
クルマ・ジャケコーナー第76回は、Fire Ballの「Drive Away」(1986)です。
Fire Ball(1986 ?)、ご存知でしょうか?
「Fireball(ファイアボール)」/Deep Purple(1971)、ではありません。
このシングルは、「BRIDGESTONE RCOT ラジアルズ・キャンペーンCFソング」。
で、「Fire Ball」はバンド名ではなく、この曲を創るためのプロジェクトのようです。
ジャケ裏のクレジットには、
「演奏:ファイア・ボール/FIRE BALL featuring Sherwood Ball」 とあります。
Sherwood Ball(シャーウッド・ボール 1951 - 2015)は、L.A.で20年に渡りTVや映画音楽で男性ヴォーカリストのTOP3として活躍した人物のよう。
なんと!Jay Graydon(ジェイ・グレイドン)のアルバムで歌ってる人でした!
「Airplay for the Planet with bonus track I Do」/Jay Graydon(1993)
↑ の#5『Holdin' On To Love』、 #6『One Way Or Another』、#8『Show Me The Magic』でヴォーカルをとっています(作者にも名を連ねてます)!
「Airplay for the Planet The Album」/Jay Graydon

↑ ほぼ同じアルバムなので当たり前なのですが、こちらも#5、#6、#8でヴォーカルをとっています。この2枚、ラストの2曲が違っていて両方買うハメに・・・(^-^;
詳細なライナーノーツには、「全体を通してスムースなだけのアルバムにはしたくなかった。少し尖った感じも欲しかったし、それにはシャーウッドが適任だった。」というジェイの言葉が記されてます。
まあ、#1、#3、#10のJoseph Williams(ジョセフ・ウィリアムス TOTOの3代目vo.)や、#2、#4のBill Champlin(ビル・チャンプリン Chicagoのvo. 1981-2009)と比べると確かに男っぽい。
2人でこんな曲を発表してますね(配信のみ?)。
『Crank Sinatra』/Jay Graydon With Sherwood Ball(2009)
この"Sherwood Ball"なる人物は、Ernie Ball(アーニー・ボール 1930 - 2004)の長男。
アーニー・ボール(出生名:Sherwood Roland Ball)は、アメリカで最初のギター専門店をカリフォルニアに開いた人物。
アーニー・ボール社が販売したライトゲージ弦「SLINKY(スリンキー)」は、プロミュージシャンから人気を得たそうです。
現在、「アーニー・ボール・スリンキー」のパッケージには使用ギタリスト名が掲載されてあり、クラプトン、ペイジ、ベックなどの名があるようです。
先のJay Graydon(ジェイ・グレイドン)もずっと愛用しているとライナーノーツにありましたよ。
この弦、amazonではベストセラーのようです!
さてさて、本日ご紹介のクルマ・ジャケ・レコは、
「Drive Away」/Fire Ball(1986)
初めに述べたように、「BRIDGESTONE RCOT ラジアルズ・キャンペーン」のCFソング。
ジャケ裏のクレジットによると、L.A.録音で、音創りのイニシアティヴをとったのは、作曲家、キーボーディストの岩崎工(いわさきたくみ 1955 - )という人物。
日本にシンセサイザー・Fairlight CMI(フェアライトCMI)1号機を持ち帰り、『キーボード・マガジン』誌でシンセサイザー講座を連載するなど、シンセサイザー・ミュージックの先駆者です。

CMIは「Computer Musical Instrument」の略。
B面、The Kazu Project Featuring Chris Farren(クリス・ファーレン)の『Desire(Short Road To Heaven)』もブリヂストンのCFソング。
こんなシングルもあるようです!(欲しい~)
さてさて、ジャケのクルマは・・・
Talbot Horizon(タルボット・ホライズン 1977 - 1986) でしょうか?
クライスラーが初代VWゴルフに対抗すべく、世界戦略車として開発されたクルマで、開発は傘下のSimca(シムカ、タルボの前身)主導で行われ、シムカブランドでした。
「タルボット・ホライズン(英)/タルボ・オリゾン(仏)」に改名され(1979)、フロントグリルのエンブレムがTになりました。
1979年のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)に輝いてます。
1984年型からはバンパーが黒塗りとなったということで、コレでしょうかね。
ジャケ左のクルマは、Alfa Romeo(アルファロメオ)のAlfasud (アルファスッド 1971 - 89)と思います。
スッド(Sud )はイタリア語で「南」を意味し、イタリアにおける南北の経済的格差解消、南イタリアでの雇用を創出するための工場で生産するクルマとして開発されたそうです。
アルファスッドは、ジウジアーロによるスタイリング、低重心の水平対向エンジン、4輪ディスクブレーキなどが高い評価を受けました。
・・・が、
仕上げの悪さや、ボディの錆の大量発生などのため、アルファスッドは酷評されるようになり、「アルファロメオ」ブランドの信用低下、経営悪化の原因となってしまいました。
品質が良くないため早い時期に廃車にされ、現存する台数は非常に少ないそうです。
ジャケのスッドは1976年に追加された「アルファスッド・スプリント」(3ドアクーペ)(1983年に「アルファロメオ・スプリント」と改名)かなあ。
松任谷正隆氏もかつて愛車にしていたようです。
おぎやはぎの愛車遍歴 NO CAR, NO LIFE! #118 松任谷正隆

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【登場車両】
Talbot Horizon(タルボット・ホライズン 1977 - 86) 1984 ?
Alfa Romeo Alfasud(アルファロメオ・アルファスッド 1971 - 89) スプリント? 1983 ?
【自己採点】
クルマ度 7点(左のAlfasudは8点)
魅惑度 7点(CMでは多数のクルマが走ってます)
音楽度 7点(まさかJay Graydonつながりの曲とは~!)