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OX3832のブログ一覧

2024年04月24日 イイね!

プロとの比較で炙り出された課題

プロとの比較で炙り出された課題長らく引っ張った日光ネタもこれでラスト.最後はプロの走りと比較しつつ自分の走行の反省会(回)です.

ここまで分析した結果から一番の問題点はS1,特に1~2コーナー間である事は明白なのですが,比較してみると実はS3の10~11コーナーにも問題がある事が分かりました.どうやら私はこういう長ーく回り込む低速コーナーがホント苦手なようですね.これの克服には一体どんな練習をしたら良いのやら・・・?

それではロガーデータで比較しつつ順番に見ていきます(赤:プロ 青:私).

1コーナー進入



1コーナーの進入速度はプロ(赤)の方が0.8km/h高く,アタックに入る前の11コーナーの立ち上がり方の差が地味に効いているのかなぁ~?と思いましたが,タイム差で見てみると,実は私(青)の方がほんの僅かに速い.えっ? なんで??と思い,ライン取りを見てみると(↓),



私(青)の方がINに寄るのが早い.つまり,距離的に短かったからタイムとして速かったようなのですが,それよりもプロ(赤)はこんな外側から回り込んでくるんですね! 私(青)はほぼスタートラインから1コーナーに向かって真っ直ぐ向かっている感じなのですが,プロ(赤)はスタートラインから大分先に行った後でターンインを開始しています.

コレ,どの辺りなんだろう?と思い,車載で確認してみると(↓),



1コーナーの外側にある縁石(ペイント?)に右フロントが乗っかったくらいの位置のようです(↓).



私はここはずっとIN側を見ているので,外側に縁石(ペイント?)がある事に今初めて気づいたくらいなのですが(汗),なるほど,ここら辺までターンインするのを我慢しないと,この先で苦しむんですね・・・.


1~2コーナー間
ここは,ゆるゆると徐々に減速させていくプロ(赤)に対し,一気に減速して,その後再加速するギクシャクした走りをしているのが私(青).



減速が早く・大きい分だけ当然私(青)の方が遅く,スタートラインから僅か80mで0.13秒も引き離されます.一応,ブレーキング終了後の再加速で0.05秒取り返しはするのですが,トータルとしては0.08秒遅れとやっぱり遅いです・・・.

ちなみに,この時のフリクションサークルを見てみると(↓),



私(青)の方は瞬間的に1.1Gまで減速Gを出した後,0.4G付近まで落ち着いてからコーナリングを開始しているようなのですが,プロ(赤)の方は最初から減速Gを0.4Gまでしか出しておらず,クルマが曲がるのに必要最小限の減速度だけを出している事が読み取れます.これが理想形である事は分かっているのですが,この弱いブレーキングが私には真似出来ない・・・.一体どうやったらこれを身につけられるのだろう?


2コーナー
ここは2コーナーに対するアプローチの仕方が大分違うようです.



プロ(赤)の方は1コーナーの進入から続く,ゆるゆるとした弱いブレーキングを続けて,この辺り(↓)にボトムをとっているようです.



まさに当日朝,ドラミで解説されていた攻略法そのものです.これに対し私の方は(↓),



ちょうど2コーナーのエイペックス付近をボトムにしていたようです.車速のグラフに戻るとボトムを手前にした私(青)の方が早くアクセルを開けられているようなのですが,2コーナーの頂点からアクセルを開け始めたら3コーナーを曲がれるはずがないので,結局途中で失速して,プロ(赤)に逆転される構図となっています.このように両者の走らせ方は大分異なる訳なのですが,最終的には0.11秒プロの方が速いので,やっぱり私のこのギクシャクした走らせ方はダメなんでしょうね・・・.


ならば!と思い,プロに似た走らせ方をした私の2本目と比較してみると(↓),



プロ(赤)の波形に大分近い軌跡を描けていますが,私(青)の方は1コーナーでの突っ込みが足りていないのと,



シフトダウン操作に気を取られて,途中でアンダーステアを出しちゃっている点がダメですね・・・.
(多分途中でブレーキの踏力が抜けてる)


5~6コーナー進入
ここはラインの組み立て方が全然違いますね.



