Gibsonのレスポールカスタムを手に入れました。
シリアルは6ケタ、96xxxx、ペグはグローバー製。ピックアップは刻印ナンバードのT-TOPのPAFのダブルブラックでカバーなし。エスカッションとピックガードがゴールドのブレスに改造されていますが、電装系やブリッジ、テールピースはオリジナルのまま。
いやー、ピックアップの聞き比べと言う純粋な好奇心、ついに本物のギブソンを買っちゃいました。
来るところまで来たなー。
ショップの方はリフィニッシュされていると言っていましたが、全塗装した形跡なし。
ヘッドうらにボリュートがあり、ヘッドロゴはGibsonのiのドットなし。
海外サイトで売りに出ていた75年製LPCのブラックのシリアルも96xxxxだった事、ボリューム等のポッドの刻印は13775XXと75年製を示していて、4個すべて同じ。また、とあるショップが売りに出している75年製LPCから外したアッセンブリーと同じもの、ブリッジがABR-1でした。76年からナッシュビルタイプブリッジに仕様変更されてるそうなので、間違いなく75年製と断定しました。推測ですが、シリアルは70年~72年のものなのですが、ボディをストックしていた物を75年に組み立てたのでしょう。同様な記事を見ました。70年代のアメリカですから、ややいいかげんな所もあるのでしょう。
>>(2023年6月)ここ訂正します。
1975年製と思い込んできましたが、やはり、フツーに考えて、1970年~72年製のシリアルのボディなので、75年製のPOTとピックアップに交換されたと考えるのが妥当と思います。
世間では、ボディのシリアル側を製造年と見立てていますので、私のカスタムは1972年までに製造された個体です。とすると、製造年代は、1970~1972年です。
ですので、タイトルの製造年は、遅くても1972年なので1972年製へ変更します。
ボディのスペックは、マホガニーのパンケーキ、3ピースメイプルトップに3ピースマホガニーネックのラージヘッド。フレットは、フレットレスワンダーと呼ばれる低いフレットです。96xxxxのシリアル通り70年初期のフレットレスワンダーのフレットになっている。本来75年以降はワイドフレットらしい。ペグはクルーソン形状のキーストンタイプ金属ツマミですが、68年~74年までの仕様ではなく現行Gibsonパーツと同じグローバー製。付け替えた形跡も無いので、これがこの個体のオリジナルですね。>>外して確認します。ネジが上下2個開いていたらワッフル型のペグがオリジナルです。
音は、良いですよ。
T-TOP恐るべし。音が大きい。ジャキとしたイイ音ですね。
何でしょう、57Classicよりマジでいい音です。
まさにRockの為にあるようなギターです。
刻印ナンバードT-TOP 直流抵抗の実測はネック側7.57kΩ、ブリッジ側7.68kΩ
75年仕様のアッセンブリー
(ハンダを付け直した跡無し、つまり再塗装していない。再塗装するには、PU等の部品を外さなければ出来ない。だからこのボディの塗装はニアミントと言うことです。)
キャビティ内から見る積層ボディ
セットネックの状況
※ネック根元のザグリがロングテノン(ディープ・ジョイント)用のザグリになってるので、ボディは間違いなく70年代初期のものか?69年モデルのザグリと同じ仕様のようです。どこかのサイトで見ましたが75年以降?のものはロングテノン用のザグリは無かったですね。
2003年のGibsonスタンダード(たぶん60’)/バーストバッカーProと聞き比べたいですねえ。
今手元に無いので、聞き比べは出来ません。残念。
塗装が、同じラッカーフィニッシュでも現行のGibsonLPとは違うようです。カリッカリの固い乾いたラッカー塗装ですから、少々汗をかいてもまったくべたつかない。最近のGibsonのラッカー塗装はべたつきました。嫌な感じですね。
このカスタムは、本当にワイルドなディストーションサウンドです。ファット(太い)で粘りがあり、良く割れた歪みとハウる感じは最高です。まるでF-1マシンのような甲高い咆哮、今までで最長なサスティーン。きらきら輝くようなハイフレットでの高音。
これだけいい音を出すのに、何でカスタムは68年、69年の仕様が良くて、70年、75年、78年の仕様がダメとか意味わからんですね。
