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OX3832のブログ一覧

2026年08月29日 イイね!

ForzaでCR-X ~ロガー導入編~

ForzaでCR-X ~ロガー導入編~クルマがなくなってからそろそろ2ヵ月,走れないストレスはForzaMotorsportで遊んで気晴らしをしているのですが,漫然とフィーリングだけでセッティングしているのでタイムが頭打ちになり易く.セッティングも正しい方向に進んでいるのか? 間違っている方向に進んでいるのかも分からないので飽きてきました・・・.

「実車と同じようにロガーデータで分析出来ると面白いんだけどなぁ~」と思いつつ,ForzaMotorsportにそんな機能はないので,他のゲームにしようかな~?と考えていました.

とはいえ,CR-Xが出て来ないゲームをやっても長続きしなさそうなので,「なんとかならんのかなー?」と調べてみたところ,ゲーム内のテレメトリーデータをWi-Fi経由で外部に送ってロギングするアプリが存在する事を知りました.


元々はレーシングシミュレーター等で,本物のレーシングカーのようにステアリング前のメーターパネルに情報を表示させる事を意図したもののようです(↓).



これを「Dash Board」と呼ぶそうで,メーターの代わりにスマートフォンでやらせようとしたものがあるのだそうです.当然この「Dash Board」に出力するデータにはラップタイムも含まれていますので,他のテレメトリーデータと同期してロギング(計測)出来れば,ロガーデータの分析として出来てしまうようです.


「へぇ~,こんなのあるんだ.面白そう!」という事で探してみたところ,ForzaMotorsportに特化したアプリという事で「Racing View」という製品がオススメに出て来ました(↓).



こちらは2024年12月にiOS版がリリースされ,その後にAndroid版,そして2025年7月にPC版がリリースされた製品だそうです.他にも色々ありましたが,データの分析はやっぱりPCでやるのが一番楽なのでこの製品を選択.ただ,海外製のアプリなので懇切丁寧な説明書があるはずもなく,「困ったらDiscord(ゲーム業界ではお馴染みのコミュニケーションツール)に聞け」というお約束のヤツです.「まぁ,AIに聞きながらやればなんとかなるかなぁ~?」とセットアップを始めてみました.


インストールした「Racing View」を立ち上げ,アカウント登録を済ませるとアプリのメニューが出てきます.左側のメニューの中から「Settings」を選択し(↓),



そこから「Connection」を選択.するとこんなポップアップが出てくるので(↓),



「IP Address」と「UDP Port Number」をメモ.


次に,ForzaMotorsportを立ち上げて,「設定」→「ゲームプレイとHUD」→「UDPレース遠隔測定」と進み,以下のように設定(↓).



  データ出力              ・・・ オン
  データ出力IPアドレス        ・・・ 「Racing View」に表示されているもの
  データ出力ポート          ・・・ 「Racing View」に表示されているもの
  データ出力パケットフォーマット ・・・ カー ダッシュ

変更した状態で保存すると通信が始まります.私の場合はPC側のファイアウォールに「本当に繋いでも良いですか?」と警告表示が出ましたが,それを突破すると「Racing View」の左側のステータス表示が「Connected」に変わり,無事接続完了(↓).



あとは走れば勝手にデータをロギングしてPCに保存してくれます.あまりにもあっさりと出来て,拍子抜けしてしまいました・・・(苦笑).


さて,どんなもんかなぁ~?と数回走った後,「Racing View」を覗いてみるとこんな感じ(↓).



溜まったログの中から,ベストタイムを出した時間帯のログを探して選んでみると(↓),



こんな感じでベストラップが一目で分かるようになっていました.表示されている数字は,左から「LAP数」「ラップタイム」「前のラップとのタイム差」「Sector1タイム」「Sector2タイム」「Sector3タイム」となっています.「LAP数」が途中で1に戻っているのは,そこで一度走行を中断してセッティングを変更したため.そのタイミングで走行し直しとなるのでLAP数がリセットされているんでしょうね.

更に,ベストタイムをクリックしてみると詳細なデータが表示されます(↓).



情報量がかなり多く,大きく分けて左列のグラフと右列の数値があります.先に左列から説明すると,最初は「Telemetry(↓)」.



