
クルマ・ジャケコーナー第138回は、Don Sebeskyの「Giant Box」(1973)です。
先日の
ポイントでレコ掘り で手に入れたレコのご紹介です。
この見事なクルマ・ジャケとジャケに記されたミュージシャンの名を見て、喜んでレジへ。ポイントで買ったのでした。(^-^;)
Don Sebesky(ドン・セベスキー 1937 - )、ご存知でしょうか?
ドン・セベスキーは、1990年代に3つのグラミー賞を受賞してるアメリカのアレンジャー、トロンボーン奏者、キーボーディスト。
そしてジャケにある名は、Freddie Hubbard、Grover Washington, Jr.、George Benson、Ron Carter、Bob James・・・「CTI」のオールスター・アルバムのようです。
「CTIレコード」は、1967年、A&Mレコード内にプロデューサーのCreed Taylor(クリード・テイラー)によって創設されたジャズ・レーベル。
「CTI」の“CT”は「Creed Taylor」の頭文字です。
「CTI」、ほとんどすべてのアルバムがC.テイラーのプロデュースで、そのコンセプトはジャズの大衆化。
イージーリスニング・ジャズとも言われ、クラシック曲や、ソウル・ミュージックをジャズにアレンジし、クロスオーバー(フュージョン)ブームに先鞭をつけたレーベルとされてます。
CTIのレコーディングはRudy Van Gelder(ルディ・ヴァン・ゲルダー 1924 - 2016)がその大半を手掛けているようで、単なる大衆化を狙っただけのレーベルではありませんね。
R.V.ゲルダーは1953年から1967年の間、ブルー・ノート・レコードでほぼすべてのセッションを録音してるエンジニアです。
しかし、「CTI」は1978年にCBSに対する負債で破産。
そして、次の2枚のアルバムのヒットで制作資金を得て1982年に復活。
「Fuse One」/Fuse(1980)
CTIレコード、キングレコード、TDKの3社によるプロジェクトによるアルバムのようで、全曲オリジナル。B1『Double Steal』はTDKのCF曲。
ミュージシャンは、John Mclaughlin(ジョン・マクラフリン G)、Larry Coryell(ラリー・コリエル G)、Ronnie Foster(ロニー・フォスター Key)、Jeremy Wall(ジェレミー・ウォール Key)、Don Grusin(ドン・グルーシン Key)、Stanley Clarke(スタンリー・クラーク B)、Will Lee(ウィル・リー B)、Tony Williams(トニー・ウィリアムス D)、Lenny White(レニー・ホワイト D)などなど。アレンジはスパイロ・ジャイラのJeremy Wall。
「Silk」/Fuse One(1981)
先のアルバムタイトルがグループ名に。
J.マクラフリン、G.ベンソン、E.ゲイル、W.マルサリス、T.ブラウン、M.ミラーらが参加し、アレンジはウェザー・リポートのレオン・チャンクラー(D)。
さて、本日ご紹介のクルマ・ジャケ・レコは、
「Giant Box」/Don Sebesky(1973)
2枚組LPで7曲収録。
ライナーノーツには「ジャイアント・ボックス/CTIオールスターズ」との記載があり、D.セベスキーが2曲オリジナル(B2,D1)を提供しKeyを担当するとともに全曲アレンジを行っているアルバムです。
A1『FireBird/Bird Of Fire(火の鳥)』は、ストラヴィンスキーのバレー組曲「FireBird(火の鳥)」とJ.マクラフリンの「Bird Of Fire(火の鳥)」をセベスキーが融合させた曲。Billy Cobham(ビリー・コブハム)のドラムが圧巻です。
クラシックは全くの不勉強ですが、「火の鳥」は少しだけわかります。
「Ysesongs」(1973)のオープニングで使われてるので。(^-^;)
↑ ボストン交響楽団(指揮:小澤征爾)のテープを使ってるとのことですが、『Siberian Khatru(シベリアン・カートゥル)』へとつながる流れは鳥肌ものですね。
B1『Song Of A Seagull(カモメの歌)』はジョニ・ミッチェルの曲。ドラムはJack DJohnette(ジャック・デジョネット)!
C1『Psalm 150(サーム150)』はジム・ウェッブの作品。Jackie & Roy(ジャッキー&ロイ)の2人とセベスキーがコーラスで参加。オルガンはB.ジェームス。
D1『Semi-Tough(セミ・トウ)』でG.ベンソン登場。バックでセベスキーがピアノ、オルガン、クラビネットを弾いてます。
プロデューサーはもちろん、クリード・テイラー。
「KING RECORD CO., LTD. Japan」の記載もあるので、もしかしたらこのアルバムも日本のキングレコードが制作に関わっていたのかもしれません。
録音はVan Gelder Studiosでエンジニアはもちろん、ルディー・バンゲルダー!
そして、ジャケットの写真はPete Turner(ピート・ターナー1934 - 2017 )。
以下のアルバム・ジャケも手掛けている写真家です。
「A Day in the Life」/Wes Montgomery(1967)
「Free」/Airto Moreira(1972)
「Concierto(アランフェス協奏曲)」/Jim Hall(1975)
「Canned Funk」/Joe Farrell(1975)
ちなみに、「Silk」のジャケ写はP.ターナーで、「Fuse One」はC.テイラー。
本日ご紹介の「Giant Box」、豪華メンバーでルディー・バンゲルダー録音、ジャケ写はピート・ターナー、とまさに「ジャイアント・ボックス」ですね!
さてさて、ジャケのクルマは・・・
↑ こういうグリルを見ると思い出してしまいます。
「北斗の拳」のジャギ (笑)
ビュイック スーパー(Buick Super)ですね。
フロントフェンダーのVenti Portが直 8 エンジンであることを示しているそうで、グリルには「BUICK EIGHT」の文字があります。
ボディは、4ドアのセダン・ワゴン、2ドアのクーペ・ハードトップ・コンバーチブルとあるようですが、ジャケのクルマはおそらく、コンバーチブル。
↓ この部分からの推定です。(^-^;)
クルマ・ジャケ「Into The Purple Valley」/Ry Cooderで登場したのは1940年式 ? その2世代後のBuick Roadmaster convertibleかな?
【登場車両】
Buick Roadmaster Convertible 1949 - 53 ?
【自己採点】
クルマ度 7点(ジャギグリルが迫力あり過ぎ~)
魅惑度 7点(photo by Pete Turner !ナンバー針金留め)
音楽度 7点(イージーリスニング・ジャズ?とんでもない!聴きごたえ十分!)