プロ(赤)の方はクリップを外して6コーナーのバンクを使う想定であるため,5コーナーもクリップを無視して速度重視の大回りをしています(↓).



対して私(青)の方は「とにかく小さく!小さく!」と距離重視で小回りしていたため,早めに6コーナーのINに寄っていきます.まさに速度重視 vs 距離重視の構図なのですが,6コーナー進入の断面で見てみると速度重視(=プロ)の方が0.05秒速い結果となりました.


6~7コーナー進入
そこからブレーキングして6コーナーに入って行く訳なのですが,外から大回りで進入している分,プロ(赤)の方が角度が緩く,ボトムスピードが6km/hも高いです(↓).



これで差は0.08秒となり,ここから先は引き離されるだけか・・・と思ったのですが,7コーナーの立ち上がりで様子が変わります.


7コーナー立ち上がり



高いボトムスピードを維持したまま,大きな旋回半径で6コーナーを抜けたプロ(赤)の方が当然,立ち上がりも早くアクセルを開けているのですが,この辺りで(↓),



フロントタイヤが限界を超えたらしく,速度が伸びなくなっていました(やはり一刻も早くフロントのキャパを上げねば・・・).一方,私(青)の方は7コーナーのクリップを取るべく,クルマの向きを作っていたので縦に進める余力が残っており,そこから先の車速の伸びは私(青)の方が良かったようです.これで瞬間最大0.17秒開いていたプロとの差は,ここから先で少しずつ縮まっていく事になります.


8~9コーナー
6コーナーの立ち上がりが上手くいった事で,8コーナーまでに上手くスピードをのせる事ができ,8コーナー進入時点での速度は私(青)の方が高い結果となっています(↓).



ここで1つ興味深かったのは,プロ(赤)の方がINに寄せていくタイミングが早い点です(↓).



確かにプロの車載を見ていた時も「えっ? そこからもう切り込んで行くの!?」と思ったくらいだったのですが,多分これは私の方が切り遅れているんでしょうね.感覚そのものが合っていないという事なんだろうなぁ~と思いました.


10~11コーナー
先程の高速コーナーでは切り遅れていたのに,今度の低速コーナーでは逆に私(青)の方が早く切り込んでいます(↓).



「速度が高い時は手前から,速度が低い時は奥から」がステアリング操作の鉄則だと思うのですが,私(青)はその真逆をやっているのが白日の下に晒された感じです.こういうトコがまだまだ下手くそですね・・・.

それはさておき,ここでもプロ(赤)は1~2コーナーと同様に,ゆるゆるとしたブレーキングを披露しています.



「手前で止め過ぎず,ボトムを奥にとる」という当日朝のドラミで言われた事そのままのドライビングです.「これが真似出来ないんだよなぁ~」と思いつつ,アレッ? どこかでこれと似たようなものを見たなぁ~?と記憶を辿ってみたところ,C:羊さんに見せて頂いたプロがTC2000でDC2を走らせた時の車載を思い出しました(↓).





この時もプロは,とんでもなく奥にボトムの位置をとっていて驚愕したのですが,そうか,日光の1~2コーナー,10~11コーナーのブレーキングはTC2000の最終コーナーのブレーキングに通じるものがあるのか・・・.という事はTC2000で練習すれば日光も上手くなるのかな?(ん? 逆か?? 日光で練習してTC2000か???)

これら3つのコーナーを私が苦手としているのは間違いないので,「手前で止め過ぎず,ボトムを奥にとる」練習をこの夏は積まないとダメですね.


以上,プロとの比較で炙り出された課題でした.

ふむ,もはや「低速コーナーは苦手」とか言い訳してる場合じゃないですね.同じクルマでプロは出来ているのですから,この「手前で止め過ぎず,ボトムを奥にとる」ブレーキングを私も身につけないとこの先の伸び代はないですね.

