
2022.7.16.土曜日 前回御案内の通り海上自衛隊舞鶴地方隊展示訓練が予定通り実施されました。
今回は行かれた方の詳報が入りましたので、落選し当日参加できなかった私からすこしでも行った気分を味わってもらいたいと思いUPします。
写真は舞監Twitterより転載させていただきました。
天気予報で心配していましたが、当日の舞鶴地方及び若狭湾の海域では晴れて暑くも無く時折曇り空で終了まで雨も降らず申し分の無い天候だったとのことです。
今回の参観募集人員は全体で約800名、その内一般募集は半分の約400名だったそうです。一般募集以外の400名の内訳は招待者です。近年の自衛隊人気で来艦希望者が非常に多く、招待者の厳選も厳格になってきており昔は自衛隊地方協力本部の知り合いに頼めば手に入った招待券が今は皆無。
将来の自衛隊幹部、曹、士希望者の高校、大学生を中心に厳選されるようです。
又地元府会議員、市会議員、国会議員、自衛隊OBの有力者が招待者となります。

当日配布物のパンフレットです。
これで参加艦艇とタイムスケジュールがわかりますね。(説明不要(^_^))
ほぼ舞鶴を母校とする艦艇ですが、輸送艦くにさきが呉から参加しています。
又潜水艦おやしお型が一隻参加。これは艦名秘匿していますので母港は横須賀か呉のどちらかから参加。
この中からP-1の飛行展示はなかったそうです。

出航前の風景1 (舞監Twitterより転載)
北吸岸壁では参観者に対し舞鶴音楽隊の演奏展示が実施されます。
何を演奏したのかは聞いておりませんが、例年ですと一般の歌謡曲など一般の方々に聞き慣れた楽曲が多いです。
演奏が厳かに始りますと最寄りの艦艇の甲板上の参観者の気持ちが落着いてきます。なんとも優雅な気分になります。
でもいよいよ艦が岸壁を離れるときは決まって行進曲「軍艦」!です。
パチンコ屋の「軍艦マーチ」ではありません。(^_^)
行進曲『軍艦』。 これが正式名称です。

出航前の風景2 (舞監Twitterより転載)
今回はアメリカ海軍から交換学生として、大尉と少尉の士官が2名ふゆづきに乗艦されました。中の2名が米海軍軍人。ふゆづきをバックに撮影。
ふゆづきの後ろ、あさぎりはまだ出港していません。

出港風景1 (舞監Twitterより転載)
先に輸送艦くにさきが出港していきます。
撮影場所はひゅうが飛行甲板上。ひゅうがには一般参観者が大勢乗られています。
対岸のジャパンマリンユナイテッドで入渠作業中は手前がイージス艦みょうこう
奥が護衛艦せんだいですね。

出港風景2 (舞監Twitterより転載)
あさぎり出港
出港作業で岸壁と繋いでいました「もやい綱」を解きます。
黄色いメガホンで岸壁に大声で指示しているのは甲板作業指揮官の少尉(三等海尉)。
すぐ横でヘッドセットを付けマイクとコードを持っている海曹が、艦橋の艦長と
作業指揮官との連絡係。
その横でスコープを覗き岸壁と距離を測距しているのが、次席指揮官の少尉(三等海尉)の新米幹部。
さーいよいよ出港するぞ! 緊迫した前甲板とそれを露天艦橋から観覧する一般参観者。もやい綱が解き放たれるとゆるりと艦が動くのが乗っていて分かります。プロペラ(スクリュー)がゆっくりと動き出します。

出港風景3 (舞監Twitterより転載)
ひゅうが出港
曳船2隻が艦首と艦尾からひゅうがに近づき左舷のもやい綱を引き、後進をかけひゅうがを岸壁から曳きます。
各艦の出港を警戒監視しているのが前の多用途支援艦ひうちです。
その奥に見えているのが、2021年4月7日除籍された護衛艦まつゆき。
艦番号が塗りつぶされて湾内にブイ係留されています。このあとは標的艦(今は実艦的というそうです)などで的となり最後のご奉公をすることになるのでしょう。舞鶴では2013年に護衛艦はまゆきがオレンジ色に区切られた塗装をし数字を入れて艦尾シースパローランチャーの艦首側にまさしく「まと」がペイントされた状態で北吸岸壁に長く係留していたのが想い出されます。

先ほどの交換学生です。 (舞監Twitterより転載)
いずれもふゆづき艦上です。上の写真に注目。こちら向き三人は右二人がアメリカ海軍軍人です。右が大尉で28~29歳位でしょうか。左胸の勲章の略綬が多いですね。それと帽子と肩章の金モールが潮焼けで少し黄土色になってきてます。
左の海自少尉(三等海尉)は任官後1年~2年(24歳~25歳?)でしょう、金モールが金ピカに光っていますね。(^_^)
さーいよいよ各艦が出港し舞鶴湾を出て訓練海域であります若狭湾沖に向かいます。各艦では乗艦者に対し行き帰りに暇を持て余さないようにいろいろと催しをしてくれます。飛行甲板のSH60Kヘリの案内、手旗信号の展示、舫いロープの結び方、艦内帽などの販売など。
説明係の士官も多数配置され各所で装備品の説明をしてくれます。

