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2014年09月18日 イイね!

普悠瑪号に乗って蘇墺冷泉へ

先ず最初はちょっとオマケの話題から…


日本国内で売られている台湾の鉄道時刻表(同人誌扱いだが、大きな書店なら手に入る)

偶々見かけたので、わざわざ日本式に編集して、地図や編成表、運賃表まで掲載するというコダワリに敬意を示して、一冊購入。


実は台湾の鉄道時刻表は、路線が多くないこともあって…葉書を変形したようなサイズで、厚さ5mm程のものが、無料で用意されており、駅の窓口で入手可能。
またオンラインからのダウンロードも出来るので、特に買う必要もないような気もするのだが…

しかし台湾の時刻表は、優等列車(対号列車)とローカル列車(非対号列車、あるいは区間車)が別々のページに掲載されているため、乗り継ぎがある場合などに使いにくいという難点も。

その点、日本式のものは、優等列車もローカル列車も同じページに、同じ表の中に書かれているので、乗り継ぎを確認したりするのに、かなり便利。
(但し、地図上で示されているページ数が間違っていたり、誤植なのか最新の更新が反映されていないのか微妙に時間が違っていたりするので、少々注意を要するが…)


今回はそんな「優等列車とローカル列車」を乗り継いで鉱泉へ入浴に行くというお話…





台北駅から出発



立山黒部アルペンルートの広告が出ていたり



江ノ電と台鉄平渓線の提携をPRするコーナーもあり


一日乗車券の共通利用などの提携が行われているのだとか。
(※使用済みの一日乗車券を持参すれば、相手方の一日乗車券が貰える)


更に無人図書館があったり


鉄道系ショップや、前回紹介したフードコート・レストラン街もあり、鉄道に乗らなくても楽しめる駅なのだが…


今回はこんな列車に乗り込んで出発


台湾東部の花蓮-台東間の複線電化に伴い導入された日本製のTEMU2000形という振り子電車で運行される「普悠瑪号」という特急列車(自強号)


以前に花蓮まで電化開業した際に、JR九州885系の兄弟車であるTEMU1000形が「太魯閣号」として導入されており、その実績も踏まえて、増備が検討されたものの、折りしもの円高の煽りを受けて、価格面での折り合いがつかず、しばらくの間宙に浮いてしまうことに…

(ちなみに台湾では、90年代に韓国や南ア製の車両を導入したものの、その韓国企業が台湾から早々に撤退し、アフターケア等に支障をきたし、更には故障の多発による車両不足などのトラブルに繋がる事に。そんな事情があってウォン安の時期であってもそれらの企業は入札から閉め出され、近年は日本製あるいはそのノックダウン生産車両が主に導入されている。)


そして台東までの電化開業が決まり、ようやく振り子電車の入札が行われ、TEMU1000形で実績のある日立のほか、日車が応札し、今回は日車が落札。TEMU2000形が導入される事になったという次第。


それにしても花蓮-台東間は、優等列車はそれなりに走っているものの、ローカル輸送需要がそこまであるわけでも無さそうで…
複線電化(併せて路線の付け替え等も各所で行われた)というニュースは、例えるならJR北海道が南千歳-釧路間を複線電化するくらいのインパクトがあるのではないだろうか。

ちなみに台北-台東間は、通常の特急(自強号)で5時間22分~50分の所要時間のところ、普悠瑪号は3時間30分~55分と、約2時間の時間短縮を果たしている。


そして今回は、その普悠瑪号の乗車体験を楽しむのだが…夕方前から出発という時間的な制約から台東までは行かず、途中の羅東まで1時間13分だけ乗車することに。

そして羅東から普通列車(区間車)に乗り継いで冷泉(つまり鉱泉)で有名な蘇墺を訪れることにしたい。


先ずは台北駅から普悠瑪号に乗車


太魯閣号や新幹線700T形にすら存在しなかった、乗務員用ドアが設けられているほか、「TRA」(Taiwan Railways Administration;台湾鉄路管理局、つまり台鉄)ロゴが大きく描かれているのが印象的。


