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2011年08月10日 イイね!

パフィンウォッチングとレイキャビック旧港 [アイスランド&グリーンランドの旅報告No.4]

「アイスランド&グリーンランド旅の報告」のバックナンバーはこちら


● オールドハーバーからパフィンウォッチングに出発


10:00にヒルトンホテルにやってきた送迎車でパフィンウォッチングへと出発。

送迎車は海岸沿いの道をレイキャビック中心街を横目に走行。昨夜はバスでホテルへ向かっただけだったので、実質的に初めてのレイキャビックの町並みを見ることになる。

感想としては「道路が広い」「建物の密集度は低い」「非常に近代的なビルデングに有名グローバル企業の看板も多く見られ、やはり先進国」といった感じだろうか。但しヨーロッパの都市を思わせるような重厚な歴史感はなく、どちらかといえばアメリカの大都市の郊外でも走っているような感覚である。

まあレイキャビック市内については、この滞在中に何度も歩くことになるので、その都度紹介していくことにしたい。



そして先ずはツアー会社のオフィスで乗船手続き。


とは言え、事前にヒルトンのツアーデスクで支払いも含めて完了しているので、「どこから来たのか?」と聞かれただけである。但し私の頭がまだ英語に慣れきっておらず、大した話をしたわけでもないのに、どっと疲れてしまった。


10:30の出港まで待合室で待っていても良い、との事だったのだが、折角なので周辺を歩いてみることに。

ここはレイキャビック市内でも、オールドハーバー(つまり旧港)と呼ばれるエリアであり、その名の通り昔からの港といった雰囲気である。

しかし昔ながらの港ゆえ、大規模な船は発着できず、今回のようなツアーボートの発着が主になっているようだ。





それゆえ、やや観光地化しているような感じではあるが、函館や釧路のように完全に観光地というわけでもなく、一般の船舶も発着し、しかも実用的なドック的設備もあるなど、実用の港としての要素も強いため、あくまで“やや観光地”といった感じである。


そして定刻の10:30にパフィンウォッチングボートが出発。
乗客は私と、ロシア人カップルの合計3名である。ちょっと少なすぎて心配にもなるが、まだシーズンオフなので、こんなものなのだろう。


前回のブログと重複するのだが…
「パフィン」とはウミスズメの一種で、日本名をニシツノメドリ(西角目鳥)という海鳥で、派手なルックスと愛らしい表情が魅力である。


オールドハーバーを出港



ハルパHarpaというコンサートホール。


2007年に建設が開始され、当初は会議場やショッピングモール、そしてある銀行の本社まで入居する大規模複合施設だったものの、経済破綻により建設中止。(その後銀行は国有化されるに至る)
その後は工事途中で放棄され、市街地に近いこともあり、バブルの負の遺産として知られていたが、規模を縮小して建設を再開し、今年になってようやく完成したという曰わく付きの建物である。


船は順調に湾内航行を続ける。




パフィンを観察できる島までは少し時間が掛かると言うことで、船内で休憩。


湾内なので、そこまで波は高くないのだが、とにかく寒くて堪らないのである。


そして湾内にいくつかの島があり、そのうちの一つの島が「パフィンアイランド」と呼ばれる、パフィンの住み着いている無人島である。


島にパフィンが住み着いているので、「100%パフィンが見れます」とツアー会社も謳っている。



● パフィンと対面


暫くすると、ガイドさんが「ほら!あれ!パフィンだよ!!」と双眼鏡を貸してくれた。

250mmレンズの画像をトリミング

「確かに見れたけど、ちょっと遠いなぁ…」と思っていたのだが、島へ近づくにつれ、どんどんパフィンの数が増えてゆく。





ようやくパフィンの愛らしい姿をじっくりと観察できる距離になってきた。


そしてパフィンアイランドに接近したところで、船はエンジンを切って小休止。船の上から島に住み着いているパフィン見学である。






写真的には250mm(換算375mm)ではちょっと物足りず、トリミングしてようやく…といった具合である。やはり鳥が目当てなら相当な機材を準備してこないと行けないのだろう。

