
レガシィの時はブリッツのブーストコントローラでブースト制御していたが、今回はもちろんECUで制御していく。
スバルのブースト制御に関しては、RomRaiderやmistbahnさんのブログなどで勉強させてもらっていたが、なんとなく理解していたような感じだった。
そこでリハビリがてら勉強し直してみた(笑)
ECUのブーストコントロールには大きく4つの項目があり、各々の項目の中にマップ(テーブル)が存在している。
マップには、吸気温度や大気圧等で補正する"Compensation"というものや、動作条件を決めるための"Activation"というものが存在するが、ここでは話を分かりやすくするために割愛させてもらう。
Boost Control - Target
Boost Control - Limit
Boost Control - Wastegate
Boost Control - Turbo Dynamics
ECUは「Target Boost」マップの目標ブーストに合わせるために、「Wastegate Duty Cycle(WGDC)」マップによってソレノイドバルブを制御する。しかし、実際には目標ブーストを上回ったり、下回ったりすることもある。つまり、実測したブースト圧と目標ブースト値にズレが生じることがあるわけだ。そこでECUは、「Boost Error」というものをウォッチして目標ブーストに合わせていく。ブーストエラーは次のように計算される。
ブーストエラー = 目標ブースト-実ブースト
ブーストエラーが正値 = 実ブーストが目標ブースト以下(アンダーシュート)
ブーストエラーが負値 = 実ブーストが目標ブースト以上(オーバーシュート)
このブーストエラーを元に「Turbo Dynamics(TD)」という機能を使ってWGDCを補正していく。
ブーストエラーが大きいもの(正値と負値に関係なく)は、「Turbo Dynamics Proportional」で補正
ブーストエラーが小さいもの(一般的にハンチングと言われるもの)は、
正値(アンダーシュート)なら、「TD Integral Positive」で補正
負値(オーバーシュート)なら、「TD Integral Negative」で補正
計算式で表すとTDとWGDCの関係は下記のようになる(注:実際には吸気温度や大気圧等で補正する"Compensation"値が加わる)。
最終WGDC =「Initial WGDC」+「Turbo Dynamics Proportional」+「TD Integral Positive / Negative」
ブーストエラーが瞬間的で大きいものは、「Turbo Dynamics Proportional」で補正するのが基本だが、補正する値が「Turbo Dynamics Proportional」の値よりも大きければ、「TD Integral Positive / Negative」も使用して補正する。
「Turbo Dynamics Proportional」と「TD Integral Positive / Negative」は、「TD Activiation Thresholds (RPM) 」と「TD Activiation Thresholds (Target Boost)」で設定された閾値に達するまで加減算され、閾値以下になると加減算はされなくなる。また、閾値以下になると累算された「TD Proportional」と「TD integral Positive / Negative」はクリアされる。
「TD Integral Positive」は、「TD Integral Cumulative Range (WG Correction)」によって補正範囲が決まっているので、現在のWGDCが「Maximum WGDC」より高い場合、もしくは同じであれば「TD Integral positive」は無効になる。また、条件によって下記のようになる。
最終WGDCが「Maximum WGDC」の値よりも大きい ⇒ 「Maximum WGDC」の値を使用する。
最終WGDCが「Wastegate Duty Limit (Maximum)」の値よりも大きい ⇒ 「Wastegate Duty Limit (Maximum)」の値を使用する。
久しぶりにRomRaiderのトピックやCOBBの資料を一気に読んだら疲れてしまった(^_^;)
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Posted at
2010/04/24 21:12:13