高速道路で追い越し車線を走っているとき、後方から速いクルマが迫ってきたら、「どのあたりで左車線(走行車線)に入ろうか」って考えますよね。
後方からクルマが迫ってくる感じをバックミラーで確認し、隣の車線へ安全に移れるタイミングを考えることは、誰でもやっていることだと思います。
それは、サーキットでも同じです。
サーキットは、交差点がないので側面衝突という事故は、通常考えられませんが、車速の違いにより追突しそうになったり、前方車両が後方車両へ走行ラインを譲るのかどうかという意思表示が不明確なために、接触しそうになったりするという例はゼロではないと思います。
タイムアタック中は、特にブレーキングポイントや脱出ラインなど意識が前に向きがちです。
サーキット走行に慣れてくれば、意識を前に向けながら、バックミラーや目視確認によって後方から迫るクルマの様子を確認できるようになりますが、初心者は、意識を前にも後ろにも向けないといけないことから、結構、余裕がないものです。
そんなわけで、TSタカタサーキットを走っている常連には当たり前のことでしょうが、初心者やTSタカタサーキットを初めて走るという人のために、一般的な追い抜きポイントを、コース図を使って紹介します。
コースに記載した数字は、便宜上、私が考えたコーナーです。
赤丸の場所が、追い抜きポイントと思ってください。
1コーナーから2コーナーの区間での追い抜きは、経験上、やめた方がいいです。
(詳細は割愛しますが、レースでも、ここで仕掛けるのは抜く側のリスクも高いです。)
3コーナーへ入る前、アウト(右側)へ寄って停車・徐行していれば、だいだい後方車両はインを抜いていけます。
赤丸はしていませんが、イレギュラーなパターンとして、4コーナーへは向かわず、5コーナーの方へ向かって旧コースを走り、その中間あたりで待機するという手もあります。
4コーナーから5コーナーへ向かうまでの区間は、4コーナーを立ち上がって少し先のあたりで左側へ寄って停車すれば大丈夫です。5コーナーに近づきすぎると、ラインを塞ぐことになるので、赤丸あたりが安全です。
6コーナーは逆バンクになっているコーナーなのですが、アウト側へ目いっぱい寄ったところで停車・徐行すれば、後方車両はインを抜いていきます。
6コーナーを立ち上がって7コーナーに差し掛かるまでの間も追い抜きポイントの一つですが、車速の高いクルマは6コーナーを立ち上がって、そのまま7コーナーをイン・インで回るクルマもあり、注意が必要なため、赤丸印はしていません。
8コーナーも目いっぱいアウトに寄っていれば、速度が落ちるポイントなので、後方車両はインを抜いてくれます。
9~10コーナーの区間で、左側に凸ポイントがあり、そこで停車していれば、楽に右側を抜いていってくれます。
ここが一番、やりやすいポイントだと思います。
このポイントで抜かせるには、7~8コーナーで6コーナーあたりに迫ってくるクルマをいち早く察知し、素早くこのポイントまで移動することですね。
あまりダラダラと走ると、タイム差が大きいクルマだとあっという間に追いついてきますので、その辺は臨機応変な対応が必要です。
11コーナー(すり鉢コーナー)は意識が立ち上がりに向かっているので、あまりオススメはできませんが、思わぬ速度で後方からクルマが来ていたら、アウト(左側)へ目いっぱい寄っていれば、後方車両はインを抜いていってくれます。
できれば、11コーナーを追い抜きポイントとする前に、9~10コーナーで処理した方が断然、双方にとって安全です。
ここで重要なポイント!
クーリング走行をするときにハザードを出しながら運転することがありますが、
「抜いてもらうときには、ハザードではなくウインカーを出す方がよい」です。
先ほどの9~10コーナーのポイントでいえば、停車もしくは徐行して左ウインカーを出します。
こうすれば、後方から来たクルマも、「あ、前のクルマは抜いて行けってことだな」とハッキリ認識できます。
慣れた人同士であれば、どこでも「抜く・抜かせる」ということができますが、初心者も安全に楽しく走るためには、暗黙の了解的な追い抜きポイントを知っておいた方が間違いないと思います。
よくないパターンが、譲るのか譲らないのかわからないような走り方や、譲るポイントがレコードライン上だったり、クリッピングポイントに近いところだったりするものです。
結果そうなったのであればやむを得ないにしても、未然に防げるものであれば、「追い抜きポイント」を意識するだけでも、双方がスムーズに走れると思います。
他には、ハザードをいくら出していても、レコードラインをダラダラと走って、後続車両が来てもラインを譲らないというような走りも、よくないですね。
あと、当たり前のことですが、追い抜きポイントで停車・徐行した場合、再発進時の車速と次の車両が迫ってくる速度差は尋常ではないので、そこも注意が必要です。
いずれにしても、車種・ドライバーによって車速にかなりの差がありますので、「次のコーナーをどう攻めようか」と思いながらも、チラッと後方にも意識を向ける心の余裕は持ちたいですね。
なかなか、こういうことって現地でも誰かから教えてもらえないことなので、ブログで書くことにしました。
Posted at 2016/03/01 18:38:55 | |
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