展示訓練開始 艦隊運動 (舞監Twitterより転載)
まっすぐ縦一列に並んで艦隊行動することを単縦陣と呼びます。
速度は原速(12㏏)。
これ、簡単に見えて結構難しいのです。自衛艦は基本的に戦闘艦ですので戦闘は第3戦速、第4戦速、いっぱいなどの速力を出します。第4戦速が30㏏。
この速度の時にきちっと一本棒で航行出来るような技術を海自は持っています。
外国の海軍はこのようには航行できないそうですね。
所定回頭点で先導艦のあさぎりを先頭に180度面舵(おもかじ)回頭をしていきます。あさぎりの航跡に続いて後続の各艦は同じ回頭点を進みます。
艦隊運動が終わり反航し、自衛艦の敬礼が始ります。

自衛艦の敬礼 (舞監Twitterより転載)
観閲艦ふゆづきから。先を行くのは観閲先導艦あさぎり。
反航する受閲艦艇群。手前からひゅうが、あたご、くにさき、ひうち、はやぶさ、うみたか、浮上航行するおやしお型潜水艦、海保だいせん。

自衛艦の敬礼 (舞監Twitterより転載)
手前受閲一番艦ひゅうがから観閲艦ふゆづき座乗観閲官下(しも)海将に対し敬礼。(海自の階級呼称では海将は中将相当、外国海軍ではVice Admiral)
ラッパの吹奏と共に挙手の礼です。海自の敬礼は海軍の時代から変わりません。
少し脇を締めて右腕の各部を45度にし、指先を軍帽の庇の先端に当てます。
陸自の敬礼は脇をもっと開きます。

自衛艦の敬礼 (舞監Twitterより転載)
観閲艦ふゆづき座乗下(しも)海将の答礼。(多分受閲二番艦あたごに対して)
舞鶴地方総監下海将は双眼鏡を垂れています。黄色の当て布とストラップの黄色は将官の階級を表しています。大佐(一等海佐)は赤、中佐(二等海佐)は赤と青2色。後方から見ても階級がわかるようになっています。(海軍時代と同じ)

飛行展示 (舞監Twitterより転載)
観閲官からP-3Cへ帽振れ。
後ろに控える大尉(一等海尉)は下総監の副官。
双眼鏡のストラップは尉官のグリーン。

LCAC 航行展示 (舞監Twitterより転載)

ミサイル艇うみたかの高速航行展示、IRデコイ発射展示(舞監Twitterより転載)

SH60Kからフレア発射展示 (舞監Twitterより転載)
これにて展示訓練が終了しました。1220
進路は舞鶴港へ向いていますので、ホームスピード(母港への帰路はスピードが上がること)で母港へ向かいます。
そろそろ舞鶴湾港近くまで帰ってきますと

入港用意! (舞監Twitterより転載)
舞鶴では博打岬を正横に見るころ「錨地まで5マイル」が令されたあと
ふゆづき艦橋から「入港用意」のラッパがマイクで艦内各部に響き渡り
続いてマイクにて「航海保安配置に付け」が令されます。
出港時と同様に水道通過時の安全の為、錨鎖甲板が参観者立入り禁止になり警戒作業員が配置につきます。
又、このラッパで参観者は一斉に舷門(艦から降りるところ)に殺到します。

あさぎり入港 (舞監Twitterより転載)
狭い東港を反時計回りに入ってきて、旧海軍工廠側から両舷前進最微速で取り舵に回頭し且つ左停止(左プロペラ)、右前進最微速赤10(最微速よりさらに回転数を落とす)でゆっくりと艦が左に回頭します。
入港作業をつぶさに見ていた私の先輩は「えらい手前から曳船で押していきよったで」とか、「昔の入り方やとぐいーっと左180度回頭して、岸壁と10m手前に横付けして、最後にちょこっと曳船に押してもろて、機械・舵よろし!やったでー。」などもろもろご意見を頂戴しました。(^_^)
軍艦の入港作業は客船と違いサイドスラスター(横向きのプロペラ)が付いていませんので昔から艦長の腕の見せ所なのです。腕のいい艦長(潮っけたっぷりといいます)は上記の先輩の言葉のように他艦より先に乗員が上陸していきます。
こうすると艦長は下士官・兵から絶大な人気になるのです。

ひゅうが入港 (舞監Twitterより転載)
大型艦ですので、湾内でのその場回頭も難しく桟橋のずーと手前から曳船にて着岸作業です。
飛行甲板上は多くの参観者が手すりに群がって作業を見守っています。
今回の展示訓練での参観者総数約800人ですが、参加した方からの感想ではそれほど混み合って無く余裕があったらしい。それは大型艦のひゅうがと飛行甲板が大きなしもきたの2隻がいたからでしょうね。
多分例年の展示訓練の募集定員からいくと今回は1/3程度に絞ったのではないでしょうか。コロナの影響で。
まあ~よく実施してくれましたよ、舞鶴総監部は!(^_^)
8年ぶりの展示訓練らしいです。よかったよかった。

下総監上陸。 (舞監Twitterより転載)
正面から挙手の礼。指の先までピンと伸びた気合いの入った綺麗な敬礼です。
どうです?脇が締まった海軍式でしょう?
海軍は狭い艦内で敬礼するので、必然こうなったんですね。
1500(ひとごーまるまる)前には上陸したそうです。
みなさまお疲れ様でした。次回は当たりますように!(^_^)