夏と冬を比べると、実燃費が悪いのはどちらでしょうか。
一般的には、エアコンをよく使う夏だと思います。
冬は夏のようにエンジンの熱ダレも少なく、空気中の同じ体積に含まれる酸素の量も増えるので、夏よりも冬の方がエンジンが快調になり、パワーも上がります。
加えて、冬は暖房を使っても、エアコンを入れる必要はありませんし、暖房を入れれば、結果的に水温を下げることにつながるので、パワーが出やすい適正な水温域をキープすることにもつながります。
パワーが上がるということは、同じ速度でもアクセルを踏み込む量が少なくなり、燃費も上がることになります。
一つ押さえておきたいのは、ここでいうパワーが上がるというのは、エンジン本来が持っている出力以上に上がるということではなく、本来の力が発揮される状態のことです。
夏は、外気温の高さ、エアコンの使用など、エンジン本来が持っている力が発揮されにくい状態になるということです。
そう考えれば、冬はパワーも上がって燃費も上がる!
・・・そう結論付けたいのですが、そうもいかないこともあるのです。
理由はオーバークールです。
外気温が低い早朝にエンジンをかけると、自動チョークが効いて、エンジン回転数が夏場以上に高くなりますよね。
回転数を上げ、エンジン内部の冷却水の温度を早く上昇させるためにそのようになるのですが、アイドリング時の回転数が高いということは、必然的に低回転でのアイドリングよりも燃費が悪くなります。
一定温度まで水温が上がればアイドリング中のエンジン回転数は下がって落ち着いてきますが、走行中、長い下り坂でアクセルを踏まなくてもクルマを進めることができるような状況になると、冷気はしっかりラジエターに当たるため、水温はどんどん下がってきます。
高速道路などは常に走行風がラジエターに当たりながら、アクセルも一定で踏んでいるので、車も快調で燃費もよくなるのですが、一般道路でアクセルを抜きっぱなしの下り坂が多いと水温はより下がるということです。
ちなみに、スーパーカーには、Pivotのデジタル水温計を付けているので、その温度計に目をやると、今日のように外気温が低い(1℃くらい)ときには、水温が55℃くらいまで、あっという間に下がってしまいました。
水温は低ければ低いほどよいというものではなく、適した温度域があります。
よく言われるのは、80℃~90℃くらいがオイシイ領域です。
クルマによってサーモスタットの開弁温度や全開温度は異なりますが、仮に全開温度が92℃~95℃くらいだとすると、80℃~90℃がオイシイ領域というのは間違いではないと思います。
そう考えれば、水温が50℃~55℃まで下がるという状況は冷えすぎなんですよね。
もちろん、アクセルを踏み込めば水温も上がってきますが、無駄にアクセルを踏むこともないので、そんなことはしません。
また、スーパーカーをスプリントレースに使っていたこともあるため、空冷式のオイルクーラーを付けたままにしているのですが、その相乗効果で水温がどんどん下がっていると言えます。
この時期、一般道で普通に走るだけならオイルクーラーなんて無用の長物です(笑)
目張りするだけも効果があるのでやってもいいんですけどね(^^;
11月に外気温が10℃くらいのときが、一番燃費が良かったのですが、流石に1月となると、朝晩は冷え込むので、外気温が氷点下のような日もあり、明らかに燃費が悪くなっています。
満タン法で計算してみると、酷いときはリッターあたり0.7~1km近く実燃費が下がっていることもあります。
サーキットを走るときは、外気温はガンガンに冷えてくれていた方が嬉しいのですが、普通の通勤にしかクルマを使っていないときは、冷えすぎも考えものです(笑)
余談ですが・・・クルマをごく普通の使い方しかしていない人で、冬になると暖房が効かないし、水温計の針が全然上がらないというようなクルマは、サーモスタットが固着して開きっぱなしになり、オーバークール状態になっていることが原因の一つとして考えられます。
今時、車検でもクーラントを交換しないことも多いため、サーモスタットの不具合に気づかず、このトラブルの存在を知らない人もいるかと思います。
サーモスタットが開いた方で固着しているのであれば、オーバークールを心配するだけで済みますが、逆に閉じた状態で固着していたらオーバーヒートするので最悪です。
「サーモスタット?10年クルマに乗っているけど、一度も交換したことがないよ」という人は、一度、信頼できる整備工場に点検依頼もしくは、トラブルを避けるため潔く交換されることをオススメします。
Posted at 2019/01/10 21:38:19 | |
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