また台湾の優等列車は、欧州の列車と同じで、特に自由席車/指定席車という区別が無く、「座席指定券を持つ乗客が優先」というシステム。

しかしながら「普悠瑪号」と「太魯閣号」の場合、振り子による揺れによる事故を警戒して、「無座」扱いでの乗車は認められておらず、乗車前に車掌が乗車券を確認して誤乗を防いでいる。

それでも意外に多くの乗客が「無座」で乗り込んでおり…車掌が車内を巡回し、無座の乗客を追い出してからの発車となる。


そして車内は、太魯閣号がオレンジを基調とした配色だったのに対し、こちらはインパクトの強い赤が基調。



そして車内設備も充実しており…自動販売機、車いす対応の洋式便所なども設けられ、車内案内はもうグチャグチャ


3年前の旅で乗車した太魯閣号の場合、水戸岡デザインの885系という兄弟車とどうしても比較してしまうので、「ちょっと味気ない」という評価になってしまったのだが…
普悠瑪号に関しては強力な比較対象が無いという点で救われているのかも知れない(笑

なお一部では681系ベースとも言われているものの…デザイン面はともかく、そもそも681系は振り子車両では無いなど、機能面は別物だと思うのだが…

ただ内装が全体的に…JR東日本的というか、走ルンです的というか、プラスチッキーでちょっと安っぽい印象はちょっと否めないかも知れない。


そして座席はこんな感じ



台湾の優等列車で定番の「窓側に2連のカップホルダー」という伝統は受け継がれながらも、シートバック式のテーブルも設置され、食事などには便利そう。
(※台湾の場合、新幹線と太魯閣号と普悠瑪号以外の優等列車にはシートテーブルは装備されていない)

そして車内販売も乗車しており、駅弁(暖かい状態で販売)や飲み物の他、各種普悠瑪号グッズも取り扱っており…大人用の鉄下まで売られていたのにはビックリ。


そして、ちょっと気になったのが…座席の形状。

まあ個人の体型による側面が強いのだが…枕の部分がポンと突き出ている形状で、私のようなデブの場合、強制的に首を下に向けられるというのは苦しくて仕方が無いのである。

僅か1時間強の乗車時間だったのだが、このシートに苦痛を感じてしまい…帰路は普悠瑪号を避けてしまったのだが(苦笑


普悠瑪号は台北近郊の地下区間を抜け、炭坑関係の遺構が多く見られるエリアを走り抜け、あっという間に宜蘭エリアに到達



そして定刻どおり羅東駅へと到着


ちなみに台北からの運賃は238元(≒¥865)と、乗車時間の割に格安。





ここで40分弱の待ち合わせで普通列車(区間車)に乗り継ぎとなるのだが、待ち時間もあるので、一旦外に出てみることに。



妙に鉄っぽい駅前広場


そして観光案内板(繁体字中国語)を見ていると、駅から1km程の所に「羅東林業文化園区」という林業をテーマにした公園兼資料館のような施設があり、往時の森林鉄道の車両も保存されているとのことなのだが…残念ながら既に営業時間は終了している。
まあもし営業していたとしても、往復の移動時間を含めて40分程の持ち時間では少々無理があるので、また機会を改めて訪問するしかなかっただろう。

こうして台湾でも着実に宿題は増えていく…(笑


そして駅のコンコースへ戻ると、コンビニやゲームセンターの他、普悠瑪号を象った駅弁販売所があり、目を引いている。


ここ羅東は決して大きな駅ではないのだが…台北と花蓮のちょうど中間に当たるとのことで、車内販売向け駅弁の補給基地としての役割を担っているのだとか。
(台湾の駅弁は暖かい状態で販売されるので、「出発地で大量に積み込めば良い」という訳では無い様子)

あと普悠瑪号のシートや、テーブルも設置されていて、イートインコーナーになっているのかと思いきや…食事は禁止とのことで、あくまで記念撮影用とのこと。

但し今回は…この先、普通列車での移動になり、その先の行程を勘案しても、暖かい状態で食べられそうにはないので、購入は見送り。


そして韓国製電車で運行される普通列車(区間車)で移動。


実はこの普通列車、台北を普悠瑪号の45分前に出発し、普悠瑪号の倍以上の2時間35分を掛けて羅東までやって来た電車なのである。


そして蘇墺新駅で、花蓮方面の路線と別れ、盲腸線の終着駅である蘇墺駅へと到着。
これは蘇墺-花蓮間の路線が開業した際、蘇墺駅手前の蘇墺新駅で分岐することとなり、末端の蘇墺新-蘇墺間が盲腸線になってしまったもの。日本で言うところの門司港駅のような状態なのである。(実は台湾ではよくあるパターン)


