
クルマ・ジャケコーナー第115回は、Dan Siegelの「THE HOT SHOT」(1981)です。
Dan Siegel(ダン・シーゲル1976-)、ご存知ですか?
スムースジャズ・ブームの火付け役とも言われるシアトル出身のキーボード奏者です。
おそらく日本のフュージョン・シーンにも影響を与えたんじゃないでしょうか。
ギターやサックスがメロを奏でる曲は日本のスクェア(THE SQUARE,T-SQUARE 1976-)を思い起こさせます。
ラジオ・TVなどでのBGMで数多く使われているそうなのですが、Dan Siegelの名はあまり知られてないと思います。
1980~2021年までに23作のアルバムを発表しているようですが、他に私が持ってるレコは初期のものばかりで・・・
3rdアルバム「Oasis(オアシス)」/Dan Siegel(1981)
A1『First Dance』はギター(Richard Smith)が、A2『Sugar Baby』はサックス(Jeff Homan)がメロディを奏でる軽快でキャッチーな曲。
A3『Oasis』はDanのエレピ?が主役の物憂げな感じの曲。
B1『Pension Plan』はサックスをメインに、トランペット(Jerry Sokolov)、キーボード、ギターがソロをとる爽やかな曲。ベース(Rob Thomas)もドラム(Carlton Jackson)も弾みます。
B2『EAT AND RUN』はベーシストでもあるRob Thomasのヴァイオリンをフューチャーしたスピーディな曲で、続くB3『Broken Dreams』も翳りのあるロック調の曲。
B4『Epilogue』はスキャット?が入り、優しげでちょっぴり寂しい感じでアルバムを締めくくります。
Donny Hathaway作のA4『Valdez In The Country』以外はDanの曲ですが、Danのキーボードはそれほど表に出ていないアルバム。爽やかさとどこか寂しさを感じさせるジャケがぴったりの名盤ですね。
4thアルバム「Dan Siegel(ロスト・イン・メモリー)」/Dan Siegel(1982)
メジャーレーベルであるエレクトラ移籍後の1作目。
全作曲とプロディースを自身で手掛け、Larry Carlton(G on A2,B1,5)、Abraham Laboriel(B on A1,3)、John Robinson(Ds on A1,3)、らが参加(他にはPaul Jackson Jr.、Tom Scott、Tom Browne等々)。
ラストB5『The Conqueror』はLarry Carltonのギターソロが聴けるロックナンバーでそれ以外はほぼポップな曲ばかり。聴きやすいポップ・フュージョン(?)の名盤ですね!
オリジナルのジャケはコチラ。
日本盤のジャケはSotaro Hirose(広瀬壮太郎?)が撮った写真のようですが日本盤の圧勝?(^-^;)
5thアルバム「Reflections」/Dan Siegel(1983)
Rob Thomas(B)、Gary Hobbs(Ds)、Garry Hagberg(G)らいつものメンバーで、前作同様のメロディアスで軽快な曲を演奏しています。
かなりいいですねえ。
6thアルバム「ANOTHER TIME, ANOTHER PLACE」/The Dan Siegel Project(1984)
参加メンバーがDanの他にPat O'hearn(B,Syn,E.Per.)とAlex Acuna(A.Per.)の2人というProject。
Pat O'hearn(パット・オハーン)は元フランク・ザッパのバンド・メンバーで、Alex Acuna(アレックス・アクーニャ)は元ウェザー・リポートの一員。
つまり、ギターやサックス等が使われておらず、シンセが中心。フュージョンというよりワールド・ミュージック的な曲もあり、キャッチ―さは少な目で、やや硬質で透き通った感じのアルバム。まあ、これまでとはだいぶ違います。
その後のアルバムは未聴なのですが、「ANOTHER TIME, ANOTHER PLACE」の路線だとあまり私の好みではありません・・・。
2021年にもアルバムを発表しており、LAを拠点にラリー・カールトンらのプロデュースやスタジオ・ワークでも活躍しているようです。
さて、本日ご紹介のクルマ・ジャケ・レコは・・・
「THE HOT SHOT」/Dan Siegel(1981)
メジャーデビュー盤「Dan Siegel(ロスト・イン・メモリー)」(1982)に先立ち3枚のアルバムをインディーズレーベルに残していますが、そのうちの1枚(たぶん2nd)。
これら3枚のアルバムをまとめた「The Inner City Years」というCDがあったようなのですが、入手困難?
「THE HOT SHOT」は全米ラジオ&レコーズのジャズ・チャート1位を獲得。
ビルボードのジャズ・チャートで10週連続トップ10入りし、全米でのスムース・ジャズ・ブームの火付け役となりました。
メンバーは、Dan Siegel(Key,Voice,Per)、Garry Hagberg(G)、Rob Thomas(B,Vln)、Gary Hobbs(Ds,Per)。
ゲストとして、Jeff Homan(Sax)、Marc Siegel(Voice)、Edward & Cindy McManus(F.Horn), Sue Davis(Harp)が参加しています。
A1『THE HOT SHOT』はまさにフュージョンという感じ。いい意味で特に大きく盛り上がらないところや、これ見よがしな派手な演奏がないところがスムース・ジャズなのかな?
A2『Sweet Talk』はタイトル通り、軽やかなギターとエレピがささやき合ってるような曲。確かにラジオの交通情報などのBGMにぴったりかも。
A3『A Gentleman's Retreat』はエレピが歌うジャージ―な感じの曲。
A4『Once Upon A Time』はしっとりとしたピアノがいい感じ。ドラムが単なるBGMにしてない感じ。
A5『The Twisted』はファンキーなロックチューン。
B1『The Wild West』はまさにメロー・フュージョンといった曲。
B2『Wallflower』は軽やかなギターとドラムが気持ちいい曲。
B3『Full Moon』はサックス?がメインのダンサブルな曲。ドラムのせいかな?ちょっとCamelを思い起こしました。
B4『Oblivion』もプログレっぽい香りがする曲。
日本盤ジャケはコチラ。
う~ん、オリジナルの勝ちですね。
オリジナルには「Cover Photograph: Alan Dolgins」とありましたが、いつ、どこで撮った写真なんでしょうか・・・
さてさて、ジャケのクルマは・・・ クルマはここです(;^_^A)
クルマはリフトアップされて、タイヤ交換してるようにも見えますが・・・
「Three Times A Day」って何をいちんち3回?
「WASHBURN・・・Co.」とも読めるですが、まさかギターも売ってる?
ウォッシュバーンは、1883年にイリノイ州シカゴに設立された会社だから可能性は有り?
Trevor RabinやPaul StanleyもWashburnの愛用者らしいです。
「GASOLINE」の文字も見えるので、ただのガソリンスタンドかなあ・・・
(;^_^A
で、肝心のクルマは・・・
Abbott Detroit 6 44(1917) ?
Auburn Model 6-44(1917) ?
Singer Junior 2Seater(1925) ?
Ford Model A Roadstar(1928-31) ?
アメリカの禁酒法時代(1920~33)を描いた映画「アンタッチャブル」(1987)でもこんなクルマ走ってました。
どれもシルエットが完全に一致しませんが、一番近いのは・・・
【登場車両】
Auburn model 644 (1917) ?
オーバーンは1900年から1937年にかけて製造されたアメリカの自動車ブランドのようです。
Abbott Detroit 6 44(1917)と同じクルマ・・・??
【自己採点】
クルマ度 7点(クラシック・オープンカー。屋根もありますって感じ?)
魅惑度 8点(我が心のピンボール。クルマジャケか?)
音楽度 7点(フュージョン?スムースジャズ?単なるBGMではありません!)