クルマ・ジャケコーナー第119回は、後藤次利の「Mr. Bassman」(1979)です。
後藤次利(ごとうつぐとし 1952 - )、ご存知でしょうか?
「小坂忠&フォー・ジョー・ハーフ」や「新六文銭」、ブレッド&バターの弟、岩沢二弓(いわさわふゆみ)のロックバンド「ブレッド&バター」などでベーシストとして活動。
TIN-PAN-ALLEY(ティン・パン・アレー:細野晴臣、鈴木茂、林立夫、松任谷正隆)などのアルバムにも参加。
「キャラメル・ママ」/TIN-PAN-ALLEY(1975 1st)に収録された『チョッパーズ・ブギー』(作詞曲編曲:林立夫)でのベースが話題となりました。
さらに「トランザム」「サディスティック・ミカ・バンド」「サディスティックス」などに参加。
Sadistics(サディスティックス:高橋幸宏(D)、高中正義(G)、今井裕(Key)、後藤次利(B))は、その演奏力を買われ、矢沢永吉のバックも。このアルバムで聴くことができます。
「THE STAR IN HIBIYA」/矢沢永吉(1976 日比谷野音)
バックメンバーの写真は極小~。(^-^;)
この頃のレコはコレしか持ってません・・・↓
「WE ARE JUST TAKING OFF」/サディスティックス(1977 2ndアルバム)
↑ 左から高中正義(G)、高橋幸宏(D)、後藤次利(B)、今井裕(Key)。
後藤次利の作曲・編曲は2曲。
B1『NAO』は、村上秀一と高橋幸宏のツイン・ドラムと、重厚なベースが重なります。
B3『ON THE SEASHORE』は作詞:高橋幸宏、作曲・編曲:後藤次利。桑名晴子のヴォーカルもいい感じ。
とてもセンスのいいアルバム。名盤ですね。
メンバーたちはレコーディング・セッション、各自のソロ活動で多忙となり、やがて活動休止に。
「SEYCHELLES」/高中正義(1976 1st)
「A Cool Evening」/今井裕(1977 1st)
「サラヴァ!」/高橋ユキヒロ(1978 1st)
「ON Bass」/後藤次利(1978 1st ?)
↑ ベース教則用レコードですが、松原正樹、森園勝敏、坂本龍一らが参加!
このレコは、YMOの「イエロー・マジック・オーケストラ」と同日リリース。
B1『CHOPPERS BOOGIE』。スラップ奏法が「チョッパー奏法」の名で広まったようです。
このシリーズには高中正義や"つのだひろ"のも。
「ON Guitar」/高中正義(1978)
↑ 細野晴臣(B)、後藤次利(B)、Robert Brill(D)、高橋幸宏(D) などなど。
「Mr. Bassman」/後藤次利(1979 2nd ?) 本日ご紹介のレコです。
「Breath」/後藤次利(1983 3rd ?)
↑ 松武秀樹(Prog)、大村憲司(G)、本多俊之(Sax)、青山純(D)、山木秀夫(D)、武川雅寛(Violin)、山本振市(Voice)、山本生留成(P)らが参加。
ソロアルバム8作(?)、サントラ制作などの他、自身の名を冠したバンドを組み、シングルやアルバムも出してます。
『怒れ兄弟!』/後藤次利 BAND(1979 作曲・編曲:後藤次利)
メンバーは大槻敬之(G)、滝本季延 (D)、西本 明 (Key)、田代マキ (Key)。
TVドラマ「怒れ兄弟!」主題歌。
また、「Non Chords(ノン・コーズ)」(元チェッカーズの藤井尚之、パーカッションニストの斎藤ノブとの3人組)、「gym(ジム)」(ドラマー山木秀夫と)、「Waip(ワイプ)」(女性Saxプレイヤーklammy(クラミー)と)などのユニットでの活動もしているようです。
後藤次利はベーシストとしてはもちろんですが、それ以上に作曲・編曲者、プロデューサーとして高く評価されています。
初めて編曲を担当した曲が、
『シャドー・ボクサー』/原田真二(1977 3rdシングル)
作詞:松本隆、作曲:原田真二、編曲:後藤次利。
オーケストラが後藤の譜面通り演奏したところ不協和音となり、全員に休憩を取ってもらい慌てて書き直したというエピソードが残ってます。
そして、沢田研二の「TOKIO」で第22回日本レコード大賞編曲賞を受賞するまでに!