ちなみに羅東からの所要は18分、運賃20元(≒¥73)

なお台湾には遠距離逓減制などの制度はなく、運賃は距離に単純比例。なおかつ列車毎の購入となるので、台北-羅東と、羅東-蘇墺は別々に購入することになる。
また特急料金という概念もなく、優等列車の運賃は普通列車の運賃の定数倍で設定され、自強号(太魯閣号・普悠瑪号を含む特急相当の種別)は普通列車の約1.5倍となっている。


今でこそ盲腸線の末端駅だが、元々は本線の終着駅だったということもあり、駅舎は立派


ちなみに優等列車は早朝の台北方面行きと、台北方面から夜間の到着のみで、日中は専ら普通列車(区間車)が1時間に1本程度運行されるだけの閑散とした駅…

と、思いきや…駅前には小綺麗なバスターミナルがあり、台北まで高速道路経由でバスが運行されている。

まあ台北から宜蘭地域を結ぶ交通手段としては、最近開業した長大トンネルで最短距離を結ぶ高速道路の方が有利なのである。
逆に日本統治時代に作られた鉄道は遠回りを余儀なくされており…それゆえに太魯閣号や普悠瑪号と言った振り子電車による特急を導入するといった対抗策を講じているという事情もあるのである。


帰路にはそんなバスを利用してみるのも悪くないだろうと思い、バスの時刻表を貰っておこうとバスターミナルの窓口で顔を出すと、わざわざ英語の出来る係員を呼び出して対応してくれたのだが…時刻表の用意は無し。
何故なら、「5~10分間隔で運行しているので、時刻表なんて要らないわ」との事。

鉄道は1時間に1本程度で、しかも乗り継ぎを考慮しているダイヤとは言えず…
一方のバスは5~10分間隔での運行。こうして見ると、台北-蘇墺間に関しては、完全にバスが圧勝している模様。


で、街を歩くことになるのだが…「1時間に1本程度の列車がやってくる終着駅の街」と言った趣ではなく、「5~10分毎にバスが走っている街」と言った趣



そして駅からも3~4分程度で、今回のお目当てである「蘇墺冷泉」(鉱泉)へと到着


要は鉱泉で水浴びの出来る公園で、入場料だけなら70元(≒¥250)なのだが、個室での水浴びなら入場料込みで200元(≒¥730)、沸かし湯付きの個室なら300元(≒¥1090)との事なので、沸かし湯付きの個室を選択。

指さしと英単語で希望コースを伝えると、電話で空室状況を確認した上で「NOW、OK」との事で、代金を支払い、公園奥にある個室浴場を目指すことに。


公園内を歩き




泳装部と呼ばれる、水着着用の水浴び用スペースを眺め…


「蘇墺冷泉」というと、この水浴び用の冷泉を指すらしいのだが…
涼しい日で、しかも日没前という事もあってか、ズボンの裾を上げて足だけ浸けている人ばかり。


そして九州で言うところの「家族湯」的な個室浴場の建物へ到着



フロントに顔を出すと、個室まで案内してくれる


台湾の温泉では、更衣室の床がびちょびちょの土間…というパターンが多いのだが、ここは簀の子が設置され、清潔感があるのが嬉しいところ。

そして奥の浴槽が冷泉で、手前の檜風呂が沸かし湯なのだが、檜風呂にお湯は張られておらず、各自でお湯を張り、退出時には栓を抜いてくるようにとの事。



お湯が張れるまでの間、冷泉に入ろうとしたのだが…


これが思った以上に冷たく、最初は足だけ浸けるのが精一杯。
檜風呂にお湯が貯まってから、体を温めて、何とか突入できる感じだろうか。

ちなみにここの冷泉はかなりの鉄分を含んでいるのだが、個室の冷泉は沸きたての冷泉が注がれているためか、酸化が進んでおらず、色は透明。但し臭いはかなり鉄分臭を感じる。

