2022年01月31日
本来、工賃は値切ってはいけない
消費者の立場からすれば、少しでも安い金額で支払いをしたいというのは当然のことだと思います。
今日は、そのことで、「度を超した値切り交渉はダメ」というか、そもそも「値切ること自体が間違っている」という話題について書きます。
本題に入る前に、病院で診察を受けたとき、診察料や薬代を値切る人っていませんよね。
「料金は◎◎◎◎円です」と言われて渡される明細書に、検診料や検査料という区分に◎◎点と書いてあり、料金が記載されていると思いますが、その点数に応じて料金を設定されています。
よくみると、その点数の単価は、明細書に書いていないことが多いです。
(私がよく行く歯科や眼科が発行する明細書には単価の記載がありません。)
仮に診察料の明細書に単価が書いてあったとしても、この単価は高いとは言いませんけど、病院の言い値にケチをつける人も普通はいないハズです。
でも、何故かクルマ業界では「工賃」と呼ばれる項目に対して「なんでこんなに高いんだ?」という疑問をストレートにブツケ、酷い場合は「値引きしてくれないのか」という人が実際にいます。
クルマ業界に限らず、建築・設備・土木・塗装防水といった工事関係でも、同様のハナシはよくあります。
工賃や工事費は、クルマ業界でいえば整備士の技術料、工事関係でいえば請負会社や職人の技術料としての対価です。
値引きをするということは、その技術を安く見積もるということと同じになります。
言い方は乱暴ですが、「お前の技術になんでここまでの料金を払わないといけないんだ」と言っていることと同じで、失礼なハナシです。
例えば、ディーラーであれば、時間単位でいくらと決めているので、基本料金は設定されています。
だからといって、想定時間よりも整備が早く済んだとしても、値引きしろということは違います。
その人の技術が確実で優れているから早く終わっただけです。
もちろん、全て早ければ良いのではなく、確実に丁寧にやってくれる方がユーザーとってはありがたい存在であることは言うまでもありません。
逆に言えば、「早くしろ!そして安くしろ!」という発言は無知のなせるワザでしかありません(笑)
整備士だとよくあるハナシだと思いますが、スピード車検で「速くて安いと思ったのに、なんでこんなに高いんだ!」とクレームを言う人は、追加整備が発生することを考えていない人です。
整備士が「ドライブシャフトブーツが破れていると車検に通らないので、ブーツ交換が必要になります」と説明したら、「ブーツは安いのに工賃が何でこんなに高いんだ!」というクレームを再び言う人・・・いますよね(^^;
部品単価が安いから工賃も安いと思い込んでいるのかわかりませんが、その部品の交換にかかる手間や作業時間を知らないからその展開になるのだと思います。
その手間や作業時間を知っていればその工賃は妥当であり、それを確実にできる技術が工賃ですからね。
何年も前のハナシになりますが、某所でその光景を見たとき、お店の人が気の毒で、心の中で「工賃が気に入らないのなら、自分でやればえぇやん。」と思っていました(^^;
また、現地で作業や整備といったことをしていないのに、お金をかかるケースの最たる例が出張料。
「来ただけでお金がかかるのか!」というクレームも見かけますが、そもそも人を動かした時点でお金が発生することを知っておかなければなりません。
いろいろ書きましたが、前述の技術に対して支払う工賃は、その人の技術を信用しているのであれば、値切ること自体が間違っているということがわかると思います。
私も自分でできることは自分でやりますが、ココはプロに任せようということは任せます。
任せる場合、自分よりも技術と知識があり、信頼している人に任せるので、その人が言う工賃に当然、異論はありません。
それでは、工賃や工事費に疑問を持ってはいけないかというと、必ずしもそうではありません。
工事費一式と書かれてある場合、付き合いの長い業者さんが一式で書いてあった場合、細かく書くといろいろと計上しないとイケないので、ネット価格に近いような場合、一式とすることもあります。
でも、そうでない場合もあります。
いろんなケースを想定して、儲け+αを積んで一式とする場合もあります。
工事を受注し、着工後に想定していた以上に追加でやらなければいけないことが発生した場合、見積修正ができない場合は、最初から上乗せをする業者もいます。
他には足元を見られて・・・のパターンも。
最後のケースを嫌うのであれば、全部自分で修理・施工する。
それができなければ自分で勉強し、適正価格を知った上で対応する。
2つ目の事例はネット等である程度、調べることはできるでしょうが、それを盾にとって、「◎◎だと◎万円でできるって書いてあったぞ!」という交渉も実は良いようで余りよくありません。
施工方法が一緒なのか、使う材料が一緒なのか、施工にかかる時間も一緒なのか、時間単価は一緒なのか、そもそも技術は同等と言えるのか等、比較できないことはたくさんあります。
ということで、私なりの結論になりますが、「信頼できる人やお店を見つけ、その信頼している人やお店がつける値段にはケチをつけない」が最も理想だと思います。
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Posted at
2022/01/31 22:59:31
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