「TOKIO」/沢田研二(1979 13thアルバム)
↑ アルバム全編曲を手掛けてます!
他に私が持ってるレコで、後藤次利が関わってるのは・・・
「素顔の私」八神純子(1979 2ndアルバム)
↑ A5『夜間飛行』を作曲・編曲、B2『そっと後から』を編曲。
八神純子 with 後藤次利 "The Night Flight" というライヴを2014年からやっていたことをNETで知りました。
feat. 松原正樹、村上“ポンタ”秀一、佐藤準、北島健二など(年によって違いあり)というんですから豪華ですね!ハイレゾなどで配信してるようです。
YouTubeに素敵な動画がありました。
『夜間飛行』八神純子 feat. 後藤次利 ヤガ祭り2017
『スローなブギにしてくれ (I want you)』/南佳孝(1981 10thシングル)
作詞:松本隆、作曲:南佳孝、編曲:後藤次利。
角川映画「スローなブギにしてくれ」主題歌。
「miss M.」/中島みゆき(1985 13thアルバム)
↑ A1,2,4,5 B3,4を編曲。
ちなみに、中島みゆきが工藤静香に書いた『MUGO・ん…色っぽい』(1988)など5曲はオリコン1位になってますが、作曲は全て後藤次利。
「D404ME」/中森明菜(1985 8thアルバム)
↑ A3、B4を作曲・編曲、B3 を編曲。
「BOY'S NIGHT OUT Soundtracks From TAKE IT EASY」/吉川晃司(1986)
吉川晃司主演の映画のサントラ。
A6,B6以外はすべて後藤次利が作曲・編曲。インサートにはっきり写るのは後藤だけ。
歌入りのA6,B6以外はインストで、ベースの入り具合からも後藤のアルバムと言っていいかと。
『おらおら』/とんねるず(1987 13thシングル)
作詞:秋元康、作曲・編曲:後藤次利。オリコン3位。
とんねるずの2人とはかなり仲が良いみたいですね。
近藤真彦、シブがき隊・・・など多くの作曲・編曲に携わり、特に、おニャン子クラブとその関連ユニットには深くかかわり、作詞家の秋元康とのコンビで多数のヒット曲を生み出しました。
前回の
クルマ・ジャケ「KICK OFF」/おニャン子クラブ は今回の伏線だった?
前回ブログアップの後にジャンク箱で掘ったレコ、
『TOO ADULT』/渡辺美奈代(おニャン子クラブ会員番号29番 1987 3rdシングル)
渡辺美奈代は、デビュー曲から5作連続のオリコンチャート初登場1位!
それら全て作曲・編曲: 後藤次利。
曲の最初にサビを提示する「頭サビ」でリスナーにインパクトを与えるとともに、シンセサイザーなどのデジタルサウンドを多用し、コーラスなどにも工夫を凝らした手法は、アイドル歌謡の在り方を変えるまでの影響を及ぼしたと言われます。
1983年には、CBSソニーにアーティスト兼プロデューサーとして迎えられ、ミニアルバム専門の「FITZBEAT」レーベルプロデューサーとして、レベッカや聖飢魔IIなどを世に送り出しています。
「VOICE PRINT」/レベッカ(1984 1stアルバム)
「FITZBEAT」のオーディションに合格(1983)したレベッカの1stアルバム。
6曲のみで\1500。
「聖飢魔II〜悪魔が来たりてヘヴィメタる」/聖飢魔Ⅱ(B.D.14年(1985))
日本のヘヴィメタ史上初めて10万枚を超えた「第一大教典」!
