一泊二日の弾丸旅に出発
大阪駅からスーパーはくとに乗車

※帰路に撮影した同型車@鳥取駅
2席だけ存在する1人掛けシートで朝食
最近は、神戸の淡路屋だけでなく、姫路のまねきの駅弁まで大阪駅で入手可能。
水了軒亡き後、逆にバラエティが増えているという皮肉…とは言え、淡路屋もまねきも味は確かなので、そういう方面での不満は特にないのだが。
但しJ-WESTのチケットレス特急券が設定されている姫路までは、短距離利用者が多く、また複々線で併走する列車もあったりと、ちょっと慌ただしい事もあって、駅弁は姫路駅出発後までお預け。
鳥取駅で、快速とっとりライナーに乗り継ぎ
スーパーはくとからの乗り継ぎ利用客も多く、コレなら鳥取-倉吉間でスーパーはくとの停車駅を増やした方が便利なようにも感じるところ。
そして味のある駅舎の青谷駅で下車
今回、最初の目的地は、この駅から歩いて5分程のココ
ドラッグストア???…まあ元道民の性で、ツルハグループという文字に反応したのも事実なのだが…
本当の目的地は、駐車場内にあるこのプレハブの建物
見た目は安っぽいのだが、青谷上寺地遺跡展示館という歴とした資料館。
そしてその名の通り、青谷上寺地遺跡に関する展示施設なのだが…恒例の手抜きモードで…(大汗
Wikipedia「青谷上寺地遺跡」より抜粋
青谷上寺地遺跡(あおやかみじちいせき)は、鳥取県鳥取市青谷町青谷にある、弥生時代の集落遺跡。
平成10年度から3年3ヶ月の期間をかけて、遺構面の面積で延べ約55,000m²が発掘調査された。典型的な低湿地遺跡で、弥生人の脳をはじめとする多彩な遺物が出土したことから「弥生の地下博物館」とも呼ばれている。
遺物は膨大な数の土器以外に、鉄器・青銅器・木器・石器・骨角器など多彩で、後述の遺物も合わせ弥生時代の情報量の多さは特筆される。
遺跡の東側の溝では弥生時代後期の100人分を超える約5,300点の人骨が見つかったが、うち110点に殺傷痕が見られた。また2点に脊椎カリエスによる病変が確認された。これは日本における最古の結核症例である。
日本で初めて弥生人の脳が3人分発見された。
ここの遺跡は、程良い水分を含んだ状態で粘土層で密閉されるような形で地下に埋まっているという、軌跡的な保存状態の良さで、弥生人の脳が形を保って出土するなど、世界的に見ても希な遺跡。
(但し現段階ではまだ弥生人の脳からDNAを取り出すには至っていないとのこと)
そしてこの青谷上寺地遺跡展示館では、出土品の現物を見学することが出来る
…と、以上ココまでの写真に写っている出土品は全て本物(レプリカでは無い)
※メインの被写体として写っているものは全て本物であることを確認して撮影していますが、背景に写っている展示品などにはレプリカ品も含まれている可能性があります。
また出土した人骨や、脳のレプリカ、出土した脳の一部を切り取った現物も展示されているのだが、流石にこれらの撮影は気が進まなかったので、写真は無し。(撮影禁止という訳では無い)
その中には殺傷根のある人骨も含まれており、その現物も展示されている。
そして武器の類の出土品も多い
こちらの盾はレプリカであり、出土品と全く同じとは言い切れないものの、これだけ鮮やかな着色が残っていたというのも驚きの限り。
この展示館は、こうした出土品やレプリカの他、映像資料で発掘時の様子やCGによる当時の風景の再現などといった事も紹介しており、プレハブの外見からは想像も出来ない充実ぶり。
また専門職員が館内で勤務しており、要望があれば詳しい質問にも応じてくれる一方、基本的には必要以上に干渉せず、良い意味で放っておいてくれるので、じっくり見学が出来るというのもポイント大だろう。
また図録類(専ら閲覧用。販売用は品切れが多い)やパンフレット類も充実しており、椅子と机もあるので、これらをじっくり読み込みつつ、適宜展示を見学することで、理解を深めることが出来るのも素晴らしいところ。
