
懸案のセレッションの修理を某所に相談しましたが、セレッションはエッジのセーム革張り替えが出来たとしてもユニット交換はできないから触れない、とのこと。実は左の音圧がやや低いという購入当初からの問題も相談したのですが、昔の輸入モデルではユニットのバラツキが時々あったようです。
となると、やはり後継を確保せねばと、ハーベスに絞ってウオッチ。現物が確認できない中古品は眺めるだけにして…。と思ったら、某オーディオショップでハーベスHL-P3ESRのメーカーデモ機が4割引に!聞けば、エンクロージャー側板の木目の色が左右揃っていない為に日本では新品として売れないという。そんな勿体無い!私には何の問題もありません。セレッションが30年近く経ってまだ使えてるから、ハーベスの新品なら生涯持つだろうしね。
ここから俄か知識の備忘録。
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このHL-P3ESRは、1950年頃に端を発するBBCモニター規格であるLS3/5A(1975年発売のロジャースが有名)のハーベス版で、その現行モデル(2010年)。ハーベスを興したのは、その規格をBBCエンジニアとして作ったダドリー・ハーウッド氏だから、最新直系3/5Aの一つ。他の最新直系は、LS3/5Aの修理会社だったStirling Broadcastか、やはり規格づくりに参加したSpendorくらい。ロジャースは中国資本に。
一方のセレッションSL6sは、この小型ブックシェルフの代名詞となったLS3/5Aにユニットを提供していたセレッションのグラハム・バンク氏が、箱鳴りをさせないようにコンピューター解析でエンクロージャーを設計し、低能率(84dB)ながら大容量アンプと専用スタンドで素直な音響を聴くという、現代の小型スピーカーのコンセプトを提案したモデル。(1986年)
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可搬式モニターとしてエンクロージャーの大きさを最初に決めたBBC規格とは違って、セレッションはエンクロージャーの幅を人間の顔と同じにすることが最も良いスピーカーの条件という物理法則の発見からアプローチ。同じイギリスで、こう言う全く新しい発想が次々生まれるあたり、イギリスはイノベーションの国ですね。
ショップではセレッションの下取りもしてくれるらしいけど、まだ聴けるセレッションを手離すのが惜しい気もします。持って行って聴き比べした上で判断しようかな。セレッションの鳴り方が恋しくなるかもしれないし、でもスペースはないしで、悩ましい。
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2015/10/17 12:49:02