また炭酸泉で、体に泡が付いてくるのだが…冷泉の底から、出ている泡は、金魚鉢のポンプのようなもので、あくまで演出。


また檜風呂の沸かし湯は、酸化が進んでいるのか、かなり黄土色になっている。
温度も程よくぬる目で、ゆっくり入れそうな雰囲気なのだが…

但しこの個室が使えるのは40分間。服の着脱や、お湯が貯まるまでの時間を考えると、ちょっと慌ただしいのは確か。
「倍額で80分間」…と言った交渉をしてみるのもアリかも知れないが、英語はほとんと通じないので、込み入った交渉が出来るかは不明。


こうして個室での温泉(鉱泉沸かし湯)入浴を終え、湯上がりに売店を兼ねたフロントでサイダーを購入


但しこれが鉱泉水サイダーなのか、ただのサイダーなのかは不明。


そして売店では、個室に置かれていた台湾檜の浴槽も売られていて…


3万元…日本円で10万ちょっと…一瞬、心が動きそうになったのだが…

冷静に考えて、先ず持ち帰る方法を考えなければならず、しかも自宅(賃貸)にはこんな優雅な浴槽を設置できる風呂場もなく…
仮に持ち帰って、本宅(分譲)のほうに設置したところで、檜風呂のメンテナンスを考えると…

色々、ハードルが高いことは確か。もちろん購入はせず(笑


そしてすっかり日が暮れた園内を歩き




折角なので、メインの冷泉(泳装部)にもちょっとだけ足を浸けてみることに


水が黄土色に見えているのは、鉄分によるもの。写真で見るのとは違い、実際のところは不潔感は無い。

私の他には、水着姿のカップルが2組訪れており、楽しそうに水浴びを楽しんでいる。


そして駅へと戻ると、25分程で電車があり、台北方面への特急(自強号)への接続も良いので、鉄道利用で戻ることに決定。


その特急が、デブには辛い普悠瑪号ではなく、在来型の自強号だったというのも鉄道利用に決定した大きな要因。

但し往路は台北-羅東を1時間13分で到達したところ、在来型の自強号だと1時間52分も掛かる事になる。(それなのに運賃は同じ…)


何か軽く夕食を…と思い、近辺を歩いてみることに


しかし、めぼしい店と言えばフライものの屋台(フライドチキンやポテトなど、好みの具材を指定するとその場で揚げてくれるシステム)しか見あたらず、まあ時間も少ないので、今回はティースタンドで烏龍茶だけ購入して駅へ戻ることに。

で、ティースタンドで「ノンシュガー」とリクエスト(台湾では烏龍茶にも砂糖が入っているのが普通)して…それで日本人だと見抜かれてしまい「オイシイヨ、アリガトー」とのご挨拶(笑


そして駅の待合室で烏龍茶を啜り



区間車で羅東へと移動



流石にこの時間、台北方面行きの列車はガラガラ



そして羅東で9分の待ち合わせで自強号に接続…の筈が、列車が16分遅れているとのこと。

仕方がないので、駅のコンビニでこんなものを買い(駅弁屋は既に閉店していた)


ホームで待機。コンコースの待合いの方が冷房も効いていて涼しいのだが、列車が遅れている場合、停車時間を切り詰めてくることが予想されるため、ホームで待機することに。

これは中国語の案内放送が流れたところで、理解できないため、ホームで待っているのが一番確かという判断があっての事だったのだが…


案の定、中国語の案内放送で「ホームの変更」がアナウンスされた様で…

元々のホームでビールを飲みながら待ち続けていた私のために、わざわざ駅員さんが教えに来てくれて事なきを得ることに。


結局、列車は27分遅れで到着


柴油自強号と呼ばれる、ディーゼルカーによる特急。

ちなみに以前にも紹介したこの車両は1982年から東急車輌で生産された車両。


台東線の複線電化で、お払い箱になってもおかしくない車両なのだが、更新工事も行われており、最新鋭の電車に混じって、こうしてまだ運用が続けられている様子。


国鉄特急の雰囲気を醸しつつも、風水アーチやフットレスト付きの車内は、最近の特急と比べ重厚感を感じられる



そしてちょっと期待していたのだが…残念ながら時間帯が時間帯のためか、車内販売は無く、夕食は台北到着までお預け。


結局、遅れを回復することはなく、27分遅れのまま台北へと到着



写真を撮っていて、ふと気が付いたのだが…


この車両、運転席は半室で乗務員用ドアもないので…運転席横に凄い特等席が存在しているのである。

それにしても運転席直後のドアは非常口という扱いなのか、客扱いは行っておらず、また車内はその部分デッドスペースになっていて…とにかく日本人の感覚では謎の多い設計であることは確か。


