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伏木悦郎のブログ一覧

2014年02月27日 イイね!

EVでも氷上なのだ

EVでも氷上なのだ話は前後して2週間前のこと。その数日前に突如長野の八千穂レイクでテスラ(TESLA)モデルSに乗りませんか? Doiさんからメールが届いた。「行きます、行きます、乗りたいです」即返信を送り、約束を取り付けた。

長野県佐久郡佐久穂町にある冬季凍結湖の八千穂レイクは氷上試乗コースとしては名のあるところで、これまでに何度か訪れたことがある。今回はこのモデルSの国内デリバリーを6月に控え、予約受注好調とのことで、本社から冬用タイヤの予算が下りてEVで冬の低μ路を堪能するという楽しい企画が実現したという。

試乗に供されたのは85kWhパフォーマンスという、大容量のリチウムイオンバッテリーパックをホイールベース内フロア下に収めたハイエンドモデルである。テスラのEVの最大の特徴は、18650という単三電池よりひと回り大きい円筒形のバッテリーパック(7000個ともいわれるが、正確な個数は公表されていない)をセル状にして搭載。モデルSはリアアクスルにモーターやドライブトレインを集約した非常に効率的な2WDレイアウトを採用している。

フロントフードの下は、ポルシェ911のような空洞でトランクスペースとして機能する。比較的低いボンネットフードから流れるように走るルーフラインが織りなすプロポーションは、ロングノーズ/ショートデッキの3ボックス/6ライト調だが、リアにはバックドアを設けた5ドアハッチバックスタイルを採用し、リアカーゴスペースにはオプションで35㎏までの子供2人が着座可能な折り畳み式シートを備えることも出来る。

全長4978㎜、全幅1964㎜(サイドミラー格納時)、全高1435㎜、ホイールベース2959㎜。空力を意識したロー&ワイドのセダンルックは一見そんなに大きなクルマには見えないが、間近に見る姿には大陸的な感覚がほとばしる。内外装のディテール/意匠は、いわゆる従来型のアメリカ車に共通する味わいというよりも、appleの製品や最先端の航空機などに共通する先を行くアメリカのプロダクトに共通する匂いがある。

公表されているパフォーマンスを知るだけでも、何か今までとは違うと感じさせる。例えば後続距離は、日本向けのベーシックとなる60kWhで375㎞。85kWhでは502㎞とさらに伸び、0→100㎞/hは6.2秒、5.6秒と必要十分以上。さらに85kWhパフォーマンスだと4.4秒というスーパースポーツ顔負けの瞬発力を備える。最高速度は60kWhが190㎞/h、85kWh200㎞/hで、同パフォーマンスが210㎞/hとなる。

僕は一昨年末のLAショー取材の際にサンタモニカで行なわれた現地試乗会に参加。その未体験ゾーンの速さと乗り味と上質な乗り心地に度肝を抜かれている。インフラやエネルギーの安定供給などにまだまだ課題の多いEVだが、その衝撃的な走りを知ってしまうと膨らむ希望が必ずや問題は克服すると思えてくる。

マウス状のキーレスエントリーツールをポケットに入れておきさえすれば、普段はボディパネル面に段差なく埋め込まれているドアハンドルが近づけば現れ、シートに収まりベルトを締めフットブレーキを踏んでシフトをDにセットすれば即動き出せる。まるで雲の上を滑るジェット旅客機や現時点で地上最速の上海リニアモーターカーに似た感覚でドォ~んとすっ飛んで行く。低重心で比較的重量が多めなことも乗り心地の上質に貢献している。

とまあ、とにかくトンカチで頭をがぁ~んとやられた思いで短い試乗を終えた。あの時期のサンタモニカには珍しい雨模様ということもあって、シーンが未だ新鮮に蘇える。

八千穂レイクに着くや否や、「はいそれではフシキさん、すでにLAで乗って勝手が分かっているでしょうから」と促されて試乗になだれ込んだ。ピレリのSOTTOZEROを履くとは言っても後輪2WDである。当然ESC標準装備であり、制御を任せておけば速くは走れないが破綻もない。

コーナーに対してアウト側前輪にブレーキを効かせる制御の際にザザァ~ンという聞き慣れない摩擦音がするのは気になった。スタビリティ/トラコン制御を外してもアウト側前輪をブレーキがつまんだりして、トラクションがスムーズに伝わらないなど、リスクを背負いすぎてFUN to DRIVEまで手が回っていない感じ? まだまだ進歩発展のノリシロを多く含んでいるし、EVならではの密な制御の未来を思うと先が楽しみというのが率直なところ。

僕は必ずしもEVやhybrid plugin hybrid、FCVなどといった次期エネルギー車推進派ではなく、どちらかといえば内燃機関に郷愁を覚える旧世代に属する者だと思っている。もちろんクルマの未来には興味があるので、非内燃機関のクルマがもたらすモビリティの可能性は見守りたい。これからの基本はエネルギーミックスだからね。どれが一番かという従来型のチャンピオンシップ型評価体系はあまり意味がないと感じている。

しかしね、テスラモデルSはまだまだ良くなる余地が非常に広く残されていることが実感出来るクルマだ。スタイリングが、内燃機関では難しくなった内燃機関で走るクルマの理想形に近いのと同じように、走りの面でもこれまでの知見を活かしながら「乗って面白い」を相当追求できるという手応えがある。

