
いよいよ夏休みも最終日となりました。
昨晩青森FTでの解散式後に“しんこ号/たー君号/まさパパ号”と一緒に健康ランドで入浴後は4台揃って秋田を目指しました。
ところがあらぬ所で『スイッチ』が入ってしまった“たー君号/まさパパ号”は降りICをスルー、別ルートで待ち合わせ場所の“道の駅・ふたつい”に数分遅れで到着しました。
折角青森まで来てそのまま帰ってしまう僕では有りません! (笑) て事で2度目の解散式の後は1人残ってここで車中泊、翌日も走り回っちゃう訳です。
青森でもっともメジャーな林道として有名な“白神ライン”は世界遺産白神山地を横断する44Km以上のオフロードです。 林道にもかかわらず多くの車両が通行する事でも有名です。
デポ地(秋田県二ツ井)からは途中に林道・田代相馬林道を経由するルートを取る事とし、隣接するコンビニで調達した朝食をとりながらナビ設定しました。
取り敢えず目的地を白神ラインを抜けて日本海に出る陸奥岩崎に、経由地を4つ設定して検索すると156Kmの長大なルートとなります。
気を引き締めて装備のチェック。 常備のウエストツールバッグに加えてバックパックにはスペアチューブ/フットポンプ/ガソリン携行缶(0.5L)にスポーツドリンクも忘れる事は出来ません。
スタート/ゴール地点となる“道の駅・ふたつい”を朝8時半に出発します。 「頼むゾッ、CRF号」
国道7号を大館方向に約17キロ走って左折、経由地早口ダムへ向ってドンドン登って行きます。
舗装が切れる所から早口林道が始まります。 ここでF/Rタイヤ共に空気圧を減圧します。
森林を抜けるルートが早口川沿いになってくると景観が広がって来ます。 このあたりまでは道端に伐採された木材が積み重ねてあったり道路整備工事が行われていたりとまだまだ人の気配がします。
ここで早口川を渡り川左岸を進む様になります。 まだまだ道幅も充分なままです。
休憩地その1、早口ダムに到着しました。 こんな山奥にこの建造物が有る事でここまでの林道が良く整備されている理由が判りました。(工事にも保守にも) 遠くに先ほど渡った橋が見えています。
やはりと言うか当然とばかりにそこから先は道も荒れて来ます。 ダムから約5Kmで山崩れ地点に遭遇、まだ最近崩れたようでフカフカな状態です。 僅かに残っているルートはバイクなら楽勝ですが、四輪はここでアウトでしょう。
すぐに又もや現れた障害物は倒木、抜け道が無いので枝の細い所を狙ってバキバキと通過しましたが、途中枝がRホイールに絡まりスタック! 一旦降車して手で払いのけて脱出成功しました。
その後に現れた標識。 そもそもここまで来れる車両は殆ど無きに等しいので無意味。(オフバイクは除く)
ゆるーい通行止めと勝手に解釈してGO。
ほほう成る程、これが原因か。 路肩が崩落していて下の川まで数十メートルの断崖になっていました。
でもここまでの難所を通過してきた猛者ならココは楽勝に通過できます。
そして一番緊張した崩落地点。 元々は真っすぐな道でも残されたルートは二輪タイヤ一本分しか無く、赤ラインで通過したのですが、途中で地盤が崩れてヒヤッとしました。 もし落ちたら川底まで真っ逆さまです。
通行止め区間を終えて道は一旦下り出すと現れた停車スポット? にしては荒れ放題で案内板も半倒れ状態でした。 ここで一先ず水分補給して小休止しました。
川の上に架かっている橋が川状態。(笑) この先で四駆軽トラの老夫婦と遭遇して停車してこの先の情報を仕入れました。 先の分岐を右へ行き五色湖からR7へ降りるルートで来たらしい。 (実は方言が本格派であくまでも僕の脳内翻訳による)