愛らしいパフィンだけでなく、様々な海鳥の姿も見られ、親切なガイドさんにアレコレ教わりながら観察。


しかしそうこうしているうちに時間切れ。最後に島を一周してからオールドハーバーへと戻っていく。

島を3/4周ほどして、再びレイキャビック市内が見渡せるところに来ると、驚くほどのパフィンが海の上にいるではないか。


ちなみに背景左に見えている、不思議な形の塔は30年の歳月を掛けて1974年に完成したハトルグリムス教会Hallgrimskirkjaであり、レイキャビックのシンボル的な建造物である。

そして右側の梅の花のような形をしたドームはペルトランPerlanという施設で、本来の用途としては「レイキャビック市内の全戸に温泉水を配給するための施設」であり、丘の上に位置している。レイキャビック市内のホテルで温泉シャワーの恩恵に預かれるのも、この施設あっての事である。
また館内には博物館やレストラン、展望台といった設備も設けられているのだが、詳しくは後日訪問した際に紹介することにしたい。


そして大勢のパフィンが一気に飛び立つ姿など、壮観そのもの。




● オールドハーバーの食堂でランチ


1時間ほどのクルーズを終え、オールドハーバーへ戻ると11:30。少し早いが昼食を取ることにしたい。

そしてオールドハーバーの一角にあるシーバロンSeaBaronというお店へ。


漁師町の食堂という面と、オールドハーバーという観光地にあるレストランという二面性を持つ店である。


店内は最初にレジで注文・支払いを行い、出来た料理は席まで運んできてくれるシステム。


なおアイスランドの場合、こうしたシステム、あるいは料理は自分で席まで運ぶ“セルフ”スタイルの店が多いのだが、空いた器を下げるのは店員の仕事。日本のように自分で下げる必要は無い。
ただ混んでいる時間帯など、店員が忙しく、器の片付けが間に合わず、それゆえ席が無い…という状態になっている事も多いのだが。


そしてこの店の名物料理は「ロブスタースープ」


パン付きで1000ISKだったか1200ISKだったか、その位のお値段だったはずである。日本円だと\700~840と言ったところだろうか。
ちょっと小振りな器の割に、値段がお高めのような気もするのだが、ロブスターの身がゴロゴロ沈んでいるので、実際に食べた感じではそこまで高いといった感じではない。
またクリーミーなスープ自体も日本人の口に合い、しかも付け合わせのパンも絶品なので、間違いなくオススメの1品だろう。


更に冷蔵庫に魚や野菜の串焼きバーベキューが並んでおり、指さして注文すれば、奥で焼いて出してくれる。


カレイやナマズ、鱈などの白身魚がメインだが、海老やミンク鯨、そして野菜など、品数豊富で見ているだけでも楽しい。


折角なので一本食べてみることに。
美人の店員さんに「白身魚でオススメはどれ?」と聞いてみると、「う~ん…どれも美味しいけど、Halibutなんてどうかしら?」との事。


実は「“Halibut”って何?」といった感じなのだが、勧められるがままにオーダー。
ちなみに辞書で調べてみると、Halibutは日本語で「大鮃(おひょう)」。巨大なカレイとのことである。

ちなみにお値段は1800ISK(≒\1260)とちょっとお高め。但し魚串はどれも似たような価格で、特に高価な魚というわけではない。なおミンク鯨は1600ISKとちょっと安め。


そして焼き上がりが運ばれてくる。


こちらを見てみると「日本では大味と言われ…」とのことだが、実際はそこそこ弾力もあり、美味しくいただくことが出来た。また塩とレモンだけの素材を活かしたシンプルな味付けもまたGood。

ちなみにこの国の魚料理は、弾力あるプリプリな身よりも、フワフワ感のある柔らかい身が喜ばれるようで、豆腐のように柔らかい魚料理が出てくることが多かった。


なお他の客を見ていると、圧倒的に「ロブスタースープのみ」というオーダーが多いようだ。

そしておそらく初めての挑戦なのだろう。ミンク鯨を注文したアメリカ人が、何枚も写真を撮りながら、もう恐る恐る、おっかなびっくりで食べている姿が印象的であった。
端から見ていると、もう限りなく緊張して味なんかわかっていないのだろうなぁ…といった感じである。


