
もしも唸るほど巨額の可処分資金があったとしたら……なんか寂しいたとえはありますが、今すぐ手に入れて乗り回したいクルマが2台ある。一台はポルシェ911。1971年公開の映画"栄光のルマン"で、S.マックィーンがジャコバン広場に乗り着けたシーン以来、ポルシェ911は秘かに「いつかは……」と思い描く一台なのだった。
もう一台は図らずもフェラーリ。ポルシェとは水と油の関係で、両方いいなんて言うと節操がないとの誹りは免れないが、僕の頭の中では両雄並び立つ存在なんですね。ミッドシップよりもFRのほうがいいなあ。もちろん宗教上の理由から(笑)。昨年末に堪能したフェラーリ・カリフォルニアは、メタルトップのクーペ/カブリオという魅力とともに最新フェラーリのすべてが凝縮されていると思っている。
次点にはアストン・マーティンV8バンテージが来る。女王陛下のスポーツカーの中でも飛び切りセンスのいい第3局を構えられる一台だ。他には、強い引きのあるクルマはないなあ。日産GT-RとレクサスLF-Aは、唸るほどあればガレージに一度は置きたいけどね。おおっ、S2000も買い戻したいね。
まあ、発想の広がりのなさに、我ながらちょっと情けない感じもするけれど、20世紀型のハイエンドスポーツでどうしても……と思わせる逸材は、ポルシェとフェラーリで打ち止めじゃないかという気分があるのは本当です。
いま一度思い切って現実目線で探してみると、ありませんなあ。現実的な価格帯で"何がなんでも欲しいと思える"クルマ。プリウスに5年以上乗ってしまうと、あの燃費と新しいドライブフィールに身体が完全に馴染んでしまい、よほどのインパクトがないかぎり戻れる感じがしない。
出でよ、この俺を納得させるコンパクトカーの雄。このところ鵜の目鷹の目であるわけですが、全然心に響かない。いま、排気量1・5ℓ以下の、欧州スタンダードでいうところのBセグメントのコンパクトカーが世界的に注目を集めている。何だかんだと言っても、EU圏ではBセグメントが50%以上を占める。
中国では国務院が掲げる政策に1.5ℓ以下のコンパクトカーの比率を高めると同時に、民族系中国車を育成しながらシェアを確保するというものがある。南米やアジア/アフリカの途上国でも主流を占めるのはコンパクトカーであるわけです。現在、このBセグメントには世界的に2つの潮流が生れつつあるようです。
ひとつは、FF2ボックスの機能性能を追求したオーソドックスなハッチバック。あえてこれをセダン系と括ってしまいます。それとは好対照を成すのが、スポーツクーペやSUVテイストを盛り込んだ個性派のジャンル的にはクロスオーバーと分類されるクルマ達ですね。
前者の需要層は世界中に幅広く分布しているわけですが、最近目立っているのが後者です。CR-Z、JUKE、MINIカントリーマンなど、今年になってワールドプレミアされたクルマ達は、完全にそのマーケットに投入されたとみていい。形態はそれぞれですが、狙いは一緒。
横浜でシトロエンのDS3とC3の試乗会がありました。シトロエンのBセグメントを受け持つこの2台は、現在のコンパクトカー市場の実態を鮮やかに映し出しているクルマです。昨年のフランクフルトショーで登場したDS3は、いわゆるFFハッチバックとは違う味わいを持っている。基本的に悪くはないんですが、なんというか20世紀の価値観を引きずりすぎていて、未来に立ち向かうエネルギーに欠けている。
まあ、この辺の詳しい話はdriver誌で……ということになりますね。キーワードを発見したので、お楽しみに。
Posted at 2010/05/26 00:57:49 | |
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