ここでは「Acceleration(アクセル開度)」「Brake(ブレーキ開度)」「Speed Trap(車速)」というベーシックなデータが見れます.


次に「Suspension Travel(↓)」.



「Front Left」「Front Right」「Rear Left」「Rear Right」の4箇所のサスペンションストローク量が見れます.単位はフルストロークを「1.000」として,その百分率で表しているようです.


その下が「Lateral g Chart(↓)」.



横Gの推移のようです.


そして「Steering/Grip(↓)」.



「Steering」は舵角でしょうが,「Grip」とはなんぞや?? 説明がないので推測になりますが,ストレートで真っ直ぐ走っている時は100%に近い値となっており,そこからコーナリングを開始すると値が減っていくので,恐らく縦方向のグリップ力を示しているのかと.つまり,0%だと「タイヤのグリップは全部横に使っているので加速しないよ」といった意味合いになるんでしょう.


次は「Gear/RPM(↓)」.



「Gear(ギヤ段)」「RPM(エンジン回転数)」ですね.コーナリングの負荷で回転数が落ちていく推移とか見れます.


その次は「Tire Wear(↓)」.



今回のデータは練習走行でタイヤが減らないモードなので何も変化がありませんが,恐らくレース中だとタイヤのデグラデーション(性能低下)が分かるのだと思われます.


次もタイヤ関係で「Avg Tire Temp(↓)」.



「Front Left Tire Temp」「Front Right Tire Temp」「Rear Left Tire Temp」「Rear Righ Tire Tempt」という事で4箇所のタイヤ平均温度.数値的に恐らく内部ではなく表面温度でしょうね.


最後に「Suspension Travel(↓)」.



「Suspension Travel」は上にもありましたが,こちらは1周で使ったレンジを示しているようです.今回走ったコースは左周りのオーバルなので,右フロント(Front Right)が最も1に近かった(=最も潰れた)という事を示しているようです.恐らくサスペンションがフルバンプして跳ねていないか? 伸び量が少ないのはどこか?といった事を読み取るんでしょうね.


続いて右列・・・と行きたいところですが,お腹一杯な感じなのでこちらは箇条書きで済ませます(笑).

  ・Track(コース上の位置)
  ・コース名とタイム(LAP TIME,BEST,GAP)
  ・Sector times(セクタータイム)
  ・Race Position(順位)
  ・Average Speed(平均速度)
  ・Speed Trap(最高速度)
  ・Gear Changes(シフト回数)
  ・Full Throttle(全開率)
  ・Brake(ブレーキ率)
  ・Cornering(旋回率)
  ・Fuel(燃料消費)
  ・Tire Temperature(タイヤ温度:4輪の最高値,フロントの最高/最低,リアの最高/最低)
  ・G-Forces(X軸/Y軸/Z軸のG:平均値とピーク値)
  ・Power & Torque(平均出力と平均トルク)
  ・Grip(フロント/リアの横グリップ率)
  ・Longitudinal Grip(フロント/リアの縦グリップ率)

データ量が多過ぎてどう使えば良いのか分かりませんが,実際のレースでも聞く単語がいくつかあるので,これらの数値からコースのタイプを見極めていくんでしょうね.ちょっと面白くなってきました♪


さて,そんな感じでロガーデータを横目に見つつ,今回はForzaMotorsportオリジナルの「Eaglerock Speedway」オーバルコースで,CR-Xのタイムアタック!



Cクラス(Performance Index:500)でタイムを詰めていったところ,「31.546」で世界675位となりました.一応これで上位3%以内だそうですが,1周30秒のコースでまだ3.5秒(10%以上)も差があるって・・・.ホントこの手のトップランカーって頭のオカシイ人達(←誉め言葉)ですね(苦笑).


なお,今回使った「Racing View」は無料ですが,ロガー分析で一番欲しいベストラップとの比較(Compare Laps)は有料なので(↓),



ちょっと物足りない・・・.まぁ,月500円もしないので課金しちゃえば良いんですが,これを使ってどこまで遊ぶか?を考えつつ決めたいと思います.


以上,久方振りのForzaでCR-Xでした.
Posted at 2026/08/29 23:51:47 | コメント(0) | トラックバック(0) | シミュレーター・ゲーム | 日記
2026年08月20日 イイね!