問題はその練習をどうやってするか? プロみたくもっと高い速度域で走っていれば(速いクルマに乗れば),こんなブレーキングは余裕で出来るようになるんでしょうが,そんな鍛錬はそうそう出来ないしなぁ・・・.100km/hオーバーの車速域からブレーキペダルを踏まず,エンブレだけで曲げる練習をひたすらするしかないのかな?(しかもRがキツめの回り込むコーナーで) そうするとやっぱり広場トレーニングかぁ~? 富士 or もてぎ辺りの練習会を探してみるか・・・.
Posted at 2024/04/24 22:17:00 | コメント(0) | トラックバック(0) | ドライビング研究 | 日記
2024年04月23日 イイね!

プロから学ぶEF8の走らせ方

プロから学ぶEF8の走らせ方先日,日光でプロ(蘇武喜和さん)に乗って頂き,トータル4周分のタイムを計測して頂いたのですが(途中クーリングを1周挟んで計5周),その中で1周毎に確実にタイムを縮めていらっしゃいました.

この時の私には全く手の届かないタイムだったので「さすがプロ!」と驚嘆しつつ,「一体どうやって縮めたんだろう?」と気になり,走行終了後に公式リザルトを確認したところ,どうやらS1の中から見つけ出したようでした(9.875→9.360と0.5秒短縮).

何を,どうやったら,たったの4周で0.5秒も縮め代を見つけ出せるのか? 非常に興味があったので,走行終了後にプロから頂いたコメントをヒントにしつつ,車載とロガーデータを駆使して読み解いてみようと思います.


まずは,計4回のタイム計測の中の速かった後半2つを比較してみます(S1で両者の差は0.13秒).



並べて比較してみると,アチコチ操作タイミングが微妙に違う事が分かりますが,一番の大きな違いは6コーナーの出口の走らせ方でしょうか.



計測3(左)ではセオリー通り,7コーナーのクリップ目がけて走らせているのですが,計測4(右)では7コーナーのクリップは捨ててでも(外に膨らんででも)旋回速度を上げに行っている様子が窺えます.

これがタイム短縮に繋がっているのか?とロガーデータを見てみると(↓),



ボトムスピードを3km/h上げて,0.15秒のタイムを縮めていました.つまりは私のEF8の場合は,計測4の走らせ方(ボトムスピード重視)の方が正解という事のようですね.

ここでプロから頂いたコメントを思い出してみます.

 蘇武さん :6コーナーの進入で,フロントの荷重が大きくなっていく過程で,リアが動かない.
 蘇武さん :その結果,アンダーステアが出て,フロントを引き摺っちゃう感じになってる.
 蘇武さん :本当はクリップを舐めて距離を短くしたいのだけれど.
 蘇武さん :6コーナーはクリップの辺りが路面はフラットで,ちょっと外側に行くとバンクがついている.
 蘇武さん :そのクリップを外している方が意外とコーナリングスピードが速い.こっちの方がタイムが出そう.


なるほど.計測3で最短距離を試したが,フロントに荷重を掛けられず,リアも動かずイメージ通りに曲がらないから,計測4では敢えてクリップを外した走らせ方をしたという事ですね.

ふむふむ・・・と思いつつ,「バンクを使った方が速い」というのは一体どうやって分かったんだ? いきなり試したのか??と思い,車載を巻き戻してみたところ,



あっ! ちゃんと計測2で試して確認してる!! 僅か3周のトライの中でどっちが速いか試した上での選択だったのですね(さすがはプロ・・・).


ただ,そうすると,こっちのコメント(↓)も気になるなぁ~?と思い,

 蘇武さん :6コーナーのブレーキングであんまり行けない.
 蘇武さん :ちょっと手前からピッチングを気にしながら優しくブレーキを踏む必要がある.
 蘇武さん :フロントに荷重を乗っけ過ぎないようにする感じ.
 蘇武さん :ただ,そうするとオーバースピードになり易いのでそれも抑える必要があり,ここが勿体ない.


スピードを殺しつつ,フロントに荷重を乗っけ過ぎないようにどういう操作をしたんだ?と再び車載を見てみると,



あっ! 計測4(右)の方が舵角の量が多い!

そうか,操舵抵抗で速度を殺しつつフロント荷重を作り,ブレーキで細かく調整しているのか・・・.車載を見た時は,計測4の方がスキール音が大きかったので,ロスも大きそうだなぁ~なんて思って見ていたのですが,音が出るのには出るなりの意味があった,という事なんですね.う~む,勉強になりました.

