
昨晩、カー用品店に勤めている近所の人から、「ビートかコペンで悩んでいる知り合いがいるんだけど、どっちがいいと思う?」という相談を受けました。
カー用品店に勤務しているので、私よりも全般的にクルマに詳しいのですが、私の意見を求めてきたのは「軽スポーツカーなので私の意見を聞きたい」ということでした。
※写真は、2015年6月のGCUP(ジムカーナチャレンジカップ)のときの使い回し(笑)
ハナシをもとに戻して、以下が会話の全容です。
※カー用品店に勤務している近所の人(=近所の人)
私「どちらにするか悩んでいる人は、あえて言うならどっちがいいの?」
近所の人「いや、まだハッキリ決めてないみたい。」
私「ちなみに、コペンって前のL880の方だよね?」
近所の人「そう。そっちの方。」
私「その人、MRとFFの違いくらいは知ってるんだよね?」
近所の人「う~ん、たぶん。どっちかというと、ちょっと遊びたいって感じみたい。ビートは(維持費に)お金かかる?」
私「難しいな~。古いクルマだから前のオーナーがよほどしっかりメンテナンスをしていれば別だけど、基本的にはお金がかかると思っておいた方がいいよ。新車みたいに乗りっぱなしって訳にはいかないから。」
近所の人「コペンはどう思う?」
私「コペンはまずビートよりは雨漏れの心配が少ないよね。幌車の宿命なんだけど、ビートは幌が縮んでいたり、ウェザーストリップがダメになっていたりしたら、カーブ曲がるときに室内に雨が入ってくることもあるからね(笑)」
近所の人「やっぱり、オープンカーだとそういうのあるよね(笑)」
私「コペンはハードトップだから幌車よりも雨漏れには強いけど、屋外駐車のクルマとか保管環境によっては、ゼッタイに雨漏れしないとは言い切れないね。」
近所の人「なるほどね~。」
私「多少の雨漏れとも上手く付き合えるってくらいの気持ちがオープンカー乗りには必要だね(笑)」
近所の人「ところで、ビートのエンジンは弱いと思う?白煙吹くとかよく聞くけど。」
私「いや、逆に強くて優秀だと思う。E07Aというエンジンはちゃんとオイル管理をしてあげればホンマによく回るし、そうそう壊れるもんじゃないと思う。白煙吹いているビートは、(メンテ不足の)ツケが回ってるクルマだと思う。」
近所の人「コペンのエンジンはどう思う?」
私「コペンもJB-DETという4気筒のエンジンを積んでいるんだけど、アレもいいエンジンだからね~。でも、問題はビートと一緒で、ちゃんとオイル管理されているかどうかじゃないかな。」
近所の人「とりあえず、てっとり早くターボ車の加速感を味わいたいならコペンの方がいいかもね。」
私「まぁ~そうだね。サスペンションとかエンジンフィーリングとか細かいこと言う前に、両方ともいいクルマだと思うけど、どっちがホンマに乗りたいかってことの方が重要じゃないかと思うよ。ビートよりは新しいけど、コペンもそれなりに古い部類に入ってくるし、まともに乗るならメンテナンスの費用は考えて欲しいよね。」
私「あと、ちょい乗り程度のつもりならビートはやめておいた方がいいと思う。雨漏りするとか、マフラーから白煙吹くとか、2速・3速でガリって音がするとか・・・メンテがされていないビートを買うと、いきなり直すことから始めないといけない。どうしてもそのクルマが好きで、直さないといけないことに小遣い突っ込むつもりならいいけど、普通の人はそう思わず『ボロクルマ』って思うだけだろうからね。それを覚悟のうえならビートをおススメするけど、ちょっと乗りたいってことならコペンの方がいいかもね。ビートより荷物がたくさん積めるし(笑)」
近所の人「そっか~、やっぱ競技している人の見方って違うね~。参考になったよ。」
ビート乗りとしては、路上に1台ビートが元気に復帰することはウレシイことだし、運転の楽しさを存分に味わえるクルマを選んで欲しいと思いますが、やっぱり好きなクルマだからこそ「メンテナンス」を抜きにして乗ってほしくないって思うんですよね。
その近所の人の知り合いが「ビートを探している」とか「どうしてもビートに乗りたい」ってハナシがスタートなら、私も相応のハナシをしたのですが、ぼんやりと悩んでいる様子だったので、それなら「ビートよりは新しいコペンがいいかな~」という判断をしました。
軽スポーツカーに関心を持ってもらえるのはウレシイことなのですが、古いクルマと付き合うには、それなりの覚悟が必要ということを経験している身としては、新しいクルマでは考えらないトラブルや、様々な消耗品交換が必要になってくることを知ってほしいのです。
それに目をつぶって騙し騙し乗ることもできますが、いずれは破たんしますからね。
「それでも今、ビートに乗りたい!これからも乗り続けたい!」ということであれば、消耗品交換を済ませたり、大物でいくと幌の張り替えをしたり、機関類やブッシュ類をシャキっとさせた状態で乗り始めるということをおススメしますね。
私ならきっとそうします。
最初に費用がかかりますが、後から様々なトラブルに追われるよりは最初に済ませておいた方が、その後が楽しく付き合えますから。
その際、ゼッタイに考えてはいけないのは、「低年式車なのにこんなに高いの!?」ってこと。
ビートだからといって、不必要に値段を釣り上げている業者は論外として、整備にかかる経費を上乗せした結果、販売価格が上がっている車両だとすれば、一見、値段が安いクルマよりもお買い得だったりすることもあります。
整備メニューを見ればプライスの妥当性の判断ができますが、そういう選択をするのであれば、ビートに詳しい人と一緒に車両を見る方がいいでしょうね。
世間では燃費競争、燃費偽装で今、揺れていますが、そんな燃費の話題よりもクルマ本来のドライビングの楽しさを味わえるのは両車(ビート・コペン)とも同様。
私の中では間違いなく両車とも名車だと断言できるので、1台でも多く現役として走ってくれることはウレシイことです。
Posted at 2016/05/13 18:59:02 | |
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