さて、本日ご紹介のクルマ・ジャケ・レコは・・・
「Mr. Bassman」/後藤次利(1979 2nd ?)
坂本龍一、高橋ユキヒロ、鈴木茂、松原正樹、桑名晴子らが参加した実質1stアルバム。
なんと、筒美京平の書き下ろし3曲収録(A2,B2,4)!
A2『STRANGE CREW』ではフレットレス・ベースとヴォーカルを、B1『SOMETHING NEW』ではチョッパー・ベースでのソロを披露してます。
ジャケは、愛器B.C.Rich Eagle Bassをつま弾く自身の写真が燃やされる車内・・・ ライターを手にしてるのは・・・?
後藤次利の最初の妻はシモンズの玉井タエ、次の妻は木之内みどり。
そして現在の妻は、おニャン子クラブ会員番号12番・河合その子。
「恋人もいないのに シモンズの世界」/シモンズ(1971)
右が玉井タエ。
メジャーデビュー『恋人もいないのに』は60万枚を超える大ヒットとなり、第13回日本レコード大賞・新人賞を受賞(1971)。
人気絶頂の1974年、玉井が後藤との結婚を期に休止。1978年に一時的に活動を再開するも、1979年、玉井の離婚によりシモンズは解散。(゚Д゚;)
2番目の妻の・・・
『横浜いれぶん』/木之内みどり(1978 11thシングル)
作詞:東海林良、作曲:大野克夫、編曲:船山基紀
オリコン28位と木之内みどり最大のヒット曲。
続く『無鉄砲』(1978)、『一匹狼 (ローン・ウルフ)』(1978)と“がらっぱち三部作”と呼ばれるシングルをリリースしてますが、『一匹狼 (ローン・ウルフ)』発表直後にロスでレコーディング中の後藤のもとに逃避行したのち引退。
「苦いルージュ Rouge Amer」/木之内みどり(1978)
A3,B2が後藤の作・編曲。ちなみにA2,B4,5は林哲司 作・編曲。
5年後(1983)に後藤と結婚しますが、その4年後(1987)に離婚。
そして現在の妻の・・・
「その子」/河合その子(1985)
後藤が全作曲・編曲。当然Bassも。
ソロデビュー・シングルA5『涙の茉莉花LOVE』では作詞にも関わってます。
1994年に後藤と河合その子は結婚。
・・・ということで、ライターで写真を燃やしてるのは、玉井タエ or 木之内みどり!? (;^_^A)
さてさて、ジャケのクルマは・・・
↑ 裏ジャケ
いやあ~、かなり苦労しました。ステアリングからポルシェ?
外車と思い込み、さんざん探しましたが・・・
ネット上のカタログから・・・4代目セドリック330型 ?
ライバル、クラウンは4代目クジラ・クラウンで失敗したため、5代目で保守路線に戻りましたが、それとは逆に、3代目230型セドリックで成功した日産は4代目セドリックをさらに抑揚のあるグラマラスなデザインに。
ジャケでライターの炎で隠れている部分にあるのは「REAR DEFOG TIMER」という装備。
「後方視界をいつもクリーンに保つタイマー付熱戦リアウインドウ(DX以上)。約15分で自動的に切れる便利なタイマー付です。」(カタログより)
日産セドリック、グロリアはこれまでに3回登場してます。
「別れの接吻」/森進一 3代目セドリック・セダン
「冬の日の帰り道」/アグネス・チャン 4代目グロリア・セダン
「Smalltown Girl」/中村あゆみ 5代目セドリック営業車
「別れの接吻」と「冬の日の帰り道」はかなり怪しいですが・・・(;^_^A)
【登場車両】
日産セドリック 4代目(330型) 1975 - 79
【自己採点】
クルマ度 6点(このステアリング、いいですなあ)
魅惑度 8点(怨念ジャケ?コレ自分でつくりますか?!)
音楽度 7点(歌謡テクノ?ライト・フュージョン?シティポップの香りも? アイドル・ポップの原点?)
今回も長文駄文、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
m(__)m