
クルマ・ジャケコーナー第350回は、Neil Sedakaの「恋の片道切符」(1977)です。
原題は『One Way Ticket (To The Blues)』でリリースは1959年
前回の
クルマ・ジャケ「ダイアナ」/Paul Anka と同じシリーズで、ジャケを手がけたイラストレーターも同じと思われます
Neil Sedaka(ニール・セダカ 1939)、ご存知でしょうか?
ニューヨーク州ブルックリン出身のSSW(シンガーソングライター)です。
プロのクラシック・ピアニストだった祖母の影響でしょうか、幼少期からピアノを習っていたそうです(父親はタクシー運転手だったとか)
ニール・セダカが創設メンバーだった「The Tokens」が『The Lion Sleeps Tonight(ライオンは寝ている)』(1961)で全米1位の大ヒットを放つのはセダカ脱退(1957)後😿
ジュリアード音楽院在学中に、ハワード・グリーンフィールドと共に作った『Stupid Cupid(間抜けなキューピッド)』(1958)をコニー・フランシスが歌ってヒット!
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Stupid Cupid - Connie Francis 間抜けなキューピッド/ コニー・フランシス (1958年)
そして、N.セダカは1958年にRCAビクターとソロ歌手として契約し・・・
『The Diary(恋の日記)』(1959 全米14位)、『Oh! Carol(おお!キャロル)』(1959 全米9位)、『Calendar Girl(カレンダー・ガール)』(1960 全米4位)、『Happy Birthday Sweet Sixteen(すてきな16才)』(1961 全米6位)、『Breaking Up Is Hard to Do(悲しき慕情)』(1962 全米1位)など、次々とヒットさせ、ポール・アンカと並ぶ人気歌手に!
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Oh! Carol
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Breaking Up Is Hard To Do / 悲しき慕情 [日本語訳・英詞付き] ニール・セダカ
初の全米1位曲『Breaking Up Is Hard to Do(悲しき慕情)』(1976)はカーペンターズがカバー(日本でのみ小ヒット)

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The Carpenters - Breaking up is hard to do
1959年から1963年にかけて4000万枚ものレコードを売り上げたというセダカも、ポール・アンカが1960年代半ばからヒット曲に恵まれず低迷したのと同様に、1966年にレコード会社移籍後、長い低迷期に入り、他のスターの前座や地方公演で歌うように…😿
職業作家のような時期もあったようで、モンキーズに曲を提供したりしてます
「More Of The Monkees(アイム・ア・ビリーバー)」/The Monkees(1967 2ndアルバム)
↑ A2『When Love Comes Knockin' (At Your Door)(恋の合言葉)』(1967)は、N.セダカとキャロル・ベイヤー・セイガーとの共作
このレコでの邦題は『恋のノッキング』 …ノッキング~?!😅
ちなみに、全米1位の大ヒット曲B6『I'm A Believer』はニール・ダイアモンド作
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WHEN LOVE COMES KNOCKIN (AT YOUR DOOR)--THE MONKEES (NEW ENHANCED RECORDING)
ABBAの『Ring Ring』(1973年のデビューアルバムのタイトル曲)の英語詞をつけたのもセダカだそうです(へえ~)
N.セダカが復活するのは・・・
セダカがDoctor Fatherの『Umbopo』(1970)という曲を気に入り、この制作チームに声をかけます
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Umbopo - Doctor Father
そのチームとは、エリック・スチュアート、グレアム・グールドマン、ロル・クレーム、ケビン・ゴドレーの4人、…後の10CC❣
そして、その“後の10CC”の4人と作ったアルバムが「Solitaire(ソリテアー)」(1972)
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Neil Sedaka - "That's When The Music Takes Me" (1972)
カーペンターズが1975年にカバーしてヒットさせてますね
そして、同じく“後の10cc”と作った次のアルバム「The Tra-La Days Are Over(ピース・アンド・ラヴ)」(1973)は全英13位に!
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Neil Sedaka - "Little Brother" (1973)
グレアム・グールドマンは「ニール・セダカの成功が決め手だったと思う」と10cc結成について語ってるそうですが、ニール・セダカの「君たちは本当に素晴らしい!」との大絶賛がなかったら『I'm Not In Love』(1975)は生まれたなかったかも❓!
↑ たぶん、左からロル・クリーム、ケビン・ゴドリー、エリック・スチュワート、グラハム・グールドマン(違うかな?)
そして、エルトン・ジョンが設立したロケット・レコードからリリースした『Laughter In The Rain(雨に微笑を)』(1974)が全米1位❣
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雨に頬笑みを/ Laughter In The Rain [日本語訳・英詞付き] ニール・セダカ
さらにエルトンがコーラスに参加した『Bad Blood』も全米1位となり完全復活❣
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Neil Sedaka & Elton John - Bad Blood (1975)
ジョン・レノンにインスパイアされて作ったという『The Immigrant』(1975)は全米22位
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Neil Sedaka - The Immigrant (1981, Canada)
キャプテン&テニールがカバーした『Love Will Keep Us Together(愛ある限り)』が大ヒットしグラミー賞を受賞(1976)

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CAPTAIN & TENNILLE ❖ love will keep us together (official video)
そして、1978年に娘のデラ・セダカ(ダラ・セダカ)が歌手デビュー
デラとのデュエット『Should've Never Let You Go(面影は永遠に)』(1980)が全米19位!