そして私はというと、ヒルトンホテルで朝食をガッツリ食べていたこともあり、「もう動けな~い」と悲鳴を上げそうな満腹感。

店内で少し休んでから、のんびりと活動再開。腹ごなしを兼ねてレイキャビックの中心部の散策へと向かうことにする。


<つづく>
なお次回のアップはお盆明け、8月第4週を予定しています。


撮影機材
・SONY α200 + SONY CarlZeiss T* Vario-Sonnar 3.5-4.5/16-80(24-120)[SAL1680Z] and SIGMA 10-20(15-30)mm F4-5.6 EX DC and TAMRON SP AF 18-250mm Di II LD Aspherical [IF] Macro [Model A18]
・SONY CyberShot DSC-TX5 (CarlZeiss T* Vario-Tessar 3.5-4.6/4.43-17.7(25-100))
・MINOLTA αsweet II + MINOLTA AF 24-105mm F3.5-4.5 + FUJICHROME PROVIA 100F or VELVIA 100F
Posted at 2011/08/10 16:59:36 | コメント(4) | トラックバック(0) | 旅のまとめ(2011年) | 日記
2011年08月06日 イイね!

フライバスとレイキャビックのホテル [アイスランド&グリーンランドの旅報告No.3]

「アイスランド&グリーンランド旅の報告」のバックナンバーはこちら


コペンハーゲンからアイスランド航空のB757でアイスランド・ケプラヴィーク国際空港へと到着。


ちなみに今回で757回目のブログ記事だったりします。 …と、余談はココまで。



● フライバスでレイキャビック市内へ


到着したケプラヴィーク国際空港はアイスランド南西に飛び出しているレイキャネス半島の端に位置しており、首都レイキャビックからバスで小一時間程度の距離に位置している。


なおアイスランドの首都レイキャビックは現段階で世界最北に位置する“首都”である。但し将来的にグリーンランドがデンマークから独立した場合、グリーンランドの首都ヌークに世界最北の首都の座を明け渡すことになる。

そしてこのアイスランドには鉄道路線は一切無く、公共交通としてはバスか飛行機かの選択となる。

なおアイスランド国内線とグリーンランド線はここケプラヴィーク国際空港ではなく、レイキャビック市内の通称“ドメスティックエアポート”(直訳すれば“国内線空港”)からの発着となっている。
グリーンランドは今も昔もデンマーク領、そしてアイスランドも第二次世界大戦末期まではデンマーク領だったという事情からもあってか、グリーンランド線は国内線に準じた扱いになっているようだ。

そしてこの2つの空港はちょうど成田と羽田の関係だと考えるとわかりやすい。但しドメスティックエアポートの立地条件は羽田の比ではないほど市街地に近く、市内中心街から2km程しか離れていない。
このドメスティックエアポートについては、グリーンランド編で実際に利用するときにレポートすることにしたい。


そして空港からレイキャビック市内までは、レイキャビクエクスカージョンReykjavik Excursions社(略称RE)というツアー会社がフライバスFlybusという連絡バスを運行している。

ケプラヴィーク国際空港の一角にREのチケットカウンターがあり、ここでチケットを購入。

*後日撮影

RE社の他にも、有名なツアー会社としてはアイスランドエクスカージョンIceland Excursions社や、ネットバスNetbus社などがあり、それらの会社も空港バスを運行しているものの、空港バスに関してはRE社が圧倒的なシェアを占めているようで、空港内で他社のカウンターは見あたらなかった。
但し他社もホームページ等で予約は出来るので、集合場所をしっかり確認して利用する形になるのだろう。ちなみに他社の方が価格面でややメリットがあるようだ。


そしてRE社のフライバスには2種類のチケットが存在し、それぞれに片道/往復が設定されているので、バリエーション的には4種類存在することになる。
その2種類とは「フライバス」と「フライバス+」というもので、前者はレイキャビック市街地からやや外れた場所にあるBSIバスターミナルまでのチケット、そして後者はBSIバスターミナルから、市内のホテルまでの送迎車付きのチケットである。
ちなみに価格は往復でフライバスが3500ISK(≒\2450)、フライバス+が4500ISK(≒\3150)となっている。


