九州編や韓国編の続きは一旦保留にして、また別の話を・・・
気持ちよい初夏の日、秋田県南部の仁賀保探訪の旅へ出発
秋田駅から普通列車で南下
仁賀保駅に到着
ここからはレンタカー利用なのだが・・・
送迎も無いとのことで、こんな道を十数分歩いて営業所へ向かう
ピックアップしたレンタカー(トヨタヤリス1.5ℓHV車)でこんな道へ分け入り
山の中の最初の目的地に到着
「院内油田資料館」というネーミングだが、説明展示は最低限で、専ら残存する施設や設備をそのまま見学するというスタイル
この建物は昔のポンピングパワー棟で、要は汲み上げ用の動力を変換する装置が格納されている建物
詳しい説明は画像で(手抜き)
建物内はこんな感じ
数少ない国内油田関連の遺産であり、是非とも来てみたかったのだが、しかし熊も怖い・・・なので、今回レンタカーを利用した次第(汗
熊を恐れてスマホで音楽を流しながら、数十m歩くと
油田の櫓が残されている
こちらの説明も画像で(また手抜き)
駐車スペースというほどのものは無いが、方向転換がてら一時停止するくらいのスペースはあるので、車で間近まで付けても良かったかも知れない
そして車に戻りもう少し進むが
中世の遺跡があるものの、車を置いて山の中へ入らなければならず・・・熊が怖いのでオミット(汗
油田手前から山道をショートカットし、仁賀保高原を駆け抜ける県道32号線へと合流
高森眺望台なる展望所で停止
仁賀保方面を見下ろす
そのまま仁賀保高原方面へ進んでみるものの・・・
霧で鳥海山の眺望は全く望めず
仕方が無いので「高原の駅」を謳う土田牧場で小休止
平成初期の香り漂う山小屋風の店内で一休み
売店兼軽食コーナーがオープンしており、粗挽きフランクフルト(本当に粗い)とコーヒー味の飲むヨーグルトという変わり種ドリンクを試してみる
店内や商品にあれこれ口上が書かれており、哲学を持って理想的な畜産を追い求めている事が理解できた
しかしここの牧場、ただ肉や乳を自家生産するだけでなく、協力工場なども上手に使って色々と商品化するアイデアも持ち合わせ、更に牧場にレストランを設け、ちょっとしたテーマパーク的な場所に仕立てるなど、生産に留まらないセンスも持ち合わせているようだ
実際、この店舗は客が切れることが無い程度に賑わっている
ただ現金しか使えないので、今回は少量だけ味見程度に、レトルトのコンビーフなどを商品を買い求めて帰ることに
ただブームは去ったのか、動物とのふれあいコーナーや、搾乳体験人形などのコーナーなどは静まりかえっている
そして鳥海山や風車を眺める絶景スポットとして名高いひばり荘に到着するが・・・
こんな状況なので、仁賀保高原は諦め、早々に下山することに
そのまま県道32号線を走り抜け、南方の象潟方面へと下っていく
ここ象潟は、昔はその名の通りラグーン(潟湖)となっており、ラグーン内に九十九島と呼ばれる小島が点在し、「東の松島、西の象潟」と呼ばれた風光明媚な地だったとのこと
しかし土砂の流入が続き、最後は1804年の象潟地震による地盤隆起で完全に陸地化し、今では取り残された小島が小山のような形で平野部に点在する不思議な光景となっている
折角なので、そんな旧小島の近くまで行ってみることにする
地図を頼りにあぜ道のような道を進んでいくのだが、轍の間に草が伸び、それを押し分けて走るような格好になり、軽トラならともかくヤリスで進んで良いのか悩みつつも、平野部で視界が開け、目的地も視認できていることから、なんとか進んでいく
そして九十九島の一つ旧「葭島」へと到着
かなり際どい場所に石があるが、実際はほぼ平坦なので問題なし
それよりも松の根元を踏まぬように考えると、どうしてもこの位置で停車・方向転換せざるを得ないのである
特に観光地化されている訳では無いのだが、他の車の迷惑にならない範囲で、周辺の(旧)島々を歩いてみることに
そして今度は海沿いの道の駅へと向かうことに
ここの道の駅には展望室が設けられており、九十九島の様子を見下ろすことが出来る
そして反対側の海沿いの景色なども眺めて小休止(天気が良ければ男鹿半島まで見えるとか)
しかし相変わらずお天気はすっきりしない
折角レンタカーを借りては居るのだが・・・鳥海山の絶景など望めそうもないので、ミュージアム系施設を巡ってみることに
まずは海沿いを少し北上し、金浦地区の白瀬南極探検隊記念館へ
極地系のミュージアムかと思いきや、白瀬矗中尉の行跡を中心にした南極探検史的な内容がメイン
実際に乗り込むことも出来る開南丸のレプリカカットモデル(?)
