〜7月某日、某所にてM師との対談内容記録より〜
ニト朗(以降「ガ487」と呼称):ついに日本でゴジラが公開されました、既にご覧になられたそうですが?
M師(以下「M」と省略):観ました、事前の情報は全く見ないようにして先入観なしで観たつもりですが、とても良く出来ていて観終わった後の充実感がありました.まだ観ていないんでしょ、これは期待していい映画ですよ.
ガ487:私は洋画を吹き替えで観るのが好きではないのですが、3D、2D、どちらでご覧になったのですか?
M:2Dです、やはりオリジナル音声で観たかったので2Dしか選択肢がなかったのですが(編注:全国には字幕版3Dで上映している劇場がある)とても美しい映像でした.今度は3Dの方で観てみたいとも思っています.そういうことより劇場が高音質のシステムで大音量で再生してくれる事の方が重要です.
ガ487:サウンドが良かったのですね?
M:抜群です、ゴジラの咆哮は鳥肌が立ちました、毛が逆立ったというか、もう全身が無力化して無条件に圧倒されました.劇場の空間容量が飽和するくらいのすごいサウンドですよ.
ガ487:比較的新しい劇場で観た方が良いかもしれませんね.
M:しっかり音圧を確保できる大きめのシアターで観た方が良いかもしれません.
ガ487:ゴジラそのものの解釈はいかがでしたか?
M:結論を先に言います、素晴らしいです.東宝ゴジラに対するリスペクトさえ感じました.1954年の初代ゴジラこそベストゴジラとする意見はもちろん主流なのですが、おそらく制作者、監督はすべての東宝ゴジラがフェイヴァリットなのでしょう.ゴジラ造形はもちろんCGなのですが、何となく着ぐるみのように見えなくもない、そんな演出さえしているそうです.この意味が分かりますか?
ガ487:CGであればもちろんどんな表現も出来る訳ですが、あえてそういう表現を加味するのは?
M:それこそ「ゴジラ」がゴジラらしく見えるからです.つまり監督は(編注;ギャレス・エドワーズ1975生、本作は監督としてまだ2作目)何か「新しいもの」なんか作ろうとしていないんですよ.あくまでも自分が見たい「ゴジラ」を作ろうとしている.このゴジラファンが「160億使っていいからゴジラ映画を作れ」と言われて3年かけて作ったのです.
ガ487:ハリウッドゴジラとしては2作目という事になりますよね?
M:ミレニアム・ゴジラと呼称されるあれですね?私は愚かにもあの映画に期待して劇場に足を運んだのですが、観終わって腹が立って腹が立って仕方なくて、別の映画を観てから帰りました.あの映画の印象を持って帰宅するなんか出来なかったですよ.
ガ487:前作はそんなに評価低いですか?(笑)
M;エメリッヒですね、もう評価するレベルに達していない.とにかく映画としての体をなしていない.数点のスペクタクルシーンを退屈なドラマで埋めているだけの映画です.さらにゴジラが都会で産卵して産まれた無数の小型のチラノサウルスが人間を捕食するとは、くだらないパニック映画にも程がある、あ、この辺はカットしてくださいね.
とにかくあれを観て頭に来ているところで「ジャッカル(リチャード・ギア、ブルース・ウイリス)」を観たんですよ.抜群でしたね、映画のカタルシスとはこういうものだと大満足で帰りました.ゴジラ観た事はなかった事に出来ました(笑)
ガ487:私も観たくなってきました、早く時間を作って大きな劇場に足を運ぶ事にします.さて、今日の本題ですが、もうすぐマツダから新型ロードスターが発表になりますね.
M:今日はその話題でしたね(笑)新型は期待できる雰囲気を感じます.現行型より少し小さく、軽くなる事は間違いなさそうですね.デザインに関しては、デザイナーの感性次第、というところでしょうか.デザイナーの方の発言等を聞いていると美しいロードスターになりそうです.自身もNAオーナーだそうですし.
ガ487:9/4のワールドプレミア以降も各地のミーティングでお披露目されるそうですね.
M:お披露目イベントはNCの時はハワイでしたし、NBの時はマツダ本社でした.どちらも全国のローカルクラブに希望者を打診する形でしたが今回はネットで先着1200名という.ファンの対象を公平化したと言えるのかな?
ガ487:1200名のネット予約が8分で完売したらしいです、ファンの関心の高さがわかりますね.
M:クルマの事は詳しくないので違うかもしれないんですが、こういう事は少なくとも国産車ではマツダのロードスターだけですよね?NB、NCでもそうでしたが、マツダは新型への正確な評価をロードスター・オーナーから直接聞きたいのでしょう.そしてそれに応える自信を持っている.これすごい事ですよ.もう出来上がって変更できないものを最も厳しい意見の、ある意味言いたい放題のところに出すという.旧型のオーナー達は新型の最も痛いところをついてくるし、ロードスターらしくないと容赦なく指摘する.何しろロードスターが好きで好きで仕方のない人達の訳ですからね、最も手強い評論家ですよ.
ガ487:オーナーは確実にロードスターの本質を知り尽くしていますからね.
M:しかも個人がそれぞれの価値観に基づいたロードスター像を勝手に抱いている.ファンだから甘く評価してくれる、なんてとんでもないのです.だからそれに対峙できるロードスターを作るには、エンジニア自身が「ファン」でなくては絶対無理なんです.もちろんファンというだけで新しいロードスターを作る事は出来ませんが、ロードスターファンでないエンジニアがロードスターを作ったら、ファンは一発で看破するでしょう.そんな事はありはしないんですがね.
ガ487:つまりマツダは新型ロードスターを真っ先にファンの前に出すほど自信がある?
M:これまで歴代の新型ロードスターでやってきた通りです.その始まりが初代の誕生だったわけです.いわばNAは初代ゴジラですよ.
ガ487:そうきましたか.
M:先日発売されたNAVI CARSのロードスター特集、車の雑誌買うのは本当に久しぶりなんですが、あれを読んで、やはり初代が持っていたエネルギーは凄かったんだなと思いました.初代を体験する事でオーナーの人生が華やかに楽しいものになる、車自体が既になくても初代ロードスターと過ごした事が人生の彩りになる.そのまま乗り続けている人と、そうでない人の思いが一つの文化としてこれからも成熟してゆくのだ、という事がロードスターを経験していない読者にも伝わる特集でしたね.
ガ487:アマゾンの車雑誌売り上げ一位になってました(笑)
M:実はNAVIを買うのは、NBが登場した頃、例の清水○○さんの「NB買うのは安物買いの銭失い、ボクスターを買うべき」という記事に激高して人生で初めて雑誌を破り捨てて以来です.その次に買ったのがこれだという(笑)
ガ487:で、ミレニアム・ゴジラにご立腹になった話につながる?
M:あ、そんな発想はありませんよ(笑)
とにかく、新型ロードスターもゴジラ2014のように、初代へのリスペクトの炎が絶えない存在になると信じています.
ガ487:なるほど、意外な接点があるのですね.今日は暑い中、どうもありがとうございました.
M:ありがとうございました.
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2014/07/29 22:04:55