2022年08月14日
一昔前までは、LSDといえば、1WAY、2WAY、その中間の1.5WAYとあり、初心者はアクセルオフ中にLSDが作動しない1WAYがオススメで、上級者やドリフトをする人には2WAYを選択するのが普通という認識だったと思います。
といっても、その認識も随分前。
セットアップ次第で、今は選択は1WAYだからとか2WAYだからと決めつけるようなものではなくなりました。
私がFRのカプチーノに入れるLSDを選択する際は、何も深く考えずに「FRなら2WAY一択(笑)!」として2WAYを選びましたが、そんな浅いハナシではないんですよね。
ザックリと書くと、アクセルON時のみLSDが作動する1WAY、アクセルON時もブレーキング時も作動する2WAYなので、足回りを含めたセッティングに失敗すると、ブレーキング時にアンダーが出やすくなるのも2WAYということになります。
あらためてどんな場面でLSDが効果を発揮するかと考えると、コーナリング前のブレーキングからアクセルONで脱出するときです。
1 アクセルオフでブレーキングを開始
2 ブレーキが残った状態でステアリングを切りクリッピングポイントを目指す
3 ブレーキからアクセルONへ徐々に移行
4 アクセル開度を高めていき全開でコーナーを脱出
上記の流れでいえば、イメージとして1WAYだと3~4で作動し、2WAYだと1の段階から作動している感じですね。
前述の2WAYでアンダーが出てしまうという現象があるとすれば、1の段階で出るよりも、3の段階でプッシュアンダーみたいなのが出る感じが強いかもしれません。
競技会場でもときどき「KAZUYAさんのカプチーノのデフはなんで2WAYにしたんですか?」と聞かれた際、「FRだから2WAYと思った(笑)え?それじゃ理由にならない?まぁ、デフがずっと効いている方がいいと思ったからです。」としか答えられなかったんですよね(笑)
実は「FRでも1WAYがイイ」という意見を言われる人もいますし、確かにタイヤのグリップ力だけで曲がれるようなクルマは、足も決まっていると思いますし、抵抗となるものは極力ない方がいいという考えにもなります。
競技時においてありえませんが、仮にひたすら直線だけを走っているのであれば、抵抗となるLSDは不要ですからね。
逆にLSDが効きすぎで、唐突な動きが出るようであれば、タイムロスにもなります。
私は基本、「運転が上手くなりたい。走っていて楽しいクルマが好き。」というものが根底になるので、ブレーキとアクセルでFRらしいクルマの動きを作れている間は特に不満はありません。
もちろん、競技に出れば、結果も大事なので、楽しくても遅いじゃ意味がないです。
それも含めて、もっとよくなる可能性はありますが、現状の2WAYに対し、大きく変更しようという気持ちは今のところありません。
まぁ、他も仕様も知ってみたいという気持ちもありますけどね。
「デフのセッティング」という言葉があるように、デフケース内のディスクを圧着させる与圧のイニシャルトルクも大事だし、デフオイルの種類や粘度によってもキャラクターが変わるので、そこはオイルでキャラクターを「味変」してみる価値もあるとは思います。
極論をいえば「ドライバーのスキルも含めたドライビングスタイルにあったLSDにするのが一番」ということになりますが、自己分析って案外出来ているようで出来ていないので、同車種に乗る人の意見を聞いたり、機会があれば、違うタイプのセッティングをしたクルマに乗ってみたりするのが、「好みの機械式LSD探し」の近道なんじゃないかと思う今日この頃です。
Posted at 2022/08/14 23:54:06 | |
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