Ｃ･Ｈ系ワークスのブレーキ

一般的な車両と比較すると
ちょっと特殊な形状をしている
ワークスのブレーキ

それだけに
結構、間違った取り付けされてるの多いです！

これ！



今白ＡＴ君の整備してたんですが
またかよと(--;)

本来はこう


わかります？
パッドを止めてる針金(スプリング)の
引っ掛かってる位置が違う！

本来ならばここを指で押すと



スプリングの反力で数ミリ上下します




このような取り付けだと
スプリングが効かないことは勿論、
パッドが正規の位置に収まって居ないため
パッドの上部を止めているプレートが入りません
なのに無理矢理ハンマ等で叩き入れられた痕が有るのも多数(--;)

当たり前ですがブレーキパッドは
ピストンに押されてプレートの上を移動します
その際にスムーズに動かず
ブレーキが効かないことも！

と言うより白ＡＴ君やたらブレーキ効かなくて
もしやと思い、開けたらこんな(--;))

一応 油圧の力ってスゴいんで
無理矢理入っているパッドでも
抵抗に打ち勝ってブレーキは(一応)効きます

でもブレーキペダル離したときって
どうやってピストン戻ってると思います？
戻らなかったら常にブレーキ引きずっちゃいますよね？

実はピストンの戻りは
キャリパとピストンの間にある
リング状のゴム(ピストンシール)が引き受けてます

ブレーキを踏むとピストンが押し出されます
するとピストンシールは僅かながら引っ張られ変形し、その限界を越えると
ピストンはシールの上を滑りながら移動しパッドを押します

ここまでは分かると思います
んでブレーキを離した時はと言うと
ピストンが押し出されたときに変形したシール
あれが元の形状に戻っているだけ
その戻る時にホンの少しピストンを引っ張るんです
それでパッドがディスクから離れ
ブレーキが解除になる

でもこんな風にパッドが軽くスライド出来ない状態だとしたら？
ピストンシールがピストンを引っ張る力は極僅か
しかもピストンとパッドはくっついているわけでは無いので
ピストンは戻ってもパッドは戻りません

つまりブレーキの引きずりを起こします
戻れないパッドは
無駄にディスクに擦られて減っていく(--;)

しかもブレーキが引きずりを起こすと
摩擦がうまれ
ディスクが異常過熱します
これはディスクが歪む原因になります

さらに
摩擦熱はディスクからハブ
ハブからハブベアリングに伝わり
ハブベアリングのグリスを炭化させます

するとハブベアリングは
グリスが炭化してスムーズに回ることが出来ないため
発熱しベアリングの内部破壊が始まり

結果、ゴーっと鳴るようになります

ここで全部修理しておけばまだ問題ないんですが
このまま放置してのっていた場合

ゴーと言う音は言うなれば「振動」なんです
それはハブ自体にも伝わり
その振動は金属疲労となり

ハブの破断、つまり最悪は
タイヤミサイルとなります(--;)

たかがブレーキのパッド
特にワークスはホイールさえ外せばあとは素手だけでも交換できます

非常に楽で便利な構造ですか
組み立てかたを間違えたら
元も子もありません！

あとキャリパその物を取り外したことのある車両
キャリパの後ろにあるプレート
あれの向きを間違えてつけられてるのが多い！

あれの向きを間違えると
パッドが減ってきて
キャリパそのものが車体内側方向にスライドしていくと
キャリパがそのプレートに接触し
それ以上キャリパが移動出来なくなる為

ブレーキは内側から出てきた
パッドのみの制動力だけで掛けることになり
大幅にブレーキが利かなくなります

更にその状態が続き
外側のブレーキパッドが減ると
パッドとディスクの間に隙間が出来ます

するとどうなるか？
ブレーキが効かないと
皆さんどんな動きしますか？

大体の人は更に踏みつけますよね？
すると
内側のパッドはディスクを歪ませて
外側のパッドに押し付けるような動きになります

勿論ディスクはそんな簡単に歪みません
するとどうなるか？

最悪はディスクが破断

ディスクが破断したら
勿論ブレーキは効きません！

または割れたディスクが引っ掛かってホイールがロックします(--;)

またはディスクが動かないから
今度はナックルのキャリパ取り付け部を歪ませます

たかがキャリパの固定プレート
されどプレート
向きを間違えただけで

実際にあった症例です！！

結局何を言いたいかと言うと
ブレーキは素人が弄るな！って事

走らない車は事故を起こすことは無いですが
止まらない車やブレーキトラブルを抱えた車は事故を起こします

クルマを減速させ止めるのは
ブレーキのみです

止まらない車ほど怖いものはありません(--;)
自分で弄って自分が事故って怪我するのは勝手ですが

それならば
素人がブレーキをいじった車では
絶対に公道へ出ないでください！

また、サーキット等であっても
他の車両が走っている場合は
コースインしないでください！

ブレーキは
信頼のおける整備士へ依頼しましょう！

ここまで強く言うのは
自分の友達
素人がブレーキを弄った車に突っ込まれて廃車になってるんです

本人も交差点でブレーキの抜けた暴走車に
右横から突っ込まれたため
右腕を肩下から切断
右足も複雑骨折で恐らく一生車イス生活と言われてるので

ちょっと声を大にして言ってみました！

とりあえず白ＡＴ君は本来の組み方をしたら
ブレーキの効きは本来の制動力に戻りました♪

納車前に発見出来て治って良かった～♪