
「りむたん♡」と書くとなんかカワイイけど、実は屈強で強靭なアルミホイールの工法の話。
セレナAUTECHには、これまでも通常のガソリン仕様車をベースにボディと足回りにチューニングを施したSPORTS SPECをラインナップしてましたが、今年8月の仕様向上の際にe-POWER車にも追加設定をして絶賛発売中です。
ロングツーリングを快適にこなすハンドリングと快適な乗り心地の要(かなめ)は、専用にチョイスしたタイヤ=MICHELIN Pilot Sport 4。サイズはセレナシリーズとしては最大径となる17インチで、このタイヤを履くホイールは国産アルミホイールとして長い歴史を持つエンケイさんで作ってもらっています。
ミニバンであり、かつモーターとエンジンの両方をフロントに抱えるセレナePOWER車のフロント荷重は相当なもの(車検証見てみたらびっくりするかも)。 今回ePOWERにSPORTS SPECを設定するにあたり、オーテックがフロントロアワームの強化までやっていることを考えれば、路面からの入力を薄いタイヤしか介さずに受け止めるホイールへの入力も半端ないことが想像できるかと思います。それは単に上下だけでなくグリップ力が上がったタイヤのせいで横にこじる方向にも入力がアップしてるから。
そんなこんだで、生半可なホイールではオーテックのファクトリーカスタムとして発売することはできなかったのです。
エンケイさんには、オーテック30周年記念車=ボレロA30のフル切削鍛造ホイールでもお世話になってます(その記事は
コチラ)が、今回のホイールでも、デザイン性、軽量、信頼性(剛性と靭性)などの面に対するオーテックのわがままにエンケイさんの技術で応えてもらってます。
アルミホイールの製造方法は大きく分けて「鍛造(たんぞう)」と「鋳造(ちゅうぞう)」があります。 鍛造は軽量で高強度にできるけどコストが高いので、世の中一般的に出回っているアルミホイールはほとんどが鋳造です。
ここまで聞くと「お、セレナオーテックのアルミは鍛造なのか?」って思うかもしれませんが、いえ、鋳造です。鍛造ホイールの場合、高圧でプレスするための型の成型性もあり、あまり凝ったデザインができないという面もあります。そのへんのバランス・・・。
ただし、タダの鋳造ではなく、鋳造成形したホイールのリムに熱を加えながらローラーでプレスして成形しアルミの金属組織に「鍛造」と同じようなフローを形成させる、通称「リム鍛」という工法で作られているのです。これによって、鋳造ならではデザイン表情を実現しつつ、鍛造並みのリム強度を実現し、極力軽量化を図るってことにこたえてもらっています。
また、最後の表面処理もダークスパッタリング処理とすることで、上質さの中に力強さを秘めた、この車にぴったりのデザイン性も備えているのであります。
「りむたん♡」覚えておいてくださいね。
Posted at 2020/11/05 16:55:46 | |
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