そして切符を記念に持ち帰るため、消印を押しに行くと(台湾では使用済みの切符に自分で消印を押し、改札口で提示するとそのまま持ち帰れる)


何と、自動延着証明発行機が設置されており、折角なので延着証明も貰っておくことに^^;


そして夜の11時、台北駅へと帰還



前回も紹介した予備校街で何か夕食を…と思ったのだが…


時間が時間で、選択肢は「麦当労」(マイダンラオ;日本名マクドナルド)に「吉野家」に「和民」、その他に空いているのは「セブンイレブン」「全家」(日本名ファミリーマート)…と、全く台湾らしくない店ばかり。


少し歩いてみると、テイクアウト専門の焼き鳥店(というか炭火焼き専門店)がまだ営業していたので、何点か買い求めることに



店頭のケースから、好みの具材をカゴに選び、店の人に渡すとその場で焼いてくれるというシステム



鶏皮にナス、エリンギ、薩摩揚げなど、日本でもお馴染みの食材が多く、安心して選ぶことが出来る


但し、ソーセージだと思って選んだものが、実は「餅米の腸詰め」だったり、焼き鳥のタレがやや辛かったりと、少々意表を突かれる点もあったのだが。
(日本のそれに近い甘辛いタレなのだが、タレ瓶の底に唐辛子が1本沈んでいたのだろう。但し決して激辛という訳ではない。)

ちなみにお会計は全部(今回のブログの一番最後の写真を参照)で140元(≒¥500)。
英語は全く通じないので、スマホの電卓画面を表示して、金額を押して貰う形でお会計を済ませる。


そしてセブンイレブンに立ち寄って、何か台湾らしいもの…という発想で、お弁当コーナーにあった「椎茸と筍のお粥」と、台湾ビール+台湾フルーツビールを購入。

ここも英語は通じながったが、わかりやすく「ホットプリーズ、アンド、バッグプリーズ」と言うと何とか通じた様で、レンジで温めてくれ、レジ袋(台湾では有料)が出てくるかと思いきや…


一枚の不織布に切れ目を入れて、温めた弁当などの持ち運びに対応したものを用意してくれ…
そして「これは袋ではない」という論理なのか、袋代も無料。


そんな訳で選択肢は限られていたものの、何だかんだでホテルの部屋で優雅な夕食を楽しんだのだった。(但し焼き鳥のタレが辛口だったのは、ちょっと想定外だったが)
Posted at 2014/09/18 02:19:45 | コメント(4) | トラックバック(0) | 旅のまとめ(2014年) | 日記
2014年09月16日 イイね!

連休旅人モードになっていた時の話

関空からエバー航空機で出発



キティ仕様機と比べると、随分地味な印象(笑


そして今回はもちろんエコノミー…(苦笑

まあ台北までの飛行時間は、新幹線で東京へ行くのと大して変わらないので、多少狭くても不満はないのだが。
(それでも座席数を標準より詰め込んでいるANAあたりと比べると、座席数を標準より抑えているEVAは数段快適なのだが。)


関空積み込みの機内食は…相変わらず、それなり


まあ日本で作っているので、日本人の口に合わなくはないというのが救いだろうか。


そして台湾まではあっという間なので…映画を見終わらないうちに台湾へと上陸。
まあコレはいつものパターンで…往復のフライト合わせて一本の映画を見るというのが恒例になってしまっている。
(そして台湾映画は日本統治時代を描いた映画など、日本人が見ても興味深いものが多い)


そして台湾訪問は…今年既に3回目^^;

シャトルバスで高鉄桃園駅へ出て、完成が迫っている桃園メトロを眺め(これが完成すれば、桃園空港まで鉄道でアクセスできるようになる)