F1ショーカーのお勉強

F1ショーカーのお勉強クルマがなくなってしまったので展示を観に行く機会も失い,昔の話を思い出してブログに纏め直す以外ネタもなかったのですが,久方振りに「クルマがなくても見に行ける展示」があったので観て行って来ました.

イベントは「Powered by Honda -Phase2 Begins-」なるホンダ主催のもので,港区虎ノ門にある「虎ノ門ヒルズ ステーションアトリウム」で行われていました.

展示されているのは1965年の「Honda RA272(↓)」と,



2026年の「Aston Martin AMR26(↓)」.



「AMR26」とは言っても,4ヵ月も開発が遅れて苦戦している,あの「AMR26」の実車がこんなトコにいるはずがないので,当然ショーカーな訳なのですが,2026年規定のF1カーはまだ観た事がなかったので,どんなもんか観に行ってきました.


展示車の話の前に,そもそもなんでこんなイベントを開いたんだ?と調べてみたのですが,ホンダ公式のプレスリリースはなくSNSで告知されているのみでした.今年に入ってからこのショーカーが各種イベントで引っぱり出されているのは知っていましたが,「この時期になんで虎ノ門?」と思って考えていたのですが,そういえば青山の本社が解体されて(↓),



今は虎ノ門の「アルセアタワー」に本社があるんでしたね.「あ~,本社のお膝元であるこの虎ノ門で,今週から再開するF1の後半戦で,新型パワーユニットを投入して反撃する事をアピールする目的だな・・・」と察しました(前半戦のあの惨状ではアピールしたくても出来なかったでしょうしね).


目的が分かったところで,肝心のショーカーを観て行く訳なのですが,そもそものこのショーカーがよく分からないんですよね.「AMR26」の実車は開発方針の変更により,4ヵ月も開発が遅れてシーズン前のテストに間に合わないくらいだったのに,3月の日本GP前からこのショーカーは日本にいたんですよね.



「開発が大幅に遅れているのに,ショーカーなんて仕立てている余裕はないだろ?」と思い,旧型に「AMR26」のリバリーを施して展示しているのかと思ったのですが,旧型とは形が似ても似つかぬクルマに思えました(とはいえ,実戦仕様の「AMR26」とも全く形状が違う・・・).


「なんなんだ? このクルマ??」と思い,色々調べてみたところ,どうやらF1のショーカーを専門で製造する会社が存在するようです.



イギリスにある「Memento Exclusives」という記念品を製作する会社が,F1の公式ライセンス商品としてショーカーの製造・販売を行っているそうです.「そんな会社があるんだ!」と驚きつつ詳しく調べてみたところ,このショーカーには以下のような特徴があるそうです(↓).

  ・各F1チームから直接提供された本物の設計データをベースに,実車とほぼ同じ方法で作られている
  ・エンジンや油圧システム等の内部機構は省かれているものの,外観や構造は本物のF1カーを再現している
  ・2026年の新規定で小型化されたシャシーや,複雑な空力パーツも1mm単位で正確に再現している
  ・実車と同じく,オートクレーブでカーボンを焼き上げて製造しているため,実車並みの強度と美しさがある
  ・フロントウィングやリアの衝撃吸収構造が補強されており,タイヤ交換のデモや練習にも使える
  ・ショーカーをイベントで使い易くするため,フロアは分割式になっている
  ・ノーズコーンとフロントウィングは,瞬時に脱着出来るよう独自の固定方法が取られている
  ・エキゾーストには熱処理を施し,リアルな焼け色を再現している
  ・ステアリングには実際に動作する液晶スクリーンを搭載し,本物に乗るF1ドライバーも認める仕上がり
  ・タイヤは,ピレリ製の本物タイヤが装着されている

あ~,なるほど,最近のシミュレーター向けに,本物を模したモノコックを公式な許諾を得て設計・製造しているため,その延長線上で1台丸々模した商品を作ったという事ですね.


「なるほど,それなら本物が完成していなくても,ショーカーを仕立てられるわなぁ~」と思いつつ,先述の通りアストンマーチンは4ヵ月も開発が遅れていたので,設計データを外部に提供するなんて出来なかったはず・・・(実際ホンモノとは全く違う形をしてるし).となると,このショーカー用のデータはどこが提供したんだ?と思い,このショーカーに似ているクルマを探したところ,ありました(↓).