今回はフライバス+の往復券を購入したのだが、チケットは白い感熱紙に印刷されたレシート風。日本で言うところのレシートクーポンのような形態である。

また本物のレシートやクレジットカード控えも同じプリンターで一緒に発行され、似たような紙を何枚も渡される。そのため、どれが往路のチケットなのか、帰路のチケットなのか、そしてどれがレシートなのかさっぱりわからない。
しかも文字がアイスランド語で書かれているので本当にお手上げなのである。

結局、RE社を利用するときは、いつも渡された紙を全て提示して、係員に必要なチケットを回収して貰うような格好になっていた。


そして機内で隣の席だった日本人の方と一緒にバスに乗車。




空港を後にする。



バスは相当なスピードで走行。北海道の国道の一般的な流れより更に1~2割程度早いペースなのではないだろうか。(3桁に乗るか乗らないか)

荒涼とした大地を延々と走り


海も見つつ


飽き飽きしてきた頃に、ようやくレイキャビックの市街地が見えてくる。




そして空港出発から50分弱でBSIバスターミナルへ到着。



ここで各ホテルへ向かうマイクロバスへ乗り換え。


但し文字に書かれた案内は皆無で、運転手さんに尋ねつつ自分のホテルへ向かうバスを探すことになる。
まあ、どのホテルへどのバスを向かわせるかについては、当日のホテル毎の利用客数に応じて、その場で臨機応変に決定しているようなので、仕方がないのかも知れない。


なおBSIは市街地からはやや外れており、しかも近くにホテルは殆ど無いので、ほとんどの乗客はフライバス+を利用することになる。

BSIバスターミナルとは言っても、実質的にはRE社の営業所兼車庫という要素が濃く、更に各バス会社は別々の場所にそれぞれのターミナルを持っているので、所謂ターミナルとしての利用価値はほとんど無いと言っても過言ではない。
つまりここBSIは、あくまで各ホテルへ、あるいは各ホテルからの利用客を振り分け/集合させるハブ的な機能が主なのである。



● ヒルトンホテルに宿泊


そして到着した今晩の宿はヒルトン レイキャビック ノルディカ Hilton Reykjavik Nordica。

*後日撮影


「ヒルトンとは随分贅沢だなぁ」と思われるかも知れないが、今晩ヒルトンを選択したのにはいくつかの理由がある。


まず第一に、飛行機の時間の関係でレイキャビック到着が遅くなるということ。

今回、大幅な遅延があったわけれはないが、それでもすでに22:30を回っている。
もしも飛行機が遅延した場合、日付が変わってからの到着になることも予想されていたので、個人経営の宿だったりすると、門限があったり、あるいはフロント業務が終了してしまい、わざわざ夜中に宿の人に連絡を取らねばならなくなるなど、何かと面倒な事になりかねないと言うこと。

この点、ヒルトンのレセプションなら当然のように24時間対応だろうし、閉め出される心配も無い。


そして第二に、アイスランドの比較的廉価なホテル(スタンダードクラス)の場合、「2 for 3」あるいは「3th night free」といった、要は「3泊目は無料」という価格設定になっている場合が多く、3泊単位で滞在すればリーズナブルなのだが、1泊2泊では非常に不経済になることが多いのだ。

例えば、旅の後半にレイキャビックで宿泊するスタンダードクラスのホテルでは一泊\8190だが、三泊目だと一泊無料で\16380、つまり一泊当たり\5460ということになる。
(ちなみに日本の予約サイトではこの「2 for 3」の設定が無く、2泊で空室を検索すると一泊\8190と表示されるのだが、3泊で検索すると一泊\5460と表示されるなど、一筋縄では理解しにくくなっている。そして日本の予約サイトが実は最安値というケースが多かったりする。)