あと、少々下世話な話ではあるのだが…この充実ぶりにも係わらず、入館無料、空調完備、お手洗いも清潔…と、本質的な部分以外の部分でも言うこと無しの施設であると付け加えたい。
そして展示館を後に、長閑な田舎町の風景を眺めながら少し歩き
旧青谷町役場に到着
ここの館内にも、県の文化財関係の部署の出先機関が入居しており、その一角にも出土品が展示されているとのことだったのだが…
ちょうど昼休みの時間に当たってしまい、決して断られたわけでは無いのだが、かといって歓迎されていないような空気感だったので、早々に退散。
向かいにある郷土館も覗いてみたのだが
こちらは資料館的施設というより、地元のイベントホール的なスペースで、地元の人(素人)の写真展が開催されているだけ。
そして徒歩で行ける範囲には他にコレと言ったスポットも無さそうなので、列車の時間を見計らって退散することに
鳥取行きはキハ47
ラッピング列車との行き違いを待ってから出発
そして鳥取駅に戻り、次なる目的地へ向かうバスに乗ろうと、駅前のバスターミナルへ移動してみたものの…ほぼ列車と入れ違いに発車したばかりで、次のバスまで時間がかなりあると言う、残念な状況。
そんな時、ふと目の前に100円循環バスが現れ、その経由地を見てみると、ちょっと気になっていたスポットが含まれていたので、予定変更を即決し、そのままバスに飛び乗り移動。
「くる梨(くるり)」という循環バスで、マイクロバスながら3ルート運行され、どのルートも日中20分毎の運行という、なかなか使い勝手の良いバス。
鳥取の市街地は「歩けなくは無いが、歩くには微妙に広い」という悩ましいサイズの街なので、多頻度運行かつ100円均一というバスは嬉しい限り。
更に言うと、「共通電子マネー対応」というのもポイント大なのだが…その「電子マネー」というのが、交通系のSuicaではなく、ID、QuickPay、WAON、EDYという、まるでコンビニのようなラインナップ。
(個人的にはクレジットカードの明細を家計簿代わりにしているので、明細に出る紐付け型電子マネーが有り難い)
そして運ばれた先は鳥取東照宮(但しバス停からは公園を通り抜けて、ちょっと歩く)
鳥取藩主池田光仲の母が徳川家の出であった縁もあり曾祖父徳川家康を祭る因幡東照宮として、1650年に造営された神社で、その後、樗谿神社、鳥取東照宮と名を変えつつ今日に至っている。
ひっそり静かな雰囲気の神社と言った感じではあるのだが、この後紹介する中心部の建物は創建当時のものが残り重要文化財に指定されているなど、歴史ある神社である。
石段の先に拝殿
唐門(手前)と本殿
そして徳川家康を祭る東照宮だけあって、至る所に三つ葉葵の紋章が見られる
参拝を終えた後は、参道にある鳥取市歴史博物館(やまびこ館)を見学
何故か特別展(絵巻物がテーマ)は無料で、常設展が有料という謎の施設。
で、常設展に関してコメントすると…「自動人形劇的な展示や、ハンドルを操作して展示を動かすと言った、奇を衒ったギミックで、子供受けしそう」と言った感じだろうか。
とは言え、正直な感想を言うと、先ず施設全体を見学するという流れは重視されず、それぞれのコーナーで個別のテーマを脈略無く紹介している感が強い印象。
しかもそれぞれのコーナーは歴史的・地理的な肝となる部分ではなく、ギミックを取り入れやすい部分を中心に据えて、「ギミックを取り入れるために展示を構成した」ような感じになってしまっているのが気になるところ。
楽しいギミックを取り入れるのは良いことなのだが、そればかりに力が入り、博物館としての本質を見失って本末転倒になってしまっているような印象が否めないのである。本質あってこその遊び心だと思うのだが…
なお館内は撮影不可のため、写真は無し。
そして少し時間は早いのだが、今晩は少し贅沢な温泉宿を予約しているので、早めにチェックインすることにしてバス停へと戻る。(と言っても2食付きで1万円台後半クラスなのだが…)
