
皆さまはじめまして。カスタムジャンキーTOMMYです。
るび夫さんの予告投稿から大変遅れ、半年たってからの初投稿ですみません。
気付けば四半世紀以上、車のいろいろな開発に携わっている中で、カタログなどでは伝えきれていない事や、様々なカスタムモデルのいろんな部分(部品)をカスタムしている目的や開発の拘り・マニアック?な部分をみんカラブログを読んでいただいているコアな方に向け今後、定期的に発信していきたいと思いますのでよろしくお願い致します。
(基本、マニアなので長話ですがお付き合いいただけると幸いです)
初回は、今では”AUTECH”のすべてのクルマに装着されている専用シグネチャーLEDについてのお話です。
青色LED自体は、1990年代の日本で発明されて以来、爆発的に広まり、今では生活する中でどこでも遭遇する”青い光”として広く使われています。
実際、自動車にもアクセサリー部品等で広く活用されており、車好きな方なら、室内外問わず、ご自身のカスタムで使ってみようか?と思った経験がある方も多いのではないでしょうか?
2017年にAUTECHをブランドとして立上げ、当社創業の地、茅ヶ崎、湘南の海から起草されるデザインをブランドのお約束表現として各所に施しました。さざ波のきらめきを表現したドットパターンのグリルや白波を表す金属調塗装を施したプロテクターなどの、ひと目で”AUTECH”だと分かる外装パーツ、青と黒を基調とする内装のコーディネートなどです。お陰様で今では多くのモデルに AUTECHをラインアップさせて頂いています。
この AUTECHの”青”を昼夜問わず一目見て”AUTECH” だと分かり、かつ周囲から気付いてもらえることでの視認性を確保することを目的に、専用シグネチャーLEDの開発がスタートしたのは今から10年ほど前でした。
この”一目見てAUTECH”をブランドのテーマカラーである”青”で実現したいと思ったのですが、前述したとおり既に世の中には自動車向けの青い後付けLEDの部品は数多く存在しており、安全上の視認性確保という目的から、タクシーや郵便車両、貨物トラックなど、青いLEDを付けた車は沢山走っているので、まず世の中に既に存在している車の”青いLED”に埋もれてしまわず、違うものを開発しないといけないという話になりました。
光の色は3原色のRGB(Red, Green, Blue)の波長の違う光の組み合わせで色々な発光色を作れますが、ファクトリーカスタムとして十分な耐久性を持ち、自動車車外灯体用として使えるLEDの種類は実は限られています。
また、光なのでその明るさによっても、人間は発光色を違った色ととらえる事にもなります。(青い灯体でもどんどん明るくしていくと、白に近づいていきます)
その中でLEDのチップ探しから始め、灯体の明るさの狙いと色味をバランスさせた中でひと目みて"AUTECH”と視認できる青にたどり着くまで、その試作には非常に手間を掛けました。
まず、自動車につくライト類はもちろん、公道を走るために保安基準に適合していることが必要であり、その取り付けることのできる位置・明るさ・色にも制限が掛かります。また、ミニバンからコンパクトまで様々なタイプのAUTECHで、使い続けられる要件を織り込む必要もありました。(ブランドとして不変の色で有り続ける為)
クルマのフロント回りに取り付けることのできるライトのうち、実は青く光ることのできるライトは”その他灯火”という区分に準拠する必要があり、その明るさには”300カンデラ以下”という制限があります。(ヘッドライトやフォグランプと比べると意外と暗い。ざっくりとはポジションランプくらいの明るさ)
加えて、人間の視覚的に青は暗く感じやすい色であることから、”ひと目見て分かる”為に、この制約の中で出来るだけ明るさを出せる灯体を目指しました。
明るさを搭載するチップの数と共に決めると、次にその明るさを前提とした色味を決める過程に入るのですが、そのチップがまた希少過ぎると、多くのAUTECHに採用した場合に、部品が供給できなくなるという事態になるため、これまた条件に合うものを探すのに奔走し、ようやく今の青のLEDにたどりついています。実際、発光色を分光器で計測すると、その光のスペクトラム(波長と強さで分離したもの)は世の中に多く出回るものとは明確に異なるものとなっており、AUTECHを表すユニークなものとして作り上げることができました。
上の写真は一昨年のNISMOフェスティバルのオープン時間前に展示車を並べて撮ったものですが、車種によらず統一された”一目見てわかる青”で光っているのがお分かりいただけるかと思います。
きっとオーナーさんで集まって点灯会とかやったら、カッコいいんだろうなー、、、などと日々妄想しています(マニアなので、、、)
実際、対向車線やバックミラー越しにAUTECHが走ってきたと、直ぐに分かる
この灯体はAUTECHにお乗り頂いている方なら”おっ!”と思って頂けるのではないでしょうか?
さらにこの専用シグネチャーLEDへのこだわりを進化させ、最新のモデルでは、クルーザーなどの船が走った後にできる”航跡波”をモチーフにしたレンズで、よりきれいに煌めかせ、かつ消えているときにも”海”を感じて頂けるデザインを織り込んでいます。
このように私たちが装着する部品や車の仕様はお客さまに満足いただけるよう、他にはない物を作るため、拘りを持った開発をしておりますので、その中身を次回以降も様々な開発領域・部品でご紹介していきたいと思います。
最後までお読みいただいた方、ありがとうございました!
Posted at 2025/09/29 17:35:42 | |
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