来週火曜日からプレスデイが開幕するジュネーブショーでは、出展車両の8%がグリーンカー……いわゆるCO2規制への対応に向き合ったエコカーになると言われている。

一昨日のランボルギーニ・アヴェンタドールLP700-4からこのテスラ・モデルS85kWhパフォーマンスにトヨタ/ホンダが先行するFCV(燃料電池車)までの幅。いわゆるbookendの端から端までのクルマ全体でいかに自由に面白く……が21世紀のモビリティのテーマだろう。

話が急にすっ飛ぶが、今年も世界のモーターショーでもっとも華やかで幸せな気分に浸れるジュネーブのPALEXPOに繰り出す予定でいる。さすがに自腹の旅の継続は苦しくなりつつあるが、今回は遂に30年ぶりのドバイ経由南回りヨーロッパ行きで馳せ参じる。エミレーツ航空ってどうなの? という素朴な質問に答えられる日は近い(笑)。ジュネーブ通いは、確かこれで12回目になるのではなかろーか?
Posted at 2014/02/28 00:13:46 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2014年02月26日 イイね!

ランボで乱舞

ランボで乱舞昨日の話。前夜美味い飯とワインと楽しい会話で久しぶりに贅沢を味わったせいか、ギリギリまで寝ていようと思ったのに薄暗い内に目が覚めた。遠足運動会前の小学生でもなし……だが、この頃は一日一生が切実に感じられたりもする。三文の徳かと起き抜けて撮ったらまあ"幽玄"のである。

富良野のフラノ寶亭留(ホテル)はこの季節が最高かも。ラベンダーの季節も悪くないと思うが、白銀の世界に再び訪れてみたいと思った。あえて士別まで2時間のここを宿泊地に選んだランボルギーニジャパンの選択はまたひとつ引き出しを増やしてくれたという点で☆☆☆である。

8時にワゴンタクシーに分乗して出立すると、外気温はマイナス15度。札幌から出張の運転手さん曰く「北海道に住む者でもなかなか見ないダイヤモンドダスト!私もこれが2度目です」ですと。昨夜は放射冷却で冷え込んだようだ。快晴の中、キラキラ光る”埃”と霧氷に目を奪われるも、乗車したら眠くなってこんな写真しか撮れなかった。

たっぷり2時間以上かかって士別の交通科学研究所。リーフの冬道テストにやってきたのは2年前だったか。それ以来の雪の季節の北海道ということになる。かつては東京からはるばる自走で何度もやって来て腹一杯北の大地の冬道を楽しんだ。メルセデス190E(W201)を根室に読者にプレゼントしたのは1998年のことだったか。代替えのアルテッツァと行って、帰路は北海道のど真ん中を横断して旭川から札幌へ抜けた。その後S2000と今も手持ちのNHW20(プリウス)でも鷹栖まで陸路をスタッドレス履いて通った。

この頃は機会もめっきり減って寂しかったけれど、D誌O編集長が気を利かせてくれた。なんたってあーた、ランボルギーニ・アヴェンタドールLP700-4を氷雪のテストフィールドで堪能するなんて滅多にあることでは御座んせん。

まあ、首尾はどうだったか、つー話は仁義を通してdriverのご講読をお願いしたい。また、誌面には馴染まない飯時のランボルギーニジャパンのエジナルド・ベルトーリ代表のトリビア話はまぐまぐ!メルマガ『クルマの心』にてご一読願えるとありがたい。

しかし、間開けすぎたなあ。寄る年波もあるけれど、身体がランボと雪道に馴染むのに手間取りすぎた。昔のように頻繁に通えるようにstartoverしないと、一生の不覚となりかねない。気を付けよー。
Posted at 2014/02/26 22:05:32 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記
2014年02月25日 イイね!

幸せだなぁ~~

幸せだなぁ~~久しぶりの冬の北の大地にやって来た。ランボルギーニが”Winter Driving Experience in Hokkaido”なるイベントを催すという。ついては、シロートが行っても埒があかないのでアンタ行ってちょうだい。某誌編集長から直々のオファーである。

あと一月で還暦2歳(62)という老人?にとってはまたとない嬉しい話。さすがに衰えを実感する昨今だが、一方でまだまだ枯れないという思いが身体の芯にある。かつては190E/アルテッツァ、S2000にプリウス…と自前のクルマで冬季長征を敢行したこともある。北海道の冬道は所によっては痺れる難所もあるが、基本的には好物である。

昨夜の夕食の際、ランボルギーニジャパン代表のエジナルド・ベルトーリさんといろいろ懇談をする中で、日本のランボユーザーは中国ほどではないが比較的若い。欧州は年齢層が高く、ランボルギーニにとって最大市場のアメリカはその中間(壮年?)であるという。

元来スポーツカーは酸いも甘いも噛み分けた大人のクルマであり、よりはっきり言えば若さを保ちたいと願うヤングアットハートの乗り物だ。ランボのような高額ハイエンドスポーツは成功した元気な年寄りが乗るものと、欧州のあちこちの街で見かけるカッコイイ老人達を見てはかくありたいと思うことが多い。

絶景の日の出に目覚め、これからひと風呂浴びて士別のテストコースまで2時間掛けて向かいます。アヴェンタードールLP700-4クーペで氷雪路を堪能するという聞いただけでワクワクするような一日の始まりです。

Posted at 2014/02/25 06:49:25 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記
スペシャルブログ 自動車評論家&著名人の本音

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何シテル?   03/24 18:25
運転免許取得は1970年4月。レースデビューは1975年10月富士スピードウェイ。ジャーナリスト(フリーライター)専業は1978年9月から。クルマ歴は45年目、...
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2009年3月3、4日に行われた第79回ジュネーブショーの画像です。

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