70年から経営が変り、大量生産化とコスト削減でボディが積層構造になり、トップも3ピースメイプルでアーチドがゆるくなったり、3ピースのネック云々。バーストとは別物などと揶揄する記事も見ましたが、実物を手にしてみれば一発ですよ。マジでいい音を出します。構造や素材は確かにバーストとは別物かもしれないですが、音が悪いわけでもなく、バースに劣るわけでもなく、スイスチーズ(軽量化の為のウエイトリリーフホール)を隠していたわけでもないし、積層になっていても良いマホガニーを使い、良いメイプルを使っているので、良い音がするのは当たり前だと思います。
積層構造のマホガニー、3ピースのネック。無垢1ピースにこだわれば歩留まりが悪く多く作れないしコストも掛かるし売価も上がる、そこで良い材の歩留まりを良くし生産性の向上と品質の維持の結果の産物が70年代のレスポールだと私は思います。その意味では、80年代以降のスイスチーズなレスポールも音がよければ本来は良いのだろうと思いますが、隠してうん十万の値をつけていた事が腹立たしいのでしょうね。
マホガニーネックとエボニー(黒檀)指板の硬い素材のおかげでとても硬質なクリーンな音、歪ませると芯のあるジャキとした音がします。クリーンでの感じも最もウォームな艶のあるいい音がします。
マーシャルで歪ませると、Thinlzzyのころのジョン・サイクスの音が出ます。
バーストバッカー、57Classicの音は、正直T-TOPの音に近いですね。バーストバッカーProは違う音がします。歪ませた時のサスティーンが良いけれどワイルドさが欠けていて、多分中域の音の粘りや割れが足りない、うまく表現で出来ませんがモダンなサウンドですね。
ただ、バーニー製のT-TOPは本当によくこの本物のT-TOPを再現していると思います。
グレコのスクリーミンもその意味では良く再現しているけれど、出音の音量が少し小さい気がします。言い方変えると、本物よりも枯れている。しかし音の粒立ちや歪み具合、ハイの抜け具合どれも負けていない一級の音です。
世の中には、もっと良い音を出してくれるバーストやカスタムもあるのでしょうが、このブラックビューティの音に大満足です。
会社の部下がEMGを積んだLPスタジオを購入しまして、ぜひ今度聞き比べをしようと思います。
追記
ジューダス・プリーストのグレン・ティプトンがブラックビューティーで「エキサイター」を演奏している動画を発見しました。
ちょっと感動しました。
ブラックビューティーとフライングVで”エキサイター”のサウンドを出している。グレンはSGだとばかり思っていたので、”エキサイター”のヘヴィなサウンドをレスポールカスタムで出していたんですね。ソロの音など、まさに「イン・ジ・イースト」の音にドンズバです。・・・どうも音だけは「イン・ジ・イースト」の音を画像にかぶせた動画のようです
追記2
現行のLPカスタムを調べてみました。
カスタムショップ製とは言え、2003年までのレギュラーラインと同じ仕様。ウエイトリリーフもあるし、PUは490R/498Tです。中には指板をリッチライトと言うエボニーのニセモノを使ったモデルもありますね。でも定価が57万超。実売価格でも30万後半。これは手が出ない。
指板をローズウッドにしたVOSは57Classicが載っているようですが。
その他は限定記念モデルやシグネチャーモデルが数種類ですが定価はおおむね70万以上。ちょっとしたオールドが買える。よほどエボニーが無いのでしょう。
私が手に入れたブラックビューティ。案外貴重なのかもしれません。
2013/3/19
>>(2023年6月)相当貴重な個体を手に入れてる、デス。
今や1971,2年ごろのカスタムは150万の壁を超えて売られています。
マイケル・シェンカーのメダリオンが71年なのよ、UFO時代のプレキシマーシャルと70年代フライングVから出されるあの、超カッコイイ音が得られるカスタムなんですよ、内のは。貴重に決まってるじゃない。
絶対に売りません。もはや家宝ですこれは。
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2012/07/15 22:34:19