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● 海から見るアンマサリクの街
グリーンランド2日目の朝を東グリーンランドのアンマサリクで迎える。
白夜で1日中明るいとは言え、時間帯によって日差しが変わってくるので、風景はそれぞれの時間によって異なる表情を見せてくれ、飽きることがない。
旅行記のペースがあまりにスローと言うこともあり、実感がないかも知れないが、実はまだ4日目である。
(ちなみに全行程は17日。さてさて何時になったらレポートが完結するのやら…この調子だと、2013年初夏。いやいやもっともっとペースアップしなければ…)
シンプルな朝食を終え、今日もまたフランス人夫妻と一緒に行動。
先ずは昨日から申し込んでいた、「氷の海のクルージング」に出発。
ホテルから送迎車で港へと運ばれるのだが、待っていたのは小さな小船。
確かに3人のクルージングには十分と言えば十分なのだが、氷の海へ漕ぎ出すにはやや小さすぎる気もしなくはない。
乗客3名と、船頭1名の合計4人で出発。
ちなみに写真右手に見えている船もホテルの所有で、盛夏時期に行われるロング(と言っても日帰り)クルージングツアーに使われるのだとか。
しかしこれでも入江を出て氷の海を航行するには小さすぎる気がしてならない。
港近くにある燃料タンクを眺めつつ…
先ずはアンマサリクの集落に面する入江(フィヨルド)を航行。
もう見飽きた“トンガリ山”かも知れないが、もうしばらく辛抱してお付き合いを…
幸いなことに、海は至って静かで、穏やかな航海になりそうである。
入江の中にも氷塊がプカプカ浮いており、澄んだ海水の下に巨体を隠していることが解る。
「氷山の一角」とは、まさにこの事なのだろう。
そしてアンマサリクの港を振り返って。
そして陸からでは目につきにくいのだが、町外れに廃棄物置き場があることがわかる。
有害なものは別にして、場所が場所だけに運び出しての処理が難しいのだろう。
でもまあここは一応デンマーク領なので、そこまで杜撰な処理はしていないだろうと思われるが。
そして新市街方面を望む。
更に遠ざかり、アンマサリクの街の全体が見渡せる。
比較的穏やかな斜面に作られた見通しの良い街なので、海からでも、あるいは昨日のように丘からでも街の全容が見渡せる。
糠平湖にありそうな「きのこ氷」を発見。
フランス人夫妻や船頭さんに「日本では、ああいう形の氷を『きのこ氷』と言っている」と話すと、「巧いネーミングだ!」とやたら感心された。
そして入江の出口に当たる灯台を眺めて外洋へと漕ぎ出す。
● 氷の海をクルージング
一歩外洋に出ると、氷塊の大きさが桁違いに大きくなってくる。
しかも乗っている船が完全な小船なので、そのスケール感も際だってくる。
しかし外洋に出ると、流石に風も冷たい。…というか、体感的には冬のオホーツクと大差ないほどに寒い。
そこで体を温めることに(笑
No.2でも登場した「Brennivin」というアイスランドの地酒。ジャガイモの蒸留酒にハーブで味付けしたもので、北欧で言う「アクアビット」のようなものである。
氷の海で一杯…至福の時間である。
そうしているうちに、島と見間違いそうな立派な氷河に接近してゆく。
正直「コレは氷河なのか?それとも島なのか?」と思ってしまうほどである。
離島だと言われたら、信じてしまうだろう。
エンジンを止め、しばらく休憩。
静かな氷の海の上で、一杯飲みながら寛ぐ日本人と、写真を撮りまくるフランス人…
こうして至福の時を過ごして、船は港へと戻っていく。
往きと違い、帰りは結構な速度で航行。スリル満点…というか寒い。
そして再びアンマサリクの港へと入港。
出発の時は、船に乗り込むことだけで周りが見えていなかったのだが、今度はゆっくりと港を観察。
桟橋
桟橋に給油ノズルが
こうして2時間ほどのクルージングは終了。船頭さんともお別れである。
● 港をぶらぶらと
港からホテルへは、送迎車が向かいに来るとの事なのだが、まだ到着していないようなので、しばらく港をぶらぶら歩く。
ここアンマサリクは、こぢんまりした田舎町に思えるが、歴とした東グリーンランドの中心都市。
ここの港も物流の重要な拠点になっているようで、立派なコンテナなどが多く積み上げられている。
しかし一方で、ふと足下に目をやると、おそらく地元で捕獲されたものであろうサーモン(あるいは海獣の肉かも知れない)が豪快にビニール袋に入れられて置かれているなど、田舎町的な風情も感じられる。
ちなみに、後刻このように豪快にビニールに入れられた獲物が、スーパーの前で露店販売(地元の人が勝手に売っている感じ)されているところを見ることになる。
しかし送迎は一向に来ず。流石に体も冷えているので、ホテルでちょっと休みたいのだが。
そうしていると、1台の車が小船を牽引して走ってくる。
ドライバーはと言うと…昨日、市内をドライブで案内してくれたガイドさん。どうやら今日はガイドとしてはオフで、自分の生業に精を出しているようだ。
そのまま船を海におろす様子を見学。地元の人が協力し合っての作業である。
おそらく冬場に陸に揚げていた船を海へおろしているのだろう。
その後、ガイドさんに「何をしているのだ?」と訪ねられたので、「送迎を待っている」と告げると、ホテルに連絡を入れた上で「じゃあ私が送りましょう。乗ってください。」ということになった。
こうしてやっとホテルに戻り、温かい部屋で暖を取ることが出来た。
<つづく>
撮影機材
・SONY α200 + SONY CarlZeiss T* Vario-Sonnar 3.5-4.5/16-80(24-120)[SAL1680Z] and SIGMA 10-20(15-30)mm F4-5.6 EX DC and TAMRON SP AF 18-250mm Di II LD Aspherical [IF] Macro [Model A18]
・SONY CyberShot DSC-TX5 (CarlZeiss T* Vario-Tessar 3.5-4.6/4.43-17.7(25-100))
・MINOLTA αsweet II + MINOLTA AF 24-105mm F3.5-4.5 + FUJICHROME PROVIA 100F or VELVIA 100F
※なおグリーンランドに関しては、日本語で書かれた資料も少なく、今回の旅行記の執筆にあたっても、断片的な情報から判断していたり、また資料や現地で見聞きした英語を私の拙い英語力で解釈しているものが多くあります。
当然のように正確さを欠いていたり、間違いもあることが予想されます。
地名などのカタカナ表記はWikipedia等を参照しておりますが、日本語での統一的な記載が定まっていないうえ、私自身がデンマーク語やカラーリット語が読めるわけでもなく、正確さを欠いている可能性があります。
また文中で“旧市街”“新市街”“流氷の見える丘”といった日本語の呼称を用いていますが、当然現地にこのような日本語訳が存在している訳はなく、私の理解に基づいて、あくまで便宜的に名付けたものにすぎません。
以上、ご了解のうえ、あくまで“無責任な素人の日記”としてお読みください。
間違ってもこのいい加減な旅行記を根拠にした論などなさらないようにお願いいたします。
また何か間違いがあっても当方では一切責任を持ちません。(ご指摘やご教授は歓迎いたします)