#このシリーズは以前のお出かけを回想するものです。
前回、最後に少しだけ取り上げた三国峠を越え、北十勝へと進んでいくと最初に到達する集落である上士幌町の十勝三股。
今回登場するのは、その十勝三股にあるログハウスの喫茶店「三股山荘」
「北海道に“良くある”何と言うことはないログハウスの喫茶店でしょ?」と言われそうですが…
店内
で、ここの喫茶店の特筆すべき点は…
・何より水が美味しい(大雪の天然水。個人的には日本一お冷やの美味しい喫茶店かと。)
・話し好きで知識豊富な素敵な女将さんがいらっしゃる
…と、この2点。(その他、何よりこの十勝三股という立地条件も素晴らしいのだが)
で、もちろん水が美味しければコーヒーや料理も美味いというのは自明の理。
そして地元北海道でもナカナカ通な食材を使ったイートメニューがここの名物。
先ずは定番中の定番「畑のランチ」(¥1000)
「え?これだけ?」と思われるかも知れないものの…本当にコレだけ。
パンやライスではなく、地元北海道産のジャガイモを主食としてソーセージを食べるというランチ。
最近値上げになっていて、少し高く感じるかも知れませんが、ソーセージはニセコのエフエフ(ニセコの道の駅にも売店を出していたりで、知る人ぞ知る)のもので、更にちょっと拘ったジャガイモをセットにすると…個人的見解ですが、この材料でこのお値段ならむしろ良心的かと。
(そういえば以前は「スープorミルク」「じゃがいもorパン」の選択制だったような気がするのだが、いつの間にか選択の余地が無くなっている…間違っていたらごめんなさい)
そして畑のランチと並ぶ名物「牧場のビーフライス」(¥1000)
十勝清水の牛とろろステーキ(牛挽肉+とろろのみで作られている)を使った丼で、食感的には薄切り肉に近いのかも知れないが、味わい深さは逸品で、強いて例えるならコンビーフを思わせる濃厚な旨みが堪らない。
(もちろんコンビーフではないので、塩辛感やパサパサ感はない)
以前はボンフリーファーム産であることをメニューに明記していたのだが、最近は牛トロ丼の大ヒットでボンフリーファームが有名になりすぎてしまったためか、逆に「十勝清水の」としか書かなくなっており、その奥ゆかしさがまた素敵なところ。
…と、まあこんな感じて知る人ぞ知る(今は有名になってしまったものも含む)食材をさり気なく使っているお店。
そして水が美味しいということは、当然コーヒーも美味しく、しかも手作りの日替わりケーキも美味しいので、食後のデザートにケーキセットも、というのがいつものパターン。
(更に言うと、失礼を承知でペットボトル持参で水を汲んでいただいたりも。)
ただここ最近少し気になるのが、以前はメニューにあった山菜ラーメンをはじめ、いくつかのメニューが姿を消したり、あるいは残っているメニューも値上げが多いということ。
女将さんにさり気なく聞いてみると、「もう歳だから、少しずつメニューを整理しているのよ。」とのことで、無理のない範囲での営業へとシフトしている様子。
おそらく普通の企業ならリタイヤしておかしくない年齢かと察するところなので、決してお店が「いつまでも」営業している訳では無いのかも知れない…とも感じられて、ちょっと寂しくなるところ。
なおこちらのお店は三股生まれの女将さんと、関西からIターンしてきたというご主人、そして時々娘さんも手伝って…という具合にご家族で経営されているお店。
そんな事もあって、ここの女将さんは地域の自然・歴史・見所など、実に詳しい方で、しかもかなりの情報通かつ常にアンテナを張っていらっしゃる方なので、この地域を散策するにあたって色々と情報を教えて頂いたり、地域の自然環境や観光政策についても熱く語っていらっしゃったりと、なかなか素敵なお方。
(やはり過疎化が進んでいる地域なので、温泉やお店、施設など閉店が相次いでいるので、「わざわざ行ったのに…」というケースが多いので、詳しい方がいらっしゃるというのは有り難い限り。そして帯広駅の観光案内所で訪ね事をしたもの、係員では答えられなかった事があって…そうしたら観光案内所の人がココのお店に電話して確認して返答してくれた事があったりも。)
そして昔でも年に数回、今では数年に1回しか訪れない客(つまり私)のことを、覚えていてくださって、「あら、また来てくださったのね^^」と迎えてくれるのも嬉しい限り。
但しご主人のほうはかなりシャイな方のようで、基本的にお店に出てくることはないものの、厨房から客と女将さんの会話などしっかり聞いていて、わざわざ女将さんを厨房に呼んで伝言形式で色々と教えてくださったりします。でも未だにご尊顔を拝したことはありませんが(笑
そして鉄道系の方には、「糠平-十勝三股」の鉄道代行バスの運転手だった人として有名なようで、その関係なのか当時の十勝三股駅スタンプが店内に設置されていたり、往時の駅模型などが置かれている事も有名かも知れません。
(国鉄士幌線が正式に廃線になる前、末端過疎区間の糠平以北に関して、「表向きは国鉄の鉄道路線として営業するが、国鉄釧路支社の一存で、実際には列車運行を休止しバスで代行輸送を行っていた。」という時代が10年ほどあり、ご主人がそのバス運行を委託されていた人、という事。)
ちなみにココのお店は、ご自宅も兼ねており、「冬場は家守をしないとイケナイので…」との事で、冬期も営業しているという有り難いお店。
但し冬場以外のオフ期にバカンスのための長期休業があるので要注意。
(で、そのバカンスの話から、厳寒の北海道で、南の島の話題ですっかり盛り上がったりも・笑)
そしてこのお店がある十勝三股そのものが、実に興味深く、そして素敵な場所。
この十勝三股を含む北十勝エリアは、個人的には日本一…というか世界一お気に入りのエリアなので、ネタはいくらでもあるところ。
でも少し話が長くなってきたので、今回はココまでにして、次回は三股盆地そのもの(士幌線跡も含めて)の話でも…
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お出かけ回想 | 日記
Posted at
2013/06/04 00:09:06