
タイトルカットは、数あるLA滞在経験で初めて宿を取ったハリウッド界隈の朝。ハリウッドblvd(ブルヴァール)沿いのモーテルからすぐのウェスタンAve(アヴェニュー)を左に折れる交差点。そのまま南下すれば、隣のトーランスの街を抜けパロスヴェルデスの根元の海岸線に達する。
今回はハリウッドのRaleigh Studiosを貸し切ってマツダが懇親会(レセプション)を催すというので、近くに手頃な宿を手配した。ダウンタウンのコンベンションセンターまでも10㎞ほど。そんなに遠くない。
しかし、朝のラッシュは他に手段が限られるクルマ社会のLA。フリーウェイ110と101を乗り継げばあっという間の距離が埋めつくされる。結局プレスデイの2日間の朝はいずれも下道を行くことにした。まあそれでも40分ほどで辿り着いたのだが。
LAX空港に降り立つのはデトロイトNAIAS取材の帰りに立ち寄った1月以来。その時から比べると、レギュラーガソリン価格は1ガロン(約3.8ℓ)あたり50セント前後値下がりし3ドル近辺に。なかには3ドルを切るスタンドもあった。
シェールガス革命による心理的な安心感と世界的な経済の低迷による石油消費の減退から原油価格がピークの140ドルから80ドルあたりまで下落したことが影響しているようだ。
基本的に生産コストが割高なシェールガス/オイルは原油価格が高止まりしてこそ採算性が確保されるということで、原油安は好ましい状況ではないと思うのだが、ガソリンの市場価格は人々が何とか落ち着きを取り戻すレベルまで下がったのは事実。依然先行きは不透明だか、LAのカリフォルニアに関していえば何となく暗雲漂う微妙な空気からリーマンショック以前の"君達なんでそんなに明るくいられるの?"的な雰囲気が肌に感じられた。
LAautoshowのコンベンションセンターもそのムードを反映してか何となく緩い。日本のトヨタvsVW/AUDI連合のFCVガチバトルに象徴される世界トップシェア&環境技術覇権競争に火花が散る一方で、マツダやメルセデスベンツ、ポルシェはグローバルを意識しながら我が道を行く。

じゃデトロイト勢はというと、これがまったくのアナザーワールド。GMがキャディラックブランドのトップに引き抜いた前インフィニティのヨハン・ダ・ネイスンにもう何年も前からそこにいるようなプレカンを仕切らせたかと思うと、フォードは50周年のマスタングをフィーチャー。クライスラー/ダッヂも300Cにチャレンジャーにバイパーとハイパフォーマンススペシャルティカーで揃い踏み。
リーマン以降、グリーンカーオブザイヤーに代表される環境重視のモーターショーをアピールしていた印象は少なくともデトロイト勢からは薄れ、やっぱ俺たちのお客さんの本音はこっちだもんね!的な現金な姿に戻りつつあると思わせた。
いったい世界はどっちに転がって行くんだろう。まだまだお楽しみはこれからだということを肌で感じた今回のLAautoshow。取材はまあバッチリしてきたのでdriver次号をお楽しみに。それはそうと、やっぱり取材の合間に魅入っちゃったりするんですね、ポルシェ。

今回は911カレラのGTSをワールドプレミア。GTSモデルはLAで‥‥というスタイルが定着しつつありますが、僕の興味はタルガ。今年のデトロイトNAIASでワールドプレミアして以来、ちょっとはまっているんですが、デトロイトではブラックメタとアクアブルー、バリではダークブルーに薄灰内装もいいなあ、見るだけの先を妄想しているわけですが、今回はアゲートグレーに薄灰。ここは赤レザーぢゃない?と突っ込みを入れましたが、これはこれで悪くない。

クルマはスタイリングやカラーリングが何より大事とある対談で言ったら、「何女みたいなことを、走りでしょうクルマはやはり。技術と性能がクルマ好きの基本。男はこうでなくゃ」化石みたいな放言をする御仁がいたが、違和感あったなあ。
意見は色々でいいのは当然で、言わんとするところも分かるけれど、堅い製品論だけでクルマをがんじがらめにしないよう気をつけないと。こういうのと「もっといいクルマを作ろうよ」みたいな責任の所在をウヤムヤにする大和言葉が結びつくとろくなことはない。環境性能も安全性能もクルマの商品性を高める手段であって目的じゃあない。そんなことより色気のあるかっこいいクルマを良しとしたいもんです。

Posted at 2014/12/03 10:56:57 | |
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