
風邪で体調は依然底だが、今年はデトロイトと東京オートサロンがカブらない年。本当は14日のプレスデイに行きたかったけれど、それどころじゃなかった。15日の長崎の会の前に行く手もあったけれど、体力温存しないといけない状態。結果、もっとも大変な日曜の最終日になっちゃった。朝一で出るにも身体がね、言うこと聞かないの。
7時40分頃ですかね、家出たの。東名横浜青葉から首都高3号に入るあたりで、湾岸千葉10㎞以上の表示。これはだめかも…ということで、レインポーブリッジを渡って右折。アクアラインルートを行くことにした。walk don't run!(急がば回れ)でありますな。湾岸千葉まではスイスイ。幕張メッセの駐車場はさすがに激混みで、一周して見限り、昼食をここで取ることでチャラにする算段でオークラのパーキング。
しかし、メッセの場内はある意味異空間ですな。大メーカーのブースは何となく見慣れた景色だけれど、その他の数えきれない小さなブースにあるカスタムメイドのクルマ達の群れは、あらゆる時間の流れとは無関係に存在しているよう。訪れた観客もそうで、そういう人々としか形容のしようがないスタイルが大勢を占めている。展示されているクルマ達の奔放ぶりには、ある意味純真無垢なパワーとエネルギーも感じる。
けれど、未来を切り拓く希望が見出せるかというとかなり疑問だ。良き時代を懐かしむような感覚がどどどぉ~んとそこに流れ漂っている。お祭騒ぎといっては誤解を招きそうだけれど、ここは無礼講、固いこと言いっこなし…みたいな、浮世離れ感は、周辺道路で数多く見かけた、おおっ!まだそういうクルマが居ったか…みたいな改造車や小規模な暴走族風オートバイの群れとも重なって、何かひ弱な守るべき存在のようにも感じられた。
彼らは庇護の下に置かれることはあっても、時代を牽引するだけの力は持っていない。欲望に根ざした本質をついているので、簡単には消え去ることはないかもしれないけれど、実は儚い存在?そんな、切ない気分にすらさせる。知った往年のレーシングドライバーや同業の諸君の働きぶりには、羨ましさとちょっとなあの気分が半々。何かね、軽いんだ。ステージの上にいても輝きが足りない。
あまりの人の多さに圧倒されながら彷徨っていると、ふと「これ、中国のブース?」声を掛けるとそのとおりで、最初に目に留まった深川市オヤリカーボン有限公司(?)Oya Carbon Co.,Lltdは、中国の深せん(土篇に川)市のカーボン部品メーカーで、今年で2回目のTAS出展。他にも広東の新環球自動車用品株式会社(有限公司?)、鎮江億地光電照明株式会社(同)、無錫秦辰機会設備株式会社(同)という初出展の中国の会社と、今年で5回目の出展という台湾の社外電装メーカーDKI INTERNATIONAL Co.,Ltdがしっかり商いをする構えを見せていた。





全体からすれば、極々わずかな勢力ではあるけれど、この先どこまで伸びてくるか。東京オートサロンは、中国という新たな視点から見てもなかなか興味深い存在に成長してきたようだ。日本のチューニング業界も、中国を新たな市場として考える時が来たのでは。日本には数十年にわたる経験とノウハウがある。カスタムカーは豊かさの一面の現れ。強かにやって来ている中国の人達に先を越されないように、ここは皆で小さく固まっていないで、思い切って外に出て行く勇気を持つところではないでしょうか。

オヤカーボン有限公司のブースにいた中国3人娘。日本語は無理だけど、右端の彼女はしっかり英語でコミュニケーションが可能だった。
Posted at 2011/01/19 01:23:16 | |
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