クルマ・ジャケコーナー第361回は、The Beach Boysの「surfin' safari」(1962)です。
オールディーズ・シリーズ第8弾!
ビーチ・ボーイズはオールディーズ❓という声があるかもですが、オールディーズ・アルバムに入ってるので・・・
The Beach Boys(ザ・ビーチ・ボーイズ 1961- )、ご存知でしょうか?
カリフォルニア州ホーソーンのウィルソン家を中心に結成されたロックバンド
↑ 左からカール・ウィルソン(三男G)、デニス・ウィルソン(次男D)、マイク・ラブ(Vo)、アル・ジャーディン(G)、ブライアン・ウィルソン(長男B)
マイク・ラブは従兄弟で、アル・ジャーディンはブライアンの高校の友人
当初はウィルソン兄弟の父マレー・ウィルソンがマネジメントを行っていたそうです
『Surfin' (サーフィン)』(1961がデビュー・シングル(米75位)
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サーファーの次男デニスが、兄ブライアンにサーフィンの曲を作ることを提案し、いとこのマイク・ラブが歌詞を書き、ジャン&ディーンのヒット曲『Baby Talk』(1959)からコーラスのアイデアを得てできた曲だそうです
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ちなみに、ジャン&ディーンの全米1位『サーフ・シティ』(1963)はブライアンの作曲
1962~67年にかけ、『Surfin' U.S.A.』('63 3位)、『I Get Around』('64 1位)、『Help Me, Rhonda』('65 1位)、『Good Vibrations』('66 1位)など、大ヒットを連発しチャートを席捲!
私が持ってるシングルは・・・
『I Get Around』(1964) 米1位、英7位
↑ おそらく1980年の再発盤
ジャケは鈴鹿サーキットで“Come on! Racing Spirit POTENZA ブリジストンTV-CFテーマ・ソング”
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↑ 奥のクルマ(他のも?)は、
クルマ・ジャケ「American Graffiti Sound Track」/V.A. に登場した「フォード・デュース・クーペ」かな?
『Good Vibrations』(1966) 米1位、英1位
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30人以上のセッションミュージシャンと、ハリウッドの4つのスタジオで90時間以上のテープを回し制作され、ロック、ポップ、サイケデリックの最高傑作の一つとする声もある曲
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『Little Honda(リトル・ホンダ)』(1964)
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♪ 君を早起きさせるよ だって君と走るんだから
僕たち、ホンダの店に行くんだ それからどうするか
着古しのスウェットを着て 君を行きたいところに連れて行くよ
1速(ホンダ ホンダ)いい感じ(もっと速く 速く)
2速(小さなホンダ ホンダ)右に傾いて(もっと速く 速く)
3速(ホンダ ホンダ)しっかりつかまって(もっと速く 速く)
もっと速く いい感じ
本田技研はこの曲を受けてモペッド「Little Honda」(1966)を発売
2020年には「N-ONE」のCMソングにしています
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『Cottonfields(コットンフィールズ)』(1970) 米103位
サーフィン、ホットロッド、ビキニの子、海、夏などをテーマにしたポップな曲で、ウェストコースト・ロックの元祖とする見方もあるようですが、個人的にはロックバンドというより、コーラスがきれいなポップ・グループという感じ(裏声?だし…)
しかし単なる売れたグループではありません
ビートルズの「ラバー・ソウル」に対抗して作られ、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」に影響を与えたというコンセプト・アルバム「Pet Sounds(ペット・サウンズ)」(1966)は2020年米ローリング・ストーン誌が選ぶ「史上最高のアルバム500」で2位に選ばれてます!
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「Pet Sounds(ペット・サウンズ)」以前がオールディーズとなる… ???
