散らない枯葉のブログ一覧

お客様目線の評価。

　ＣＥ（チーフエンジニア）から呼ばれて、「次のクルマ、ルーフの傾斜を前下がりにしようとしているが、どう思う・・」、これはお客様目線で見て "前下がり" にしても大丈夫かどうかの結論を持ってこいと言う私に対する業務指示なのです。　雨の多い日本では、雨水の流れにまつわるお客様の苦情が結構多いので、 "前下がり" にする事のデメリットを経験的に屁理屈を付けて考えます。　例えば『ブレーキを踏んだら一気にルーフの水が前に流れる、水量が多いとフロントピラーの横に流れてサイドウインドにも流れる。　運転席のドアを開けて乗り込む時に、同様の水流れで室内に水が流れ込む、、』と現象を想定して、ＣＥがやりたいと言っているルーフ形状を何らかの方法で実現したクルマを持ってきて、撥水ワックスをしっかり塗り込んで、タイトル画像なような雨降り時のルーフを作り出して、雨の日に初速と減速度を色々と変えてブレーキングしたり、体重の重い人を乱暴に運転席に乗り込ませたりして、屁理屈付けたことが起こらないか、起こったときの現象の程度を、お客様目線で評価します。　その評価結果を嫌われ者になってもＣＥや関係者に示し納得させる、そんなのが私の仕事のひとつでした＜笑＞。

　・・という事を、ＭＡＺＤＡＣＸ－３０の紹介記事に書かれていた「後席のヘッドクリアランスや居住性のために、ルーフラインは後席の頭上部分に向けて後ろ上がりとなっている」と言う解説を読んで、懐かしく思い出しました＜汗＞。　私の評価結果は、確かＮＧに近い条件付きだったと思います。

■ＭＡＺＤＡ ＣＸ－３０　サイドシルエット