FIAが2026年のレギュレーションを紹介するために作った,レンダリングイメージ(CG)ですね.という事は,このショーカーは「AMR26」だと思って観るのではなく,レギュレーションを策定したFIAが「こういう形のF1カーにしたかったという理想像」だと思って観れば良い訳ですね.なるほど,なるほど.


・・・という事で,クルマの素性が理解出来たので細かく観ていきたいと思います.



2026年からホイールベースで200mm,全幅で100mm小さくなりましたが,依然として大きいですね.タイヤはフロントで25mm,リアで30mm細くなりましたが(↓),





依然として18インチホイールを履いているので(↓),細くなった印象は受けないですね.



なお,個人的にはタイヤからはみ出るような形のホイールフェアリングが気になりました(↓).




パワーダウンを補うため,アクティブエアロ(前後のウイングが寝る)が採用されましたが,ショーカーなのでフロントウイングは完全に固定式ですね(↓).



フロントウイングは100mm幅が狭められてますが(↓),



翼端板の外にこれだけデカいウイングレットを備えていると(↓),



それほど小さくなった印象は受けませんね.下側のウイングレットは,入口が広く,徐々に外側に細くなりながら低い位置を目指しているので(↓),



その辺りに流すとドラッグが減るのかなぁ~?と想像を掻き立てられました.なお,ノーズ⇔フロントウイングの間には,先述の通りタイヤ交換の練習にも使えるよう,真ん中にステーを追加して補強しているのが見えました(↓).




リアは2025年以前の「DRS(Drag Reduction System)」のデザインをそのまま流用した感じですが(↓),



2025年以前のものは翼端板の上端がなく曲線的なデザインでしたが,それと比べると翼端板が主張しているので,ちゃんとウイングっぽい感じですね.その下に目を移すと,ビームウイング(翼端板の真ん中辺りにあった支えとなる中段ウイング)が廃止されているのが分かります(↓).



ショーカーですが,リアウィング・エンドプレートライトもちゃんと再現されているようですね(↓).



2026年話題の「FTM」は,ショーカーなので当然再現されていません(↓).



個人的には,マフラー下のインパクトストラクチャーの突き出しっぷりが凄くて印象的でした.


フロントのホイールアーチは廃止されたので,シンプルなブレーキダクトといった感じ(↓).



ただ,リアの方はハブにこんなフラップが追加されていて(↓),





ショーカーなのに作り込みが凄いですね.


ボディワークを観て行くと,ミラーのステーが複雑で(↓),



どっちか1本で良くないか?と言いたくなります(笑).シート前のウインドリフレクターもギザギザの形状になっており(↓),



ドライバーの視界に入る範囲は,本物っぽく作られているという事なんでしょう.
その下の冷却用の吸入口はショーカーなのでシンプル(↓).



ただ,それよりももっとシンプルなのがサイドポッドで(↓),



フロアがから浮かせた二重構造になっているものの,ひたすら単純に真っ直ぐ伸びているだけで「いかにもショーカー!」って感じがして,ある意味好きです(笑).



小ぶりなシャークフィンも最早見慣れちゃいましたね.


グランドエフェクトカーではなくなかったので,フロアの入口は大分雰囲気が変わり,サイドポッド前にあるウェイク抑制用のボードが目立ちます(↓).



空気の取り込み口も低く・小さかったです(↓).



フロア後端も手が入っていますが(↓),



本物がこんな単純な形状なはずがないので,やっぱりショーカーだなぁ~って感じです.


以上,クルマがなくても見に行ける展示として,F1のショーカーを観て来たお話でした.




ちなみに,展示されているのは「虎ノ門ヒルズ ステーションアトリウム」ですが,東京地下鉄日比谷線の「虎ノ門ヒルズ」駅のホームからも,こんな感じ(↓)で遠目に観る事が出来ます.



8/26まで展示されているそうなので,移動のついでに一目観るのも良いんじゃないでしょうか?
2026年08月18日 イイね!

ルーフベーンのお勉強

ルーフベーンのお勉強SNSでニュースチェックをしていたら「ルーフベーン」に関する解説記事を見つけました.

