新型マーチの燃費は、クラストップとなる26km/リットルというとんでもない数字になるってのがニュースに出てました。
記事によれば・・・
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新型マーチに搭載する軽量・コンパクトを追求した3気筒1.2リットル「HR12DE」エンジンは、4気筒エンジンと比べて可動部品が少なく、シリンダーブロックに真円ボア加工技術などを採用したことで、従来の同排気量4気筒エンジンに対して約20%のフリクション(摩擦抵抗)低減を実現した。
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この 『真円ボア加工技術』 ってところ、あなたの心に刺さりませんでしたか?
僕がはじめて聞いたのはたしかティーダの発表のときだったと記憶してますが、これ、けっこうビビッときちゃったんですよね~。
でも、どこのニュース記事も、わりとさらっと書いてあるみたいで、あまり突っ込んで書いてないですよね。 この技術・・・、タウリン1000グラム配合! とか、エンカリゾウチウム配合! みたいな、なんだか知らないけど凄そう・・・的に思われて終わってしまうのはもったいないので、説明します。
この真円ボア加工ってのは、シリンダーブロックの穴が真円になるように加工しているよって技術なんです。 『はぁ~何を言ってるんだ?ふつうじゃん!』 と思うかもしれませんが、まあ聞いて。
ご存知のとおり、シリンダーブロックは金属(最近はアルミが多い)の塊で、シリンダーのボア穴は丸くくり抜いてあります。くりぬく作業をボーリングといいます。 金属の塊を切削機械で加工するわけだから、かなりの精度が出ます。 ところが、出来上がったシリンダーブロックを、エンジンとして組み立てる際にシリンダーヘッドを乗っけて『ギュッ!』とネジを締め付けると、これがなんと変形するんです。 だ円になったり、たる型になったり・・・。 あ、変形するっつても、ごくわずかですよ。 でも、シビアにフリクション低減をやってきたのに、わずかな変形で台無し(抵抗が増える)になっちゃうのです。
で、どうしているかというと、ダミーヘッドをつけてボーリングするんです。 本ちゃんのシリンダーヘッドではなく、ボーリング加工する際に、シリンダーヘッドを取り付けた時と同じだけの応力がかかった状態にするため、ダミーのシリンダーヘッドを組み付けた状態で、ボア加工をするの。 こうすれば、エンジンとして組み上げたときにボアが新円になり、設計どおりのクリアランスで組みあがるという寸法です。
実は、このダミーヘッドをつけてボーリングするってのは、エンジンチューニングをするときに使う手法で、シビアにハイパワー/高回転を求めるチューニングエンジンを作るのと、超低燃費エンジンを作るのと同じようなやり方してる、ってのが結構うれしくなったりしません?
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2010/07/08 16:42:59