【ヘッドユニット クラッシュ問題】 いまだにID6やID7でも発生しているそうですが、だいぶ数は少ない。 ディーラーとしては、とにかくID8はクラッシュが頻発しているので注意しよう、という感じ。 クラッシュしたときに、割り込み型の社外電装品が付いていたり、コーディングしていたりすると、原則としてメーカー保証ではなく自費での有償交換になる点は変わっていません。 【コーディング施工車両の保証打ち切り】 こちらもかなり落ち着きました。 診断機を繋いだら、いきなり保証打ち切りというのは無くなったっぽい。 とは言え、今後は分かりません。 診断機を繋がなくても、車両の設定情報やコーディングを弄ったときのログは全部BMWのサーバーにLTE/5G通信経由で蓄積されているので「証拠を握られた」状態は続きます。 なので、ヘッドユニットクラッシュ同様、何らかのトラブルでディーラーが保証交換を申請した際に、その「証拠」を理由にメーカー(BMW)から無償修理を断られる可能性は高いまま。 ぶっちゃけ申請を上げてみないと分からない、というのが正直なところです。 また、とりあえず申請してみて通ったらラッキー♪というわけでもなさそう。 仮に通ったとしても、ディーラーに対するメーカー監査が厳しくなることは決まっているので、次回の監査で「切られる」ことを恐れて、「そういう」車両の場合は初めからメーカー保証申請そのものを断るディーラーが出てきそう。 いずれにしても、2週間前に比べると現場もだいぶ落ち着きを取り戻してきたのは事実のようです。 |
直近でリコール対応や車検などが控えていて心配な方もいるでしょうし、問い合わせること自体は否定しません。 ただ、出元は明かせませんが、情報交換をしている、あるショップから聞いた話だと、かなり強くディーラーに詰め寄っている「輩」がいるようです。 (ディーラーから相談を受けたらしい…) 『どういう場合に引っかかるんだ?』 このぐらいなら、まあ当然の疑問かも知れませんね。 ただ、現時点ではディーラーが持っている情報も限られていますし、おそらく今後もBMW AGやジャパンが「条件」を明らかにすることはないでしょう。 なので、モヤモヤ、イライラするのも理解できますが、 『BMWは何を考えているんだ!』 『メーカーの見解を寄こせ!』 これは「言い過ぎ」です。 挙げ句の果てには、ディーラーだけでなく、電装品を取り付けたショップやコーディングを施工したショップにも『おまえら責任取れんのか?』とか。 少なくとも「ヘッドユニットクラッシュ」については、電気的な問題なので原因や発生条件はケースバイケース。 ただし、壊れてしまった後の交換/修理対応は明確に線引きされています。 純正品が付いていた場合は無償(メーカー保証)、社外品の場合は自費。 ただ、それだけのことです。 あらためて我々が理解しておかないといけないのは、「メーカー保証」というのは、製造工場からラインオフしてディーラーに引き渡された「素の状態」を一定期間(新車の場合は初度登録から3年間)、保証するというサービスなのだ、ということ。 メーカーとしては、そこに見解もへったくれもありません。 割り込み電装品だろうが、コーディングだろうが全て「改造」にあたります。 言うまでもなく「メーカー保証」の対象外。 レーダー探知機やドライブレコーダーも、シガーライター接続なら大丈夫ですが、電源直結で配線を割り込ませたりしたら、それは「改造」です。 規約上、自由に弄っていいのはタイヤやエンジンオイルなどの消耗品ぐらいと思ってください。それ以外はすべて「自己責任」なのです。 『でも、今までは大丈夫だったよ?』 でしょうね。でも、それはたまたまです。 ディーラーが気を利かせて社外品のせいではないように見せて、「メーカー保証」になるようにしてくれていただけのこと。 日本は海外に比べても、あまりにもその数が多かったので、真っ先に白羽の矢が立ったのです。 (メルセデスやVW/アウディでも同様のケースが多発して「なぜ日本だけ?」と調査が入り、BMWよりも一足早く「排除」が始まりました。) 『ディーラーで取り付けてもらったので純正品だと思っていた…』 思い込みは怖いですね。 たぶんディーラーはちゃんと説明したけど、聞き流していたのでしょう。 口頭で説明がなかったとしても、必ず書類のどこかに書かれています。 仮にディーラーに薦められたのだとしても、それに乗っかって決断を下したのはユーザー自身であることを忘れてはいけません。 あと、よく誤解されている方が多いのですが、納車前にディーラーで取り付けた純正部品や純正アクセサリーであっても、本来は自動車本体の「メーカー保証」には含まれないことにも注意。 『メーカーは売った物に対して最後まで責任を持て!』 PL法(製造物責任法)とメーカー保証を一緒くたに話す人がいます。 ・PL法は製品の欠陥で他に何か損害が出た時に製造者の賠償責任を定めたもの ・メーカー保証は製品自体の品質を保証したもの でカバーする対象や範囲が全く異なります。 |