さあ、その分岐点です。 勿論左ルートを進まないと白神山地へは行けないので躊躇無し。 この撮影中に所沢ナンバーのXLR250が合図しながら通過して行きました。 よーし、僕も! ここからが田代相馬林道です。
長慶峠を越えて青森県に入ると道は両側から草木が覆い被さり薮漕ぎ状態となります。 路面が良く見えない上に雨水の流れによって出来たクレバスが有り、この区間はそれまでに増して細心の注意を要しました。 先ほどのXLRは無事に通過したようだ。
少し路面状況が良くなって速度を上げ始めた途端に「ガッキーーンッ」左足に衝撃を受けました。
即停車して覗いてみると↓

見事にチェンジペダルが折れ曲がり、ステップを持ち上げてしまった状態でスタックしています。(しかも5速で) 犯人を特定するべく歩いて捜索すると、それは草に隠れた倒木の太い幹でした。
何とか走行可能にせねばと焦る僕の脳裏に『遭難』の二文字・・・。
ツールバッグから使えそうな工具を取り出して修正開始。 しかし一番大きな17ミリのメガネレンチの穴でもペダルにハマりません。 アクスルナット用の22ミリレンチをねじ曲げながらどうにかここまで戻すのが精一杯。 踏めはギヤダウンは出来てもアップは踵を引っ掛ける様にしても難しい状態です。
ナビで確認すると修理が出来るであろうSSまでは90Km以上もありその内50Kmが林道です。 美山湖までの間に農協SSが有る筈だがお盆休業の可能性が大なので期待薄・・・。
僕のCRF号は低速トルクが意外と太く、少し無理すれば3速発進ができるので余程の事が無い限りは変速無しでも走れる事を発見、スローペースながらも進み出しました。 気がつくと左足親指の付け根が痛みます。
分水嶺を越えたのでしょう、横の川の流れが反対になった頃に開けた景観。 青森県の最高峰“岩木山”です。
下り坂が有利に働いて比較的苦労せずに辿り着いた田代相馬林道起点。 車両通行止めの看板に「ジムニーなら通行可」の落書きが。 僕は無理だと思うけど・・・。 そしてここにもアノいやな看板も!
途中の農協SSは案の定休業でパス、県道28号に合流すると山口ナンバーのヤマハ車(車種判らず)と伴走するようになりました。 キャンプ道具やらで荷物満載の彼はとても安全運転で変速出来ない僕のCRFでもついて行く事ができます。 30分位走ったでしょうか、経由地点に登録した“アクアグリーンビレッジANMON”に到着。 バックパックから昼食を取り出して遅めの昼食としました。 その間にスタートして行ったヤマハ氏はこのあと日本海側に出てキャンプするそうです。 各地から訪れていたライダーとお話しての一期一会に心が和みます。
しかし、ここで有ったバイクの半数以上がロードバイクで皆この先の未舗装路を上がって来たそうです。
「ホンモノのツーリストは猛者ぞろいだナー」と隣のKLR氏と同意見で一致しました。
さあ、ここからが白神ラインに突入です。 いやいやホントに皆さんここを登って来たの?って位の本格オフロード、しかも対向乗用車も多数で出会い頭にヒヤッとする事数回有り。 先行したヤマハ氏は当然の如くノロノロ運転で足を出しながらのコーナリング、迷惑にならない場所まで待ってから合図して先行させて貰いました。
そして道は津軽峠で一旦ピークに達します。 ゲゲッ、定期バス! ローカルドライバーを侮っては行けませんネ。
その展望台からの眺め。 右に大峰岳が見え、あの向こう側が日本海です。
やっと半分というとこか・・・ガンバレCRFよっ。 ここまでは登りが多かったのでほぼ3速固定で走行した事で油温が105℃の警戒ラインギリギリです。
赤石川を渡る橋にて。 この辺は下りの緩いコーナーが続くので5速まで上げてエンジンを労れました。
しかしこの先には又峠が待ち構えています。
第二のピーク、天狗峠を登りきりました。 この白神ラインはこの様に展望台付近のみ舗装して有ります。
