちら 禁断のインチアップ 番外編 【大径化のメリット/デメリット】 → こちら |
(一般的なインチアップではなく、「大径化」のお話です。ご注意ください。) 一般的に「インチアップ」というと、外径はそのままに偏平率の低いタイヤに変えてホイールをインチアップするのが「定石」です。 というか、それが「キホン中のキホン」ですよね。 今回僕はその禁忌を破って、(保安基準の範囲内で)タイヤ径を大きくします。 【フロント】 純正 245/35ZR20 95Y XL (外径 679mm) → 245/35ZR21 96Y XL (外径 705mm) ※ 純正比 外径 +26mm / LI +1 【リア】 純正 275/30ZR20 97Y XL (外径 673mm) 現在 285/30ZR20 99Y XL (外径 679mm) → 285/30ZR21 100Y XL (外径 704mm) ※ 純正比 外径 +31mm / LI +3 上記の通り、外径は大きくしますが、タイヤ幅と偏平率は変えません。 (正確にはリアは純正より10mm太くなりますが、僕はALPINA CS17ホイールへ履き替えた際に、フロント径に揃えて285/30R20へ変更済みです。) つまり、サイドウォールの厚さは変わらないので(むしろリアは純正より厚い)、同じ銘柄ならタイヤ自体の衝撃吸収能力は同等と考えることができます。 その上で、さらにメリット、デメリットについて考えてみます。 メリット① 耐ハーシュネス性能の向上 タイヤを大きくすると、走行時のエンベロープ特性が上がり、耐ハーシュネス性能は向上する方向になります。 はてさて、いったい、どういうことでしょうか? 下図はかなりオーバーにデフォルメしていますが、道路には無数の細かい凹凸や段差が、しかも連続して存在しています。 そのデコボコを通過する時、外径が大きい方が上下運動は穏やかになり(段差の高さ=変動量は同じでも加速度=衝撃が小さくなる)、一度に乗り越えることができる距離も長くなります。 また、エアボリュームが増えるのと、タイヤの形状変化も鋭くなくなるので、エンベロープ(=突起を包み込むように撓む)性能が有効に働いて、衝撃や振動をより吸収しやすくなるわけです。 これはデコボコ道だけでなく、ジョイント通過時などにも効果があります。 もう少し分かりやすい例を挙げると… 車輪の小さな子供用の自転車と大人用の自転車で同じ段差を乗り越えたとき、あるいはBMXとマウンテンバイク(サス無しフルリジッド)でトレイルロードを走破するとき、どちらが乗員に伝わるショックが大きいでしょうか。 当然、前者の方がガタガタ揺れて、衝撃もドンっ!と大きいですよね? 他にも身近な例としては、キャリーケースのキャスター(車輪)があります。 小さなキャスターの付いた物より、大きなキャスターがついたキャリーケースやスーツケースの方が振動も少なく、快適に転がせるのはご存じかと。 (実際に、キャスターの大きさを「売り」にしている商品や、大径キャスターに交換するカスタマイズもありますね。) ちょっと乱暴な例えでしたが、タイヤ径を拡大する効果も結局は同じです。 今回のレベルでどこまで差が出るかは実際に試してみないと分かりませんが、少なくともエンベロープ性能が悪くなることは絶対にありません。 メリット② グリップ力の向上 同じ銘柄でタイヤのグリップを上げたいとき一般的には幅を太くします。 これは言うまでもなく、接地面積を上げる(=接地面における単位面積当たりの負荷圧力を下げる)のが目的です。 タイヤ径を大きくした場合も接地面(上図の黄線で示した箇所)は前後方向に拡大しますので、これも接地面積アップ=グリップ向上に繋がります。 (厳密には横方向のグリップと縦方向のグリップという差はありますが。) メリット③ 空気圧を下げることが可能 (かもしれない) タイヤの外径を大きくしたり、幅を太くしたり、偏平率を高くしたりすると、ロードインデックス(LI:最大負荷能力指数)が上がります。 今回の変更では前輪が1ポイント、後輪は3ポイントのアップです。 G15 M850i標準20インチの指定空気圧は前後とも270kPaですが、LIの増加分だけ空気圧を下げることができます。 一般的にETRTO XL (エクストラ・ロード)規格のタイヤの場合、LI=1ポイントあたり10kPaなので下記のような計算になります。 前 270kPa→260kPa / 後 270kPa→240kPa 当然ながら限度はあるものの、空気圧を下げればクッション性が上がって乗り心地も良くなりますよね。 ただし、これはあくまでも「耐荷重」のみに着目した指標なので、『そこまで下げても車重を支える能力は同等に維持できますよ』というだけで、走行性能やフィーリングはまた別の話。 