(・_・) …ン?

とすると,この手前の細かな操作の違いにも,全部意味があるってコトか!?
そう思って逆算を始めてみると,色々見えてきました.


最初は6コーナーの進入(青:計測3 赤:計測4).



計測3(青)に比べ,計測4(赤)は外側に膨らんでいるのが分かります.これは,この後6コーナーの出口で膨らむ(大回りする)ラインを取るつもりであるため,進入速度を抑える必要がなく,逆にこちらも5コーナーのクリップを捨ててボトムスピードを稼いでいるのだと思われます.実際,これで4~6コーナー間の旋回速度は全域2km/h上がっており,それで0.06秒タイムを縮めています.


5コーナーのクリップを捨てるなら,当然4コーナーの入り方も違うんだろうなぁ~と思い,更に巻き戻してみると,



3→4コーナーでステアリングを切り返すタイミングが全然違う!

計測3(左)では5コーナーのクリップを狙うため,4コーナーは若干回り込む必要があり,ワンテンポ切返すのが遅いようなのですが(恐らくクルマの向きが変わるのを待ってる),計測4(右)ではそんな待ちがなく,素早く切り込んでおり,当然これだと進入角度が苦しくなると思うのですが,その先でラインが膨らんでも構わないので,こういう操作をしているという事なんでしょうね.

となると,計測4(右)で4コーナーの縁石を通過する際,瞬間的にステアリングをニュートラル位置に戻している(↓)のにも意味があるのだろうか・・・?



私程度の知識だとこの操作の意図を読み解けないのですが,縁石に当てる際の衝撃を弱めるためか? あるいは縁石通過後に着地した際のトラクションを稼ぐためか? ここにも何かプロのテクニックがありそうですね.


さて,6コーナー基点なのでこれで終わりかな?と思ったら,まだまだありました(汗).
4コーナーに対して浅い角度で進入するという事は,3コーナーに対しても同様に浅い角度で良いという事で,



計測4(赤)の方が計測3(青)よりもIN側にポジションで3コーナーに進入しています.そして,3コーナーに向かってこのポジションで良いという事は,早く2コーナーのクリップについて良い事になり,1~2コーナー間は計測4(赤)の方が小回りとなっています(↓).



そして,この小回りを実現しているのが,1コーナーの進入を"ちょっと抑えて入る"という一工夫(↓).



これで0.02秒稼ぎ出しているのですが,いやはや,ホント逆算・逆算で組み立てられてますね・・・.


しかし,まだまだ逆算は終わらず,単に1コーナーの進入を抑えただけではタイムを失ってしまうので,そもそもの1コーナーの進入速度を上げる工夫をされています.それが計測ラップに入る前のアタックライン(↓).



計測3(左)に比べて計測4(右)の方が車体がコース左側に寄っており,コース幅をいっぱいに使って11コーナーへアプローチしているのが分かります.これがこのコメントに繋がっているのでしょうね(↓).

 蘇武さん :このクルマの場合だとVTEC落ちするじゃないですか? それも勿体ない.
 蘇武さん :本来最短距離で走りたいところで,VTEC落ちを回避するために速度を稼がないといけない.
 蘇武さん :最終コーナーとか,速度を落とさないように走った方がタイムが出る気がする.
 蘇武さん :例えば,最終コーナーのアタックラインは目茶苦茶有効だと思う.
 蘇武さん :12コーナーの縁石を降りた辺りで入っているVTECが,縁石の上で入るようになる.
 蘇武さん :そうすると,ストレートが伸びると思う.


油温アラームが鳴った訳でもないのに,どうしてクーリングラップを挟んだのか不思議だったのですが,このアタックラインを使うためだったようですね.いやはや,6コーナーのライン取りを決めてから,ここまで逆算して組み立てるのか! それも僅か4周の間に・・・やっぱりプロは凄い!!


以上,プロから学ぶEF8の走らせ方でした.