「ルーフベーン(Roof Vane)」とは,車の屋根(ルーフ)の後端に装着される整流板(ベーン)の事で,屋根伝いに流れてきた空気を整流し,その後方にあるウイングやリアスポイラー等へ空気を導いてダウンフォースを増やす部品です.


「ルーフベーン」を付けた有名所としては「ランチア・ストラトス(↓)」.





「フィアット131アバルト Gr4(↓)」等がありますが,





この記事では,SUBARUの2006年のWRカーである「インプレッサWRC 2006(S12)」が取り上げられていました(↓).



空力部品とは言っても,ウイングのようにそれ自体で効果を発揮するものではなく,他の部品の効率を上げる補助的な部品なので「大した効果はないんだろう~」と思っていたのですが,記事を読んだところ「他メーカーから抗議を受けて1年限りで禁止された」そうで,「アレッ? 抗議したくなるくらい効果的な代物だったのか?」と興味が湧いたので調べてみる事にしました.


事の始まりは2005年6月.2代目となるGD系「インプレッサ」がマイナーチェンジしてアプライドF(通称:鷹目)となった際に,ラリーでの使用を見越して「ルーフベーン」を採用しました(↓).



高速走行中,車体の前方からボンネットを越えてルーフ上部に流れてきた空気は,ルーフが終わる辺りで乱れて,後方に向かって渦を巻きます(↓).



このため,トランクリッドにあるリヤウイングに空気が当たらず,ダウンフォースの発生量が少ないそうです(発生量を増やすためには,ウイングをかなり高い位置に取り付ける必要がある).


そこで,ルーフの終わりにベーン(整流板)を付けて空気が乱れないようにしてやると(↓),



空気がリアウインドウに沿って流れるようになり,リアウイング下面の流速を上げると共に,上流を流れている空気を引き込んでリアウイングに空気が当たり,ダウンフォースが増えるそうです.WRCの元チャンピオンであるトミ・マキネン氏が雪のテストコースでこの「ルーフベーン」を試した際,その効果に大いに驚いたそうです.


これと前後して,SUBARU車でレース活動を行っているPROVAが,アプライドC(通称:涙目)の「インプレッサWRX STI」に,この「ルーフベーン」の試作品を装着した状態でニュルブルクリンク24時間レースに参戦(↓).


(PROVA Photo Garage:2005 Nur24Hより)


(PROVA Photo Garage:2005 Nur24Hより)

「ターマックのスペシャリスト」と呼ばれるステファン・サラザン選手がこのクルマを走らせた際,走行後に「リヤのグリップが格段に違う.いざ!という時のリヤのトラクション確保に威力を発揮している」と語るほどだったそうです.


こうして,翌2006年のWRカー「インプレッサWRC 2006」に「ルーフベーン」を投入(↓).



この年は「ルーフベーン」以外の要因で成績は低迷したのですが,それにも関わらずライバルチームからは「ウインドスクリーンに空力効果をもたらす要素は禁止されている」と問題視する声が上がり,2007年から「例え量産車に標準装着されているとしても,WRカーとして公認申請する場合には,サイドウインドウ下端(窓肩)より上に位置する空力デバイスは取り外さなければならない」というレギュレーションに変更され,たった1年限りの採用となったそうです.レギュレーションを変えてまで外させようとするくらいなのですから,やはり効果は高かったんでしょうね・・・.


なお,このレギュレーションはあくまで「WRカー」が対象なので,グループN(改造範囲の狭い市販車クラス)の車両には適用されず,翌2007年のPWRC(Production car World Rally Championship)に参戦する「インプレッサ」では引続き「ルーフベーン」を採用(↓).



この年チャンピオンとなる新井 敏弘選手は,「グループNでも,ルーフベーンによってリヤのダウンフォースは見違えるほど増えている.もしルーフベーンがなかったら,サスペンションのセッティング等,ありとあらゆる要素を見直さなければならない」と語ったとの事です.


ここまでの話を聞くと,相当効果のあるものなのだなぁ~と思いたくなるのですが,WRCで使えなくなったためか,これ以降「ルーフベーン」は見なくなるんですよね(↓).



まぁ,そもそもの理由が「リアウイングの取付位置が低い場合」なので,高い位置に付けられるクルマの場合は(↓),



「ルーフベーン」によって逆に抵抗が増えたり,リアウイングに上手く風が当たらずダウンフォースが減ったりして不要なのかもしれませんね・・・.


