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2012年10月20日 イイね!

兵庫県立考古博物館

#このエントリーは以前にアップしていたものです。
#諸事情により公開を見合わせていましたが、一部分をカットしたうえで再公開します。



昨日、神戸市内のアポが午前中と五時半と、中途半端に空いてしまったので、半休にして、以前から気になっていた播磨町(明石市と加古川市の中間)の兵庫県立考古博物館へ行くことに。


朝、出発するときに、あわてて標準ズームをカバンに放り込んだつもりが、現地で鞄の中から出てきたのは、FishEye…確かにサイズ的にはよく似ているのだが…
(まあフィッシュアイは、面白いレンズではありますが、旅やお散歩の記録には向いていませんね…)


午前中のアポを終え、神戸駅にて



先ずは地下街で食事をして


JRで土山駅へ移動し、「であいの道」という遊歩道を通って、お目当ての博物館へ。
(※復路分の写真も一緒に紹介しているので、日の傾き具合など、一部おかしな所もあります)




このブログを見ている方の中には、きっと何か「ピン」と来られた方がいるかも知れませんが…
そう、この遊歩道は1984年に廃止になった、別府鉄道土山線の線路跡を整備した遊歩道。


そしてフィッシュアイレンズも使い方次第では、“ちょっと樽型収差の強いオールドレンズ”で撮った画像にも見えなくはないような…



橋を渡って



線路跡は公園の中へ



ここは「大中遺跡」という遺跡で、「播磨大中古代の村」という公園として整備されている。


そして遊歩道はここで終わり、この先は道路に転用されているのだが…廃線跡探訪ではないので、これ以上の深入りするつもりもなく、園内施設の見学を開始。


先ずは播磨町郷土館


展示そのものは1部屋だけの質素なもの。


そして敷地内に別府鉄道の車両が保管・公開されている。



先ずは機関車





次に客車




そしてようやくお目当ての兵庫県立考古博物館へ


エントランス


屋上


遺跡公園内に在ることから、周囲の景観にも配慮した施設…との事。
確かに「建物」というより、「山」に近い存在感ではあるのだが…ちょっと微妙な気も。


更にここの博物館は、開館当時から「工夫が凝らされている反面、偏った史料や学説に拠っており…」と、展示そのものにも賛否両論ある施設。

とは言え、先ずは見学してみないことには何も言えないわけで、館内へと進む。



発掘現場を模した展示で、子どもたちが“発掘気分”を味わえるようなコーナー。



みんカラ的には何とも解りやすい例え…



そしてメインの常設展示では、自然の中で生きた時代から、シャーマニズムの発生、そして戦乱の中で権力が生まれ、王が誕生し、権威の象徴として古墳が作られ、更に権威の象徴が古墳から寺院へと変化し、船を使った交易で富と権力が更に…といった流れを紹介している。(但し船云々は、復元船を展示の目玉にしたいという意図と、平清盛と無理矢理にこじつけた感も…)






まあ考古学や史学に関して、私はド素人なので、学説云々について批評することは出来ないのだが…
文献が残っているわけでもない時代の歴史を、考古学から紹介しているわけで、どうしても「どの学説を採用するか」という問題が発生してしまうのは仕方が無い話だとも思える。

ただ個人的には、教科書では大雑把にしか学んでこなかった日本の先史時代の流れを(学説や客観性云々と言った細かな事は別にして)解りやすく紹介しており、今まで意識することが少なかったような時代の歴史を、解りやすく新たな概念で見ることができ、少し目から鱗だったかも知れない。


ただ個別の展示が凝っている反面、こうした全体的なテーマや流れが捉えにくい感じは否めない。

私もド素人とはいえ、“展示を作る側の意図”や“史料が少なく、文献もない時代を扱うことの難しさ”などは理解できるのだが…
何も知らずに子どもたちが見学に来ても、目先の工夫・趣向ばかりを楽しんで「ただ楽しいだけ」に終わってしまわないか心配になるのもまた事実である。
もう少し全体的なテーマを意識し、展示に“流れ”を意識した工夫が欲しいところである。

また「評価が定まっていること」と「まだ推測の域であり、一つの考え方にすぎないこと」を区別し、そこから考古学そのものの役割について考えるような工夫が欲しいところ。

(楽しい趣向が多い反面、それらが“考古学の成果に基づいている”という実感が薄い。折角“考古学体験”的な趣向のコーナーがあるのだから、もう少し他のコーナーとの有機的な繋がりが欲しいところ。体験と展示が分断してしまっている気がしてならない。)


そして地下にビデオコーナーもあるのだが…


博物館のメーキング映像などもあり、学芸員をはじめとする「作り手」が楽しんで作り上げた博物館であることは強く伝わってくる。

ただ枝葉の部分に凝るのも良いのだが、もっと広い視野で展示が作れなかったのかと、とにかく「“おしい”博物館」だというのが、私の個人的な感想。

(但しこれは“ド素人”の感想であり、見る人が見ればきちんとした評価になるのかも知れないのだが…)
Posted at 2016/05/24 20:55:06 | コメント(8) | トラックバック(0) | 旅のまとめ(2012年) | 日記

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