バスを待つ間に、周囲を見渡すと、かなりお洒落な民家が多い
勝手な想像だが、昭和初期の高級住宅街だったのだろうか。そして当時としてはかなりモダンな建物だったのだろう。
そして鳥取駅から歩いても10分程のところにある温泉宿にチェックイン
何せ駅近の市街地なので、周囲はマンションが建っていたりと、温泉宿としては落ち着かないロケーションではあるのだが、視線を内側に向けるように、池のある中庭を取り囲んで建てられた落ち着いた温泉宿。ちなみに上の写真右手の六角形の建物が大浴場。
回廊を通り
先ずは部屋に落ち着く
ちなみに山陰本線ビューなのだが…タイミングが合わず、列車の写真は無し(大汗
そして大浴場ではザブッと浸かるだけに留めて
宿泊者用の貸切風呂をハシゴ(予約制では無く先着順)
まあ市街地なので、塀の向こうから列車や車の走る音が聞こえてくるのはご愛敬…
しかしココの温泉は…
肌がつるつるになる良質のアルカリ泉で、しかも循環無しの掛け流しと、天国のような温泉。
更に大浴場、貸切風呂とも、係員が常駐し巡回し、こまめに清掃されているため、至って清潔。そしてその係員のおばさんもソフトな物腰とフレンドリーさを兼ね備えた素敵なお方。
そして休憩スペースには檸檬水と、ガイドブックを中心とした図書コーナーもあり…と、湯だけでなく、設備やソフト面、何をとってもなかなかの高レベル。
で、ここの図書コーナー…鉄系の本が多く、しかも特定の著者(某有名鉄道系ライター)の本が目立っていたので、「何でこのチョイスなんだろう?」と不思議に思っていたのだが…実はここの旅館、このライターの実家なのだとか。確かにこんな線路の真横で育てば、鉄道好きにもなるだろう…
そして温泉を満喫した後は、お楽しみの夕食タイム。今回は3000円ほど追加して、食事アップグレードプランをチョイス。部屋食で気兼ねなく楽しめるのもポイント大。
先ずは鳥取の地酒から
前菜(珍味)
もずく
造り
鳥取牛のしゃぶしゃぶ
…と、鳥取の海と山の幸が続いた後は、季節のお楽しみ
岩牡蠣の素焼き
ちなみに今回、「生」「素焼き」「バター焼き」と3種類の選択肢があって、かなり悩んだのだが…
「生」も捨てがたかったのだが、明日のことを考えると…更に、仲居さんに「体調に自信があるなら…」と脅かされたこともあって、結局「素焼き」をチョイスした次第。
しかしサイズを比較できるものを移し込んでおかなかったのは失敗…(某みん友さんのブログを拝見して気が付いた次第)
せめて参考までに5年前に隠岐で食べた岩牡蠣のフライの画像など
右上のコロッケにしか見えないフライが、岩牡蠣のフライ。この時、完全にコロッケと思い込んでいてパクついて、思わず声を上げてしまったのは内緒(汗
…と、まあ普通のコロッケくらいのサイズの牡蠣だと思って頂ければ宜しいかと。
そして白烏賊素麺
更にここで今回の目玉である鮑のステーキ(食事アップグレードというのはコレ)
見た目はステーキっぽく無いのだが、しっかりバターで焼かれており、風味は完全にステーキ。
それにしても鮑とバターがこんなに相性の良いモノだとは…更に苦みを控えめにブレンドされた肝ソースとの相性も抜群。
それにしても、程良い苦みを残しつつも、それ以上のしつこい苦みを感じさせない絶妙な調理にはただただ脱帽。
更に白烏賊の天麩羅に
ノドグロの塩焼きと続き
後はご飯とデザート…と言った具合。
そしてお酒も回って、気持ちよく就寝。
翌朝のお楽しみは朝風呂と朝食
こちらも土地のものを取り入れた献立なのだが、ご飯に合わせずとも、単品で食べても美味しいものが多いというのが嬉しいところ。
お気に入りは、干物に湯豆腐、そしてラッキョウ。
そして2日目は、鳥取城を中心に散策し、夕方の列車で帰宅予定…なのだが、こちらの話はまた機会を改めて。
<つづく>
オマケ的にちょっとだけ予告編など