「コース攻略は逆算して行え!」と言いますが,ここまで逆算・逆算で組み立てているとは思いもしませんでした.走行終了後の落ち着いた状態で,ロガーデータを見ながらじっくり時間を掛けて考えれば私でも何とか同じ答えに辿り着くかもしれませんが,走行中に,しかもたった3回のトライでこれらの情報を集めて,頭の中で組み立てて,最後の1周できっちり纏めるなんて,とても真似出来ません・・・.違いを感じ取るセンサ,良し悪しを見極める判断力,そしてそれを最終的に纏め上げる技術,プロの技量の高さをまざまざと感した今回の読み解きでした.

やっぱり機を逃さず,今回,蘇武さんに日光で乗って頂けて本当に良かったです.
重ね重ね有難う御座いました! <(_ _)>
Posted at 2024/04/23 22:32:38 | コメント(0) | トラックバック(0) | プロの感想 | 日記
2024年04月22日 イイね!

日光1~2コーナー操作比較

日光1~2コーナー操作比較途中TC1000のテストネタを挟みましたが,戻って引続き先日の日光の反省会(回)です.

日光を走り始めてからそろそろ10年が経ちますが,何年経っても苦手なのがココの1~2コーナー.タイムを詰めようと思うと,横Gが掛かった状態でヒール&トゥでシフトダウンをしないといけなくなるのですが,これがホント難しい・・・.ミスもし易いですし,操作時間もないので粗くなりますし,ホント苦手です.

なので,横Gが掛かった状態での多重操作を避けるため,私はブレーキングとコーナリングを分けて1コーナーにアプローチするようにしているのですが,これだとクルマの姿勢変化が大きく,タイムも詰めにくくなります.



これを見ていた(大)@みやう軍団さんに,昨年11月に日光に及ばれして同乗走行でレッスンを受けたのですが,(大)さんの1コーナーのアプローチは,ステアリングを切ってからブレーキング→シフトダウンと操作されていてメッチャスムース.「こんなの真似出来ねー」と思いました・・・.



一応,同乗走行の後に自分で同じ事をトライしてみたのですが,やっぱり上手くいかず,何よりタイムが出ないので先日の日光でも操作方法は元に戻していました.ただ,2本目の途中でタイムが41.5秒で頭打ちとなり,「今日はこれ以上アタックしてもムダだし,練習でもするかぁ~」と再びトライしていました.

・・・と前振りが長くなりましたが,今回は1~2コーナー間での操作パターン比較のお話です.


まず,2本目で同じ枠の中で以下の2パターンを試し,タイムを比較してみました.

  パターンA ・・・ ブレーキング → シフトダウン → ステアリング の順で操作
  パターンB ・・・ ブレーキング → ステアリング → シフトダウン の順で操作



グラフは上が車速,下がタイム差,緑がパターンA,青がパターンBです.車速のグラフ(上)を見ると1コーナーへの進入速度はほぼ同等で,そこからキレイに・なだらかに2コーナーへと向かって行くパターンB(青)に対し,パターンA(緑)の方は急激に減速して,途中で一定の速度を保った後,再び減速する段付きの波形となっています.これで両者の差はどうなるのか?とタイム差のグラフ(下)を見ると,パターンA(緑)が約0.15秒下がっており,パターンB(青:ステアリング→シフトダウンの順で操作)の方が速い事が分かります.

なお,この時の車載はこんな感じです(↓).



ちなみに偶然ですが,3~4コーナーの立ち上がり速度がほぼ同等だったので,公式のセクタータイムの方も確認してみると,

  パターンA ・・・ 9.664
  パターンB ・・・ 9.611 (-0.053秒)

ロガーデータより差は小さいですが,パターンB(ステアリング→シフトダウンの順で操作)の方が0.05秒速いのは間違いないようです.


う~ん・・・.やっぱりそっちかぁ~と思いつつ,一応当日ベストとなる3本目のロガーデータとも比較してみると,
(青:2本目のパターンB 緑:3本目のパターンA)



アレッ? パターンA(緑:シフトダウン→ステアリングの順で操作)の方が0.1秒速いぞ??

(・・。)…ン?

ロガーデータのマジックかな?と思い,公式のセクタータイムも確認してみると,

  パターンA ・・・ 9.470
  パターンB ・・・ 9.611 (+0.141秒)

ありゃ? やっぱりパターンA(シフトダウン→ステアリングの順で操作)の方が速いぞ.