少し手前で燃料が予備タンクに切り替わったので残り距離を計算して携行缶から補給しました。
崩山(940m)でしょうか、あの向こう側には十二湖が有るのですがこのルートからは行く事が出来ません。
肉眼ではうっすらと日本海が見えていたのですが画像では見えませんネ。
あとは穏やかなラインを描く舗装路を下って白神ラインが終了。 起点の交差点には石碑が有り、白神ラインを走破した事を知らせてくれます。 時刻は午後3時半、もう時間的にも機械的にも逆走ルートは無理となりました。
そのすぐ横の農協SSで給油5.2L、携行缶分0.5Lで合計5.7L消費して213Km走行(函館含む)は37.4Km/Lと不利な走行パターンにしては好燃費でした。 で早速ギヤペダルを修正するためにお伺いを立ててみます。
「今は使っていないけど隣の修理工場で使えるものが有るか見てごらん」(脳内通訳済)
おお、有り難きお言葉のナント嬉しい事ヨ。 が、それも束の間の喜びとなりました・・・。
これなら、と見つけた作業台の万力がギヤ欠けしていて使用不能でした。 他にはめぼしいモノが無く結局は修理を断念。 それでも親切にしてくれたSSマンには丁重にお礼してから60Km先で待つcw号に向って国道をスタートしました。
国道101号を八森まで南下したとこで休憩、あと半分だ。 日本海を眺めながら水分補給します。
Kトラで来ていた老夫婦が食事していました。(何故今?)
そしてゴールイン、陸奥岩崎で給油してから63.7Km走行でした。 豪快に汚れて、しかも損傷させてしまったCRF君ご苦労様でした。
これで1号機の夏も取り敢えず無事終了です。 母艦に格納前にパチリ。 本日の総走行距離219.7Kmでした。 体を軽く清めて着替えを済ませたら道の駅売店で地元の野菜を大量に購入(結果的にコレが一番喜ばれました)したら700Km彼方の我箱に向けてスタートしました。
途中往路と同じ錦秋湖SAで給油、296Km走行で33.6Lの消費は8.7Km/Lのまあまあ燃費でした。 これで後は無給油で済む筈。
ここでの入浴は滑り込みアウト! 仕方なく車内で仮眠して東北道の渋滞解消を待つ事にします。 この間に盛岡帰りの『魔女と召使い』と『芋蔵コンビ』が表敬訪問してくれた様ですが、死んだ様に深い眠りの僕が気づく由もありません。 (笑)
開けて8月16日午前0時半にスタート、まったく渋滞無しの東北道/常磐道をノンストップ510Kmで無事5時半には懐かしい我箱に戻りつく事が出来ました。
給油62.5Lは8.16Km/Lと今回の最低燃費は巡航速度が高めだったから?
最後にその得意とする場面で各々大活躍してくれた2台を振り返ってパチリ。 又一層愛着が湧いたので旅の疲れをタップリと癒して上げる事にします。
各車走行距離 cw号=2172Km AX-1=546Km CRF150F=516Km
総合計=3234Km
※ これで僕の2012年夏休みが終了です。
5月の連休明けに“しんこ”さんからお誘いを受け、当初は乗り気半分だった僕。 やがてフェリーの予約が済む2ヶ月前になるとバイク2台をお供に出来る事が現実味を帯び、すでに行く気満々で気分はもう北の大地にウキウキ。 そして行きも帰りも寄り道しながらの北海道ツアーは同行メンバーのお陰も有ってとても楽しく、僕の今までの人生で最高に“熱い夏”となり記憶に深く刻まれる事となりました。
“しんこ/こまち嬢”御夫婦、“☆た~君☆”さんファミリー、“きよMAN”さんファミリー、そして遅れて来た“まさパパ”さんと、全ての参加メンバーへの感謝とお礼の言葉で締めくくりたいと思います。
「大変お世話になり、ありがとうございました」
そして
「来年はもっと楽しみましょうー」 【^_^】