LIが下がるときは空気圧を上げますが、LIが上がるときはそのままが無難。 今回も実際に乗りながら調整していきますが、高速走行もかなり多いですし、おそらく270kPaのままか、下げても5kPa程度に留めておくつもりです。 メリット④ 燃費の向上 (の可能性) タイヤ1回転当たりの移動距離が増えるので、理論上は燃費が向上します。 ただ、②のグリップ向上の裏返しで転がり抵抗は増大しますし、バネ下重量も増える方向なので、おそらく相殺されてほとんど変化ないと思いますけどね。 メリット⑤ 「見た目」性能の向上(笑) これこそが「ノーマルサス」と「見た目」の両立を狙う今回の目的です。 タイヤが大きくなるとフェンダーとの隙間が詰まり、ローダウンしたのと同じような「見た目」になります。 また、大きなタイヤを履いたクルマは雰囲気にも安定感がありますよね。 以上、主なメリットはこんな感じでしょうか。 最近の新しいモデルはホイールだけでなく、タイヤ径そのものが大きくなっていますが、これは実際に上記のようなメリットが存在するからです。 (前回のブログに書いた「最近の設計理論やトレンド」云々の話がこれ。) もちろん、世の中いいことばかりではありません。 元々の設計から外れるわけですから、デメリットもありますよ。 デメリット① バネ下重量増加 (ただしセットアップ次第) これは選ぶホイールに依存するところが大きいでしょうね。 やはり鋳造製でインチアップすると、かなり重量は増えてしまいます。 ただ、僕の場合は21インチ化後も鍛造ホイールを使う予定なので、少なくとも純正20インチ鋳造ホイールの状態を超えることはないと思います。 バネ下の重量が純正以下、かつタイヤハイト(偏平率)が同じなら、当然ノーマルサスのキャパシティで十分対応できると考えていいはずです。 ちなみにタイヤも単体重量は増えますが、せいぜい数百グラムです(確認済み)。 デメリット② 加速性能の低下 前述の燃費の話の裏返しで、タイヤ径が大きくなるとハイギヤード化したのと同じ状態になるので、確実に加速性能は低下します。 軽自動車なんかだと、もう誰でも分かってしまうレベル。 ただ、M850iは元々パワーがありますし、僕はサブコンも導入しているので、何とか許容できるレベルに収まるのではないかと楽観的に考えています。 デメリット③ スピードメーターに誤差が発生 一般的には、これこそが最も注意しないといけないポイントでしょう。 前回のブログの通り、タイヤ径を変更するとスピードメーターが狂います。 とにかく保安基準(車検合格)の範囲内に収まっていないのはダメです。 (今回はギリギリ大丈夫そう、というのは前回説明した通り。) また仮に収まっていたとしても、スピードメーターと実際の速度に乖離があることは常に意識しながら運転しないといけませんね。 デメリット④ タイヤハウス干渉の可能性 シャコタンの求道者でもない限り外径を小さくする人はいないと思いますが、大きくするとインナーフェンダーやナックルに当たる可能性があります。 なので、大きくしたとしても10mmぐらいに留めておく方が無難でしょう。 ツライチにするならなおさらです。 (トレッドを拡げると転舵時に当たる確率がさらに上がりますので。) 今回僕は異例のサイズに挑戦しますが、それもこれも前回のブログの通り、海外の情報も含めて調べまくって、同じサイズ(外径)で「No poke, No rubbing (ハミタイなし、コスリなし)」が確認できたからに他なりません。 実はそれでもまだドキドキしています。 デメリット⑤ ロードノイズ増大の可能性 外径を大きくするとタイヤとインナーフェンダーが近くなる(タイヤハウス内の空隙が減る)ので、ロードノイズが減衰しにくくなります。 僕のG15にはフォーカルの「調音施工」を施工済みとは言え、本格的なデッドニングとは異なりますので効果は限られます。 もちろん全ては「反響×共鳴×減衰」の兼ね合いで、空間体積や固有振動数など個別の要素もあるので一概にこうとは言えないですけどね。 M8やアルピナB8のレビューを見ていると、ロードノイズを指摘している記事も少なくないですし、これが目下のところイチバンの心配だったりします。 デメリット⑥ 重心高アップによるロール特性の変化 タイヤ径を大きくすると車高が上がり、同時に重心位置も上がります。 でもまあ、僕はサーキットをゴリゴリ走らせるつもりもないし、ハイリフト化したSUVのようにガッツリではなく、10mmちょっと上がるだけなので大きな影響は出ないのではないかと。 デメリット⑦ ダウンフォース低下の可能性 これも⑥と同じ理由で車高が上がる(地上高が増える)ことによって、フロア下のベンチュリ効果が弱まる可能性があるということ。 ただ、今回は10mm強ですからね。こちらもほとんど影響はないでしょう。 