う~む.2本目と3本目で路面コンディションが違うし,そのせいか?と思い,同じパターンA同士で比較してみると,
(青:2本目 緑:3本目)



3本目の方が全域速い! 「やっぱり3本目は路面が改善してグリップが上がったから速かっただけだな.きっと3本目もパターンB(ステアリング→シフトダウンの順で操作)を試していたら,そっちの方が速かったんだろう・・・」と納得しようと思ったのですが,頭の片隅で少し引っ掛かったので,念のためライン取りの比較も見てみたところ,
(青:2本目 赤:3本目)



3本目の方がメッチャ小回りしてる!

そういえば,3本目では計測1でタイムが出なかったんで(2本目と同じタイム),このラップ(↓)では「とにかく最短距離で駆け抜けよう!」とラインを変えたんだっけ.



そうか.パターンA(シフトダウン→ステアリングの順で操作)でも徹底的に小回りすれば,パターンB(ステアリング→シフトダウンの順で操作)を上回れる可能性があるのか・・・.

( ˘•ω•˘ ) ウーム…


以上,日光1~2コーナーの操作比較でした.

大回りしてでも速度を上げるか? 速度を落としてでも最短距離を行くか? 日光はこのバランスの見極めがホント難しいコースですね.こうなってくると,最終的にモノを言うのは「どちらがより攻め切れるか?(ドライバーがより自信をもって走れるか?)」な気がするので,パターンBをやるならもっと鍛錬を積まないとダメだなぁ~と思いました.
Posted at 2024/04/22 22:21:45 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日光サーキット | 日記
2024年04月21日 イイね!

違いは感じるがタイムには表れない

違いは感じるがタイムには表れない日光の反省がまだ終わっていませんが,次のステップに進むために早くテストがしたかったので,週末はTC1000へ行って来ました.

今月から筑波サーキットの会員走行料金が改訂され,これまで土・日は1枠(20分):2900円だったのですが,1枠:3500円へと値上げされました.これだけ物価が上がっていれば値上げもやむなしだと思いますが,これまで2枠走って5800円だったところが7000円と聞くと,やっぱり少し躊躇してしまいますね・・・.

とはいえ,走りたい人は値上げしようが走る訳で,日曜という事もあってこの日も結構な台数が集まっていました.時期的に気温・気圧は既に期待出来ず,唯一良かったのは曇り空だったおかげで路面温度がさほど上がらなかった点くらいですかね(途中,通り雨に遭って軽く荷物が濡れましたが・・・泣).


さて,日光のデータ整理もまだ終わっていないので,今回のテストネタはサクサク進めたいと思います.
まずは先日投入した「フロントダンパーフォーク ピロボールブッシュ」と「ショートスタビライザーリンク」.

「フロントダンパーフォーク」の方は(↓),



「トレーリングアーム」「フロントアッパーアーム」に続くピロ化第3弾だったのですが,前2つがそうだったように正直違いは分かりませんでした・・・.



路面からの力の伝達経路にあるブッシュなので,乗り心地が変わるかなぁ~?と思ったのですが,全く変わりませんでした.元々のゴムブッシュもそんなに偏心していなかったので車高も変わりませんでしたし,アームがスムースに動くようになったのは間違いないと思いますが,きっと元に戻した時にしか感じとれないパーツになるんでしょうね.


一方,もう1つの「ショートスタビライザーリンク」の方は確実に違いが分かりました.



画像で見比べると純正と大して角度は違わなかったので,最初は「失敗したか・・・」と思ったのですが,乗ってみると足の動きがちゃんと違いました.路面の微妙な起伏に対して,足がスムースに動いて接地が良くなっているのが感じ取れました(足が柔らかくなったような印象).

それでもプラシーボかも?と疑っていたのですが,私が個人的に乗り心地を評価する際の指標としている,常磐道・谷和原ICから筑波サーキットへ向かう途中にある294号線の陸橋(路面が荒れてて,かなりバンピー)でも乗り心地が良くなっていたので,プラシーボではなさそうです.


さて,一般道で分かるくらいならコース上でも!と期待しつつ,T2枠(8:15~)で出走.

