
<<< 蛹&蝶画像アリ注意 >>>
昨年の晩秋に蛹になったまま
我が家でひと冬過ごしたみどりちゃん。
今年のこどもの日に
茶色かったサナギが黒っぽく変化し
ついに羽化の兆候が現れた。
夏日が2日続いて準備ができたのだろう。
アゲハチョウにしては早い羽化だなと思ったけど。。。
羽化の兆候が出てからは、ドキドキして落ち着かなかった(^▽^;
何せ、ひと冬家族として過ごした子。
無事に羽化できるか、ちゃんと飛べるのか、
心配で心配で仕方なかった。
明日か明後日にはもう羽化するかも。。。
そう思って眠りについた翌朝。
え!??
もう羽化しちゃったの!?
しかも!クロアゲハ!!!!!!!
これは想定外でしたわー
幼虫も蛹も、アゲハチョウそのものだったのに。
似てるというのは知っていたけど
まんまと騙された(^▽^;
クロアゲハを育てたのは、初めてだよ。
昆虫人生最大のサプライズに浮かれる気持ちを抑え
玄関でみどりちゃんのケージの蓋を開けた。
羽を乾かしている最中なので、まだ飛べ無いけど
壁に止まるんじゃなくて上から羽を垂らしたいのかな?
ケージの近くにそっと紫陽花の鉢を置くと
よじ登って適当な場所に腰を据え
羽を乾かすことに集中してる様子。
羽化は失敗しなかった、ヨカッタ、とみどりちゃんを見てたら
異常に気がつき心臓が大きく波打った。
みどりちゃん、脚が一本無い。。。。。
ケージを見ると、か細い脚がひとつ落ちてる。
(つд`。)
脱皮の際に旨く抜けなかったのだと思う。
この時点で、みどりちゃんの生存率は大きく下がってしまった。
でも5本の足でも逆さに止まっていられるなら、まだ大丈夫。
飛んで花の蜜を吸うことはできる。
羽だってまっすぐ伸びてるし。
けど、この日は前日までの暑さとは打って変わって
早春のような肌寒い気候だった。
羽を乾かすのに、もう通常の倍の時間がかかってる。
早朝に羽化して、午後遅くにようやく
羽を閉じたり開いたりし始めた。
良かった!良かったよ!
みどりちゃん、ちゃんとおとなになった!\(T▽T)/
夜になる前に、飛んでいくんだよ!
ところが、みどりちゃんは飛ばなかった。
羽を何度もバタつかせ、必死に跳ぼうとしてるのに。
地面を這いつくばるようにバタバタともがき
挙句に草むらに突っ込んでしまった。
どうして。
どうして?
なんで??
予想外すぎて頭がくらくらした。
幼虫の時から、一度も手で直に触ってない。
ケージに移動させる時は、葉っぱや割り箸に昇らせてた。
蛹前も蛹後も、もちろん触ってない。
羽が奇形にならないように細心の注意を払っていた。
現に羽は綺麗に開いている。
草むらに放って置いたら、
みどりちゃんはアリさんのご飯になっちゃう。
なんとか外に誘い出し、ケージですくって中へ入れた。
さっき綺麗に伸びたばかりの羽は
草むらの中でバタバタと暴れたために
ボロボロになっていた。
ショックで泣いた。
ケージに確保して、また家の中へ。
原因を調べて唖然とした。
羽化しても飛べない蝶の多さに。
みどりちゃんはどうやら
羽化の時に羽の付け根を傷めたようだった。
脚の件と関係がありそう。
以前、アゲハチョウは100個の卵を産むけど
羽化して大人になれるのはそのうち1個から2個だと
ブログに書いたことがある。
その時私は、大人になった2匹は必ず羽ばたいて
また子孫を残すのだと思っていた。
でもそうじゃなかった。
1/50の確率で大人になっても、
飛べずにそこで一生を終えてしまう蝶は珍しく無いそうだ。
それって、卵を産んでも全滅ってことじゃん(>_<。)
ケージの中のみどりちゃんは諦めずにバタバタし続けた。
体力を消耗するからと、薄い砂糖水を作って
楊枝でストローを伸ばして吸わせようとするんだけど
食事を取ることよりも何よりも羽ばたこうと必死。
しまいには、片方の羽がもげてしまった。
もういいよ、もういいよ、みどりちゃん。
飛べなかったら私が砂糖水で育ててあげるから。
綺麗な蝶じゃなくても、ボロボロでも、
ちゃんと育ててあげるから。゚(゚´ω`゚)゚。
ポロポロと涙を流す私に、屋根無くんが言った。
この子はもう外では生きていけないよ、
この中で生きるしか無い。
その言葉に、また泣けた。
そんな弱った虫は捨ててこいって、言わなかった。
ボロボロでもおうちに居ていいって言ってくれた。
わかってくれて、ありがとう。
・゜・(つД`)・゜・
みどりちゃんの命が時間の問題だというのはわかっていたけど
それを早めるのがいいのか、伸ばすのがいいのか、
私にはわからなかった。
いきものは、本能に従い電気信号で動いてる。
虫と人間が違うのは、感情があるか無いかだ。
だから人間目線で虫の行動を理解しようとしたらダメだ。
でもさ、ボロボロになってもなお
飛び立とうと羽ばたくことをやめない姿を見てると、
残酷な中でも諦めずもがくように見えて
自分の中の何かが引きちぎられる感じがするんだよ。
翌朝、みどりちゃんは息絶えていた。
最後の最後まで苦闘した姿だった。
みどりちゃんが飛べなかったのは、私のせいなの?
私が家族にしちゃったから?
おうちの中で越冬したから?
調べても調べても、
それらがYesであるという確信は出てこなかった。
ただ、「羽化しても飛べない蝶は珍しくない」のはわかった。
幼虫や蛹の時、鳥に食べられたり寄生されたりするのも、
無事に羽化したのに飛べないまま終わってしまうのも、
蝶であるかぎり避けられない現実で
知識として知っていたけど、目の前で見てしまうと
その残酷さと壮絶さに言葉が出ない。
夏鳥の季節になって、林道でもよくクロアゲハを見かける。
その度にみどりちゃんを思い出して
こんなふうに飛べたら良かったよね。。。って思う。
今年我が家のミカンの木で孵る幼虫たちが
少しでも多く大人になって羽ばたいてくれますように。
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いきもの | 日記
Posted at
2020/05/20 16:18:03