以上,「ルーフベーン」のお勉強でした.

【おまけ】
今回「インプレッサWRC 2006」を調べる過程でエンジンルームの写真を見たのですが,このクルマ,インタークーラーがエンジンの真上ではなく,エンジンの前にあるんですね(↓).



所謂ところの「Vマウント(ラジエターとインタークーラーがくの字に配置するやり方)」な訳ですが,ご覧の通り,インタークーラーの上には黒いファンが中途半端な位置に1つ付けられています.

ラジエターだとファンは2個付けるのが普通なので,「コレ,なんで1つなんだ?」と思って調べたら,ちょうどこの真上に開口部が来るようになっているそうです(↓).



ご覧の通り,この開口部はそれほどサイズが大きくないので,このファン1個でちょうど賄えるサイズとなっているようです.見方を変えると,インタークーラーは車体の中心に置かれておらず,正面から見てやや右側にオフセットして配置されているという事になります.


なんでオフセットさせているのか?というと,インタークーラーの左隣に吸気口があるからのようです(↓).



この吸気口がどこに繋がっているのか?というと,フロントグリルの左側だそうです(↓).



この鷹目のフロントグリルは,飛行機が翼を広げた状態を模した左右対称なデザインとなっているのですが,反対側(右側)は後ろにインタークーラーがあるためか,塞がっているようです.


ただそうすると,元々インタークーラーの取り込み口だったボンネット上のエアスクープ(↓)はどうなっているんだ?と思い調べてみましたが,



入口部分に網が張られているようですが(↓),



完全に蓋をされているのか判別がつきませんでした.裏側も蓋されている雰囲気はななく(↓),



空気を取り込んでいるのか? 取り込んでいないのか? よく分かりませんでした.


もし空気を取り込んでいるのだとすると,インタークーラーを通った熱風をそのまま吸い込む形になるので(↓),



以前考察したボンネットの開口部みたく,熱風を吸い込んで余計温度が上がる気がするのですが(↓),



どうなっているんでしょうね・・・? 実車を観れる機会があれば確認したいところです.
Posted at 2026/08/19 12:21:39 | コメント(0) | チューニング(空力編) | 日記
2026年08月11日 イイね!

NASCARのパンフレット

NASCARのパンフレット2025年11月に富士スピードウェイに行ってNASCARを観て来たのですが,実はNASCARを観るのはこれが初ではありませんでした.

遡ること27年前,1999年のツインリンクもてぎで行われた「NASCAR Winston West Series Coca-Cola 500」を観たのが初でした.当時はまだ大学生で確か電車(真岡鐵道 真岡線)を使って行ったんじゃなかったかな? 先日取り壊されたオーバルコースでグルグル回るNASCARを,芝生の上から遠目に観た記憶があります.

・・・で,実家に帰省した際に「そういえば当時のパンフレットが残っていたような~」と押し入れを漁ったらありました!



当時は(今も?)別にNASCARへの関心が強い訳ではないので,パラパラと捲った後,そのまま本棚行きだった記憶がありますが,今回見返してみたところ,NASCAR車両の解説が結構丁寧にされていたので,少しまとめておこうと思います.


内容に入る前に,そもそも当時観たNASCARは一体何だったのか?と調べてみると,アメリカンモータースポーツへの関心を高めようと,1996~1997年に鈴鹿サーキットの東コースで「NASCAR Thunder Special」としてエキシビジョン戦が行われたのが事の始まり.その後,新たに完成したツインリンクもてぎへ場所を移し,1998年にオーバルコースでエキシビジョン戦を実施.その翌年(1999年)に遂に公式戦として「NASCAR Winston West Series Coca-Cola 500」が行われたようです.

「Winston West Series」というのは,NASCARのトップカテゴリーである「CUP SERIES(↓)」よりも下のカテゴリーで,



今で言うところの「Xfinty SERIES(↓)」,



「TRUCK SERIES(↓)」,



よりも更に下,EASTとWESTに分かれる「Regional ARCA MENARDS SERIES(↓)」,



・・・に相当するシリーズだったようです.所謂ところの地域リーグ,ワンメイクレースで言うならウエストなので西日本シリーズって感じでしょうか.