出走9台とちょっと多く,季節の変わり目でタイヤのウォームアップ状況が読めないので,マージンとって前後のスペースを作っていたら4周も使ってしまいました(これでタイヤが少しタレた).



そんな状況下では計測1の 41.468 がセッションベスト.3日前の日光が41.1秒だったので,41.3秒くらいを出したいところでしたが,多分41.5秒くらいだろう~と思ったらほぼほぼそのタイムでした.

そして,コース上を走らせての印象としては,



クルマの動きが素直になった感じ.ターンインでステアを入れていくと抵抗なく,スムースにノーズが入って行く印象を受けました.「ノーズが入るならフロントのグリップがあるって事か?」というとそういう訳ではなく,グリップの限界は多分変わらない.余計な抵抗感がなくなった分だけライントレースがし易くなった,とでも言えば良いんでしょうか? これでタイムが縮まるとは全く思えませんが,ドライビングがし易くなったのは間違いないと思います.


お次はプリロード.

日光の件もあって,次はフロントのバネレートを上げようと思っているのですが,その前に以前サーキットアドバイザーから教えて頂いたプリロードをお試し.今までプリロードの調整なんてやった事がなかったので,前日にショップに行ってやり方を教えて頂きました.



ショップで「1ターンも回せば違いが分かるよ」と言われたので,その通り1ターンプリロードを掛けて(3mm短縮),A5枠(10:20~)でコースイン.アタックしてみると,



おわっ! グリップが増えてる.Σ(゚Д゚) !?

明らかに先程よりクルマが曲がる.こちらの"曲がる"はタイムが縮む系の"曲がる"だったので,これは1本目を超えたかぁ~?と期待してタイムボードを見ると,



1本目の0.1秒落ち(41.556).アレッ? これでタイムが出ないの??

どういう事だ?と更に探ってみると,1コーナーとヘアピンのターンインでステアリングを切った直後のグリップが増えている感じがしますが,切った先,例えば2コーナーなんかはそんなに変わらない(いや,むしろ出口側はアンダー気味?).「ああ,なるほど.プリロードを掛けるとこういう特性になるのか~」と途中で納得しました.



プリロードはスプリングの縮み始めにしか効果を発揮しないので,ステアを切った直後のレスポンスは確実に上がっており,これを「グリップが増えてる」と私は感じたのだと思いますが,切った先(荷重が一定値を超えた後)は今までと動きが変わらないため,途中から元の状態に戻り,グリップの絶対値としては増えていないのでタイムとしては縮まっていないという事なんでしょう.



一方,プリロードの効果として期待していた左高速~洗濯板の間の切返しに関しては特に違いを感じず.プリロードを掛けた以上の荷重が加わっているので変化がないのか? 私が単に鈍感なのか? 分かりませんでした.

逆に,プリロードのネガとなりそうな縁石の走破性&着地の方も特にネガは感じず.一般道で試そうか?とも思いましたが,これだったらバネレートを上げた方が正解だと思ったので,走行終了後,元に戻しました.


以上,違いは感じるがタイムには表れないテスト結果でした.

今までやった事がない事を試したので「ああ,こういう感じになるのか」と理解が深まり,自身の引き出しとしては増えたと思いますが,結果を見る限りタイムには繋がってませんね.クルマとしては確実に良い方向に進んではいるとは思いますが,ここからタイムに繋げるにはもう一捻りが必要そうです.

当日お会いした皆様,お疲れ様でした!
2024年04月20日 イイね!

日光苦戦の理由とその答え

日光苦戦の理由とその答えなぜタイムが出なくて,なぜタイムが出たのかさっぱり分からなかった先日の日光ですが,ヒトもクルマも何も変えてないのに勝手にタイムが縮まっていく要因の1つとして,ドリフト走行後の路面というのが考えられます.

なぜドリフト走行後の路面だとコンディション変化が大きいのか? これは完全に私の勝手な想像になりますが,こういうメカニズムなんじゃないのかと思っています.

通常タイヤのグリップというのは,路面のデコボコにタイヤのゴムが喰い込んで発生しています(↓).



