
折角なのでLINKに触れておこうと思う。
あたしがECUに興味を持ったのは、BNR32に乗る頃。
コンピュータープログラムに興味があり制御を勉強しようと
独学で16進数を解読、失敗を繰り返しながらだった。
半年後には制御方法を理解し
ライトチューンからフルチューンまでなんでもやった。
あれから30年、時代は変わりその間にはeマネ、レイテック、Vプロ、パワーFC、モーテックなど
様々なECUを触る機会があった、そして海外製ECUを嫌いになった事件が起きる。
今から遡ること10年位前、嫁のBNR32のセッティングで悩んでいた。
積まれているエンジンはRB26 800psOVER対応、でもタービンはN1。
訳あって友人が志半ばで断念し売却したフルチューンエンジンが載せられた車両。
タービンまでは手が届かずこんな中途半端な仕様なのだがこいつが曲者。
カムは280°オーバー、インジェクターは気化の悪い大容量、制御はROM。
純正ロムチューンでは制御の限界を感じ導入したハルテックplug-in。
取り付けて直ぐに動きセッティングに入れると思いきや、初爆すらしない難敵。
数値を計算し何とかエンジンを掛け実走に入るものの、高速で突然ECUシャットダウン。
危うく後続車に突っ込まれ死ぬところだったが、何とか回避し路肩でパソコン繋ぎなおすと
セッティングしたデータがフルリセットされていてエンジン始動不可?
その後も幾度となく同じ動きを繰り返し、車が悪いのかとECUを元に戻すと何も起きない。
仕方なく日本代理店を通じ本国に送り返すも回答が来たのは、1年後・・・しかも異常なし。
二度と海外製なんか使うものかとVプロを入手するも、セッティングがただできるレベル。
この内容でこの値段かぁ・・・・じゃっ要らねw
あれから数年、友人からLINKの話が舞い込んだ。
二の足を踏んだ、海外製、英語は読めるがニュアンスは伝わりにくい。
友人から「ヘルプが凄いです」と聞いたのでソフトを本国からダウンロード・・・・・んっ?
これは片言の日本語に訳したものと全く違う、明らかにエンジンの事が解るやつが書いた物。
やってみるか、後は会社のフォローがどうかだがこれも全く問題なし。
とりあえず簡単な配線を作りヘルプの通り始動・・・掛からんw
教えてもらった通り設定をいじりいとも簡単に完爆、少しづつ設定を合わせて行くと音が変わった。
実は前にハマったplug-in、全開時のセッティングは合うもののパーシャルは最悪。
お国柄なのか渋滞なんぞ無いのかハーフは全くダメ、代理店に確認すると
内臓圧力センサーはおまけみたいな物なので新たに買ってくださいとの回答。
仕方なく圧力センサーを購入するも・・・・・買ったモノも校正がちゃんと取れていないのかゴミ。。
センサー校正がちゃんとしていなければ、どんなに素晴らしい物でも使い物になりませんw
実はLINK、本体のECUが素晴らしいのは当たり前だが、周辺機器やツールも素晴らしい。
通常、圧力センサーは計測値が上がれば必ずどこかに不安定な個所が出る。
LINKのセンサーにはそれが出ない、3barを使おうが1.15barを使おうが、
ちゃんと全域で正確に数値計測でき、ダッシュメーターをCAN通信で繋げば、
ECU内部の監視だけでなく様々な数値が取り出せる。
LINKはOBDにも対応しているが、OBDから情報を取得する速度は低いので、
数値がころころ変わるものには向かないがCANならその問題はない。
OBDですべて表示させるのはそもそも無理がある。
吸気温度センサーにしても素子が見えるタイプで反応速度が速く刻々と変わる状況に対応できる
チャンネル数があれば様々なものを取り込みリミッターも掛けられるので、
油圧低下でリミットや温度上昇でリミッターなど、走りに集中して見落としても大丈夫。
なお、吸気温はノックに関わるのでセンサーの反応速度が悪いと使えないことが多い。
更にLINKはラムダコントロールが素晴らしい。
普通のECUはA/Fを取り込みそれに合わせ補正を掛ける為、事後になり数値が合う事は無い。
LINKには“目標A/Fラムダ”と言われるテーブルがあるが、これは全く別物。
現在の状態を各パラメータ信号を元にLINKが独自計算し予想して動く。
そこにオプションのCAN通信で繋がるCAN-LAMBDAを使うと
より精度の高い“クローズドループラムダ”が積極的に使える。
このクローズドループ、解りやすく言えば“学習するかしないか”と思えば簡単。
指定した数値通り動くのがオープンループとすれば、クローズドルームは学習する。
ノーマルエンジンならばISV(アイドルコントロール)もオープンで制御できるが、
激しいカムが入っていたりアイドルが不安定な車両はクローズドループを使い制御。
それでもエアコンオンオフなどでストールしてしまう車両なんかはそれに見合ったテーブルを作り
アイドルだけ別で制御するのも可能になる。
私は車両ハーネスに嫌な感じがあったのでワイヤーインタイプのECUを使っているが、
S15ならプラグインがある、このプラグインはソフトをつないで点火方式を変えられるので、
NAのシルビアやオーテックver.にも変更して使う事が出来、内部は上級グレードなので
チャンネル数も多く取り付け予算も抑えられていいと思う。
ほかのプラグインでも流用可能、ST205ならピン配列同じのAE111やEP系など
内部を少しいじったり配線を少しいじったりでインストール可能。
怪しい処理速度が遅い国産フルコンなぞ使わなくても非常に精度の高い制御ができるので、
ノーマルからハイカムハイコンプまでセッティングだけで対応できるのがLINKのいいとこ♪
そうそう純正ECUの箱サイズが違うのでそこは少しコツなりが必要です。
ECUは制御の要、値段で決めるのではなく、
拡張性や将来性で選ぶ方が「性能足らなくて買い直し」などトラブル避けられるのでお勧めです♪