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我が家の庭には子供の頃から大きな無花果の木があり、秋になると毎日毎日ノルマが課せられるほど大量に収穫できました。

それが7年前、庭師に除草剤の散布を依頼したところ、かなり強力な薬を撒いたらしく無花果の木が枯れてしまいました。これには家族全員が相当ショックを受けました。
無花果の木の根は土の浅い所を広範囲で放射状に伸びるため、薬の影響を受けやすいんです。
それにしても庭師に問い質したいくらいでした。

朽ち果てた無花果の木を切り倒し、まだ枯れていなかった枝を挿し木して一から育て直しました。
そして毎年少しづつ大きくなっていき昨年からようやく実がなるようになりましたが、まだまだ食べられるものではありませんでした。

そして今日、庭を眺めていたら独特の赤紫色が見えたので、脚立を立てて木に登って見たら、実が熟しているじゃないですか。もう1日待てば完熟しそうだったんですが、我慢できずに捥いでしましました。

二つに割ると綺麗な赤い実が。
食べてみるとあの懐かしい味が口いっぱいに広がります。
半分は母に。
ようやく実った無花果に母も大喜びでした。

この無花果の木には亡父との思い出が多く、どうしても再生させたいという思いがありました。
3mぐらいにまで育った木には多くの青い実がついており、これから次々と熟していくことでしょう。
再び見蕩れるような大きな木になることを祈ります。