しかしながらヒルトンの場合、一泊\8700だが、こうした割引特典は無い。三泊するなら随分と値段が違ってしまうのだが、今回は行程の関係上、二泊のみの利用。
そうなると一泊当たり\520しか違わないのだから、どう考えてもヒルトンの方がお得なのである。

また今回の旅の前半の段階では、まだアイスランドがオフシーズンという事もあり、この時季のヒルトンの料金が異様に安いという事情も絡んでいる。(6/15を過ぎたオンシーズンになると1万円は裕に超えてしまう。)


そして第三に、この二泊の滞在の後、グリーンランドへ向かうのだが、できればスーツケースはレイキャビックに置いていきたい。そう考えると、やはり安心して荷物を預けられるホテルであることが望ましい。
その後のアイスランド国内の移動でもスーツケースを持ち歩きたくない。後述するように、今回の旅はレイキャビックがベースとなるので、荷物は基本的にレイキャビックに置いておく形になる。


そんなこんなで今回はヒルトンホテルをチョイス。
但しグリーンランドから再びレイキャビックへ戻った際は、すでにオンシーズンに入ることもあり、先ほど料金の話のときに出ていた一泊当たり\5460のスタンダードクラスのホテルに滞在することになる。

まあ今回の旅では後半になるほどオンシーズンに突入することもあり、後になるほどホテルのグレードが下がっていくという行程で、正直ちょっと切なくもなったりするのだが…


そんなヒルトンの客室はこんな感じ。





そして立派なバスルームも嬉しい。


なおアイスランドは「水と安全は無料の国」。
蛇口をひねればよく冷えたミネラルウォーターにも匹敵する美味しい軟水がいくらでも出てくる。

更に言うとアイスランドは「お湯も無料の国」であり、地熱発電所の余熱を活用して各家庭に温水が配管されている。
しかもその温水、硫黄入りの温泉水で、ホテルのバスルームで硫黄臭漂う温泉浴が楽しめるのだ。

但し逆に言うと、出てくるお湯は硫黄入りなので、洗い物や飲用にはどんなに冷たくても冷水を使わざるを得ない、ということでもある。
例えばホテルのグレードが下がってくると、部屋に冷蔵庫が設置されていないのだが、それでも洗面台の冷水でスイカでも冷やすようにしてやれば、ビールなど十分冷やせてしまう程ひんやりとした水が出てくるのだ。

なおヒルトンの場合、部屋に冷蔵庫が備え付けられており、自動計算式ではあるものの、多少スペースがあり、飲物はそちらで冷やすこともできる。
…と、いうかヒルトンに宿泊しておきながら、飲物を持ち込んで冷やすとは何ともケチ臭い話なのだが。


話をヒルトンに戻すと、クチコミなどで「ヒルトンとしては…」「アイスランドで一番のホテルという割には…」と言った評判も多い。
確かにヒルトンを名乗る割には、ちょっと良いシティホテル程度の客室に過ぎず、コレがアイスランドで一番のホテルなのかと考えると、ちょっと物足りないのかも知れないが…それでも私には身に過ぎた贅沢なホテルである。
(もちろんこのヒルトンにもスイートなど、もっと良い部屋はあるのだが)

ただハード面は今ひとつでも、よく教育されたスタッフの対応、そして頼りになるレセプション、行き届いたメンテナンス…と、ヒルトンはヒルトン。立派なものである。日本人の目から見ても十分細やかさと気遣いのある一流ホテルだと思う。



● 白夜を体験


荷物を解いて、シャワーを浴び、一息ついていると、既に日付は午前0時を回っている。

しかし高緯度に位置するアイスランド、窓の外はまだまだ明るく、どうも時間感覚が狂ってしまう。


どう見ても夕方の雰囲気だが、これでも深夜0時なのである。

この国では太陽は高く昇ることなく、円盤でも振り回すように、低い位置をずっと移動し続けるような感覚である。(常に太陽の位置が低いので、トップライトにはならない半面、特に逆光の時など写真撮影には随分苦労させられることになるのだが。)
そして夜中の0時くらいに、夕焼けを迎え、波でも描くかのようにすっと日が沈んでいく。そして日本であれば一気に暗くなるシチュエーションなのだが、この国ではそれ以上は暗くなることなく“日は沈んでしまったが、まだ十分明るい”といった状況のまま、ほんの2~3時間後にはまた日が出て朝になってくるような感覚なのである。