定番の南極の氷体験コーナー
南極探検用雪上車
そして最後はオーロラシアター・・・といいつつ、動物の紹介なども取り入れた内容豊富な映像を見て終了
更にかつての島々と思われる小山の間を走り抜けて北上し仁賀保の市街地へと戻っていく
そして仁賀保の市街地にある「TDK歴史みらい館」へと到着
TDKの企業ミュージアムであり、TDKの歴史や、主要製品であるフェライト磁石とは何かと言った展示から始まるのだが・・・工学系出身でない私にはなかなか難解
どちらかというと、TDKの技術や部品を含有する電化製品の展示が懐かしく面白い
中には整備され実際にゲームなどをプレイできるコーナーも
この時代の電気仕掛けの製品がきちんとした形で作動するだけでも希少なはずで、訪問者が実際に触れるほどのコンディションとなると、全国にもそんなに台数が残っていないのでは無いだろうか
Machintosh Classic・・・エントリーモデルでしかもモノクロ画面・・・これが25万もした時代を知っている私はもうすっかりオジさん
しかしWindows3.0すら無かった時代に、あのマシンパワーであれだけ高品位なGUIを実現していたAppleって、今思えば凄まじい企業だったのかも
TDKといえばフロッピーやカセットテープなど磁性体製品の会社のイメージが強かったのだが、それはTDKのほんの一部の側面に過ぎなかったということがよくわかる
もちろんフロッピーやカセットテープに関する展示もあり、係員さんとハイポジションやメタルポジションなどという単語で盛り上がっていた私は・・・やっぱりオジさん(苦笑
そしてレンタカーを返却し(今回は6h利用)、駅へと戻っていくのだが・・・
途中にかつて島だったのでは無いかと思われる小山があり、登ってみることに
このあたりは象潟の内部では無さそうではあるのだが、地形や雰囲気が只の里山とも思えず、かつての島だったのではと勝手に思っているのだが・・・
なお小山の上は神社があり、土俵なども設けられ、お祭りなどの時はきっと賑わっているのだろう
そして仁賀保駅から電車に乗り
金浦駅へと移動
実は先ほど訪れた白瀬南極探検隊記念館の最寄り駅でもあり、駅前には皇帝ペンギンの実物大像(かなり大きい)が置かれている
ここで宿の送迎車と落ち合い、今宵の温泉宿へと向かう
(宿の送迎車ではレンタカー営業所最寄りの仁賀保駅への送迎ができないため、レンタカー返却→先ほど訪れた金浦まで電車移動という妙な行程になってしまったのである)
そして10分程で今宵の宿へと到着

※写真は翌朝撮影したもの
「金浦温泉 学校の栖」という施設で、昭和後期まで小学校があった敷地にオープンした温泉宿
学校をイメージしてかこんな像も
そして客室
何と露天風呂付きの客室
予約した段階でこの部屋しか残っておらず、それでも今時の温泉旅館としては普通の価格だったので、違和感なく「こんなものか」と予約した次第
(実は現地に着くまで、普通の客室の存在を知らなかったのだが・・・大汗)
施設は新しく綺麗で、しかも素足で問題なく過ごせるレベルで掃除も行き届いており、恐ろしいほどに快適
正直クオリティを考えると、お値段が良心的過ぎて申し訳ないほど
大浴場は21時まで外来入浴で賑わっているとのことだったので、先ずは部屋の温泉(源泉掛け流し)を満喫することに
元々ここは温度の低い鉱泉なのだが、それゆえ源泉の温度にとらわれず、源泉(鉱泉)と加温源泉の組み合わせで好みの温度に調製することが可能なところが嬉しい
そして夕食はお食事処で半個室で用意される
先ずは秋田の地酒を
そして食事開始
この後も色々と運ばれてくる
・・・と、まあ何とも凄まじいボリューム
正直なところ、元々「泊まれる日帰り温泉」程度に思っていたので、一般開放されている共済組合保養所程度のクオリティを予想していたため、良い意味で見事に裏切られる事に
夕食後は一休みしてから、日帰り客の居ない大浴場へ
ただ少し熱めの設定になっており、自分で調節できる部屋のお風呂の方が快適かも知れない
ただ客室にはない二股ラジウム温泉の鉱石による合成温泉もあり、2種類の温泉を楽しめるのがポイント大だろうか
そして翌朝の朝食はこんな感じ
事前に用意された弁当に、ご飯と味噌汁を自分で盛ってくる感じ
