今年の夏登山はことごとく天候に恵まれず、山納めをしたもののどうにも消化不良。
でも、さすがに北アルプスも南アルプスも、
すでに冬山登山の季節なため手持ちの装備ではとても登れない。
ということで、里山である丹沢登山を計画。
丹沢山(1567m)や蛭ヶ岳(1673m・神奈川最高峰)は
11月中なら霜は降りても雪が降ることはない。
いつもの表尾根もよいけれど、
この季節になれば東丹沢山塊に大量生息する
山ビルの被害も無くなってくるので、
裏丹沢の登山コースにチャレンジするチャンスかも♪
地元丹沢で沢登りを含む登山をこなしてきた知人に打診して
山岳ルート地図で秋の裏丹沢のコースを検討していたところ、
知人が面白いものを発掘。
なんと、1985年の丹沢の登山ルート地図! ∑( ̄□ ̄)
私の持っている地図は2008年版なので、比較してみました。
※ちょっと地図の縮尺が違うのでおおまかに同じ範囲を切り出してあります。
(クリックすると拡大画像が見れます)
1985年

2008年
当時に比べて、ちょっとバリエーションルートが増えています。
逆に、当時あったショートカットルートが無くなっていたり。
ここには載っていませんが、
道志みち(R413)とほぼ平行して蛭が岳の北を通る「東海自然歩道」は
家族連れや年配者のメジャーハイキングコースとして今でも健在です。
※丹沢湖北の旧東海自然歩道など、廃道となっている箇所もあります。
東丹沢の低山は、宮ヶ瀬や道志みちの登山口から登れるため、
家族で楽しめるハイキングコースとして
神奈川のほか都内近郊からも訪れるハイカーが増えたのでしょう。
それにより、登山道も安全なルートが整備されていったと思われます。
また、丹沢山周辺は沢登りができる箇所も豊富なため、
過去に登山道として明記されてなくても
知る人ぞ知るマイナールートが多く存在していたのかもしれません。
現在は、トレイルランやシャワークライミングがさかんに行われているので、
クライマーの安全確保や山を荒らさないためにも
ルートを明確にしてバリエーションルートも地図に載せているのかもしれませんね??
そんなことを思いながら地図を見ていたのですが、
どうも二つの登山ルートを見比べていると違和感がある。
なんだろう???と思って、登山ルートから目を離し、地図全体を眺めてみたら。。。。
1985年

2008年
違いが歴然ですね。
23年前には、まだ宮ヶ瀬湖が無いのです。
宮ヶ瀬湖は、宮ヶ瀬ダムを造った際にできた人工湖なので、
当時は中津川沿いの集落がある中津渓谷だったんですね。。。。
よく見ると、湖の形が一定の等高線に沿っていることがわかります。
1985年

2008年
ダム建設に関するこのあたり土地の歴史は、耳にしたことがありますが、
こうやって地図で見ると、やはりいろいろと思うところがあります。
厚木の里山麓にある団地や古い住宅開発地に住まう方々には
人工湖の底が故郷だった方々も多いと聞きます。
神奈川の水瓶として重要な施設である宮ヶ瀬ダムですが、
沈んだ集落に住んでいた方々の思いは様々だったかと。
横浜在住歴10年ほどの自分には、神奈川の歴史はまだまだ知らないことばかりですが
宮ヶ瀬はドライブでも馴染みの場所だけに
改めて地図から歴史を紐解くことは、とても興味深く感じました。
裏丹沢、なかなか奥深いです。
登山は、ただ山を登るだけでなく、
地質や山が創られた太古からのしらべ
登山道開拓の歴史
そして、周辺の土地の開墾の歴史をふまえて
さまざまな知識を以って歩くことも、楽しみのひとつだったりします。
北アルプスや南アルプスにあるような壮大な地形や歴史でなくても
地元の里山ならではの身近なものがたりを知って登るのもまた、
登山の面白みだと、私は思います(^^)
地図は、登山ルートを確認するだけのものではなく、
目で見た地形や景観と、裏付く知識の
あらゆる情報を分析するツールのひとつでもあるのですよね。
雪の季節の前に、天候に恵まれた良い山納めができますように。
あと、熊に遭遇しませんように(^_^;
Posted at 2012/11/12 00:53:18 | |
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山はいいねぇ | 日記