誤解を恐れずストレートに言えば「盲点」でした。 当たり前と言えば当たり前の話ですが。 プログラミング作業の途中でヘッドユニットが壊れるのであれば、ディーラー作業前に先回りして、ヘッドユニットのプログラムをアップデートするか、i-stepそのものを最新にしておけば、診断機はヘッドユニットをスキップするわけです。 …ただ、ここにもまだいくつか問題は残ります。 ① 割り込み電装品によるクラッシュには意味がない ディーラーの情報では、いま起きているクラッシュのほとんどは割り込み型電装品が理由です。 ② 先回りアップデート中にクラッシュしない? 診断機経由のアップデートでクラッシュするなら、E-sysを使ったアップデート作業にも同様にリスクがあるはずです。 ③ 先回りアップデートの手間 プログラム/ソフトウェアのアップデートは結構手間がかかります。 ④ 先回りアップデートの頻度 今回のリコール対応に限らず、ちょっとした不具合対応や部品の故障交換でもディーラーはプログラムアップデートを行うことがあります。 ※ iDrive上の「Remote Software Upgrade」では確認できませんよ。 ⑤ コーディング施工車両の保証打ち切り これは別問題として残ります。 |
今回の記事も長文で恐縮ですが、できる限り多くの情報を皆さんにお伝えしたいのでご容赦ください。 【コーディング施工車両の保証打ち切り】 これまでコメント返信にも少し書いていましたが、判定基準がだんだん明らかになってきました。 ① 初度登録2年目までの車両 ② 診断機に繋げると自動的に判定されて保証打ち切り まず、①に関して詳細をご説明します。 もちろん公式通達があったわけではないので、あくまでも実際に発生している事象からの「状況証拠」です。 実際に3年目以降の車両はスルーされたという情報は入っていますが、もし違ったとしても、僕は責任取れませんのでご容赦ください。 で、その「2年縛り」が仮に正しいとして、なぜ初度登録2年目までなのか… 実は日本のBMWの新車保証期間3年は、 最初の2年はBMW AGによる本来のメーカー保証。 残りの1年はBMWジャパン(が契約した保証会社)によるインポーター保証。 という構成になっていて、途中で切り替わっています。 (実質的な保証内容は変わりませんし、ユーザーはディーラーを通してBMWジャパンと契約しているので実際には知らなくてもいいこと。) 実はBMWに限らず、このような内訳になっている輸入車は少なくありません。 自動車のメーカー保証は2年がグローバルスタンダード。 日本には「車検」という独自制度があるので、プラス1年をインポーターが保証することで初回車検までの合計3年にしているのです。 つまり、メーカー視点では3年目以降は日本独自の「延長保証」のようなもの。 そのため、このメーカー責任となる初度登録2年目までの車両だけを引っ掛けているのではないかと。あくまでも僕の勝手な想像ですが。 いずれにしても、対象車両のほとんどはG系ということになります。 一部F系を名乗る現行モデルもありますが(F44やF90など)、実質的な中身はG系なので、初度登録2年目以内なら対象と考えておいた方が良さそうです。 あと、現在ディーラーが気にしているのは、途中で打ち切りになってしまった保証が、3年目にインポーター保証に切り替わるタイミングで復活するのか… まだ結論は出ていませんが、状況的に復活はないと考えるのが普通です。 (上記の通り、ユーザーとの契約上は3年一括扱いのため。) 4年目以降の延長保証も、原契約である新車3年保証が有効であることが前提になっているので、残念ながらそのまま打ち切りになってしまうでしょう。 では、延長保証を先に契約してしまったオーナーは返金してもらえるのか? (僕の予想ではこれも無理。) はたまた、新車保証継承した中古車はどうなる? 