実は私「部屋が暗いと朝起きられないので、夜電気を消すときににカーテンは開けておく」というタイプなのだが、この国ではその技が使えず、生活習慣の維持に苦労することになるのだが…

それでもこの日は自宅を出発してから40時間近く移動し続けていたので、流石に疲れもあって熟睡することができた。


そして朝6時。既にすっかり日が出て明るい。



そして玄関前にはタクシーが…


レガシィにCR-V…実に個性的なタクシーである。


更に駐車場で見かけたアイスランド仕様のエクス


この国では冬場の使い勝手のこともあってか、かなりの台数のエクスが走っていた。
また日本車に関してはエクスをはじめ、やはり北海道などで良く見かける車種が多いように思う。これはやはり冬場の雪道に強く、またロングドライブが快適な車、ということになるのだろう。

また日本車の割合も高く、私の見た範囲での印象なのだが、日本車:欧州車:韓国車が4:4:3位の割合なのでは無いだろうか。意外と日本車だらけなのである。また韓国車も頑張っている印象である。
但しバスやトラックなどはやはり欧州車が多く、ダイムラーなどが多いようだ。



● VOXレストランの朝食


そして朝食。今回のヒルトンホテルは破格なのに朝食付きなのである。

そして朝食会場のVOXレストランは、これまたアイスランドで一番と言われるレストラン。
そのレストランでの朝食なので、期待して良いだろう。


で、朝食はバイキング形式。



鱈の肝油、ニシンの酢漬け、ラムスモークなど、アイスランドらしいメニューも多い。



決して物価が安い国ではないので、朝食バイキングでタップリお腹を膨らませておこうという作戦。しかしホントにケチ臭い…お里がバレバレである(苦笑


ホットミールも豊富で、迷うくらいの品数、そして味も「流石!」といった感じである。
またパンもデニッシュからブレッドまで品数豊富で、味も良い。
難を言えば、飲物のバリエーションがコーヒー、紅茶、オレンジジュース、豆乳飲料程度と、少ないことくらいだろうか。

但し燕麦で作ったお粥だけは、どうしても食べられず、ウエイターに下げて貰うことになった。
(料理自体はバイキング形式なのだが、ウエイターが配置されており、空いた皿を下げたり、飲物を注いでくれたり、といったサービスが行われている。)


そしてデザートにヨーグルト類や豆乳飲料も食べ放題。


普通のヨーグルトもあるのだが、今回はスキールSkylという、アイスランド名物のややクリームチーズ系のヨーグルトを賞味。
普通のSkylの他、現代的な味で食べやすいSkyl.is、そしてドリンクタイプなど多くの種類が発売されている。

味の方は、ヨーグルトとクリームチーズを混ぜたような感じなので、やや好き嫌いがあるかも知れない。

しかしこのSkylはアイスランドの国民的な食品であり、ここVOXのような高級レストランでデザートとして供されることも多い。
ディナー時ですらデザートとして「Skylのフルーツソース添え」といったメニューが存在していたりする。

またどこのコンビニでも品数豊富に売られており、お菓子や料理など様々な食品に隠し味的に入っていたりするなど、アイスランドに居る限り、嫌でも目や口に入ってくる食品であることは間違いない。
ちなみにガムやノンアルコールビールにまで原材料としてSkylが入っているのである。

そして豆乳飲料は…予想通りの味。但し結構重い感じなので、意外と飲めない。
ちなみに、ここアイスランドではあまり牛がメジャーではなく、牛乳といえば豆乳、肉と言えばラム肉、といった具合である。



● ヒルトンの立地条件


そして腹ごしらえも終わったところで、活動開始。

アイスランド着の飛行機は夜着。そしてグリーンランド行きの飛行機は朝発なので、1泊だけトランジット気分で滞在してグリーンランドへ向かっても良かったのだが、前々回の記事で書いたように、“日本からグリーンランドまで通し”の航空券を買っていないため、飛行機の延着等のトラブルに備えレイキャビクで2泊し、今日1日の“予備日”を挟んで、明日(アイスランド到着の翌々日)の飛行機でグリーンランドへ向かうことにしている。

