2022年04月17日
水曜どうでしょう で
原チャリで「いざ鎌倉」した大泉洋さんが
頼朝になって「いざ鎌倉」するとは
夢にも思わなかったので(^_^;
鎌倉殿の13人はかなり期待して
第一話からリアルタイムで欠かさず見ております。
毎回毎回笑いどころやツッコミどころ満載で
さすが三谷幸喜と安定の大河。
中でもフラグと伏線回収の見事さは
自然な流れにあって大きな感情を揺さぶる
三谷氏の真骨頂。
タイトルも二重三重の意味が掛けられていて
観ながら、観た後、「ああ、そうだったのか」と
脚本の秀逸さに舌を巻く。
大河というのは歴史物なので
登場人物がこの後どうなるか、なんて
堂々とネタバレしてる上で描いているわけです。
史実ではっきりしていても曖昧であっても
物語の主軸をブラさずドラマチックにするために
ある程度の脚色は必要で。
そういう意味では
今日の鎌倉殿はキツかった。
事を治めるため
上総介に協力を頼んだはずだったのに
鎌倉殿の策略に加担してしまったと知った
小四郎の凄まじいまでの哀しみ。
翌日には人生が終わるとも知らず
鎌倉殿と酒を酌み交わした上総介。
頼朝を最後まで「武衛」と呼んで
慕い付き従った。
太刀を浴びて「嘘だろ?」と驚き
最も信頼していた2人に裏切られたと
怒り、哀しみ、、
やってきた武衛を見て
「助かった」と思ったのかも。
でも、最期に目に映った小四郎の涙に
全てを悟ったのかもしれない。
このシーン、
脚本と役者の質の高さが光る場面だった。
小栗くんは大河で演技が上手くなったと思う。
佐藤浩市さんはさすがや。。。。
切られてから尽きるまでの僅かな心の移ろいを
表情と動きで表現し切った。
そして息を引き取った抜け殻のような顔。
台詞がない演技は力量が要るよね。
彼に上総介を演らせた三谷氏の目利きは素晴らしい。
年齢をかさねてお父様の三國連太郎氏に似てきたね。
そして大泉さんどうでしょうー。
こういう人が暗黒面を演じると
まじ怖いなぁと思った。
1話で女装して逃げた情けない印象の佐殿が
ここまで冷酷な一面を隠し持つ鎌倉殿に化けようとは。
思えば
北条にこの男を引き入れたのが始まりで、
歴史を振り返ってみれば
坂東武者にとっても北条にとっても
平穏を荒らす呪いのような存在ではなかったか。
この後の流れも頼朝亡き後も
歴史という最高のネタバレがあるので(笑
誰がいつ亡くなって行く先がどうなるかは
周知の通りなのだけど
今回の脚本と演技は
心では「小太郎ー!」「上総介ー!」と叫んでいるのに
観ながら押し黙ってしまった。
1番キツかったのは
上総介の鎧から見つかった願文。
三箇年のうちに、神田二十町を寄進すること。
三箇年のうちに、神殿の造営をすること。
三箇年のうちに、万度の流鏑馬を射ること。
頼朝の祈願成就と東国泰平のためのものであること。
この文章だけなら耐えた。
でも、鎌倉殿が「子供のような字だな」と。
大好きな鎌倉殿に恥をかかせないよう
京へ上がるまでに読み書きを練習しようと
床に這いつくばって手を墨で汚し
何度も書いて一生懸命清書したんだよ。
ここで涙腺大崩壊ですよ。
三谷!あざとい絵を撮りやがって!
あのシーン、私とても好きだったんだよ。
小四郎の前で恥ずかしいと隠すことなく
手習をしてると話たりしてね。
ここの伏線かよっ!(T△T)
クソゥ!(>_<。)
いい男じゃん上総介。
こんな理由で死んでしまうなんて。゚(゚´ω`゚)゚。
この件は詳細がわからない出来事で
ただ、梶原景時に切られたというのが
史実に残されているだけ。
それを今回のように描くセンスは
脚本&監督の手腕だと思う。
ここがまた、何かの伏線になっているのではと
ついつい勘繰ってしまうわ(^_^;
ていうか、史実によれば
頼朝はここからますます(ネタバレ注意
いや、歴史だから
もうネタバレまくってるんだけど(笑
根回しして上手くやったと思っていたのに
自分さえも手の上で転がされていたと知って
小四郎はどんな想いだっただろう。
周囲の思惑と、人の心の裏側と、
胸のつぶれるような現実と。
抱えきれない重苦しさを癒してくれるのは
愛しい者に宿る無垢な命。
やるせない。
Posted at 2022/04/17 22:48:37 | |
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