
クルマ・ジャケコーナー第192回は、中本マリの「オーキッズ」(1979 ?)です。
クルマ・ネコ・ジャケ続きです(=^・^=)
中本マリ(なかもとまり 1947 - )、ご存知でしょうか?
仙台出身のジャズ・ボーカリストです。
プロとして4人組女性コーラスグループ 「ザ・スカーレット」で活動した後、1973年、『Unforgettable(アンフォゲタブル)』でソロデビュー。
1978年にスイングジャーナル誌の人気投票でボーカル部門第1位。
以降8年連続首位(1992年にも第1位)!
モントルー・ジャズ・フェスティバルにも数度出演。
私が持ってるレコは今日ご紹介のシングル1枚と数枚のアルバム(すべてジャンク箱からなので最も売れてた時期の作品かと・・・)です。
7thアルバム「Nice Feeling」(1977)
東芝からビクターへ移籍第一弾。
『フィーリング』、『マスカレード』、『キリン・ミー・ソフトリー』などなど。ジャズボーカルというよりポップスに近いかな?大人のポップス、いいですねえ。
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フィーリング
9thアルバム「Love Touch」(1978)
「Nice Feeling」に続き、ジャズ、コンテンポラリー・ポップスにまたがるスタンダード集。B.ストライサンドの『The Way We Were(追憶)』、L.ロンシュタットの『Simple Man Simple Dreams』なんかを歌ってます。
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中本マリ Love Touch 01 THE WAY WE WERE
12thアルバム「Aphrodite(アフロディーテの祈り)」(1979)
ジャニス・イアン、スティーヴィー・ワンダーらの書き下ろしを含む全曲オリジナル。
ロイヤル・フィルハーモニーや海外ミュージシャンがバックを務めたロンドンレコーディング。アレンジは三木敏悟。
スイングジャーナル誌 ジャズ・ディスク大賞 特別賞を受賞。
中本マリの人気を決定づけた作品です。
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【CD】中本マリ♪アフロディーテの祈り
14thアルバム「Lady In Love」(1981)
Barry Miles(バリー・マイルス)作品を中心とし、Don Grusin(P)、Lee Ritenour(G)、Abraham Laboriel(B)などが参加した、フュージョン、アダルト・コンテンポラリー的な作品。
いや、これはいいですね!ナイスAORアルバム!
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シング・アワ・ソング・トゥゲザー
15thアルバム「Moods Of A Lady」(1982)
全曲バリー・マイルス、LA録音盤。
ギターは前作のリトナーからRobben Ford(ロベン・フォード)へ。A.ラボリエル(B)は変わってません。他にVince Colaiuta(D)、Ernie Watts(Sax)などなど。こちらもナイスAORアルバム!
B3『Zoot Suit Stomp』はマツダ・コスモのイメージ・ソング。
2013年までにソロ・アルバム 26作をリリースし、現在も精力的に全国でライブを行なっているようです。
↓ こういうトリオもいいですねえ。

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中本マリ 大口純一郎 米木康史 2023.2.17 live at nica's 1st set
さて、本日ご紹介のクルマ・ジャケ・レコは、
「オーキッズ」/中本マリ(1979)
ウキペディアのディスコグラフィーには載ってません。
『描いてごらん海の色で』(1975)と『Sing Our Song Together』(1981)の2作が載ってるのみです。
アルバム「Aphrodite(アフロディーテの祈り)」(1979)に収録されてるので、1979年のリリースと思われます。
前述の通り、アルバム「Aphrodite(アフロディーテの祈り)」はスティーヴィー・ワンダー、ミシェル・ルグランらの書き下ろしによる全曲オリジナルで、この『オーキッズ』はジャニス・イアンの作。
「Orchids」は「洋ラン」のこと。
ピンク系よりも大人っぽく、でもヴァイオレットほどではなく、上品で可憐な淡紫色を表すそうで、“温室で育まれたランのように二人の愛は脆く、夏が過ぎ去り、冬の寒さのように冷え切ってしまった”・・・というような歌です。
近年では、猛暑より冬の方が愛を育みやすいかもしれません(;^_^A)
これからのBGMにピッタリ?
さてさて、ジャケのクルマは・・・
ロールスロイス?
しかし、なかなか似たクルマが見つかりません。
で、ナンバー「FCX 982」で検索すると・・・
なんと!
オークションサイトにそのものズバリが!
ANGLIA CAR AUCTIONS 1951 BENTLEY MK VI
エスティメイトは£12,000 - £16,000日本円で約225万円~300万円?
これなら買える? 桁が間違ってます?
サイトにはこのような説明が(Googleほぼ直訳)・・・
『この4256cc車は1951年5月に登録され、V5Cには元登録キーパー5名が記載され、2021年までの整備およびメンテナンスの請求書が大量に山積みされており、・・・(中略)
最初にGresham & Co ltdに登録され、1952年に所有権がサー・ジョン・ラムスデンに変わり、1960 年に妻に譲渡され、妻は1969 年まで所有しました。・・・(後略)』
その後の所有者は載ってないので、どういう状況でレコジャケになったのかは不明です。
まさか中本マリがオーナー?!
不思議なのは、ジャケのベントレーにはボンネット先端のオーナメントが無いこと。
一時的に外したのかこの時無かったのか?
「ベントレー」は、ウォルター・オーウェン・ベントレーが1919年にロンドンに設立。1924 - 1930年にル・マン24時間レースで5回の優勝!高性能スポーツカーメーカーとして世界の富裕層に人気を得ます。
白洲次郎(しらすじろう 1902 - 85)が所有していたベントレー・3リットル(1924)が「ワク井ミュージアム」(埼玉県加須市)に展示されてます。
クルマ・ジャケ「The World Is A Getto(世界はゲットーだ!)」/Warの取材(笑)で訪れた時に見てますが、そのころは白洲次郎も知らず(;^_^A)
しかし、1920年代後半の世界恐慌により、ベントレー・モーターズは経営不振に陥り、1931年にロールス・ロイスに吸収合併され、ベントレーはオーナーカー用のスポーティーモデルとして差別化されました。
1971年、ロールス・ロイス社が倒産しイギリス国有化され、1973年にはベントレーなどは分離され、イギリスのヴィッカースに売却。
1998年にはヴィッカースはドイツのフォルクスワーゲンに売却し、現在に至っているようです。(間違ってたらご指摘ください)
本日ご紹介の「ベントレー・マークVI」ですが・・・
ロールス・ロイスから供給された初のスタンダード・オールスチール製ボディのファクトリー完成車。
第2次世界大戦後しばらくは、ベントレーやロールスロイスなどの高級車メーカーは完成車ではなく、購入者が選んだコーチビルダーに納品してたそうです。
ロールス・ロイスのラジエーターグリルがオプションであったようで、そうなると一般の人には見分けがつかないかも。
ちなみにこの子は・・・
「黒猫」は甘えん坊で好奇心旺盛、賢く、フレンドリーな子が多いそうです。(=^・^=)
【登場車両】
BENTLEY MK VI (1946 - 52) 1951
【自己採点】
クルマ度 6点(ロールスロイスよりスポーティ?)
魅惑度 7点(猫ちゃんはいいとして、主役のファッション、ポージングは・・・)
音楽度 7点(上品なジャズ?しっとり・軽やかです)