従って,路面とタイヤの間には一定の隙間(図の白い部分)がないと(喰い込む余地がないと)グリップしない訳なのですが,ドリフトというのはタイヤのゴムを路面に擦りつける走行なので,この隙間がゴムで埋まってしまいます(↓).



こうなると,水の上を走っているのと一緒で,タイヤが路面に食い込まないので全くグリップしません.しかし,走行しているタイヤ側もゴムなので熱が入って粘着性が出てくると,路面の隙間を埋めていたゴムに張り付いて,そのゴムを少しずつ路面から引き剥がします(↓).



こうなるとタイヤが路面に食い込んでグリップするようになるので,更にタイヤのゴムが過熱し,隙間を埋めていたゴムにくっついてこれを更に引き剥がし・・・と続き,どんどんグリップするようになるのではないかと思っています.

その証拠にこのパターンの時は,コース上を走っているとどんどんタイヤカスが増えていきます.グリップ走行しかしていないのに,コース上にどんどんカスが溜まって来るパターンの時は,埋まっていたゴムが掘り起こされた証なんじゃないかと思っています.なので,最初路面が喰わなくても辛抱強く走り続けて,路面に付着したゴムが剥がれるのをジッと待つしかない訳なのですが,路面からゴムが剥がれて喰うようになってグリップが上がった分と, その剥がれたゴムがタイヤに付着してダウンした分が相殺されるケースもあるので,単純に走り続ければ良い訳でもないのが難しいところです・・・.


さて,そんな妄想チックなウンチクはともかく,仮に先日の日光で路面が途中から回復したとして,それは一体どのコーナーだったのか? ロガーデータから読み解いてみたいと思います.

まず,1本目ベスト(青)と2本目ベスト(赤)を比較してみると,



この時は1~2コーナー間での改善代が大きかったようで,ここで0.15秒程度のゲインが見られます.

次に,2本目ベスト(青)と3本目ベスト(赤)を比較してみると,今度は6コーナーで0.4秒もゲインしていました(↓).



つまり,日光の路面回復は最初1~2コーナー間で始まり,次いで6コーナーで起こっているようです.という事は,これらのコーナーでタイムを稼ぐ走らせ方をしている場合は,最初タイムが伸びずに苦しむようになる,という事のようですね.

σ(゜・゜*) …ン??

アレ? そういえばプロが私のEF8で一番難しいのは「6コーナー」と仰っていなかったか?

ま・さ・か・・・.



うわぁ~,やっぱりそうだ.3本目の走行中に計測1(青:41.5秒)→計測2(赤:41.1秒)で0.4秒縮めたのですが,如何に「気合」と「努力」と「根性」とはいえ,どうやって0.4秒削り取ったのか?と思ったら,この6コーナーでイチかバチかのアタックで,ボトムスピードを7km/h上げて削り取っていたんですね・・・.

そうか.私のEF8の場合,日光ではこの6コーナーが肝なんだ.ここが上手くいけば自然とベストに近いタイムが出るし,逆にここが上手くいかない時は簡単にコンマ数秒タイムが落ちる.しかも,私のEF8自体はこの6コーナーが苦手な特性なので,上手くいくかどうかはドライバーの腕次第.ドライバーが完璧にアジャストしてクルマが苦手な部分を補ってやらないとタイムは出ない,という訳だったんですね.

うわぁ~,日光を10年近く走っていて初めて気づきましたよ.気づかせてくれたプロ様様だなぁ~.
いやはや,本当に有難う御座いました.<(_ _)>


以上,日光苦戦の理由とその答えでした.
Posted at 2024/04/20 22:39:09 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日光サーキット | 日記

プロフィール

「[整備] #CR-X フロントスプリング交換 https://minkara.carview.co.jp/userid/1684331/car/1250119/7767117/note.aspx
何シテル?   04/26 23:09
EF8乗りの先輩にタイムアタックで挑んでいます.現在までの通算成績は9勝20敗.GPSロガーを使ってマシンとドライビングの問題点を洗い出し,アップデートさせなが...
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【自分用メモ】みんカラにgif動画ファイルを貼る方法・改 
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2021/06/06 12:45:07

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プジョー 208 プジョー 208
20年走ってくれたティグラに代わって実家にやってきた新車(なんと21世紀を迎えてから初め ...
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