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● BSIバスターミナル内の食堂で腹ごしらえ
ゴールデンサークルツアーを終えて、BSIバスターミナルへと到着。
ホテルへは戻らず、このまま同じレイキャビックエクスカージョン社の「ブルーラグーンエクスプレス」というシャトルバスを利用して、世界最大の露天風呂「ブルーラグーン」を訪問することにしたい。
元々、今日訪問する予定ではなかったのだが、ゴールデンサークルツアーで温泉に入りそびれたことや、温泉にはいるつもりで用意をしていたので、カバンの中に水着やタオルといった温泉道具が入っていたので、このままBSIバスターミナルで乗り換えてブルーラグーンへ行くことにした次第。
前回のブログでアレコレ書いたものの、Reykjavik Excursions社は何だかんだ言っても最大手。シャトルバスの本数も多く、こういう意味では利用しやすい。
細かいことを言えば、やはりここの会社は料金がやや高いので、一度ホテルに戻って、違うツアー会社のバスでピックアップを頼んだ方が安く上がるのだが、ツアー中に別のツアー会社へツアー申し込みをするのも面倒で(というか、英語で電話を掛けるのが嫌だった)、しかもBSIバスターミナルなら、その場でチケットを買い、バスを乗り継げ、なおかつバスターミナル内に簡単なファーストフード的な食堂があることも朝に確認していたので、待ち時間で夕食を食べてしまおうという計算もあった。
ブルーラグーンにもレストランはあるのだが、それなりに高級な店で高くつき、しかも18:00のバスで出発すると、ブルーラグーン到着は18:45。
ブルーラグーンの閉館&レイキャビック行きの最終バスが21:00なので、レストランで食事+入浴というのは少しタイトすぎるだろう。
ただアテが外れたのが、ゴールデンサークルツアーの帰路、バスがそのまま市内のホテルを回ってお客を降ろす方式だったこと。
BSIでの乗り継ぎであれば、いの一番に到着するので、定刻通りなら17:00着。そしてブルーラグーン行きが18:00発で、約1時間の休憩時間を確保できる見込みであった。
しかし結局BSIバスターミナルに到着したのは17:40。
とりあえずシャトルバスのチケットを購入。レイキャビックからブルーラグーンまでは片道ISK1600×2=ISK3200なのだが、ブルーラグーン入浴料(EUR30相当)込みでISK6300(≒\4540)という割引チケットがあったのでそちらをチョイス。
で、昼食が軽めだったこともあり、お腹も空いているので、食堂に駆け込んで慌ただしく食事。
飲物やサンドイッチはセルフサービスで選び、メインやスープはカウンターに並ぶ大皿料理から選んで、係員に盛りつけて貰う方式。
今回は係員オススメの「アイスランドの伝統料理」というフィッシュフライをチョイス。
よく考えると、昼食と同じメインだが…ただ昼のものはカラッとしたファーストフード的な揚げ方で、今回はどちらかというとしっとり感の残した家庭的な揚げ方。
ただアイスランドでいつも出てくる“濃厚なマヨネーズにハーブを混ぜたような”ソースだけはどうも苦手なのだが…(アイスランド人はマヨネーズ大好き)
またアスパラガスのスープを注文すると、サラダバーが付いてきて、写真に取り忘れたのだが、パスタ類も充実しており、なかなかの品揃え。
飲物は以前にも登場した、アイスランドのご当地ヨーグルト「スキールSkyl」のドリンク版。
ややチーズっぽい味ではあるが、お手軽なご当地飲料としてアイスランド滞在中に何度となく口にしている。
メインもサラダもなかなかで、充実したサラダバーを付けても、比較的安価で(但しアイスランド価格としては…であり、やはり\1000は下らない…)実は穴場の食事処かも知れない。
ただ残念なのは実質的に10分強ほどしか持ち時間が無く、慌ただしく掻き込むことになってしまったことだろうか。
● ブルーラグーンエクスプレスで出発
こうして慌ただしい夕食を終え、18:00発のブルーラグーンエクスプレスバスに乗車。
ブルーラグーン行きの最終便と言うこともあり、お客は疎ら。
そしてブルーラグーンへと向かうわけだが、ブルーラグーンはコペンハーゲンからの国際線でも利用したケプラヴィーク国際空港近くに位置しており、レイキャビック市内からだと約40km、所要45分程である。
ちなみにケプラヴィーク国際空港からのバスもあり、こちらは約15分。
アイスランドへの到着直後、あるいは出発直前にブルーラグーンに立ち寄るというパターンが多いようだが、今回は深夜着・早朝発という飛行機だったので、こうした利用方法は叶わなかった。
バスはレイキャビック郊外を抜け
港に泊まる客船を眺め
荒涼とした単調な大地をひたすら走り
地熱発電所を眺めて
いい加減飽きてきた頃に、ようやくブルーラグーンが見えてくる
そして駐車場内のバス停へと到着。
ここに何カ国かの国旗が掲揚されているのだが…
あら嬉しや、日の丸も上がっているではないか!!