高鉄(新幹線)で台北駅へと移動


桃園空港から台北市内へのアクセスは、バスの方が乗り換えが無くて便利…とは解っていても、日本人としてはやはり新幹線に乗りたいのである。


そして今回は台北駅近くのホテルをベースに、少し遠出をしたのだが…



「ナマズ」とか「ブタ」とか揶揄される列車に乗って、日本統治時代の大建造物を見に行った話や



最新鋭の振り子電車に乗って、鉄分たっぷりの鉱泉へ行った話は


…また機会を改めることにして、今回は台北編。


なお今回は遠出をメインにしており、台北編は半端な時間での細切れな散策が中心。
それをまとめてアップしているので…今回の話は、かなり順不同。


何となく御堂筋線を思い浮かべてしまう台北メトロに乗って散策に出発



先ずは台北の中心部、官庁街の外れにありがなら緑豊かな台北植物園へ



入場も無料で、植物園というより公園と言った雰囲気が強いスポット








そしてこの植物園そのものは、早朝4時だか5時から、夜遅くまで開いているのだが…

園内のいくつかの施設や、テーマ展示(例えば仏教植物のコーナーなど)は日中のみの開放。


今回のお目当ての施設は9時半からの開放との事で、時間調整も兼ねて、植物園近辺を散策することに。


先ずは農業試験場



ここにこんなプレートが掛かっていて…


一瞬、何か「日本」と関わりがあるのかな…と思ってしまったのだが、よく読んでみると、「例暇日」(≒休日)と「本所員工」(≒本施設の職員)の間で意味が切れるので、日本とは何の関係も無し^^;


そして台湾一の難関高校とされる、台北建国高級中学(日本統治時代の旧制・台北第一中学校)の校舎を眺め



二二八国家記念館の建物を眺め


元を辿れば、昭和6年築の旧・台湾教育会館で、戦後は米中国交正常化に伴う米華断交まで、アメリカ大使館として使われていたこともあるという建物。


更に周囲をぶらぶら歩いていたのだが…


宛てもなく歩いていたため、軽く道に迷ってしまい…

そこでスマホでグーグルマップを開いて、場所を確認していると…警察官に中国語で職務質問(?)されてしまう。

まあ先述したように、台北の官庁街に近いこともあって、この近辺は警備も厳重なのである。
(それ故、官公庁を中心に、日本統治時代のビルディングも多いのだが、迂闊にウロウロしたり、カメラを向けたりもしにくいのがこの地域の特徴)


とは言え、中国語なので、何を言っているのかは解らず…

とりあえずグーグルマップの画面を見せながら、「ボタニカルガーデン」と英単語で言うと、こちらの意図は理解してくれたようで、「ああ、ジウイェン(植物園Zhíwùyuán)ね」と言ったようなことを言って、身振り手振りで近道を教えてくれ、曲がり角まで案内してくれる。


そして近道を通り



再び植物園へと戻り、9:15過ぎに、園内のお目当ての施設へと到着


この日本式の家屋は、日本統治時代の住所表記から「南門町三二三」と名付けられた施設で、台北植物園の前身である(日本統治時代の)林業試験所に設けられていた休憩施設(茶店)。

ちなみに余談だが、「南門町」という名称はパンフレットでも「NANMON-CHO」と表記され、日本語読みで案内されている。(ちなみに中国語の発音はNán mén tīng)
更に言うと中国語では「町」は「畔道」という意味になり、「街」と書かれなければいけないところ、敢えて日本的に「町」という漢字を使って表記しているなど、かなり日本時代を意識したネーミングなのである。

戦後は改造を重ね、宿直室などの用途に使われたものの、近年は荒れたままだったのだとか。

そしてこの度、オリジナルの形に再現されることになり、つい2週間ほど前の9月2日から一般公開されたばかりというホットな施設。


将来的には往時と同じように休息施設や茶店として活用していく計画もあるとのことだが、現在はまだ限定的に公開されている段階。
そのため、見学は9:30~16:00の間で30分毎の入場。しかも1回15人という制限もあるため、時刻より少し早めに赴いて整理券を貰う必要がある。


で、今回は9:30の回に向けて、9:16頃に戻ってきたものの、既に行列が出来ている。



案内では5分前に整理券が配られるとの事だが、実際は10分前に配布され、整理券番号は7番


後ろの方に並んでいた人は9:30の回には入場できず、10:00の回に出直してくるように案内されていた様子。
(中国語でのやり取りなので、正確なトコロは不明。但し次回以降の整理券を事前に配ることはしていない様子。)