ただ朝食会場はお食事処ではなく、日帰り温泉の休息施設を使用しているので、ちょっと雰囲気に欠けることと、座席配置が部屋のグレードでは無くレディファーストで設定されるようで、女性の一人客が広いテーブルに設定される反面、男性の一人客は窓際の狭いカウンター席に並べられており、どうも追いやられたようで落ち着かないのが残念なところ
ちなみに今回は利用しなかったのだが、ランチ営業もあり、学校給食をイメージした献立となっている様子
そしてチェックアウトギリギリまで朝風呂を楽しみ、送迎車で今度は象潟駅へ(送迎は金浦・象潟の2駅に対応)
ここから直接次の目的地に向かっても良かったのだが、チェックアウトや送迎の時間との兼ね合いで待ち時間が生じてしまったため、ちょっとお目当てがあり、反対方向の電車で仁賀保まで2駅戻ることに
またまた都会的(?)な電車で移動
仁賀保駅からは風景を眺めながら歩く
途中にあった医院であったという味のある建物
こんな場所へと到着
個人的にお気に入りの日本酒を挙げろと言われれば、ほぼトップに出てくる「飛良泉」(ひらいずみ)の蔵元
内部の見学は出来ないものの、直売コーナー近辺のみ一般客でも覗いてみることが出来る
親切でフレンドリーなおばさまと飛良泉談義をしながら、お土産用のお酒を選定
定番品のほか、蔵元限定酒(普通の飛良泉と違って芳醇な甘口)などもあり、宅配箱のサイズを考えながら、あれこれ購入(試飲無し、クレジットカードOK)
ただ残念なのは、昨今の原材料高騰の煽りを受け、飛良泉のシンボルだった角瓶が廃止され在庫限りになっていることだろうか・・・
お土産の発送を終え、仁賀保駅へと戻ると
待合室内に駅そば屋がオープンしているのを発見
時間もあったので、少し早い昼食にすることに
味の方は、まあ過度な期待はしていなかったのだが・・・実際良くも悪くも冷凍麺を使った立ち食い蕎麦
個人的にはそんな事よりも、地方のこの規模の駅に駅そばがあるのが驚きで、味云々ではなく、どちらかと言えば応援の気持ちで食べてみた次第
そしてやはりこの規模の駅ゆえか、お客さんはふらっと食べに来る地元の人がメイン
蕎麦は冷凍だったのだが、逆に今回食べなかったおにぎりはその場で炊飯器から握ってくれるシステムで、地元の人が「具はいらないよ。塩むすびで!」とオーダーするなど、ある程度融通の利く地元のお店と言った雰囲気
そして特急「いなほ」に乗り込み
ようやく鳥海山の眺望とご対面
昨日レンタカーを借りていたときに、これくらいお天気が良ければ絶景もいろいろ楽しめたのかもしれないが・・・
そして飛島なども眺めつつ、次の目的地へ向かうことに
最後に今回利用したトヨタヤリス1.5ℓHV車の所感など
・操作系やメーター周りはコンサバティブでそつなく仕上がっており、過不足なく違和感なく運転できるあたり、流石はトヨタと言った感じ
・但し視界確保という意味ではちょっとAピラーが邪魔で今ひとつ(逆にフィットやスバル車が良すぎるだけなのかも知れないが)
・不満のないパワーに加え、Fun to Drive的な意味合いで見ると、一時のトヨタ車とは大違いで、運転の楽しさも考慮された味付けになっていることがよくわかる
・運転支援システム(主にクルコン関係)は標準的、良い意味でそつの無い仕上がり。介入も自然な感じで個人的にホンダセンシングよりは好み
・運転席・助手席はともかく、後部座席やコンパクトなカーゴスペースなど、居住性や積載性は割り切った室内空間
・装備は良くも悪くもこのクラスの車としては標準的かと。しかしライバルのフィットがAVH、4気筒エンジン、4輪ディスクブレーキ・・・と、クラスを超えた装備を奢られており、相対的に不利なことは否めないかも。そういう意味でダウンサイジングでの乗り換え需要にはちょっと物足らないかも知れない
あと非常に個人的な事を言うと、HV車に乗り慣れていないので、イグニッションオンの状態で無音という点の違和感が凄くて・・・
発信前に「イグニッションオンだよね?」と困惑して確かめたり、あるいはイグニッションをオフにせず下車しようとして車に「ピー」っと怒られたりと、常に困惑し続ける羽目に
まあコレは車そのものの評価云々ではなく、個人的な慣れの問題なのだが(苦笑