地方戦なのでトップカテゴリーである「CUP SERIES」よりもコストダウンを優先しており,使われている車両の違いを調べてみると,こんな感じでした(↓).

  エンジン  ・・・ CUP SERIES:750~800PS    Winston West Series:600~650PS
  タイヤ   ・・・ CUP SERIES:ラジアルタイヤ  Winston West Series:バイアスタイヤ
  シャシー ・・・ CUP SERIES:最新型       Winston West Series:1世代前

1999年当時の「1世代前」って第何世代なんだ?と調べてみると,1992~2006年の間で使われた「第4世代」だそうで,ボディには以下の種類があったそうです(↓).



ちなみに現在の「Regional ARCA MENARDS SERIES」では,シャシーは「第4世代」のままですが,



ボディは2013~2021年に使われた「第6世代」に変更され,両者を組み合わせた仕様なんだそうです(コスト抑制のためだとか).


車両の素性が分かったところで本題に入ります.まずはリアウイング(↓).



トランクにリベットもしくはボルト留めされたアルミ製のリアウイングは固定式なので角度調整は出来ず,サイズは幅:1650mm,厚さ:3.2mmとなっているそうです.面白いのはウイングの中央部にスリットが入っていて,このスリットにボディ形状を測るテンプレートが差し込まれるようになっているのだとか(上の画像の左側).このスリットはあくまで車検用なので「走行する際にはテープで隙間をふさいでいる」とも書かれていました.


次はウインドウに付けられたNACAダクト(↓).



見た目通り室内のクーリング用であるのは勿論の事,「ガソリンタンクのため」とも書かれているので,やはりパーコレーション対策として必須なんでしょうね.


そして,ルーフフラップ(↓).



先日も富士でレーシングカーが宙を舞うインシデントがありましたが,高速で周回するNASCARには必須の部品ですね(四半世紀前からあったんだ~と思いました).


フロントに回って,ヘッドライト(↓).



光の加減まで再現しているというヘッドライトのダミーステッカー.ヘッドライトの隣のポジションランプも同じくステッカーでなんだそうです.


最後に,ネット(↓).



NASCARはドアが開かないので,サイドウインドウから跨いで中に入るのですが,入った後は防護ネットを貼るそうです.ちなみに左側の写真のドライバーのヘルメットの横に突き出ている部品は,横Gが掛かった時にヘルメットを支えるサポート器具だそうです.


ここまでが外観の解説ですが,内部の解説も丁寧にされています.最初はロールケージ(↓).



板厚3/4~1インチのスチール製の鋼管で,メイン・フロントサブ・リアサブの3分割構成となっているそうです.


そのロールケージに直接固定されるフロントのアッパーアーム(↓).



ダンパーは市販品を使う事が定められており,長さは600mmまで.トレッドも1530~1537mmと定められているそうです.


次はブレーキ(↓).



フロント側(上の写真)は3本のダクトが引かれているのが見えます.結構大掛かりですね.車重が車重ですし,これくらいやらないと厳しいんでしょうね.一方,リアはシンプルに見えますが,サスペンション類はチェーンやワイヤー等のテザーでシャシーに結合する事が義務付けられているそうです(この年代からやってたんだ!).


次はデフ(↓).



NASCARのミッションは4速ですが,どのコースでも4速を使い切れるようにファイナルでギヤ比を合わせ込むのだとか.ギヤ比の変更はデフを下ろして差し替える方式だそうです.


そして,エンジン(↓).



アメリカ伝統のOHV V8.排気量は5736cc,圧縮比は9.5だそうです.上の画像の中央部にある白い物体はエアクリーナーだそうで,これを外すとこんな感じになるんだとか(↓).





そして,燃料タンク(↓).



容量は20ガロン(76L).NASCARだとピットで給油タンクを担いだメカニックが差し込んでいる姿を見かけますが(↓),



このタンク1本で11ガロン(41L)給油出来るそうで,フルチャージに掛かる時間は10~13秒程度なんだとか.


タイヤは,オーバルコース独自の「スタッガー」が施されています(↓).



オーバルは左周りにしか走らないので,右側のタイヤを左側より最小で1/2インチ(12mm),最大で8インチ(240mm)大きくするのだそうです.この「スタッガー」の調整は内圧で行っており,計測の仕方はメジャーでグルッと巻いて測る形(↓).