そして前庭を眺めて入場開始


パンフレットを見る限り、「犬走り」「濡れ縁」「土間」「床の間」と言った日本建築の特徴が解説され、スタッフがそうした事を解説しているようなのだが…中国語なので、正確なところは不明(汗

但し、特にガイドツアーという訳ではなく、見学時間内(30分)であれば自由に見学して、自由に出て行って構わないという自由なシステム。

熱心に解説を聞いている人もいれば、ひたすらシャッターを押し続けている人も居て、本当に自由。

とは言え、中国語の解説を聞いていても仕方がないので…私は専ら写真撮影専門に。


土間



床の間のある座敷



犬走り



縁側と日本庭園




まあ正直言って、日本人の目から見て特に目新しい要素も少なさそうなのだが…日本本土とは植生も違っていて、庭園に不思議な違和感があったりして、これはコレで面白いのである。

そして台湾の人たちが、日本家屋や日本庭園をやたらと珍しそうに眺めている様子を見ていても、日本人とは違った着眼点やツボがあるようで、それはそれで興味深いところ。


それから余談なのだが、ここの係のお姉さんは英語ペラペラ。更にここの植物園には英語や日本語のパンフレットも用意されているので、申し出てみると良いかも知れない。


そして台北植物園の話題はここまで。

他に今回の滞在中に訪れた場所は…


よくガイドブックなどで「治安が悪いので要注意」と書かれているエリアと通り抜け


確かに台北の他のエリアと比べると場末感もあるのだが…
そうは言っても、大阪市内に慣れていると、それほどとも思えない程度。


で、到着したのは…「三大観光名所」にも数えられている龍山寺


今年だけでも台湾訪問3回目、生涯で数えると10回にもなろうというのに…今更ながら龍山寺は初めての訪問(大汗

まあ中国式寺院はあちこちで訪れているので、今更特に感動も無いのだが…

それでも思っていたような観光地という訳でもなく、地元の方が沢山お参りしているような信仰の場と言った趣で、これはこれで面白いのかも知れない。


ただ…三大観光名所とは言うものの、これは「日本人にとっての名所」という事のようで、どちらを向いてもツアーの日本人団体と、るるぶや歩き方などのガイドブックを手にした日本人グループばかり(苦笑


…と、台北散策編はここまで。

後は恒例(?)の食べ物編


今回は台北駅近くのホテルをベースにしていた関係上、専ら台北駅近辺の話ばかり。

先ずは台北駅南側の予備校街へ



大学受験だけではなく、各種資格試験や就職試験関係、語学学校など、多様な予備校と、参考書などを売る書店が建ち並び、それに付随してカフェや屋台的な食べ物の店も多いので、食事にも困らないのでは無いかと思うところ。


歩いていると、一筋奥に入ったトコロに人集りの出来ている店があったので、入ってみることに



店構えは高級そうにも見えるが、実際は気さくな大衆食堂的なお店


「北平田園刀削麺餡餅粥」という店なのだが、「北平風」の「刀削麺」や「餡餅」「粥」を出す店という意味なので、実際の店名は「田園」という事になるのだろうか。


ちなみに「北平」というのは…現在の中華人民共和国の首都である「北京」のことで、要は北京料理の店なのである。

但し「北京」とは「北の首都」という意味であり、建前上「南京」を首都と定める中華民国としては「北京」という地名は存在し得ず、「北平」と呼んでいる…という事なのである。
(実際に戦前、中華民国統治下にあった中国本土では「北平市」が正式な自治体名となっていた。)


そんな訳で、古くから台湾で営業している店の中には「北京料理」や「北京ダック」とは呼ばず、「北平料理」や「北平ダック」と呼んでいる店が多いのである。
(但し、味の方は台湾人好みにアレンジされているケースが多いらしいとの事。)

とは言え、それも蒋介石政権時代から営業しているような古い店の話。今はもう台北と北京の間に直行便が運行されるような時代なので、普通に北京料理と呼んでいる店も多い様子。