そういった事情もあり、今日の予定は特に入れていない。
昨日自宅から36時間かけて一気に移動してきたことも踏まえ、寝坊するも良し、ホテルで寛ぐも良し、無理のない範囲でレイキャビック市内を散策するも良し…と言った具合に、行程面だけでなく、体調面からも“予備日”として想定している。


とは言え、目が覚めて、体調もすこぶる良いので、今日一日は有効に使うことにしたい。

かと言って、初日からガツガツ行動する気も無く、先ずはアイスランドの小手先調べも兼ねて、レイキャビック市内を散策してみることにしたい。


ところが困ったことに、このヒルトンホテル…レイキャビックの市街地から2km程と、微妙に遠いのである。
後になって慣れてくれば、歩けない距離でもなく、また幹線道路に面しているのでバスの本数も多く、何とでもなる立地条件なのだが、これは結果論。

この段階では右も左もわかっておらず、思いついた方策が「午前中に送迎付きのツアーに参加して、帰りはホテルへの送迎を断ってそのまま市街地に残ろう」という作戦。


そしてホテル内には売店と併設された立派なツアーデスクがあり、多種多様なツアーのパンフレットが揃っている。

目移りしそうな数のツアーの中で目に付いたのが「パフィンウォッチングボート」というツアー。
「パフィン」とはウミスズメの一種で、日本名をニシツノメドリ(西角目鳥)という海鳥である。派手なルックスと愛らしい表情が魅力である。


ちょうど10:30発の便があり、所要1時間。そして乗船料が20ユーロ、港までの送迎無料、とちょうど良い条件が揃っている。

ただ時刻が既に9時前ということもあり、受付のおばさんに「少し急だが今日の10:30の便を予約したい。ホテルへのピックアップをお願いしたい。で、帰りは市街地へ行くから送迎はいらない、という形でお願いしたい。」と言うと、「聞いてみるわ」と直ぐに催行会社と連絡を取ってくれ、こちらの要望通りで手配OKとなった。


で、直ぐにクーポンを発券してくれ、「10:00に迎えが来るからロビーで待っててね」ということになった。


ちなみにツアーデスクでのツアー手配には手数料は不要。ツアー代金のみでOKである。
但しツアー催行会社で「直接予約で5% OFF」といったサービスを行っていることも多く、割引額相当額のマージンを支払っているとも言えるのだが。



● スタンダードクラスのホテルは如何に?


ここで順番は前後するのだが、先ほどからヒルトンと比較し続けていたスタンダードクラスのホテルについて紹介しておくことにしたい。

後日グリーンランドから戻って3泊、そして北部アイスランド滞在を挟んで最後にもう一度3泊、と2回にわたって合計6泊利用したホテルである。


ヒルトンから数百m海側に位置しているホテルキャビン。


料金は先述したように「2泊すれば3泊目無料」という特典を利用して、平均1泊\5460で朝食付きである。


客室はこんな感じ


最初に利用したこの部屋はインサイドルームで、中庭に面して磨りガラスの窓がついているようだ。

まあヒルトンと比べるのは酷だが、最低限必要十分の広さはある。荷物を広げたいのでツインベッドルームを指定していた。


そしてバスルーム。


バスタブは無く、シャワー室のみ。しかもシャワーヘッドが取り外せず、プールのような上からひたすら降ってくるタイプのシャワーなので、使い勝手は良くない。
更に言うと、アメニティ類も最小限で、液体石鹸のみ。(ヒルトンはシャンプー、コンディショナー、ボディーソープ、液体石鹸…とかなり充実していた)

でもシャワーのお湯は硫黄入り温泉水。


で、シャワーを浴びて、タオルだけ巻いて部屋で寛いでいると、何か違和感が…。


「中庭に面して磨りガラスの窓」だと思っていたのだが、何と「廊下に直接面した透明な窓」だったのである。
たまたま窓の外に見えていたのが白い壁だけだったので、すっかり良いように思いこんでいたのだが…