それこそ、アルピナB8なんて25mmも車高が上がってるけどフロア下の設計はほとんど同じだし。(もちろん前後のスポイラーは専用だけど…) …と、思いついたメリット/デメリットをつらつら書いてみました。 いつもながら長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。 【関連ブログ】 ノーマルサス戻し その1 【検討編】 → こちら ノーマルサス戻し×禁断のインチアップ その2 【検討の続き】 → こちら ノーマルサス戻し×禁断のインチアップ その3 【ホイール編】 → こちら ノーマルサス戻し×禁断のインチアップ その4 【作業編①】 → こちら ノーマルサス戻し×禁断のインチアップ その5 【作業編②】 → こちら ノーマルサス戻し×禁断のインチアップ その6 【まとめ】 → こちら 禁断のインチアップ番外編 【大径化のメリット/デメリット】 ← いまココ |
具体的には偏平率を変えずにインチアップ、つまり「タイヤの大径化」です。 ※ よい子の皆さんは絶対に真似しないでくださいね。 【フロント】 純正 245/35ZR20 95Y XL (外径 679mm) → 245/35ZR21 96Y XL (外径 705mm) ※ 純正比 外径 +26mm 【リア】 純正 275/30ZR20 97Y XL (外径 673mm) → 285/30ZR21 100Y XL (外径 704mm) ※ 純正比 外径 +31mm タイヤを大きくしてフェンダーとの隙間を詰めることで、車高を15mmぐらいダウンさせたのと同じような「見た目」にするわけです。 【参考】各社スプリング ダウン量の比較 HAS: 前15mm/後20mm ※トシ棒号の設定値(可変) ACS: 前15mm/後15mm 3DD: 前20mm/後20mm H&R: 前30mm/後20mm もちろんタイヤ径を大きくすると全高も上がってしまいます。 タイヤ接地面の潰れもあるので理論上はホイールインチアップの半分12.7mmと考えて、全高はノーマル比で13mm(現状比なら約30mm)高くなる計算。 ただ、G15の全高は元々1345mmとかなり低めなので、それがF92 M8クーペの全高1360mmに並ぶだけですね。(M8タイヤ径 前701mm/後708mm) ラージサイズの2ドアクーペとしてはまだ十分に低い方かと思います。 あ、そうだ! 外径変更にチャレンジする際に必ず確認しないといけないことがありました。 (1) 速度計の誤差 (保安基準をクリアするため) (2) タイヤハウス内部やサスペンションとの干渉 (特に転舵する前輪側) (1) 速度計の誤差について まず大前提として、車検におけるスピードメーター検査(40km/h)の合格ラインは実速度30.9km/h~42.55km/hと決められています。 一方、今回のセットアップでは、後輪で考えるとノーマル径からの速度誤差は約4.6%のプラスなので、40km/h表示時の計算速度は約41.8km/hです。 つまり、合格基準ギリギリですが、BMWの速度計は元々マイナス2~4%程度のマージンがあるため実際にはさらに低い実速度(40~41km/h)になるはずで、車検(=保安基準)上は問題ないレベルと考えていいと思います。 いざとなったら保管してあるノーマルタイヤに戻しますので… ちなみに、担当ディーラーにはすでに説明済みで「OK」もらってます。 (2) 車体側との干渉について 実は、このタイヤサイズ、アルピナB8 グランクーペと全く同じなんです。 アルピナB8のサスペンションは、スプリングやベアリング(アッパーマウント)は専用部品ですが、いちばん当たりがちなナックルやインナーフェンダーなどはG15/G16と共通なので干渉の心配はないと考えていいでしょう。 (せっかくなのでグランクーペ同士の比較画像も載せておきます。) (ね、M8とかB8の方がホイールハウスの隙間が詰まってるでしょ?) …ということで、おそらく装着可能なんですが、念のためさらに調査。 海外を見てみると、舗装状態の悪い北米の8シリオーナーの中には、パンク防止と見た目向上を兼ねて、20インチのまま偏平率を40/35(=外径705mm前後)に上げている人が何人もいるので、ここでも「実績あり」と判断できます。 そんな海外のメンバーも言ってましたが、最近の設計理論やデザイントレンドからすると、そもそも現行8シリーズって、ボディサイズを含めた車格に対してタイヤ径のバランスが良くないんですよね。 むしろM8やアルピナB8のサイズ(外径705mm前後)が適正ではないかと。 G15デビュー前にお披露目された「コンセプト8シリーズ」も21インチでした。 (正確には255/35R21+295/30R21で、さらにもう一回り大きなサイズ。) やっぱり、タイヤが大きいと安定感が増してカッコ良く見えるなあ。 兎にも角にも、ひとまずこれで事前検討は完了。 あとは新しい21インチホイールをどうするか、ですね。 【2023/07/23 10:30追記】 と、次回は「ホイール」の話を書く予定でしたが、特性変化に関するコメントをいただきましたので、次回のブログでは順番を繰り上げて、先に外径アップのメリット/デメリットについて書きたいと思います。 【関連ブログ】 ノーマルサス戻し その1 【検討編】 → こちら ノーマルサス戻し×禁断のインチアップ その2 【検討の続き】 ← いまココ ノーマルサス戻し×禁断のインチアップ その3 【ホイール編】 → こちら ノーマルサス戻し×禁断のインチアップ その4 【作業編①】 → こちら ノーマルサス戻し×禁断のインチアップ その5 【作業編②】 → こちら ノーマルサス戻し×禁断のインチアップ その6 【まとめ】 → こちら 禁断のインチアップ 番外編 【大径化のメリット/デメリット】 → こちら |
まだ先の長い話なので、何回かに分けて記事化していこうと思います。 んで、今日はいつもの「能書き」から(笑) G15 M850iの脚回りは二律背反する性能が共存する秀逸なセッティングです。 前車F32 アルピナB4もたしかに素晴らしい乗り心地でしたが、高速域(ただしかなり上の速度)になると僕の乗り方では車高調が必須でした。 G15 M850iはアルピナB4以上に乗り心地が良くて、しかも、そのまま全速度域「バビューン」といけてしまいます。 これまで僕はほぼ全てのクルマに車高調を入れてきましたが、M850iは初めて『これなら車高調は不要だな』と思えたモデルでした。 (もちろん「見た目」問題を除いた場合の話ですよ。) 低~中速度域ではヌルヌル、ヌメヌメとフリクションを感じさせない重厚かつしっとりとした乗り心地。 (ただし、P-Zero (PZ4) RF装着車はゴロゴロ、コツコツ来ますね。同じ純正のランフラットでもPS3 ZPなら大丈夫。デビュー当時のマスコミ向け広報車両はほぼ全車PS3 ZPでした。) そして、ADAPTIVEモードのまま、あるいはSPORTモードに変えて速度を上げていくと、上下動はビシッと引き締まり、高速道路での安定性も抜群です。 高速コーナーやワインディングに入れば、今度は絶妙な塩梅で効くアクティブスタビライザーが姿勢変化を抑えてくれるという、至れり尽くせり状態。 (アクティブスタビライザーは左右を切り離して完全フリーな状態を作ることもできるので、アンチロールだけでなく、乗り心地向上にも有効なんです。) そんなG15 M850iの脚回りは、基本的な方向性が同じとされているG30 M550iと共に、BMWのバネ式サスペンションとしては史上最高の出来という評価も。 (ちなみに同じ8シリーズでも、200キロ以上軽い840iは少しスポーティに振ったセッティングで、若干の硬さと自然なロールを感じます。840dは乗ったことがありませんが、おそらく840iに近い味付けなのではないかと想像します。) そんなサスペンションに対して、 結局、僕は「見た目」を取ってKW HASを突っ込んでしまったのですが… KW HASは過去の経験に照らし合わしてみても一般的なローダウンスプリングに比べて違和感は少ないと思います。 (単にバネレートだけでなく、巻き数と固有振動数に着目することで最適化したという3Dデザインの新しいローダウンスプリングも気になりますけどね。) ただ、KW HAS導入後、僅かながら路面不整による振動と突き上げが侵入するようになったのと、高速走行時のリバウンド側でダンパーがバネに負けたような挙動になってしまったのが残念でした。 それでも、まあ「見た目」は良くなったし、アルピナB4+車高調よりも安定感はあったので、何とか折り合いを付けつつ約1年半乗ってきましたが、あの絶妙だったセッティングが忘れられなくて、やはりノーマルサスへ戻すことに… → 次回へ続く。 【関連ブログ】 ノーマルサス戻し その1 【検討編】 ← いまココ ノーマルサス戻し×禁断のインチアップ その2 【検討の続き】 → こちら ノーマルサス戻し×禁断のインチアップ その3 【ホイール編】 → こちら ノーマルサス戻し×禁断のインチアップ その4 【作業編①】 → こちら ノーマルサス戻し×禁断のインチアップ その5 【作業編②】 → こちら ノーマルサス戻し×禁断のインチアップ その6 【まとめ】 → こちら 禁断のインチアップ 番外編 【大径化のメリット/デメリット】 → こちら |
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