そんなに日本人が沢山来る場所でもないのに、こうして日の丸を掲げてくれているとは、本当に嬉しいものである。
そして駐車場から、鬼押出しのような歩道を歩いて
ようやくブルーラグーンへと到着。
● 世界最大の露天風呂を満喫
早速ロビーから脱衣場へと進んでいく。
脱衣場で水着に着替え、シャワーへと進むのだが…日本とは違い「下足箱」というものが無く、土間のような場所で着替えることになり、どうも清潔感が無い。サンダルを持ってくれば良かったと後悔。まあこれは欧州の温泉ではよくある話なのだが…。
そしてシャワーを経て、ようやく浴場へと到達。
いよいよ世界最大の露天風呂へ。
ちなみにここの施設は写真撮影OK。
まあ全員水着着用で、それに水が濁っているので、水中では何も写らないので問題はないのだろう。
参考までに水中でシャッターを押してみると…
脱衣場やレストランのある建物
ちなみにこのブルーラグーンの水は、先ほどバスの中からも眺めてきたスヴァルスエインギ地熱発電所で地中から汲み上げた地下熱水の排水。
このブルーラグーンは温浴施設としてではなく、元々は廃水地として作られた施設なのである。
こういう経緯から、天然温泉と言えるかどうか微妙なところだが、地下熱水が豊富なミネラルを含んでいるため効能は高く、湯治目当ての客も多いとのこと。
ブルーラグーンから眺めるスヴァルスエインギ地熱発電所
ここの湯は特にシリカを豊富に含んでおり、水中はとにかくドロドロ。
水の濁りや、遠くから青く見える(そのため「ブルーラグーン」の名称が付いている)のもこのシリカの影響。
そしてパック用にキレイなシリカを詰めた箱があり、こちらから自由に掬い取って顔などにパックをすることが出来る。
私も体験したのだが…あまりに醜い顔なので、写真は省略(苦笑
そしてサウナなども完備。
ただサウナのあるウッドデッキから、浴槽内へは階段など設けられておらず、プールのように急に深くなっている。
気をつけて出入りしていたのだが、一瞬気を許して浴槽にドバーンと落下。
横でシリカパックをしていたマダムに思いっきりスプラッシュを浴びせてしまい、「ソーリー、ソーリー」と謝り倒す羽目になってしまった。
そして浴槽内から利用できるドリンクバーも存在。
アルコール類も扱っており、その場でカクテルまで作ってくれるという本格派。
その名も「ブルーラグーン」というカクテルがあったので、そちらを注文。
ISK1000(≒\720)と分量の割に少し高めの価格設定だが、場所や雰囲気込みの価格と思うしかないのだろう。
本当はもう少し飲みたかったのだが、値段が値段だけに1杯だけでガマン。
ちなみにお会計はロッカーキーで行い、チェックアウト時に精算する方式。
またプールサイドにもカフェが存在。
更には本格的なレストランやバー(こちらは水着不可)、そしてホテルまである総合リゾートなのだが、お値段はかなり立派。私には入浴+カクテル1杯がいいところだろう…。
そしてこのブルーラグーン…“風呂”として考えると、ちょっと水温が低め。少し暖かな温水プールといった感じだろうか。
ただ建物近くへ行くと、温水が出ているところがあり、こちらはそれなりに“風呂”として楽しめる。
ただ欧米人には熱すぎるのか、ほとんど人がおらず、しかも湯上がりの休憩所から丸見えの位置ということもあり、何となく落ち着かない。
こうした2時間程の入浴を楽しみ、バスの時間に合わせて施設を後にする。
ちなみに建物の横にもブルーラグーンが続いている。
こちらは浴場ではなく、単なる廃水地。
廃水地として整備された5000平方メートルのうち、浴場として使用しているのは半分ほどの2400平方メートルのみ。それでも世界最大なのである。
ついつい「日本にもっと広い浴場があるのではないか」と思ってしまい、帰国後に調べてみたのだが…
日本最大の露天風呂は和歌山県の川湯温泉露天風呂で最大750平方メートル。(河原の露天風呂のため、大きさは若干変化する。)
その他、いわきスパリゾートハワイアンズの「江戸情話与市」の男女合計で1000平方メートル、群馬県の宝川温泉が全浴槽を合わせて740平方メートル。
…と、あまりにスケールが違うのである。
さてレイキャビック行きのバスに乗り込むと、最終便ということもあり、ほぼ満席。
辛うじて1席だけ空席を見つけて着席。私が最後の乗客で、ちょうど満席で出発することに。
まあ1日乗っているツアーとは異なり、あくまでシャトルバスなので、乗れたのだから文句はない。ただもし満席で積み残しが発生した場合はどうなるのだろう…という気もしてならないが。
そんな事よりも、1席だけの空席に座ると、隣にいるのは先ほど思いっきりスプラッシュを浴びせてしまったマダム。
何となく「気まずいなぁ…」と思っていると、空気を察したのか、マダムの方から「どうだった?楽しめた?」と話しかけてきてくれた。
先ほどはスプラッシュを浴びせられたこともあって、やや不機嫌であったが、今度は別人のように饒舌で「どこから来たの?」「何日いるの?」「他に何処へ行ったの?」としゃべるしゃべる。
逆にこちらからもマダムに「どちらから来られたのですか?」「アメリカのどちらですか?」と話しかけたのだが、その返答が「アメリカからよ。でも
生まれはフランスなの。」「ウィスコンシン州よ。わかる?シカゴの隣。でも
元々はパリなの。」…と言った具合に、常に“フランス人”であることを強調している。
そこで今度はフランス語で話しかけてみると、ますますテンションが上がり、ひたすら楽しそうに話し続け、大いに盛り上がり楽しいひとときになった。
そしてバスはレイキャビック市内へと入り、そのままそれぞれの乗客が滞在するホテルを回っていく。
そのうち私の滞在するホテルに到着し、マダムともお別れ。上機嫌なマダムにカタコトの日本語で「アリガトー サヨナラ」と見送られ、ホテルへと戻ったのだった。
時間は22時前。明日は7時に出発と随分早いスケジュールなので、早々に眠ることにする。
<つづく>
撮影機材
・SONY α200 + SONY CarlZeiss T* Vario-Sonnar 3.5-4.5/16-80(24-120)[SAL1680Z] and SIGMA 10-20(15-30)mm F4-5.6 EX DC
・SONY CyberShot DSC-TX5 (CarlZeiss T* Vario-Tessar 3.5-4.6/4.43-17.7(25-100))