ベッドの上に財布だ、現金だ、パスポートだ、と貴重品を投げ出してシャワールームに入り、しかも風呂上がりにはラフすぎる格好で寛いでいた…後で考えると、ゾッとしてしまう。
いくらここアイスランドが日本より数段治安の良い国だとはいえ、廊下から丸見えの場所でここまで無防備かつラフな格好は拙いだろう。


この後はずっとカーテンを閉めていたのだが、カーテンの裾が短いので…


廊下から部屋の中が見えている…

正直、あまり気分の良い部屋では無いが、インサイドルームには「白夜に関係なく、電気を消せば暗くなる」というメリットもあるにはある…


で、後半の3泊は窓側の部屋をリクエスト。


そのリクエストを出すときに、飛行機のクセで「ウインドウ サイド ルーム プリーズ」などと言ってしまい、フロントの女性に「それを言うなら『アウトサイド ルーム』でしょ!飛行機じゃないんだから!」と突っ込まれてしまったのはナイショ(汗

これがフランス辺りの観光地で日本人慣れした係員なら「相変わらず日本人って英語下手ねぇ…」などと思われながら「はい。アウトサイドルームね。」とスルーされるのだろうが、アイスランド人は日本人慣れしていないこともあってか、必ず「それを言うなら○○でしょ!」と突っ込んでくるのである。
お陰で自分の英語が如何に変なのか嫌と言うほど知ることになるのだが(苦笑


目の前の建物がやや邪魔かも知れないが、海も見えて良い感じである。


ちなみに目の前には「ガソリンスタンド+コンビニ+サブウエイ」の3店がコラボした店舗があり、何かと便利。

ちなみにこの「ガソリンスタンド+コンビニ+ファーストフード店」というコラボ店舗はアイスランド各地で普通に見られる一般的な形態であり、何度となくお世話になることになる。


そしてこのホテルの朝食会場はこんな感じ。




こちらもバイキング形式なのだが、メニュー内容は至って質素。


特にアイスランドらしいものは無く、ごく普通の朝食といった感じ。
食べ物の味は悪くないのだが、オレンジジュースが水で薄めたように薄い味だったりと、随分安っぽく感じられる。

この辺りも含めて価格相応という事なのかも知れないが、先述したように割高な料金で利用(つまり1泊2泊)すると、とてもガッカリだろう。
しかもヒルトンと\520しか違わないとなると…差額以上にヒルトンの方が良いだろう。少なくとも朝食だけでも\520のモトは取れるのでは無いだろうか。


ちなみに立地条件的には市街地から徒歩25分程度と、ヒルトンと互角に思えるのだが、幹線道路沿いでバスの本数も多く、周辺に店舗やレストランの多いヒルトンに軍配が上がるだろう。

結局、ホテルキャビン滞在中も、バスの乗降やレストランの利用など、ヒルトンの近辺をベースに行動していたのだが…。



<つづく>


撮影機材
・SONY α200 + SONY CarlZeiss T* Vario-Sonnar 3.5-4.5/16-80(24-120)[SAL1680Z] and SIGMA 10-20(15-30)mm F4-5.6 EX DC and TAMRON SP AF 18-250mm Di II LD Aspherical [IF] Macro [Model A18]
・SONY CyberShot DSC-TX5 (CarlZeiss T* Vario-Tessar 3.5-4.6/4.43-17.7(25-100))
・MINOLTA αsweet II + MINOLTA AF 24-105mm F3.5-4.5 + FUJICHROME PROVIA 100F or VELVIA 100F
Posted at 2011/08/06 21:54:26 | コメント(4) | トラックバック(0) | 旅のまとめ(2011年) | 日記

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ペーパードライバー期間を挟み、再びスバルをチョイス。 過去にレガシィやインプレッサに乗っ ...
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8年振りにスバル乗りに復帰しました。 写真は当時の販促品のミニカーのものです。
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初の新車購入です。でもかなり無理をして買ったので…以来他の趣味にお金が回らない…分不相応 ...

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