こういうところがアメリカンですね(笑).


最後にホイール(↓).



ナットはタイヤ交換の時間短縮のため,予めホイールに接着しておくのだそうで,そのやり方が書かれていました.

  ①ホイールの穴をグラインダーでキレイに掃除
  ②ラグナット専用のボンドをナットに塗る
  ③ボンドを塗ったナットをホイールに接着
  ④ナットとホイールハブの平行を出すために上に重りを載せる

今年6月にNASCARスープラのホイールを観た際(↓),



なんでこんなに座面がボロボロなんだろう・・・?と思いましたが,グラインダーで削ってるなら,そりゃ,こうなりますわな(笑).


以上,27年前にツインリンクもてぎで観たNASCARのパンフレット話でした.
Posted at 2026/08/10 17:33:47 | コメント(0) | トラックバック(0) | 国際サーキット | 日記
2026年08月10日 イイね!

新潟のご当地アイス

新潟のご当地アイスEF8の先輩から「知り合いとモーターランド三河走ってきた」と報告があり,「その帰りにコメダ珈琲に寄ってかき氷を食べた」と写真が送られてきて,「新潟県民なら,もも太郎アイスは知っているか?」とタイトル画像のヤツを聞かれました.

それを見た瞬間,「あっ! もも太郎!!」と思わず反応してしまい(笑),詳しく話を聞いてみたところ,どうやら東日本にある店舗のみ「もも太郎氷」を販売しているそうです.

「もも太郎アイス」に関しては,2025年にピンククラウンを観に行った時にネタにしたのですが(↓),



反応が薄かったので「知られてないんだなぁ~」と思っていたのですが,後に「JAF Mate」の2026年夏号を読んだ時に(↓),





「47都道府県 ご当地アイス」という特集の中で(↓),



新潟県の1位として「もも太郎」が紹介されていました.これを見て「あ~,もも太郎ってご当地アイスだったんだ~」と初めて知りました(苦笑).どうりで新潟県外で見ない訳ですね・・・.


こうなるといつものパターンで気になるので調べてみたところ,昭和初期に新潟のお祭りや駄菓子屋で売られていたハート型の赤い氷菓子を「桃型」と呼び,それに棒を刺したものを「モモタロウ」と呼ぶようになったそうです.



また,「もも太郎」という名前ではありますが,味は「いちご」で「りんご」果汁も入っているとの事.確かに桃の味はしなかったなぁ~と子供の時に食べた記憶が蘇りました.


そんな事を懐かしく思いつつ,そのまま特集を眺めていたところ,新潟県の2位に書かれている「ビバオール」というアイスは全く知らない・・・(↓).



どんなアイスなんだ?とこちらも調べてみたところ,1970年代に東北地方を中心に親しまれ,いちご味のアイスと,中に入ったとろりとしたソースが特徴の棒付きアイスバーとの事(↓).



パッケージを見ると確かにデザインが古めかしい(笑).なんでも,1970年代に東北地方で販売され,1997年に一度販売が終了.その後,新潟県に本社を置く「セイヒョー」が復活させ,2017年に「ビバリッチ」として製品改良したものの,2023年に「ビバオール(Viva all)」として再度復活させた製品なのだそうです.紆余曲折はありますが,実は最近の製品だったんですね.


こうなると一度食べてみたいなぁ~という事で,実家に帰省した際にスーパーで探してみたところありました!(↓)



母親も「ビバオールは食べた事がない」との事で,早速食べてみたところ(↓),





確かに典型的なラクトアイスですね.外側のいちご味はそれほど強くなく,中のとろりとしたソースの方が味が濃くて美味しい♪


ついでに「もも太郎」も買って食べ比べをしてみましたが,



こちらは「氷菓」の名の通り「氷のお菓子」といった感じで,かき氷の塊を食べている感じ.3時のおやつとして食べるなら「ビバオール」の方が良いですが,汗をかいた後の涼みで食べるなら「もも太郎」の方が良いですね.


以上,「もも太郎」ネタを振られた事に端を発した,新潟のご当地アイスのお話でした.
Posted at 2026/08/13 01:11:13 | コメント(1) | トラックバック(0) | その他 | 日記

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