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Neil Sedaka & Dara Sedaka - Should've Never Let You Go (Full Performance)
ちなみに日本ではデラが歌った『星空のエンジェル・クィーン』(1982)がヒットしてます(オリコン洋楽チャート2週連続1位)
松本零士の「銀河鉄道999」に続く「新竹取物語 1000年女王」の劇場版アニメ「1000年女王」(1982)の主題歌です
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星空のエンジェル・クィーン / デラ・セダカ - 「1000年女王」テーマ曲 -
作曲は喜多郎、プロデュースはデイヴィッド・フォスター!
音楽を担当した喜多郎が、数年来の友人であったデビッド・フォスターに主題歌を歌う歌手を相談したところ、デラ・セダカを紹介されたそうです
喜多郎とデイヴィッド・フォスターがつながってたなんて知りませんでした😲
そして、デビッド・フォスタープロデュースによるアルバム「I'm Your Girl Friend (ガール・フレンド)」がリリース(日本と香港のみでリリース?)
「I'm Your Girl Friend」/Dara Sedaka(1982)
デビッド・フォスターはもちろん、ジェイ・グレイドン、スティーヴ・ルカサー、スティーヴ・ポーカロ、ペイジズらが参加❣
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Dara Sedaka - I'm Your Girl Friend (full album)
いや、これはCDで欲しい😅
父娘のデュエット『Should've Never Let You Got(面影は永遠(とわ)に)』(1980)が全米19位とヒット(N.セダカの最後の全米100位内曲)
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Neil and Dara Sedaka - Should've Never Let You Go - HQ
デラ・セダカは、ジャズ・スタンダードを歌った2ndアルバム「What's New」(1996)も日本のみリリースのようなので、歌手としてはあまり成功しなかったかも…
アニメつながりなのか、「機動戦士Zガンダム」(1985)の『Z・刻をこえて』、『星空のBelieve』、『水の星へ愛をこめて』はそれぞれ原曲がN.セダカの『Better Days Are Coming』、『Bad And Beautiful』、『For Us to Decide』(未発表曲)だそうです!😲
クルマ・ジャケ「Candy Game」/鮎川麻弥 の時にはまったく気づきませんでした💦
『Z(ゼータ)・刻をこえて ロングバージョン/星空のBELIEVE』(1985)
で、私が持ってるN.セダカのアルバムは1枚のみ
「Now」/Neil Sedaka(1981)
セルフ・プロデュースで、アレンジもセダカ自身
裏ジャケに、写真入りでメンバーが載ってますが、好感持てますね
偉大なシンガーでもバックミュージシャンあって、です
前作「In the Pocket(面影は永遠(とわ)に)」(1980)には、リー・リトナーやラス・カンケル、ジム・ホーンなどが参加していたようですが、今作は無し?
A1『Losing You』がニールと愛娘ダラ・セダカの共作・デュエットで、それ以外はニールとハワード・グリーンフィールドの作
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Neil Sedaka - "Losing You" (1981)
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Neil Sedaka - "My World Keeps Slipping Away" (1981)
さて、本日ご紹介のクルマ・ジャケ・レコは、
「恋の片道切符(One Way Ticket)」/Neil Sedaka(1977)
1959年リリース当時、『おお!キャロル』のB面を日本ではA面とし、日本でのみ大ヒットした『恋の片道切符』!
セダカとしては珍しい他作曲家による曲で、ハンク・ハンター、ジャック・ケラーの作品
1950年代にアメリカでヒットした8曲のタイトルが歌詞に織り込まれているんだそうです
『Bye Bye Love』/The Everly Brothers(1957)
『Lonely Teardrops』/Jackie Wilson(1958)
『Lonesome Town』/Ricky Nelson(1958)
『Heartbreak Hotel』/Elvis Presley(1956)
『A Fool Such as I』/Elvis Presley(1959)
『I Cried a Tear』/Lavern Baker(1958) ・・あと2曲は?
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One Way Ticket Neil Sedaka (恋の片道キップ)
平尾昌晃、山下敬二郎、雪村いづみ&ミッキー・カーチス、かまやつひろしらが日本語カバーしました
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Masaaki Hirao - One Way Ticket (恋の片道切符)
↑ 映画「恋の片道切符」(1960)の貴重映像!
主演の小坂一也は、
クルマ・ジャケ「それもいいじゃないか」/小坂一也 でご紹介しております
1979年には、英ディスコバンド「Eruption」がカバーし、ヨーロッパ全土で大ヒット!
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ERUPTION - ONE WAY TICKET || 1979 || 4K UHD 120FPS
ニール・セダカ、オールディーズのシンガーの一人と思ってましたが、素晴らしいSSWでした!
さてさて、ジャケのクルマは・・・
う~ん、苦しいですね😅
3代目キャデラック・クーペ ドゥヴィルあたり??
過去のブログでは、
クルマ・ジャケ「Just Another Day In Paradise」/Bertie Higgins が初代
クルマ・ジャケ「Meen Busines」/The Firm が2代目初期型
クルマ・ジャケ「8:30」/Wether Report が2代目後期型としています
【登場車両】
Cadillac Coupe Deville Convertible 3代目 1965 - 70 ?
【自己採点】
クルマ度 6点(テールフィンもリアランプも大人し目のキャディ)
魅惑度 6点(アメコミ風イラスト・ジャケ)
音楽度 6点(♪チューチュートレインって汽車の歌❓)