問題は山積みです。 続いて②の診断機判定です。 4月14日(金)のブログにも書いた通り、ディーラーが使っている最新の診断機は、車両に接続すると、まず車両の全ての設定データやログを吸い上げてBMWのサーバーに送信します。 このプロセスはスキップできません。 つまり送信が完了しないと作業を進めることができないのです。 そして、この段階で、①初度登録2年目までの車両に、そのモデルのデフォルト設定と異なるコーディングが見つかると… 「保証打ち切り」を宣告されます。 これはシステム上で自動判定されるので、土下座しても覆りません。 ここでさらに注意点がいくつか。 まず、この「コーディング自動判定」ですが、実は診断機のバージョンによってはまだ実装されていません。 つまり、古いバージョンのまま使っているディーラーだとスルーされます。 これが、ディーラーによって状況把握が異なっている原因と思われます。 あと、①の初度登録2年目までに限られていることも理由の一つでしょう。 あと、おそらく一般的なショップが使っている診断機はスタンドアローンのものが多いと思うので、その場合もスルーされると思います。 そして、判定基準の詳細はまだ分かっていません。 コーディングを一項目でも弄っていると保証打ち切りになるのか、特定の項目だけなのか、まだハッキリしていないのです。 ほとんどのユーザーは業者施工でお任せなので中身をあまり理解しておらず、ヒアリングしてもパターン化できません。 そもそも、現時点では、ひとつひとつ変更しながら診断機に繋げること自体がギャンブルなので、おそらく調査には時間がかかると思います。 おそらく… 全て初期化してログやエラーも全て削除すれば大丈夫な「はず」です。 ただ、事例が集まりきっていないので、こちらも僕は確証が持てません。 最近のBMWのモデルは、定期的に車両データやセンサーのログをBMWのサーバーへ送信(※)しています。 ※ ID8搭載車両は12時間ごと、ID7以下の車両はドアロック時と走行中。 つまり、診断機を繋がずとも、コーディングを弄っていること(デフォルト設定と異なること)はBMWにバレているので、もしそれも見ているとしたら… まあ、状況的に現在発生している事象では、診断機を繋ぐことがトリガーになっており、遠隔で吸い上げたデータは参照していないように見えますが。 近いうちに入庫予定があって、人柱になる勇気のある方はいるでしょうか。 (もしそれで保証打ち切りになってしまっても僕は責任が取れないので、あくまでも「自己責任」でよろしくお願いいたします。) だいぶ昔の記事ですが、E-Sysを使った初期化の方法についてはコチラに書いていますので、ご参考まで。 【2023年4月17日 20:45 追記】 …と思ったら、ウッヂィさんがもっと分かりやすく解説してましたw そして、やっぱり初期化してもダメかも、という話が… もはやこうなったらヒトバシラーに期待するしかありませんね😎 以上、また情報入手次第、随時アップデートします。 【2023年4月17日 20:15 追記】 メルセデスやVW/AUDIでも「コーディング施工車両の保証打ち切り」はすでに始まっているらしいです。むしろBMWは遅かったのかも😅 |
さて、この数日間で各地のディーラーやユーザーからの情報が少しずつ集まってきて、なんとなく傾向が掴めてきたので、あらためてアップデートします。 【ヘッドユニット クラッシュ】 ヘッドユニットは「HU_NBT」とか「HU_MGU」と呼ばれるモジュールで、ユーザーには「iDrive」として表に見えていますが、実際にはインフォテイメントだけでなく、最近のBMWに備わる様々な機能を司っている重要な装置です。 これがクラッシュしてしまう、というのが今回の事象ですが、発生の条件が少しずつ絞り込まれてきました。 ① 社外の電装品を装着している車両 CAN-BUS割り込み型のAVインターフェースやキャンセラーだけでなく、電源の取り方によってはドライブレコーダーやレーダー探知機なども含む。 ② コーディングで設定を変更している車両 クラッシュしたのはSpeed Lock関連のコーディングを施工している車両が多いようだが、それ以外でもクラッシュしたという情報も入っており、継続調査中。 以上のような条件の車両において、さらに、 ③ プログラミング作業中 リコール対応や不具合対応でソフトウェア(i-step)をアップデートすると、作業中にヘッドユニットがクラッシュする模様。 ④ クラッシュしているのは… ID8搭載車両が多いが、ID7以下でも少なからず発生している。 以上の状況から考えて、おそらく原因は、電装品を割り込ませたためにソフトウェアアップデート中、もしくはプログラミング(=コーディング)中に発生した異常電流や異常信号と考えられます。 電流のスパイクやその他の異常信号により内部のチップもしくはファームウェアが飛んでしまうのではないかと。 実は似たような事象は以前からありました。 僕が以前から警告しているような「お手軽コーディングツール」でコーディングしている最中に、車両側が応答しなくなり、ヘッドユニットなどのモジュールがクラッシュする事象です。 僕はもう10年以上BMWのコーディングをやっているので、これまでに何度もそのような車両を助けてきました。 ほとんどのケースはCAFDファイルの再注入と初期化でリカバリーできるのですが、モジュールそのものが壊れていて有償交換せざるを得なかった車両を何台も見ています。 今回の事象はそれに非常によく似ています。 同じような条件でも、クラッシュしたり、クラッシュしなかったりするのは、そういうことではないかと。 ID8の閾値というかバッファがID7以前に比べると厳しくなったのかも。 いずれにしても、ID8になって顕著に増えてきただけで、BMWがカスタマイズを排除するためにクラッシュするようなプログラムを仕込んだ、というような悪意のある措置ではないと、僕は考えています。 そして、我々が理解しておかないといけないのはその後の修理費用です。 ヘッドユニットがクラッシュすると、ディーラーはBMWに保証交換を申請します。 すると、驚くべきことに、BMWはピンポイントで「AVインターフェースを付けていますよね?」とか、「レー探を付けていますよね?」、「ドラレコを付けていますよね?」と製品レベルで指摘してくるそうです。 (作業中のログはBMWのサーバーに自動的に記録されるので、それを解析しているようです。) さすがにメーカーまで指摘はしてこないようですが、おそらくBMW AGおよびBWMジャパンはこれまでにかなりのセンサー情報、ログ情報を蓄積していたのでしょう。 で、それがAVインターフェースなどの場合は一発アウト。自費修理です。 ドラレコの場合は製品や配線の写真を撮って提出し、Advanced Car Eyeなど純正品の場合はセーフ、社外品の場合はアウトです。 【2023年4月18日 00:02 追記】 その後の情報ですが、AVインターフェース等を装着した車両のプログラミング時にヘッドユニットがクラッシュする事象は、やはり以前からEシリーズやFシリーズでも少なからず報告されていた模様。 さらにいうと、メルセデスやVW/AUDIでも相当数の事例が… もちろんヘッドユニットは保証交換の対象外、実費請求だそうです。 【追記終わり】 記事が長くなってしまったので、もう一つのトラブル「コーディング施工車両の保証打ち切り問題」については、次のブログでアップデートします。 |
【復活記念】BMWのコーディング事情について調べたよ カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2023/11/17 07:12:09 |
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ディーラーのプログラミング作業で5つのECUが不動になる!?なぜ不動になるのか!?対策方法教えます!! カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2023/06/21 22:32:40 |
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【BMWコーディング】 E-Sysランチャーアプリ あれこれ 【2022年10月 追補版】 カテゴリ:BMW 2022/10/26 12:30:58 |
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トヨタ ソアラ 大学に通ってた頃の愛車です。 |
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