図書館から借りたCD「ペット・サウンズ」にタツローの解説がありました
“…『ペット・サウンズ』は語り継がれるべき作品である。何故ならこのアルバムは、たった一人の人間の情念のおもむくままに作られたものであるが故に、商業音楽にとって本来不可避とされている、「最新」あるいは「流行」という名で呼ばれるところの、新たな「最新」や「流行」にとって変わられるためだけに存在する。そのような時代性への義務、おもねり、媚といった呪縛の一切から真に逃れ得た、稀有な一枚だからである。このレコードの中には「時代性」はおろか、、「ロックン・ロール」というような「カテゴリー」さえ存在しない。”
“『ペット・サウンズ』が作られた時代は4トラック・レコーディングが一般的であり、したがって“WOULDN'T IT BE NICE”というこの「一曲」は(そして他の曲の多くも)、別々に録音されたいくつかの断片をつなぎ合わせたもの、あるいはミックス・ダウンを別々に行ってあとでつないだものと判断するのがごうりてきだと考えたわけで、1988年の初のCD化の際のライナーにもそう記した。ところが最近の資料から、実は細かいパーカッションの類までが一発録りで行われていることが判明し、ちょっとしたショックだった。だが、それなら何故途中でミックスを買えているのか? たった4トラックしかない時代で、編曲をこれだけ作り込んでいて、普通なら曲中での音質の変化を嫌うものなのだが、まったくもって不思議である”
『ペット・サウンズ』の(売上)不振、レコード会社の対応に大きなショックと失望を味わったブライアンの精神不安定が増大し、ますますドラッグにのめりこんでいったこと、ビーチ・ボーイズがアメリカよりイギリスでの人気が高くなり、'68年にはついに人気投票でビートルズを抜いて1位となったこと、などなど… 盛りだくさんの解説でした
そして・・・(ここからはタツローの解説ではありません)
ブライアンは「ペット・サウンズ」以上のアート志向のアルバムを追い求めるようになり、その完全主義からボーカル・ハーモニー路線を重視する他メンバーと対立し始め、薬物と酒に溺れ・・・(ロッカーだ!💦)
ビートルズが「サージェント・ペパーズ…」を録音していた頃、ビーチ・ボーイズは「スマイル」を制作
何十ものテイクの断片を組み合わす編集作業もあり、ブライアンはノイローゼを発症・・・
1967年にリリース予定だったアルバム「SMiLE(スマイル)」は放棄され“ロック界で最も有名な未発表アルバム”となり・・・
図書館に「The Beach Boys The SMiLE Sessions」(2011)がありました
2004年にブライアン・ウィルソンのソロ・アルバムとして発表された「Smile」を経て、2011年に完成したアルバムになるようです
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さて、本日ご紹介のクルマ・ジャケ・レコは、
「surfin' safari」/The Beach Boys(1962)
1stシングル『Suefin'』(75位)、2ndシングル『Surfin' Safari』(14位)を収録し、米32位とヒットした1stアルバム
『Surfin' Safari』のB面『409』は、1962年製シボレー・インパラのV8エンジンに由来してるんだとか
3rdシングル『Ten Little Indians』(49位)も入ってます・・・こんな歌も歌ってたんですね
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元々は『Ten Little Nigger Boys』という歌で、10人の少年たちが事故などで順にいなくなり、残された最後の一人も自殺するという歌詞だったとか・・・😲
ネット上で見つけた挿絵の最後はハッピーエンド
さてさて、ジャケのクルマは・・・
A型フォード(Model A 1928 - 32)のピックアップ?
A型フォードは、T型(1908 - 27)が実用一点張りだったのに対し、リンカーンのイメージを取り入れるなどし、様々なボディスタイル、多くのカラバリで展開され、世界恐慌の時期にもかかわらず、500万台近く生産されたモデル
A型フォードの中でも1931年型ロードスターは軽量・信頼性の高いシャシーで、ホットロッドのベース車として人気があったそうです
Ford Model A Deluxe Roadster 1931
【登場車両】
Ford Model A pickup truck 1928 - 32 ?
【自己採点】
クルマ度 7点(アメリカ文化に深く根付くA型フォードのピックアップ)
魅惑度 8点(空と海が真っ青じゃないとこがイイね❣)
音楽度 7点(ウエストコースト・ロックの元祖❓)