
僕が自転車を選ぶとき、密かにこだわっていたのがヘッドバッジ。
カーボンフレーム人気のいまどきはシールや無印も多いと思いますが、やはり金属製のバッジがヘッドを飾っていると、自転車が無機質な工業製品ではなく人の手が入った工芸品という印象が高まり、自分も大事に手をかけていこうと思わせられます。こういう感覚自体がクロモリ全盛期の遺物かも知れません。それでも自転車が人間に一番近い乗り物としてあり続け、その自転車に作り手と乗り手が共鳴しあう目印があるとすれば、それはヘッドバッジなのではないかと思うのです。
愛車バイクフライデーには、金属製のバッジにシンボルマーク(羽の生えたスーツケース)が描かれています。色乗りもよく非常に凝ったデザインで、七宝焼きだそうです。そして縁の紺色の部分にあるメッセージは、PERFORMANCE THAT PACKS(上)、BYCYCLES THAT FLY(下)と記されています。
バイクフライデーの創業者らが、世界中を旅するために「簡単にパッキングして飛行機に乗せられ、真にロングライドに耐えられる」自転車を開発したのだというメッセージを、ニヤリとしながらも「しか」と受け止めることができます。アウトドアブランドなどもそうですが、米国にもクラフトマンシップは息づいているのです。
そもそもバイクフライデーという名前の由来も、ロビンソン・クルーソーの従者フライデーから命名されているようで、純朴な執事のように乗り手に仕える使命を負っているあたり、実に愛おしくなる物語を感じてしまうのは私だけでしょうか。また、眼を凝らしてみないと分からないほど小さな絵が右下にあるのですが、実はこれが今ではバイクフライデーのシンボルとなっている「スーツケースを牽引するバイクフライデー」です。まぁ、ごみかキズにしか見えないのはご愛嬌ということで。
因みに、バイクフライデーはフレームのサイズからその人に合わせてオーダーできるため、メインチューブの左側、クランクに近い部分にカスタマーの名前(もちろん名前じゃなくてもいいのですが)を印字したバッジも付けられて届けられます。これもオーダー自転車ならではの愉しみですね。
・・・クルマにも、こういうカルチャーが復活してくると予見しているのですが。
Posted at 2010/07/24 10:51:12 | |
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自転車 | 日記