で、ココではトマト味の牛肉麺をオーダー


湯むきしたトマトがドンと入っているが、既に味はスープにしみ出してしまっており、トマトそのものはスカスカ。
しかしトマトから出た程よい酸味が、さっぱり感を加え、味をまろやかにしており、コレはコレで面白いかも。

ただ全体的にちょっと薄味な感じで…総合評価は「普通」と言ったところだろうか。

但しオーダーシート方式であったり、店員も簡単な英単語でのやり取りを苦にしないので、日本人的に敷居が低いという点は特筆できるかも知れない。


そして今回台北駅ベースと言うこともあり、駅舎2階にあるフードコート・レストラン街「微風台北車站」が便利。(お値段は少し高めなのだが)


しかし台北まで来て、「一風堂」や「らあめん花月」というのは気が進まず(笑



で、牛肉麺の有名店が軒を並べるコーナーを覗いてみると…


先程、登場した「田園」もこの中に出店しているではないか…実は有名店だったのね…(笑


とは言え、「田園」ばかり食べていても芸がないので、今回はすぐ横にある「皇家傳承」というお店でオーダー。

他にも何店か出店している中で、何故この店を選んだかというと…牛肉麺だけでなく、ご飯もののメニューもあったため


カレーっぽく見えるが、実は牛肉麺のスープを餡かけ仕立てにした丼のような料理で、何気にコレが美味い。

少なくとも麺に関しては、日本人好みの「モチモチ」とはちょっと違った好みがあるようなのだが、飯に関しては日本と同じジャポニカ米文化なので、違和感なく食べられるというのがポイント大かも知れない。

但し、中国文化圏において「餃子」は主食扱いなので…日本人気分で「丼と餃子」あるいは「麺と餃子」というオーダーをしてしまうと、結構なボリュームになってしまうので要注意(汗


しかし別の機会に利用した同じ微風台北車站内にある「小南門」というレストランでも…



反省は活かされず…



こんな組み合わせでオーダーしてしまいましたとさ…(笑


ちなみに微風台北車站内の店舗であれば、セルフサービスのフードコートでもフルサービスのレストランでも、大して値段が違わないというのは、ちょっと納得がいかないかも(笑
(ちなみにどちらの店でも、合計のお会計は260元≒¥950と言ったところで、台湾としては少々高めの価格設定。)


ちなみに「微風台北車站」内の店舗では、飲み物は置いておらず持ち込み自由というパターンが多い。(例えレストランであっても)

烏龍茶などを売るティースタンドも多いのだが、食べ物をオーダーした後、「飲み物を買いに行く」と言うと、「下にセブンイレブンがあるから。そこならビールもあるよ」との案内。
やはり台湾では「日本人=ビール」という印象がかなり強い様子(笑


そして最後は…帰りに台北→桃園の高鉄(新幹線)車内で食べた駅弁


台北駅の台鉄便当の店で、一番高い(と言っても100元≒¥365円)弁当を選んだのだが…
肉に関しては、味付けは良いのだが、やはり骨が面倒。しかし下のご飯は高菜やシラスが乗っており、混ぜご飯のようにして食べると、もう最高。

但し台北→桃園はわずか20分なので、ゆっくりとは味わえず、日本人らしく「おしん」ばりに早飯を掻き込む羽目になってしまったのが残念と言えば残念かも(苦笑


こうして台湾滞在を終え、帰路は…何とナローボディのA321




非常口座席後ろで、前に座席が無く足下が広い当たり席ではあったのだが…


個人モニターの無い機材のため、往路に見切れなかった映画の続きを見ることが出来ず…「KANO」の続きは、来年1月の日本公開までお預けなのか…(泣
(途中まで見てしまって、お預けというのはかなり悲しい…)


しかし非常口座席が空いていたので、CAに一言断ってそちらへ移動し、機内食


ちなみにこれは「餡かけチャーハン」ではなく、歴とした「チャーハンカレー」
そしてやはり…台北積み込みの機内食はハズレがなく、美味しい。


そして飲み物はもちろん「台湾ビール」(笑



こうして台湾での連休旅人モードは終了



※鉄分たっぷりの遠出編はまたの機会に…
Posted at 2014/09/16 22:04:30 | コメント(3) | トラックバック(0) | 旅のまとめ(2014年) | 日記

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